TSして承認欲求爆発しちゃった俺がガチ全能系クラスメイトに愛されて幸せになっちゃうまで   作:あるふぁせんとーり

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実は氷室先輩すき


第19話「結局打ち上げで食べる焼肉が一番美味い」

「……せーのっ!!」

 

「「「「「かんぱーいっ!!」」」」」

 

 

 今日の晩ご飯はなんと阿須加先生の奢りで焼肉食べ放題。

 

 やはり持つべきものは独身で金が余ってる顧問の先生である。

 

 

「ほんとに奢りでいいんですか?会計、多分二万くらいしますけど……」

 

「いいのいいの。若者がそんなこと気にするんじゃありません。どうせパチ屋かアップルストアに消えちゃうお金なんだから」

 

「おや。先生も案外俗っぽい趣味をお持ちなのですね。私てっきり本にでもつぎ込んでいらっしゃるのかと」

 

「だって本は生活費だもの。でもこれは娯楽費。目的がぜんぜん違うんだから」

 

 

 そんなことを言いながら焼肉食べ放題のはずが初手でホタテを網に乗せる阿須加先生。

 

 黑谷ちゃんもサイドのラーメンを啜りながら「先生、どんな台打つんですか?」とそっち方向に話を広げようとする。

 

 

「私ミーハーなのよね〜。今日こそ新しいの開拓するぞ、って思って行っても結局エヴァとか座っちゃうし。あ、でもあれは打った〜、7500のやつ!」

 

「……ああ、あの。どうでした?」

 

「結構面白かったかな〜……あ、もちろん、早めに刺さらないと虚無だけど!」

 

「そりゃそうですよね。……どうにか打てないかな、エヴァ17」

 

「黑谷ちゃん?」

 

「新しいエヴァ?楽しかったわ〜、荒めにしたエヴァ15って感じかしら。やっぱり演出はエヴァだね〜」

 

「氷室先輩、これアルコール入ってます?」

 

「入ってないっす。アルコールの飲放入れてないんで」

 

「どうしてどいつもこいつもちょっとネジ外れてんだろ……」

 

 

 しかしそんなギャンカスの会話さえ除けば至って平和。

 

 こういう時にいがちな焼肉奉行もいないし、甘神ちゃんは焼くの上手いし、何より氷室先輩がめっちゃ食う。

 

 あの細い身体のどこに詰め込んでるんだってくらい食う。

 

 もはや彼の食欲を止めているのは肉の焼ける速度というどうしようもない障壁であり、その障壁すらカキフライやらたこ焼きやらでぶち抜かれてしまっているためもうその食欲は止まらない。

 

 まあでも高身長細身垂れ目まつ毛バシバシメス男子先輩がお腹いっぱい食べているのを見て幸せになる俺はいても不幸になる誰かはいないだろう。

 

 これ、ほんとに男だよな……?

 

 

「……氷室先輩、帰り銭湯とか行きません?」

 

「あ、自分は別に……んぐ、大丈夫ですけど……楽しい、すかね?結局別のお風呂だし……」

 

「あ、そっか……」

 

 

 モキュモキュと肉を頬張りながら当然の事実を述べる氷室先輩。

 

 そうだ、俺はどうやっても氷室先輩が雄であるということを観測できないのか。

 

 いや、一応無くはないけど……

 

 

「白山くん?NTR?」

 

「反応が早い」

 

「NTRは駄目だよ。私はもう君が好きって言って、こうやってずっと一緒にいるんだから。もうBSSじゃなくてNTRなんだよ?分かってる?私、最悪人類悪みたいになるから」

 

「……もしかして白山セイという人類を愛してるからで突破しようとしてる?」

 

「そうだけど」

 

 

 妄想のスケールがデカすぎるって言いたいけど、黑谷ちゃんの場合は……

 

 

「ほら。分かったら私の作ったドリンクバーのやつ飲んで」

 

「大丈夫?それほんとにドリンクバー100%?」

 

「何?「私の作ったやつ」だけど」

 

「ひむろく〜ん、いいひといたりしない〜?」

 

「阿須加先生。僭越ながら私、甘神アマミなどいかがでしょうか」

 

「ほんとにアルコール入れてないんすよね先生?」

 

 

 そして結局、二次会のカラオケまで終わったのは日が変わってからのことだった。




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