機動戦士Ζガンダム異伝 エグザベ・オリベ戦記   作:1スレ130番より愛を込めて

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声が聞こえる。

カミーユが、カミーユ・ビダンが、ファさんが、僕の名前を呼んでいる。

真っ暗だ。

上下も左右も前後も真っ暗だ。

でも、声が聞こえる。

そうだ、僕は2人の所に帰ってこれたから安心しちゃったのか。

まったく本当に僕ってやつは…エグザベ・オリベは相変わらずの大馬鹿野郎だな…




『番外編』狐落とし

 

 

その後、目を覚ました時には、ちょっと血の気が引いた。泣いていたカミーユと目が合ったからだ。

ベットで寝ていた僕を覗き込んでいた。

 

「エグザベさん?エグザベさん!先生、呼びますから!起きててくださいよ!」

 

その言葉で、ここが病室だとわかって、息苦しさの原因が酸素マスクだと分かった。僕は大馬鹿野郎だな、本当に。2人にも迷惑をかけて、泣くほど心配までさせて。

 

「起きてて!エグザベさん、寝たら…目を開けててください!」

 

カミーユが握ってくれた右手が温かくて、こんな時なのに何だか目頭が熱くなった。良かった。本当に、良かった。

 

カミーユが、カミーユ・ビダンが生きててくれている。

 

「カミーユ、先生すぐに来てくれるから!」

 

ファさんの声もする。多分部屋の入口辺りに居るんだろうな。僕からは見えなかった。良かった、ファさんもカミーユも。2人とも生きててくれていた。

本当に、良かった。

 

ここが病院で、医者が居てくれるのなら、2人が僕に寄り添っててくれていたのなら、間違いない。安全な後方だ。

平穏がある場所に、子供たちを戻せた。

 

僕が、笑ったのは、それが分かったからだった。

酸素マスクしてると、笑いづらいんだな。人生って初めて知ることばかりだ。知らないことで溢れている。

なんだか、全身が痛くて、僕は笑いながら泣いていた。

 

 

 

まあ、その後、普通に僕は、医者にもカミーユにもファさんにも怒られた。

 

2日も昏睡状態だったらしい。今の担当医がドゴス・ギアの医療班から引き継いだカルテによると、僕はグラナダの港に到着した時点で歩ける状態じゃなかったそうだ。そんなこと言われても…歩けたし。

まあ、カミーユとファさんに「おかえり」を言われた後の記憶はないから、医者の言う通りだったんだろう。何で歩けてたんだか?

 

 

それから、僕の容体が安定するまで2日もかかった。カミーユは泣いてるし、ファさんも辛そうだし、早く何とかしなければと思ってはいても、それだけで怪我をどうにかできるほど僕は便利にはなれはしない。当たり前に人間だった。

 

人間だから、面会が許可された後、僕に会いに来てくれる人たちには頭を下げるしかできなかった。

 

僕がグラナダ港で倒れた後、アムロ大尉とゲーツ大尉が救命措置を取ってくれたことを知って、お見舞いに来てくれた2人には本当に感謝していたし、お礼も言えた。けれど、まあ、しっかり怒られた。怪我の具合よりも先に、痛み止めだけ飲んで歩いたことを叱られた。つまり、カミーユとファさんの話をアムロ大尉もゲーツ大尉も聞いてくれている証拠だった。

 

ハマーンはマイネちゃんを連れて会いに来てくれた。僕のお見舞いというよりは、一般的な病院と言うものをマイネちゃんに見せたかったらしい。ナースステーションや病院の各種施設などを一通り見学した後に来てくれた。彼女たちは御典医による往診しか受けたことが無かったそうだ。これから、市井で暮らしていくのであれば病院のシステムを把握しなければ命に係わる。そう考えての見学だった。流石、ハマーンだな。僕より断然、視野が広い。

そして、もちろん、ハマーンにもしっかり怒られた。僕が無茶したせいで、カミーユもファさんもマイネちゃんもセーラさんもマシュー君も無茶をしたらしい。彼女の言うことは本当に正しい。完全に、僕が悪かったと分かるしかない。

子供たちを守りたいのならば、生きていなければ、僕が生きて彼らを守らなければならない。その言葉は間違いなく真理だった。

 

一番辛かったのはブライト艦長との面会だった。ブライト艦長だってまだ本調子じゃないだろうに、かつての部下だった僕を心配してくれて、エゥーゴを代表して会いに来てくれた。ただ、言葉にならないのか、むせび泣くブライト艦長を僕が慰めている間に面会時間が終わってしまって……ブライト艦長にまで、ひどく心配をかけてしまっていた自分が情けなくて辛かった。

 

 

その後、割と苦行だな、と、つい思ってしまったのはヌー曹長と同室になったことだった。ヌー曹長はおしゃべりで、知りたがりだ。情報部が差し入れてくる新聞や情報誌も3時間持たない。デバイスでの情報確認も早い。僕は病室での1日のうち4時間は彼のおしゃべりに付き合うことになった。まあ、おかげで病室暮らしに飽きるということはなかったけれど。

アナハイムエレクトロニクスがMS開発部門を地球連邦軍に売り渡した話や、テロ組織カラバの後援をしていた地球のルオ商会の会長一族が地球市民団体を名乗る何者かに襲撃されて壊滅した話、地球環境復興のための基金団体と有償ボランティア団体の設立案、宇宙デブリ清掃公社の設立案、アーガマが木星船団公社への予算を横領して作られていた話、などなど。

僕が知っていい話ではないことまで懇切丁寧に教えてくれた。

 

そしてもちろん、ヌー曹長にも僕は当たり前に怒られた。僕も怒った。カミーユを小さいクソガキと呼ぶことに対して苦情を申し立てた。

カミーユから聞いたのだ。僕をデカいクソガキだと言うだけならまだしも、カミーユに対して言うのは話が違う。軍の序列どうこうも、僕とヌー曹長で画策した隠蔽工作の失敗も色々あっただろうけれど、全て、カミーユに、子供に八つ当たりすることではない。

 

パプテマス・シロッコが病室を訪れなかったのなら、ちょっとした騒ぎになっていたかもしれない。

まったく、ヌー曹長は。仕事ができるのに、そういう悪ぶって見せることで損をしている。彼の悪癖だ。

 

そして、もちろん、僕はパプテマス・シロッコにも怒られた。向かいのベッドの上でヌー曹長が得意げな顔をしていたので、僕は話題が彼によって誘導されていたことを知った。苦情を申し立てられることも計算済みで、パプテマス・シロッコの訪問直前にヌー曹長は「クソガキ」問題を僕に指摘させたのか。話を蒸し返せそうにないな。彼にはとてもじゃないが勝てそうにない。

ニュータイプ、なんてそんなもんか。当たり前に。

経験と本物の才能と数の差と人知の蓄積と、その他諸々に勝てる力ではない。勝っていいい力ではない。

 

この宇宙に、赤い巨人はいらないのだから。

 

 

 

 

 

 

 

「赤い、巨人ね。まあ、木星にもね、秘密主義とか神秘主義を標榜する集団はいますから。そりゃあね、聞いたことはありますよ、本当に噂程度で。それで一時期はね、木星に調査隊だか鎮圧部隊だかをね、派遣すんじゃないかって話も出てましたよ。星の屑直前くらいでしたかね。策定していたのは…いや、とにかく星の屑の時に殉職されてますのでね。噂と策定者の詳細は後程、報告します。」

 

人払いの済んだ病室で、僕の話、つまりニュータイプの力の源が木星で眠っていた10代前の宇宙に存在した古代文明の遺産『赤い巨人』の誤発動だった、ということを聞いていたヌー曹長は、僕の隣に座っているパプテマス・シロッコを見ながらそう、言った。

 

パプテマス・シロッコは彼の怪我を見て、寝ていていい、と許可したが、ヌー曹長はそれを固辞して、いそいそと僕らの話を聞きに来た。好奇心が刺激されたらしい。

仕方がないので、僕とパプテマス・シロッコは彼を椅子に座らせている。左上腕部をギプスで固定され、両足を包帯まみれにされているのに情報に関することになると、途端に元気になる。

悪いことではないけれど、怪我して入院しているときくらい自重してほしい。

 

狭い会議室で複数人から命を狙われれば、ヌー曹長でさえ、こうもなる。この程度で済んだのは本当にヌー曹長の逃げ足が洗練されていたからだ。タナカ伍長の話によると、大変な英雄的活躍の成果だと言うが、グラナダ基地の会議室で、同じ地球連邦軍のグラナダ基地直属の情報部複数人から暴行と殺人未遂に遭うなんて、一体何をしでかしたんだろうか?

 

「退院後で構わん。地球圏にまで、噂程度でも存在が知られているとは。それとも、お前の耳が良いだけか?ヌー・ハーグ曹長。」

 

パプテマス・シロッコもヌー曹長の実力は認めている。

きちんと普通の軍人をやっていれば、士官教育課程の道も開くだろうに、本当にヌー曹長はもったいないことをしているな。

 

「はい、いいえ。シロッコ少佐。正直に言うとですね、自分は1年戦争後から公国の残党探しに従事していました。木星周辺を担当している情報部内では割と知られた噂でした。残党も赤い巨人も、です。サイキッカーを名乗る木星のニュータイプ達が赤い巨人を神聖視していることに地球連邦軍の参謀本部と情報部が危機感を覚えていたのは、赤い巨人がシャア・アズナブルを指すのではないか、と危惧していたためです。エゥーゴでクワトロ・バジーナが確認されるまでは、シャア・アズナブルは木星に潜伏している、と自分も考えていました。木星のザビ家の残党共も、赤色にやたらこだわりを見せていましたし、ね。アクシズから木星へ逃亡したダイクン派が木星で急激に台頭しているという情報を鵜吞みにし過ぎました。まあ、力不足で情けない限りです。」

 

ヌー曹長の言う通り、ザビ家の残党は本当にどこにでもいた。デブリ地帯にも地球にもサイド3にもアステロイドベルトにも火星にも金星にも木星にも、どこにでもいて、そして、どこでも犯罪行為をしているか、テロを画策していた。飢えて、今日明日を生きることさえ困難な場所に居ても、彼らはジオン公国の再興とやらを諦めてはいなかった。地球への再侵攻を今でも目論んでいる。

 

面倒なことだ。

 

僕は復職後すぐに、ギャン部隊を率いて、ヴェルザンディに共同し、彼らの鎮圧と捕縛に駆り出されることも決定している。地球連邦軍とジオン共和国軍の方針でもある。

ジオン共和国軍は宇宙戦力を払底していて、地球連邦軍との共同作戦に出せる戦力が、僕のギャン部隊しかない。ザクⅢ部隊は、哀しいことに実力が地球連邦軍のお眼鏡にかなわなかった。

 

まあ、僕としても共和国軍としても構わない。どうせ、残党の大半はサイド3を本拠点にして各地域に潜伏しているんだから。

彼らの考えることは単純だ。アクシズ戦争で疲弊した地球連邦軍を出し抜く機会と考えて、地球にコロニーか小惑星でも落とすんだろう。それ以外の策を練られるほど、彼らには能力も実力も知識もない。

 

しかし、侮ることもできないのが頭の痛い話だった。ジオン公国を、ザビ家の独裁を支持した連中を侮った結果が1年戦争だ。

 

彼らを侮った連中は地球圏以外にもいる。木星にも、いるのだ。

本当に、頭が痛い話だ。

 

「木星の、木星船団公社内部に木星独立派がいるんだよ。1年戦争前からジオン公国と裏で手を結んでいた。公国が1年戦争以前に木星へエネルギー船団を送り込んだことがあっただろう。木星船団公社と地球連邦が共同で非難声明を出した0070年の事件だ。あの時に公国と独立派で密約が交わされていて、その独立派が戦後にザビ家の残党を収容した。…パプテマス・シロッコ、君なら面識があるはず。クラックス・ドゥガチ。」

 

僕がその名前を告げると、珍しくパプテマス・シロッコは苦々しい顔をした。

 

「実直な男だ。やや視野が狭いのが欠点だが、木星の人々の為になると思えばどんなことでもする。ドゥガチを信奉している木星の人間も多い。独立?そんな夢物語を、あの男がか?」

 

「彼もジオン公国が、地球圏の人類を半分にしてしまうだなんて思ってもなかったんだろうね。そこまで大規模な戦争になるとは考えてなかったんだ。地球連邦と同じで、小競り合い程度で収まると考えていた。だから、木星船団公社内の権力闘争とヘリウム3の値上げを画策して、迂闊にサイド3との提携と木星独立を掲げてしまった。おかげで、今の木星は危機に立たされている。独立派はもっと危機的だ。」

 

「まあね、そりゃそうでしょう。独立派がジオン公国にね、手貸してくれちゃって1年戦争なんですからね。木星船団公社としてもね、余計な事してくれたドゥガチと残党にはね、冷たくもなりますよ。連中の現在の立場は参謀本部に残してきた部下に調査させておきます。遅くとも1か月以内には、参謀本部とヴェルザンディに報告を打ち上げるようにさせますんで。」

 

ヌー曹長もドゥガチの名前は知っていたか。木星船団公社の重要人物は頭に入っているのだろうけど、さすがだな。

 

木星船団公社は1年戦争後、ヘリウム3の需要が大幅に減って現在危機的状況だ。人口が半分に減るということは、そういうことだ。

戦後の地球圏の経済では木星船団公社の予定していた木星開発は支えられない。開発どころか、社員の生命さえ危機的状況なのだ。木星開発に必要とされる物資は、地球圏の難民や戦災被害者にも必要なものだ。そして、生産施設のあったコロニーはことごとく壊滅させられている。

 

「木星船団公社内部で孤立した独立派は、そのうち武装蜂起するよ。木星内部でも極端に物資が少ないから猶予はある。そうだな、多分20年くらいだ。ドゥガチと木星船団公社、両方に連絡を取るべきだ。彼らには仲介が必要なんだ。今ならまだ、互いの派閥間で暗殺や内乱なんて手段はとらない。ドゥガチを助けたいんだろう、パプテマス・シロッコ。」

 

「……悪人だ。実直で、極めて高い実行力のある。…だが、木星の人々を想う心は本物だった。木星独立を実行できるとしたら、ドゥガチしかいない。…私は木星を独立させたいわけではない。独立、いや孤立したところで、木星に待つのは死だ。人類を生かすためのエネルギーに満ち溢れた木星で彼らは飢え死ぬことになる。」

 

僕の顔を見て言ってくるパプテマス・シロッコは困惑した表情をしている。本来、パプテマス・シロッコは権力闘争とは無縁の人間だからだ。彼ほどの実力があれば、権力の方が勝手についてくる。そういうものだ。だから、クラックス・ドゥガチが権力闘争のために木星独立などという絵空事を言い出したことが理解できないでいる。不可能な達成目標を打ち立てて、地獄へ人々を先導しているドゥガチに困惑している。

それとも職業病か。僕も分からないではない。達成不可能な目標を立てることなど訓練でもしたことが無い。いや、あったか。士官学校で地球圏制圧とか、月面都市制圧とかいう無茶な戦略目標を立てさせられ、実行可能か検討させられた。当たり前に不可能だった記憶しかない。

 

パプテマス・シロッコと僕の仲だ。木星を独立させたいわけでないのは、とっくに分かっている。

そもそも、木星は既に独立しているようなものだ。地球圏と距離が離れすぎているから。

 

独立と孤立を履き違えてしまったのか?クラックス・ドゥガチ。

 

「ドゥガチを見捨てたいわけじゃないんだろう。悪人だって言うけれど、彼も木星で命を懸けて、人類のためにやるべきことをやってくれている。」

 

そうでなければ、パプテマス・シロッコ、君は地球圏に帰ってこなかっただろう?

 

「クラックス・ドゥガチは、心の中で地球を羨んで妬んでもいる。地球に住む人間を、見下しているからだ。軟弱な人類だと見ている。だが、私とお前ならば、パプテマス・シロッコとエグザべ・オリベならば、奴の眼を覚まさせることもできる、か。」

 

「ジュピトリス型の新造艦も、来年には出航できる。5年後には、パプテマス・シロッコのジュピトリスも。どちらも悪くないタイミングだと思うよ。僕も、生きているうちに木星に行っておきたい。」

 

そう、僕は生きているうちに、木星には行かなければならない。

 

赤い巨人の欠片。

カミュはパプテマス・シロッコに回収させたがっている。あいつらが何を考えて、パプテマス・シロッコを指名したのか分からないままで居られない。嫌がらせではない、と言い切れないのが、カミュと半生を共にした僕だ。

理由のない嫌がらせをしない奴らではない。特にカミュは。

 

「悪いんですけどね、パプテマス・シロッコ少佐も、エグザべ中尉もね、これから最低20年ほどは地球圏を離れられないですからね。お2人ともね、ご自分の役職と役割を考えられてくださいよ。無理でしょうよ、木星は。最短で4年、最長で10年は帰ってこれない木星ですよ?そんなんされたらね、帰ってくる頃には地球圏の人類は滅んでますよ。」

 

呆れたようにヌー曹長が言う。

 

「大げさだよ、ヌー曹長。赤い巨人の欠片を放置する方が危険だ。人類がまだ近づけてない木星の中心核近くに押し込まれたけれど。あれをパプテマス・シロッコにだけ押し付けたくはないよ。危険な兵器だったんだ。間違えば、人類が壊滅して、また赤い巨人が生まれる。」

 

「そんな遠い未来の事いわれてもですね。そもそもね、どうやって木星の中心核から引き上げるんですか?って話で。いや、まあ、引き上げる方法を聞きたいわけじゃないんですよ、パプテマス・シロッコ少佐。現実を、目の前の問題を見ましょうよ。カミーユ君たちはどうするんです?ハマーン様たちは?彼らをジュピトリスで木星まで連れて行っちゃったらね、地球圏はどうなります?まさか、地球圏の問題を、100年の平和をね、ハマーン様に押し付けるなんて、そんなこと言い出しやしませんよね?地球に降りたら通信制の大学で経済学と法学を学んで、家族の平穏と100年の平和のための力をね、これから身に着けようとしている年下の女性に押し付けるなんて、人非人みたいなこと言いませんよね?まさか。」

 

「通信制の大学は良い選択だと思う。流石、ハマーンだ。でも、政治家か官僚を目指している?彼女には似合わないよ。穏やかに生きてほしいのに、修羅の道を進まなくても…」

 

そう言うと、ヌー曹長は包帯を巻いた足で、僕の足を蹴った。いや、僕は足を怪我してないから痛くもないけれど、ヌー曹長は逆に痛かったみたいだ。うめき声をあげた。

 

「そういうところがね、小さいクソガキに似てますよ。大人ならね、カミーユ君やハマーン様達が修羅の道に進もうと、何だろうと助けてあげられる距離にいないとダメでしょうよ。大人ならね。」

 

「私とエグザべが木星に行くためには、もっと木星と地球を近づけねばならないということ、か。」

 

「連邦軍と連邦政府のお偉いさんたちもね、木星を見捨てたくないとのお考えですよ。そのためにね、木星に行った公国残党の動向も探らせていましたし、ジュピトリス型も新造したんです。木星が孤立しないようにね。1年戦争前の経済なら、木星にハイスクールと大学を設立することもできたんですけどね。いや、逆にね、良い機会です。パプテマス・シロッコ少佐の出された、木星から地球圏のハイスクールと大学に来てもらうという案は、2つの惑星の距離を縮めるには悪くないでしょう。連邦政府でも木星船団公社でも検討が始まってますよ。」

 

「木星の、木星生まれの地球を知らない世代も地球圏まで来れば、実際の地球を歩いてみれば、孤立を感じなくなる。地球圏の人間も実際に木星から来た人々と交流できれば、木星を遠い隔絶された世界と思わなくなる、か。良い案だと思うよ。パプテマス・シロッコ。」

 

「私自身が地球圏に戻ったからこそ、思いついた案だ。私だけでは辿り着けなかった境地だ。…そうであるならば、地球連邦も木星船団公社もクラックス・ドゥガチも、この私に賛成せざるを得まい。現実、木星には力に振り回されて自滅する人間が多すぎる。品性を持ってもらわねば、今のままでは力の家畜だ。エグザべ・オリベ、他人事と思うな。」

 

頬を抓られた、パプテマス・シロッコに。いや、分かっている。本当に、本当に反省してる。パプテマス・シロッコだって、僕が反省しているのは分かっているだろうに。

 

いや、ついつい、こういうことを考えてしまうのが、僕の駄目なところか。反省は行動を伴わなければ。

 

「本当にね、パプテマス・シロッコ少佐のおっしゃる通りでエグザべ中尉はね、他人事だと思ってもらうと困るんですよね。ニュータイプだろうとオールドタイプだろうとね、死んだらそこでお終いなんだってことを忘れるなんて本当に!!本当にね、上層部の方針が無かったらね、俺は公文書と私文書とカルテを偽造してでも長期入院させてましたからね!」

 

今だってかなりの長期入院なのに、ヌー曹長はそんなことを言ってくる。担当医は僕に、1か月の病室暮らしを言い渡した。その後、半月はリハビリ期間に充てられている。手厚いことだ。

 

「次は、無い。分かってるよ。僕程度では、僕だけじゃ何にもできない。チェスと同じだった。1つの駒で、何でもできるようになってない。同じだ、何でもできるように人間はできていない。だから、人は支え合うんだ。」

 

そう、僕は皆に助けられた。助けてくれる人たちがいた。

 

誰一人として、忘れたくない人たち。

 

きっと、これからも大切に思える人たちは増えていく。僕は生きていくのだから。

 

 

 

 






ZZガンダム…阻止
逆シャア…阻止
UC…阻止
F91…?多分阻止できる
Vガンダム…阻止
閃光のハサウェイ…ハサウェイはマフティにならない
クロスボーンガンダム…阻止
宇宙戦国時代…正規連邦軍がほぼ無事なので阻止可能

宇宙世紀RTA完結では?お疲れっした!!


木星と地球   編

往復4年。でも、それは最短で4年。長期の無寄港の旅なら恐らく、食料と医薬品は2~3倍の期間を予測して持っていくはず。という大雑把な計算の元、俺のSSは成り立っている。酸素?いや、生成すると思う。なんか、そーゆー機械あるんじゃない?ジュピトリスって都市規模の輸送艦らしいし。


ギャンの後継機、どうするんだろう…メッサーラが高性能機過ぎて…パンジャンドラムも併用できるし、使い捨てパンジャンドラムするし。弊SSではサイコミュ関係は今後、ジャマーとして活用されるから、完全に使い捨てパンジャンドラム戦法になります…

メッサーラ、お高いんでしょう?なんと!今なら!お友達価格で!!ギャン改-2の3倍のお値段!大っ変、お買い得です!!


ギャン部隊とヴェルザンディMS部隊は順次、ジュピトリス製のMSメッサーラ量産型へ機種変更していきます。パプテマス・シロッコがウッキウキで設計してるから仕方ないね!頑張って乗りこなしてもろうて…ハイエンド機種すぎる??……そこにアムロ大尉がおるじゃろ。そう、νガンダムだね。



「狐落とし」世間一般では憑き物落としですけど、俺の故郷では大きな祭りの最後に行う行事のことです。まあ、酒飲んでごちそう食べる反省会でもあります。なんで「狐落とし」というのか。「祭り」って大変パワーがいる行事なんです。平常心ではできない。もっと本当に、いつもの自分でない自分がいないと「祭り」はできない。だから、終わったら成功のお祝いと反省として「元の平常の自分」に戻る必要がある。そのための行事です。
「憑き物落としとしての狐落とし」は割と前半部分になります。書き足したとこ。「憑き物落とし」は方法がたくさんあって調べると面白すぎるのでおススメ。
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