TSして承認欲求爆発しちゃった俺がガチ全能系クラスメイトに愛されて幸せになっちゃうまで   作:あるふぁせんとーり

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第36話「羽田(HANEDA) 〜空港遊ビ編〜」

 夏休み初日。

 

 もはやセミの鳴く声すら聞こえない猛暑の中、ベッドの上でゴロゴロしていると、唐突にスマホの着信が響いた。

 

 こんなの、出るまでもなく誰からか一瞬で分かる。

 

 

『白山くん起きてる?』

『起きてるよね?』

『おはよう白山くん』

 

『朝から元気だね黑谷ちゃん』

 

『まあね』

『それで相談なんだけど』

『遊び行かない?』

 

『遊び?どこに?』

 

『まあまだ決まってないんだけどさ』

 

『これマジ?』

 

 

◇◇◇

 

 

「って感じでどっか行かない?」

 

「そんな映画ドラえもんみたいな感じで始められても……」

 

「の割には準備万端だね」

 

「まあ夏って露出増えるじゃん?」

 

「増える」

 

「ってことは体格が強調されるじゃん?」

 

「される」

 

「で、自撮りを撮って上げるじゃん」

 

「撮って上げる」

 

「するとどうなる?」

 

「紳士が集まるね」

 

「するとさらに?」

 

「白山くんが満たされる」

 

「はい完璧。海行こ海」

 

「でも最近白山くんのおっぱい供給が需要に追いついてきちゃってるよ。希少性上げない?」

 

「……あ、それもそっか……じゃあ屋内。カラオケ行こ」

 

「カラオケは歌詞使用の管理が面倒なので……」

 

「また変なこと言ってる……じゃあそっちが決めてよ」

 

「了解。じゃあ目瞑って」

 

「え、目瞑るって」

 

「3、2、1、GO!!」

 

「星の夢?」

 

 

◇◇◇

 

 

「ということでやってきました」

 

「……あれ、ここって……」

 

「羽田空港だよ」

 

「え、飛行機乗るの?そんなお金持ってきてないけど……」

 

「違う違う。羽田で遊ぶんだよ。ほら来て」

 

 

 そう言ってわたしの手を取って歩き出す黑谷ちゃん。

 

 どこへ行くのかと思いきや、彼女はまっすぐに立体駐車場の方へ向かっていった。

 

 

「……え、遊ぶことある?そっち駐車場だよ?」

 

「あるある。ほら、千葉とか茨城とかのナンバープレートがどれだけあるか探して成田空港を裏切った不届き者を数えないと」

 

「マジで何やってんの黑谷ちゃん?」

 

「あ、ほら早速発見だよ」

 

「うわ、しかも成田そのものじゃん……いきなり見ると流石にテンション上がるな……」

 

「オス1先バレってやつだね。アズレン2最高」

 

「……打った?」

 

「打ってないよ」

 

「重桜」

 

「決戦BB70%」

 

「打った?」

 

「打ってない」

 

「エンタープライズ、エンゲージ!」

 

「ラッシュ濃厚」

 

「打った?」

 

「打ってない」

 

 

◇◇◇

 

 

「いや〜、だいぶ裏切り者だったね」

 

「不覚にも結構楽しんでしまった……で、次どこ行く?」

 

「私国際線の方でご飯食べたいんだよね。なんか美味しいおそばあるらしくて。白山くんもどう?私お金出すよ?」

 

「……じゃあ、お言葉に甘えて……」

 

「白山くんもだいぶ奢られ慣れてきたよね。いい調子いい調子」

 

「黑谷ちゃん言い方」

 

 

 ということでシャトルバスに乗って私と黑谷ちゃんは国際線ターミナルの方へ。

 

 それでも20分弱かかるという羽田空港の広さは流石日本の玄関口といったところ。

 

 そして離れた、わたし史上未到達の国際線ターミナルに足を踏み入れるなり、わたしはわたしが思っていた以上の歓声を上げていた。

 

 中には江戸の町並みを再現したレストラン街や茶屋が設けられ、繋がったショッピングセンターには日本各地のお土産がズラリ。

 

 良い意味で外人の想像する「ニッポン」てんこ盛りの空間が用意されていたのだ。

 

 

「ふぁ〜〜〜!!」

 

「おー、すご」

 

「あれ、黑谷ちゃんも初めてなの?海外とか、めっちゃ行ってそうなのに」

 

「そう?いっとくけど、私海外とかあんま好きじゃないよ」

 

「え〜、意外」

 

「だって言葉分かんないんだもん」

 

「ああ勉強不足だった」

 

 

 とまあそんなことはさておき、わたしと黑谷ちゃんはフラフラと国際線ターミナルを見て回る。

 

 伊藤園のお店でお茶を飲んだり、屋上から飛行機が飛んでくのを眺めたり、おもちゃ屋さんでスロットカー?なる謎のレースゲームを体験したり……

 

 そして飽きたら今度は隣のショッピングセンターへ。

 

 外人がよく着てる良くわからない感じのTシャツだとか、全国のじゃがりこだとか、あるいはびっくりするような値段の珍味屋さんだとか……特にご当地ご飯のお供、みたいなコーナーはわたしも父さんも白米大好きなタイプなのも相まってついつい財布の紐が緩んでしまう。

 

 このご当地お茶漬けのもとなんて父さんめっちゃ喜ぶだろうな〜。

 

 

「どう?買いたいの買えた?」

 

「うん!黑谷ちゃんはどう?」

 

「ま、私も成果的にはぼちぼちかな」

 

「……ぷっちょ20本、ハイチュウ35本……傍から見たら業者だね黒谷ちゃん」

 

「美味しいんだもん」

 

「一番お気に入りは?」

 

「東北さくらんぼ」

 

 

 そうして回ってると気づけば5時半、そろそろ晩ご飯食べようとなるわたし達。

 

 お目当てはもちろんさっき話してた一階のフードコートの美味しいお蕎麦屋さんである。

 

 他にも海鮮丼やラーメン、黑谷ちゃん垂涎モノのでっかいステーキなんかよりどりみどりだが、わたし達はひとまずお蕎麦の食券を買いに行った。

 

 

「……わ、海老天せいろの麺大盛りで3000円かぁ……」

 

「んじゃそれ2つね。私ワンポンドステーキもいっちゃお」

 

「黑谷ちゃん、ほんとよく食べるね……?」

 

「値段もカロリーも気にする必要ないんだから、我慢する必要とかある?あ、後でデザートも食べようね」

 

「黑谷ちゃん、魔法以前に実家が太すぎる……」

 

 

 そして軽く家族用らしきクレカで決済を終えた黑谷ちゃんは食券と引き換えにぱぱぱっと料理を回収していく。

 

 明らかに渡す前から出来上がってたからこれは流石に魔法使ってる感じだろう。

 

 こうして黑谷ちゃんの奢りで食べる高級お蕎麦は、値段に違わぬ輝きを放っていた。

 

 

「せーの」

 

「「いただきまーす!!」」

 

 

◇◇◇

 

 

「あ〜、美味しかったぁ〜♡」

 

「……お、白山くん、ちゃんとバズってるけどちゃんといつものコメントもついてるよ。パパ活疑ってるやつ」

 

「またぁ?いっつも来るんだよねほんと……」

 

 

 そう、相変わらずわたしのTwitterは連日盛況、顔面パワーとつよつよスタイルで連日楽勝の万バズなのだが、問題が一つ。

 

 それは黑谷ちゃんが美味しい高いお店ばっか連れてってくれるせいでパパ活を疑われているのである。

 

 ……待って、「求:承認、譲:美少女」って構造的にはパパ活となんら変わりな

 

 

「駄目だよ、白山くん。……っていうか、一緒に食べてるの私って投稿しちゃえばよくない?」

 

「……あ、確かに黑谷ちゃんとツーショットは上げたことあるけど一緒にご飯してるのは上げてないか……」

 

 

 ということでこの場でパシャ。

 

 からのポスト。

 

 これでよし。

 

 

「……で、白山くん。そんな白山くんに一個提案があってね」

 

「……悪い予感してきた」

 

「良い予感、って顔だけどね?……実はここ、温泉とホテルあってさ。白山くん、明日暇?」

 

「……暇、だけど」

 

「んじゃ決まり。ママに連絡しよ〜っと」

 

「あ、わたしも父さんに連絡しないと……」

 

 

『父さん父さん』

『今日黑谷ちゃんと泊まってくる』

 

『ああ、らしいね』

『母さんから聞いたよ』

『楽しんできて』

 

 

「っし、黑谷家おっけー。白山くんは?」

 

「あ、うん。わたしも大丈夫だよ」

 

「んじゃお風呂行こ。ここ、露天風呂から飛行機見えるらしいよ」

 

「あ、それはちょっといいかも……」

 

 

 ……母さん?




黑谷ちゃんはでっかいのがすきだしでっかいのが生えます
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