TSして承認欲求爆発しちゃった俺がガチ全能系クラスメイトに愛されて幸せになっちゃうまで   作:あるふぁせんとーり

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第52話「名探偵黑谷ちゃん」

「え、食堂に?」

 

 

 某日、黑谷ちゃんに誘われてとある客船の1日クルージングに参加していたわたし。

 

 適当に2人で遊び方も知らないビリヤードに興じていたところ、大パニックのスタッフがわたし達に声を掛けてきた。

 

 

「は、はい……!!わ、私もよくわかんないんですけど、取り敢えず、皆さん食堂に集まってるので……!!」

 

 

 そう言ってわたし達の手を引く若いスタッフさん。

 

 わたしも黑谷ちゃんも困惑まみれの表情をしながら、大人しく彼女の後をついていく。

 

 その最中、船の動きが完全に止まっていることに気がついた。

 

 

「その子達で最後?ふんっ、その年でクルージングとはいいご身分ですわね」

 

「まあいいじゃないか。今はそんなことを言っている場合じゃないんだろう?」

 

「てかこれ冗談じゃないの?ウチ本当に帰れんだよね?船止まっちゃったし、丁度通信障害とかでスマホも使えないし……」

 

「やれやれ、事件だかなんだか知らないが明日の商談には間に合うんだろうな」

 

「おい、どうなってるんだガキ!!こんなこと30年船旅してて初めてだぞ!!」

 

 

 食堂に集められた、10人もいないお客さんと、それと同じくらいのスタッフ。

 

 お客さんが全員集まってるのを確認すると、ベテランの船長……じゃない方。

 

 新進気鋭といった風貌の副船長の人が、まるで焦りを押さえたような、なんとも言い難い表情で口にした。

 

 

「……船長が、死にました」

 

「……は?」

 

「……え?」

 

 

 立ち込める困惑の声。

 

 わたしはこうなる前、中学1年か2年くらいに読んだミステリーを思い出した。

 

 「クローズドサークル」、と呼ばれるミステリーの一ジャンル。

 

 止まった船に繋がらないスマホ、集められた乗客と今はまさにそんな感じ。

 

 誰が船長を殺した、誰が船を止めた。

 

 こんな冷静に考えられてるのは、多分わたしの頭がこれを夢物語だと誤認してるからなんだろう。

 

 実際、手とか震えっぱなしだし。

 

 

「どんな感じで死んでたの?」

 

 

 そんな私を置いといて、黑谷ちゃんは無遠慮に切り込んでいく。

 

 副船長の彼はうろたえながらもそれに答えてくれた。

 

 

「船長室に倒れてたんだ。内側からカギが掛けられてたから、密室だったと思う」

 

「多分それ密室じゃないよ。本棚の奥と天井の方で二つ隠し通路あるから」

 

「どうして君にはそんなことが……?」

 

「ん〜、超能力(チカラ)?ほら、あなたの誕生日って12月4日だったりしない?」

 

「せ、正解だ……」

 

「なら……か、確認してくる……!!」

 

「あと犯人っぽいおばさんが控室とかで休んでたりしない?」

 

「し、シェフの宮川さんか……!?でもあの人はずっと監視カメラに映ってる!!だってキッチンにいたんだぞ!?」

 

「その人双子。これ証拠のTwitterね」

 

「!?」

 

「……そうよ!!私があの人を殺したの!!」

 

「……あれ誰?黑谷ちゃん」

 

「今言ってた犯人」

 

「ま、待て!!でも船長には外傷とかは一切なかったんだぞ!!」

 

「そんなの残すわけないじゃない……!!私の開発したこの超電磁ウルトラ痕跡ゼロ人間ぶっ殺し銃があれば自然死に見せかけてどんな人間も殺せるのよ!!」

 

「な、なんだその兵器は!?」

 

「太疯狂了!!」

 

「誰今の」

 

「中国人」

 

「っ……にしてもいい推理ね、美少女探偵さん」

 

「褒めても何も出ないけどね」

 

「あなた……いつから私の犯行に気づいてたのかしら」

 

「気づいてないよ。直感直感。ついでに船止めたのも私。船酔い、酷かったんだよね」

 

「ああ共犯者までやってる……」

 

「……あ、あと最後に一つだけ」

 

 

 黑谷ちゃんは、笑いながら言った。

 

 

「船長、死んでないよ?」

 

 

 こうして見事カスみたいな方法で事件を解決し、十戒を全部破りながら、黑谷ちゃんは食堂に並んだデザートを独占し始めた。




全く関係ない白山くんのママのヒミツ:大学生の頃から全く年を取っていないという噂がある
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