機動戦士Ζガンダム異伝 エグザベ・オリベ戦記   作:1スレ130番より愛を込めて

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シャヴィは、俺の兄弟のようなもんだ。わかるだろ?家は隣だし、毎日一緒に居た。

あいつは知りたがりだ。俺達がガキの頃は「なんで?なんで?」を繰り返してた。

全部に答えてやったよ。俺もそれが楽しかった。



ハイスクールで、気の合う馬鹿どもとつるむようになっても変わらない。

シャヴィは俺の兄弟だ。

だから、背中を押したんだ。

俺の兄弟を死なせないために。



這いつくばって、頭を垂れて、俺に感謝して見せろ。



鎮魂/魂振

 

 

 

泣き声が聞こえる。

泣いている子供の声が、聞こえる。

カミーユ・ビダンが泣いている。

 

僕の思考の中に居る赤い巨人の叫び声も悲鳴も、カミーユ・ビダンの泣く声にかき消されていた。

 

カミーユ・ビダンの悲しむ声だけが聞こえる。

 

「カミーユ……カミーユ・ビダンが泣いている。」

 

なんで、カミーユ・ビダンが泣いているんだろう?

わからない。なんでだ?

 

だって、いつかは、いつでも会えるじゃないか。アムロ大尉から聞いてないのかな?

 

いつかは、いつだって会えるようになる。

 

会いに来たのか、会えただけなのか、分からなくていいくらいに会えるようになる。

いつか、宇宙に寿命が来る頃には、そうなることができる。

誰とでも、どんな人とでも、どんな生物とでも。時も場所も関係なくそうなる。

 

宇宙だ。

 

僕らの身体は、肉体は、いや、思考も生命も惑星も恒星も、宇宙にあるもの全ては、宇宙にあるもので作られていて、やがて宇宙の寿命と一緒に還るんだから。

最後の最期には、みんな同じものになる。生物も、生物でないものも同じになる。

 

宇宙に目印が必要なくなる時が来る。

宇宙に彼岸が来る。

泣く必要はどこにもない。悲しい、と思う必要もない。

 

宇宙が向かう先に、皆がいる。皆がいた。

カミュもあいつらもいた。

きっと、両親も、祖父母たちも、クラスメイトの奴らも、先生たちも、教授たちも、すれ違った人々も、皆といつか、いつか宇宙の彼岸には会えるようになるんだから。

 

『シャヴィ。俺はどっちだと思う?』

 

後ろから、声を掛けられた。カミュだ。

笑いを噛み殺してるような声で僕に話しかけてくる。

 

「カミュは、ずっと僕と一緒に居てくれてたんだろ。僕に会いに来てくれていた。ずっと気づかなくて悪かった。ごめんな。あいつらも一緒に居てくれていたのなら言ってくれれば良かったのに。」

 

答えて気づく。

 

ああ、そうか。会いに来たのと、会えたのは違うことだった。同じにしてはいけないことだった。

 

「僕は、そんなことも分からなくなって…」

 

これが、宇宙に溶けるということか。

僕は今、宇宙に溶けているのか。だから、意志が、思考がずれていっている。歪んでいっているのか。水に溶ける氷が生み出す水面の歪みのように、僕自身が溶けて歪んでズレを生み出して言っている。人間が分からなくなってきている。

宇宙と僕が混ざっていっている。そうだ、僕も宇宙にあるもので出来ていた。

僕は当たり前に『特別』じゃなかった。何も『特別』じゃなかった。

だから、宇宙と混ざり合う。溶けあうのか。僕が宇宙に、宇宙が僕に。死を迎える全てのように。

 

僕の彼岸だ。やがて来る確約された宇宙の彼岸の1つ。宇宙の欠片である僕の彼岸だ。

 

カミーユの泣き声が、カミュの問いがそれを気づかせてくれた。

 

これでは、僕程度では、赤い巨人を抱えたまま宇宙の彼方に辿り着く前に溶け切ってしまうかもしれない。

 

目的も果たせず、虚しく宇宙に溶けて、何にもなれないまま消えていくのが僕か。力尽きて宇宙に溶けるのが僕か。エグザべ・オリベか。

 

だから、カミーユ・ビダンが泣いている。あの時みたいに、泣いている。

もう、寄り添ってあげることも、寄り添ってくれることも、ない、から。

会いに行けないから。

 

「会いたい。もし許されるのなら、僕が宇宙に溶け切る前に、会いたいと会えたの違いが分からなくなる前に、皆に会いたい。カミュにもあいつらにも。カミーユにもファさんにも。パプテマス・シロッコにもヤザン大尉にも。ハマーンにもアムロ大尉にも。ゲーツ大尉にもヌー曹長にも。ブライト艦長。マリア、エリフ、カルティク、カント、イマニュエル…会いたい人が、たくさんいる。」

 

許されるのなら、宇宙に溶けたくはない。

許されるのなら、帰りたい。

許されるのなら、人として生きていたかった。

許されるのなら、カミーユとファさんに会いたい。ただいまって言いたかった。

人と、大切な人たちと支え合って、笑い合って生きていたかったな。

 

でも、仕方ない。

赤い巨人ももう、僕の思考の中にある。残留思念集合体と彼だけじゃない。木星の中心部に、木星の重力の底に沈んでいたロボットも、もう僕と共にある。

僕と一緒に宇宙の彼方に連れて行かなければ、人類を、生命体を因果地平の彼方へ連れていかれてしまう。僕がやらなければ。

せめて、僕だけでも、彼らと一緒に行ってあげなければ。

 

そうでなければ、彼らは虚しすぎる。

 

だけど、

 

「会いたい。…会いたい。会いたい。」

 

会いたい。

 

泣いているカミーユ・ビダンの声と、僕の声が重なった。

 

 

 

気づけば、視界が歪んでいた。自分の、肉体の視界になっていた。涙が眼に溜まっていたから、ヘルメットの中に涙が浮かんでいたから視界が歪んだのか。

コクピットの中、赤いアラームが点滅しているのだけが分かる。

 

『あーあ。カミーユ・ビダンの方が早かったか。残念だ。あとちょっと、だったのにな、シャヴィ。チェックメイト、だ。』

 

僕の思考の中にあった赤い巨人を、カミュが奪った。止めることもできない。

 

だって、宇宙に、目の前にカミュがいる。

 

また、負けたのか。僕は、またお前に負けた。

ずっとお前に負け続けていたのか。僕のチェス盤の向こう側に座っていたのは、カミュ、ずっとお前だったのか。

 

カミュはあの頃みたいにニヤニヤ笑って、僕を見ながら右手で握った赤い巨人を飲み込んだ。

嚙み砕いて、飲み込んだ。

ありえない。だって、赤い巨人は僕のギャン改-Ⅱの何倍も、何十倍も大きいのに。

 

でも、それを飲み込むカミュは美しかった。

赤い巨人を食べたカミュは美しかった。

 

ああ、そうだよ。僕は、ずっとお前に惹かれていたんだ。

 

ずっと。

 

ずっと。

 

 

 

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どこにでも、エグザべさんがいる。いるのなら、僕の声は聞こえるはずだ。

僕がエグザべさんの中に居るの同じことなんだから。

お腹がすいたときにお腹が鳴るのと一緒のはずだ。中の音が聞こえるように、人間の身体はできているんだから。

 

「会いたい。会いたいんですよ。聞こえているんでしょう!エグザべさん!あなたって人は!何やってるんです!僕が会いたいって言ってるんですよ!それなのに!何やってるんです!!」

 

きっと、祈るってこういう事だ。

僕の声、僕の願い、どうかどうか聞こえてくれ。エグザべさんに、いや、エグザべさんに届くのであれば、もう誰に届いてもいい。宇宙全体に届いてもいい。

宇宙に響き渡ってもいい。

 

どうか、どうか、僕の願い、僕の声を聞いてくれ!誰でもいい!なんだっていい!!エグザべさんに届けてくれ!

 

「僕の名前、呼んでほしいんです。僕とファを抱きしめて、ただいまって言ってくれなきゃダメでしょう!僕は、おかえりなさいってエグザベさんに言いたいんです!あの時、行ってきます、を言ってくれなかったから、僕は!僕とファは傷ついたんですよ!悲しかった!僕たちに酷いことして!謝ってくださいよ!!僕とファに、心から謝ってくれなきゃ、許しませんから!生きて帰ってきて、謝ってくださいよ!エグザべさんに、生きて、帰ってきてほしい!会いたい!一緒にご飯だって食べたい!泥水みたいなコーヒーでもいい!全然気にしない!チョコで歯が解けてもいい!一緒に過ごせるなら!何でもいい!一緒に過ごせるなら!チェスだって、勉強だって教えてほしいし、マシューの勉強も見てあげてほしいし!いや、やっぱり羨ましいから僕とファだけに勉強教えてほしい!エグザべさんとファと一緒なら勉強だって楽しい!」

 

後ろからマシューが僕の頭を叩いたのも気にならない!

 

「エグザべさんは仕事ばっかで、僕たちに好きなものだって、まだ教えてくれてない!音楽だって、本だって、食べ物だって!好きなMSしか教えてくれなかった!僕とファが好きなものは知ってるくせに!自分だけ!ずるいでしょ!卑怯だ!早く帰ってきて教えてくれないのなら、ヌー曹長にでも調べてもらいます!調べて言いふらしてやる!!誰にでも言ってやる!パプテマス・シロッコ少佐にも言ってやる!すぐに帰ってこなかったら!エグザべさんが大慌てするくらいにたくさんの人に言って回るんだからな!いい加減な嘘だって言って回ってもいい!会いたいって僕が言ってるのに!返事くらいしてくれていいでしょう!会いたいんですよ!僕は!何度だって、何度だって言ってやる!僕は!エグザべさんに!会いたい!!」

 

会いたい。

 

エグザべさんの声が、僕の声に重なった。僕と同じ気持ちでいてくれている?声が重なるってそういうことだ。

 

ああ、宇宙のどこかに、エグザべさんが生きていてくれている。それは分かる。エグザべさんが答えてくれたから、分かった。

だけど、どこかってどこだ?どこにでもいるエグザべさんが、今本当にいる場所がどこか分からない!

 

宇宙に目印が無さ過ぎる!それなのに宇宙のどこかに居るんだ、この広い宇宙の。

 

早くしないと、どこかへ行ってしまう!エグザべさんが!

引き寄せないと!どこかへ行ってしまうんだ!

僕の声だって、地球だって太陽だって分からなくなるくらい遠いどこかへ。僕だって追いつけないくらい遠いどこか。

彼岸へ。

行ってしまう!

 

ハマーンさんの思考が僕を宥めてくれている。ゲーツ大尉が落ち着かせてくれている。アムロ大尉が力を貸してくれている。

ファが、マイネが、セーラが、マシューが、サラが、シドレが僕を応援してくれている。支えて助けてくれている。

 

それが分かるだろう!カミーユ・ビダンなんだから!

 

そうだ!落ち着け、僕の名前はカミーユなんだ!カミーユは、エグザべさんと僕を引き合わせてくれた名前だ。

もう一度、いや、何度だって引き合わせることができるはずの名前が、カミーユだろう!

 

引き合う力は、引力だ。

地球も、月も、コロニーも互いに引き合っている。引き合っているから、宇宙で孤独に、迷子にならないんだ。

 

「引力が、地球に生命を生み出したのなら。」

 

引力だって、素晴らしいだけじゃない。良い面だけじゃない。だって、星と星がぶつかるのは、砕けあうのは引力があるからだ。ジェリドを、カクリコンを、ライラさんを思い出した。

僕がカミーユだったから出会い、砕いてしまった彼らの生命を。

 

宇宙に消えていった命。もう、取り戻せない命。できるのならば、どこかの神様みたいになんでもできるのならば、取り戻したい命。それを、思った。

 

ママ、父さん。

 

それでも、宇宙に煌めくガラスは、あの光は、ガンダムMK-Ⅱは、僕を導いて守ってくれていた。僕の命を、母さんと父さんが遺してくれたものが守ってくれていた。僕は砕いてしまったのに、導いてもくれていた。

 

母さん!父さん!ごめん、ごめんなさい!本当に、あんなことになるだなんて思っても無かったんだ。考えても無かった。ただ、恥をかけばいい、馬鹿にされてティターンズなんて追い出されて来ればいい、くらいにしか思ってなかった。

母さんと父さんがティターンズを辞めてくれれば、また家族に戻れるって思ってた。僕を振り向いてくれるって思ってた。僕が強引過ぎたんだ。

2人の気を惹こうとしすぎて、何の考えもなしに、強引にアーガマにまで乗ってしまった。戦場にまで行ってしまった。

もっと、もっと別の気の惹き方を考えるべきだった。声をあげるべきだったんだ。

 

母さんと父さんの命を、ジェリドもカクリコンもライラさんの命も砕かなくて済む方法が、きっとあった。宇宙は広いから、きっと。

 

「引力が、生命を砕きあわせるのだとしても。」

 

宇宙は広い。広すぎる。

 

原初の宇宙には目印になるものがなかった。ダークマターが広がるだけで、何もない場所だったそこに、引力が生まれた。

 

引かれ合う力が、引力が宇宙を生んで、銀河を生んで、太陽系を生んで、地球を生んで、生命を生んだのならば!

 

「人間だって、引き合うのが、引かれあうのが当たり前なんだ!」

 

だって、僕らは宇宙で生まれて、宇宙で生きていくんだから。宇宙のように、僕らも出来ているはずだ。生命は、人間は惹かれ合うようにできているんだ。

 

例え、どんなに宇宙が広くたって惹かれ合う人間のすることだ。エグザベさんは人間なんだから!人間がすることをする。人間が分かることを分かる。

人間の……。

そうだ。遠い、遠いどこかへ行くつもりのエグザべさんからは地球が分かるはず。僕がいる月のグラナダが分かるはずだ!

だって、分かる。地球の引力から離れようとしてるエグザべさんなら、地球を目印に進むはずだから。宇宙に居る人間には目印が必要だから!

 

「引力が、引き合う力が、惹かれ合う力が、宇宙には必要なんだ。広がっていくだけの宇宙で、引力がなかったら何も生まれなかった!エグザべさんと僕が出会えなかったら、僕は死んでいた。ファだってどうなっていたか!みんな、皆が、ただバラバラになって、孤独に宇宙を彷徨って冷たく消えてしまっていた。エグザべさんだってそうだ!エグザべさんだって、僕と会えて嬉しかったって知ってるんだ!僕にだけ教えてくれたこと、秘密だよって言ってくれたことあるから!僕にだけ、託してくれたものが沢山、あるんだから!僕も!エグザベさんにしか話してないことが沢山、あるんだから!僕とエグザベさんは引き合ってた!だったら、これから先も!何度だって引き合える!!だって!宇宙に引力はあるんだ!!」

 

サイコミュシステムの中でそう叫んだのは意地だった。

なけなしの意地だけで僕はそう叫んだ。引き寄せるために、そう、叫んだ。

僕の声!!宇宙の目印になれ!呼び寄せろ!エグザベさんを振り向かせろ!

エグザベさんの気を惹け!!引き寄せろ!!

 

サイコミュはニュータイプの感応波を読み取って機械を操作するための、人間の作りだした道具だ。読み取るということは発信されたモノを受信するということ。

 

だったら、僕の想いを、エグザべさんに送って、エグザべさんの想いを僕に受け取らせることだってできるんだ。

 

さっきだって、会いたいって、エグザべさんの声と僕の声が重なった。

 

「帰ってきてくださいよ!生きて!帰ってきて欲しいんです!何度だって言いますよ!僕は、家族に、生きて帰ってきてほしいんだ!エグザべさんに、僕とファのところに!!帰ってきてください!エグザべさん!人は、温かいでしょう!引き合う力が!熱を、温かさを生むんですよ!引力が宇宙を生まれさせたんだ!熱を生み出したんだ!温かいということは生きているってことでしょう!!温め合うことができることは、生きてなきゃできないんだ!生きていなければ、温かいことも分からなくなってしまう!帰ってきてください!生きて帰ってきて!僕らを抱きしめてくれないと、ずっともっと冷たくなってしまう!冷たくなったことさえ分からなくなるのは!怖い、怖いことなんですよ!温かくないことが怖いから、人は惹かれ合う!集まるし、支え合うんです!愛し合うんでしょう!家族を作るんでしょう!宇宙の孤独は冷たくて寂しくて寒くて、人には耐えられないくらいに虚しい。自分の虚しさを盾に、他人に冷たくもなってしまう。そうやって、冷たくなっていた僕を温めてくれたのがエグザべさんなんだから!エグザベさんに温められた僕だって同じことができるんだ!人間には温かさが必要なんだって!わかるでしょう!知ってるんでしょう!だから、会いたい!会いたいんですよ!」

 

会いたい。

 

エグザべさんの声が返ってくる。

そうだ。返ってくるということは、僕の声に応えてくれたということはエグザべさんのいる場所が分かるということだ。声を出してくれた場所、そこに居るんだ!

僕はそういうことに気づくのが遅い!本当に、もう!

 

サイコミュはエグザべさんの声を読み取った。読み取って僕にエグザべさんの居場所を教えてくれていた。繋げてくれていた。

 

繋がる。引力だ。引き合う力だ。

 

僕の思考が走って、肉体の僕を置いてエグザべさんのところに。

 

怖くない。僕を支えてくれている友人たちがいる。ファもマイネもマシューもセーラも。精神だけの僕に温かさを伝えてくれている。だって一緒に居てくれるから。

 

1人でないなら、孤独じゃないなら宇宙は冷たくない。

 

ハマーンさんもゲーツ大尉もアムロ大尉も、僕の名前を呼んでくれている。

僕とエグザべさんを呼んでくれている。

そう、そこに、グラナダに居て呼んでくれている。僕が帰る場所を示してくれている。

 

そうだ。呼びに行けばいいんだ。

簡単なことだった。遠くにいるのなら、会いに行って呼んでくれば良い。

だって、人間はいつの時代も、会いたいときは会いに行っていた。声をかけていた。どんなに労力を使っても、そうしていた。

会いに行ける!だって、僕たちは生きてるんだから!

 

ニュータイプの力。人間が宇宙に出て得た、新しい力。そう、言われているけれど、本当にそうだろうか?

 

今、僕は思考を走らせて、宇宙を駆けている。エグザベさんに会いに行っている。呼び戻しに行っている。

 

便利なんだ。便利ではあるんだ。

便利で、怠惰な僕にはピッタリの力だ。人との関係を築くのを怠けたい人間にとって魅力的な力だ。楽して、時間をかけずに他人と分かり合えるなんて魅力的すぎて便利になりすぎて、僕自身が人間でなくなってしまう。人間の価値観や視点を失ってしまう。

人と支え合うことを、人の当たり前の営みを軽視してしまえさえする。

 

分かり合えない人間を、自分には分からないものを軽蔑さえしてしまえさえする。

 

会いに行くって、会いに来てくれるって、本当は嬉しいことなのに。それを忘れてしまえさえする。

 

その行きつく果てはニュータイプ幻想だ。

 

ニュータイプだけの世界だ。ニュータイプの中だけで、思考だけで世界が完結してしまえると勘違いした世界だ。内向的だ。だって、ニュータイプの感覚だけで出来上がって完結してしまえば、どんなに頑張っても狭くて息苦しい世界しか作れない。だって、宇宙は広いのに人間にそれは実感できない。人間だけで宇宙はできてないことを実感できない。それができるほど、人間は便利じゃない。

 

ニュータイプは幻想だ。

幻想だと分かる。

世界はニュータイプだけで出来ていないのを、僕は教えてもらった。

 

目の前にブラックホールが見える。

 

変な話だけど、僕はエグザべさんが抱えている、エグザべさんの思考の中にあるソレがブラックホールだと思った。

たくさんの人の心が重なりすぎて、それが重く固まって、塊になって…何もかもが吸い込まれていく。今も、何かが赤く光りながら吸い込まれて行こうとしている。

 

なんだか、見たことがあるような光だ…吸い込まれながらも僕に近づこうとする、あの赤い光、どこかで見たような…

 

「ファとカミーユには、近づかせない!!争いを呼ぶ邪気!消えろ!!」

 

赤い光に向かって、シドレの鋭い怒声が飛んだ。シドレの声で赤い光が弾かれた?!

 

「パプティマス様の敵!!邪魔をするな!!」

 

サラの声も僕とファを守ってくれている。

僕とファを?そうか、ファはずっと僕と一緒に居てくれている。僕を包み込むようにしてくれている。

ファもここに、僕と一緒にいてエグザべさんを呼びにきてくれている。

 

皆、一緒に居てくれている。だから、宇宙は寒くないし、怖くない。

 

「ハマーン様に代わり、この邪悪、成敗する!!」

 

「アクシズの!父の!姉の!私の恨み!!」

 

マシューとセーラの怒りが、赤い何かを更にエグザべさんから遠ざけてくれた。

 

「お父様をよびもどすのでしょう!カミーユ!」

 

マイネも僕を守ってくれていた。

 

そうだ。僕は、

 

「エグザべさん!!」

 

ファと一緒にエグザべさんに抱き着いた。2人で、ぎゅうぎゅうにしてやる!

 

エグザべさんの思考の中のブラックホールは、いつの間にかどこかへ消えていたから、怖くはなかった。

 

 

 

 

 

 




カミーユとエグザべと、赤い巨人と /カミーユの産声 編

前書きで本文のエモを木っ端みじんにしていくスタイル!!フゥー→↑!!

チェス盤の向こう側にはルウムのカミーユが座っていた。ずっと。
こいつは性格が悪い。凄く悪い。驚くほど悪い。……なんでだ?




ルウム組簡易設定

カミーユ 言わずもがな。母子家庭だけど、母親とは喧嘩友達みたいな距離感してる。エグザベの両親のことも自分の親みたいに思ってるんで、父の日母の日は4人分用意するとかいうイイ子ちゃんみたいな事して自分で自分に反吐が出る思いをしてた。テトロドトキシンで死ぬフグみたいなやつ…コーヒー1

○○   チェスの時、エグザべの後ろで頭叩いたり髪グシャグシャして邪魔してたやつ。性格が悪い。単純に喧嘩に強い。オリベと呼ぶ。ジンジャーエール

●●   チェスの時、エグザべの右で煽ってたやつ。性格が悪い。煽り癖がある。3股して3日ほど廊下で授業うけた。ゲラ笑いが五月蠅いと他クラスから苦情が来たので教室にハウスさせられた。エグザベの事をザビエルって呼ぶ。紙パックレモンティー

△△   チェスの時、エグザべの左で教本見てたやつ。性格悪い。人づきあいも下手。ルウムのカミーユの次に頭がいいし、自分がカミーユの右腕だと自他ともに思ってる。自分以外、全員エグザべ含めて性格悪いって思ってる。コーヒー2

▲▲   チェスの時、一緒帰ろうって言ってきた奴。性格悪い。見回りの担当が嫌いな先生だから、内申点のために来た。どうせエグザべの負けって面と向かって言った。コーヒー砂糖ミルク付き

◇◇   チェスの時、合コンで宿題写し頼んできた。エグザべから、16回も宿題写しをもぎ取ったのもコイツだけ。1か月年下だから。性格悪いとかではなく、性根がヤンキー。仲間の為なら善行も悪行もする系ヤンキー。大人に頭は下げたくない精神。コーラ





余談

俺のSSのカミーユ・ビダンも大概、自分勝手なところあるし、わがままだけど。。まあ、エグザべは年下と子供に甘いから。まだ、カミーユも17歳だしね。大丈夫、元気に生きていけますよ。

特攻隊長シドレに出遅れるマシュー…まあ、仕方ない。サラとシドレだし。間接的にパプテマス・シロッコとエグザべ・オリベの生徒になるんだろうし…MSパイロット志望してると、そのうちヤザンの生徒にもなるな…今のままだと…つよ…こわ…こわ…

子供組のなかだと、ファがリーダーでシドレが特攻隊長。マシューは一拍遅れる感じだな。常識と理性がストップかけてくるから。

赤方偏移っていうて、ブラックホールに吸い込まれる光る物体は赤く見えるらしいです。へえ…赤く…赤。なるほど!!良し!分かった!パーソナルカラーもロボカラーもちょうどいいのがソコにいるな!
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