TSして承認欲求爆発しちゃった俺がガチ全能系クラスメイトに愛されて幸せになっちゃうまで 作:あるふぁせんとーり
「NoMAちゃんせんぱーい」
「何? 日本シリーズの話? あれはホークスが強すぎたのと相川が舐めてただけ、来年こそ優勝からの日本一よ。度会は歴史に名を刻むわ」
「早口……」
「駕籠野先輩、野球は宗教と同じくらいNGですよ」
「何よ、好きなことくらい語らせなさいな」
「現役で一番好きな選手は?」
「京田と度会」
「戦う顔だ……」
「じゃあ歴代は?」
「今永」
「……じゃなくて、話があるんですよ、NoMAちゃん先輩」
なんとか荒れかねない野球の話から話題をひっくり返し、わたしはスマートフォンに保存しておいた動画を見せた。
年末の完全身内ノリ版文化祭こと「忘年祭」のステージのためのバンド練習の映像。
わたしがキーボード、甘神ちゃんがドラム、七夕ちゃんがベース、そして黑谷ちゃんがギターボーカル。
ステージ部門は一組三曲までOKで、わたし達は「これなら教えられるかも」という黑谷ちゃんに合わせて椎名林檎や東京事変をチョイス。
見終わると、NoMAちゃん先輩は「いいじゃない」と明るく褒めてくれた。
「よかった〜、バンドって形で合わせるの初だったから誰かに見てほしくて〜」
「ええ、悪くないわよ。ま、あんたらもよく練習してるけど、それにしたってアメすごいわね……」
「そうなんですよ! すごいんです、わたしのアメ!」
「1話の白山くんに見せてあげたい」
「1話?」
「あ、そういえばNoMAちゃん先輩はなんかやるんですか?」
「あたしはお休みよ。いっつも見られる側なんだから、たまにはオーディエンスも楽しませてもらうわ。イツキにも予定空けさせたもの」
「わ、進歩してる……黑谷ちゃん、どう? 未来、どんな感じ?」
「変化無し。大学2年とか3年かな」
「あー……」
「何。何よその哀れみは」
「『誕生の時きたれり、其は全てを修めるもの』……」
「憐憫やめなさい。っていうかもうあたし勝ってるんだから」
「……」
「……は?」
口に出した黑谷ちゃんはめちゃくちゃ失礼だな、とは思いつつも気持ちは一致する。
あのNoMAちゃん先輩が勝つ?
将来的にはそうかもしれないけれど、少なくとも今はあり得ない。
どういうことだと顔を見合わせて首を傾げていると、彼女はドヤ顔で1枚の写真を見せてきた。
「……!? 氷室先輩との……」
「ツーショット……!? ……あ、例のガルバですか?」
「違うわよあたしの部屋! ……誕生日、祝ってくれたの」
「あ、そう言えばこの前でしたっけ。おめでとうございます!」
「おめでーす」
「ふふっ、いい気分ね、祝われるって。あんた達からでも充分嬉しいわ」
……なるほど。
じゃあ氷室先輩との二人きりでのお祝いなんてもっと嬉しかったに違いない。
まあそれでも手をつなぐところまでしか言ってないのは流石って感じだけど……
「まあこの時日シリ二連敗中ですけどね」
「禁句よ、絶対禁句」
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