TSして承認欲求爆発しちゃった俺がガチ全能系クラスメイトに愛されて幸せになっちゃうまで 作:あるふぁせんとーり
「アメさぁ、あんた随分イラスト上手いのね」
「そうですか?甘神ちゃんの方が出来ますけど」
「否定はいたしません。マウントでもございません。ですがお褒めの言葉はありがたく頂戴いたします。ぶいぶい」
「まあ甘神ちゃんはガチの人ですからね〜、Vとかの依頼も受けてましたし」
放課後、図書研究部部室。
特にお仕事もないわたし達はPOPを描きつつびじゅチューンの一気見に勤しんでいた。
「そういうNoMAちゃん先輩もだいぶ上手くないですか?描き慣れてるっていうか、練習してる人のそれですよね」
「最近は多芸が求められてるのよ。Youtubeでゲームコラボみたいなのもあるし、絵だって描けるに越したことないんだから」
「真面目〜」
「人間真面目なのが一番よ、結局」
まあ氷室先輩真面目だもんなぁ、なんて考えつつ、私は目の前のテレビ画面に目を戻す。
「あ、三日月宗近のやつだ」
「あら。あたしこれ好きなのよね、オールスターって感じで」
「同意致します。最も、私のお気に入りは秘技の間でございますが」
「「秘儀の間」、漢字違うよ」
「また黑谷ちゃんが変なこと言ってる……あ、わたしはふっつ〜に「青い煙、走る」が好きなんですけど〜」
「安牌じゃないわよそれ。ドマイナーじゃない」
「うそ!?だってモネですよモネ!」
「作品ではなく名前に価値がつくブランディングの弊害でございますね。ところで、黑谷ちゃんのお気に入りは?」
「快楽の園」
「あ〜、わかる」
「特急三日月宗近」は「三日月宗近」、「ひそひそと、秘儀の間で」はイタリアの「秘儀荘」、「青い煙、走る」はモネの「サン=ラザール駅」、「地元が快楽の園」はヒエロニムスの「快楽の園」。
どれも「まあびじゅチューン知らなかったら知らなかったよなぁ」って感じのものばかりだけど、こうしてたまたまみんな見てたらやたらと盛り上がれる。
まあもともとわたしや黑谷ちゃんはこういうどうでもよさげな知識が好きだし、NoMAちゃん先輩も名門私立の現役女子高生ってことでクイズ番組とかで見ることも少なくない、甘神ちゃんはわたし達の同類ってことである意味必然だったのかも。
そんなこんなではたらく細胞のPOPを描きながら、わたし達はNHKの教育番組トークに花を咲かせていた。
「まずわくわくするのはシチュエーションよね。授業を潰して見るってのもそうだけど、何より最高なのは風邪やらインフルやらの出席停止で見ることじゃない?あの時間帯の昔話法廷、これが最高なのよ」
「あ、分かります分かります!わたしそれだったらさんすう刑事ゼロ大好きだったな〜」
「私歴史にドキリ、歴史にドキリを激推しいたします」
「それも好きだけど、やっぱり私は遅刻ギリギリになりながら見るデザインあが一番かな。土曜、あれ見るためだけに早起きしてた」
「あ、あれでしょ、ひらめきノージーとかムジカ・ピッコリーノとかが続くやつ!」
「あんた達、結構話分かるじゃない。……あ、そういえばこの図書館、DVDのラインナップに大科学実験なかった?」
「あ、ありますね。私、取ってきますか?」
「いいわ、今から見始めたら徹夜になっちゃう。今度合宿あるでしょ?そのタイミングの楽しみにしましょ。……ところで、デザインあで一番好きなコーナーは?」
「思ってたんとちがう!」
「赤い人とかがめっちゃ動いてるやつかな、私は」
「私「ない世界」、大好物でございます」
「あんた達100億点よ」
「オタクのチェンソーマン?」
「そうよね、デザインあ最高よね。あんなに面白い番組この世にあるのが奇跡だわ」
「あっ奇跡ぃ♡……で、駕籠野先輩は何が好きなんですか?」
「決まってるじゃない。……「解散!」よ」
その日はNoMAちゃん先輩の優勝で、幕を閉じた。