機動戦士Ζガンダム異伝 エグザベ・オリベ戦記 作:1スレ130番より愛を込めて
さてさてさて、水の星どうでしょう班はアムロさんにご友人ができたことが嬉しくて嬉しくて、ゲーツさんとエグザベさんにアムロさんと一緒のテントを譲ったのであります。
アムロさんのお友達と言うことは、新たなる生贄……いやいやいや、番組の出演者になってもらえるかもしれません。
そんな我々の思惑はユーコン川の偉大な流れに乗って、進んでいくのであります。さぁ、今晩も水の星どうでしょう班のグダグダ劇をお楽しみください!どーぞー!
≪テントの中のアムロさんとゲーツさんとエグザベさん≫
エグザベ「今日は本当にお疲れさまでした、アムロさんもゲーツも。」
ゲーツ「エグザベもオオイタからすぐにこっちだったんだろう?大変じゃないか。」
エグザベ「まあ、書類仕事は輸送機の中で終わらせられたから大丈夫だよ。●〇(ヌー曹長)にはグチグチ言われたけど。アムロさんは昨日もテント泊だったんでしょう。フジムラさんもあんな感じでしたし、いびきも凄かったって…昨日ちゃんと眠れました?」
アムロ「眠れなかった。本当に眠れなかった。今日も眠れる気がしない。すごくクタクタなのに。」
ゲーツ「今日はアイマスクも耳栓もあるから何とかなるだろう。必要なら私の寝袋も使うと良い。下に敷けば多少は過ごしやすくなる。」
アムロ「ゲーツこそ。眠れないと明日に響くだろ。そもそも、昨日眠れなかったのは、フジムラのいびきもあるけど、俺がテントを立てた場所が問題だったんだ。」
エグザベ「テントを立てた場所?ですか?」
アムロ「ほんの少し、ほんのちょっとだけ地面が傾いてたんだ。こう、頭の方向が少し高くて…寝てると、どんどん体がずり落ちていくんだ。寝てるはずなのに、それが分かって…坂を這い上がっては寝て這い上がっては寝てを繰り返してた。その間ずっと、フジムラのいびきは聞こえるんだ。歯ぎしりも。」
エグザベ「ああ、僕もオーイタの1日目はそんな感じでした。」
〈参考映像:防災シートと防水カッパにくるまって野外就寝をする陸軍の写真〉
ゲーツ「テント泊も慣れるまでは辛いからな。ここはエグザベの寝てる方向に少し下っている。一応、頭に入れておいてくれ。」
アムロ「地上は、平坦な地面が無いのが辛い。」
エグザベ「一般的なキャンプって寝袋の下にエアで膨らませるマットかコットを置くそうですね。地面に体温奪われなくなるし、身体に虫がのぼってくることも無くなるって。」
ゲーツ「コットは荷物が重くなるから省かれたのだろうな。私達が寝袋の下に敷いているマットも量販店で大安売りしてるタイプだ。長さが足りていない。」〈困った顔で笑うゲーツさん〉
アムロ「フジムラ…あの、カブトムシは!!」
エグザベ「今日の所は、アムロさんが僕のマットも使ってください。とにかく野外では体力が大事です。疲れると判断力も落ちるし、動きも鈍ります。人を食べる様な動物が出る様な地域では命に係わりますから。」〈アムロさんに自分のマットを渡そうとするエグザベさん〉
アムロ「いや、エグザベだって行軍訓練の後なんだろ?俺だけ…」
エグザベ「アムロさんが辛い思いをしてたら悲しむ人がたくさんいます。●〇(ブライト艦長)や●〇(ブライト艦長のご家族)、●▲(カツ君)や△△(アストナージさん)、〇〇(カミーユとファ)も〇●(ハマーン)も。僕も、アムロさんのリアクションはずっと演出だと思ってたんです、恥ずかしいことに。僕と一緒の時くらい、せめて睡眠はとりやすいようにしてください。」
ゲーツ「まあ、エグザベの言う通りだ。私もエグザベも昨日は睡眠をとれている……いや、寝られたのか、エグザベは?書類仕事とか言っていたな?」
エグザベ「大丈夫、寝れているよ。」
アムロ「ウソだ。ウソついたぞ、ゲーツ!」
ゲーツ「エグザベ…どうして、そんな、すぐバレるウソをつくんだ?」
エグザベ「いや、だってちゃんと睡眠はとったよ。ホント、4時間は寝たから…」
ゲーツ「アムロは私のマットを使ってくれ。エグザベ…●▲(エゥーゴの情報部)には私から苦情を出しておくからな。●〇(ヌー曹長)に、他に何をされたか、説明できるか?ゆっくりでいいぞ。」
エグザベ「え?いや、特には何も…本当だって、ゲーツ、アムロさんも。●〇(ヌー曹長)には何もされてないよ。●〇(彼)だって一緒に訓練に参加して……まあ、3日目には緊急搬送されていったんだし。」
〈頭を抱えるゲーツさんとアムロさん〉
アムロ「あの●〇(ヌー曹長)が?」
ゲーツ「いくら●〇(内勤)とはいえ叩き上げの●〇(ヌー曹長)が3日程度で?」
エグザベ「●〇(彼)も宇宙育ちだから…濾した泥水が飲めなくて。いや、僕は煮沸消毒したのを飲ませてもらったから大丈夫だよ。」
ゲーツ「●●(ヴェルザンディ)にも俺から報告書を出しておこう。今日はもう寝た方が良い。エグザベもアムロも。」
アムロ「エグザベ、いいか?よく聞いてほしい。泥水飲まないといけない訓練って、俺も受けたことが無いんだ。意味はわかるか?」
エグザベ「いや、それは…そうでしょう。アムロさんはMSのパイロットなんですから、緊急脱出時の心得があれば大丈夫ですよ。ただ、その訓練も満了していないようだから、僕もゲーツも連邦軍の方針に怒ってるんです。」
アムロ「え?俺が受けた訓練って、本当に、2人が困惑するほど初歩レベルなのか?本当に?訓練満了もしていないのか?…」(困惑するアムロさん)
ゲーツ「詳しいことはキャンプが終わってから相談しよう。大丈夫だ、アムロ。流石に他の部署も動くだろうし、私も力になる。」
エグザベ「ええ、アムロさん、大丈夫です。というか、僕に知られてしまった以上、連邦軍としてもアムロさんのキャリア相談の機会を設けてくれますよ。いや、僕と言うより、●△△(共和国)で放送される前に。」
アムロ「いや、なんだか俺の……自分のことなんだけれど、意外と大変な騒ぎになりそうで実感が湧かない。」
エグザベ「実際に大騒ぎするべきことなんです。」
ゲーツ「そのあたりの相談は、水の星どうでしょう班抜きでした方が良いな。フジムラさんは普段アレでも、この道では老練家だ。」
アムロ「…あの、カブトムシが?あの髭ダルマ、過去に何をしでかしたんだ?」
ゲーツ「連邦軍では有名な人だ。良い意味でも、悪い意味でも。あの●〇(ヌー曹長)が、いいか?あの●〇(ヌー)がエグザベの出演を止められないくらいには各方面に顔が利く。いいか、私が知っているだけでも、フジムラさんの顔が利く各方面と言うのは、本当に訳が分からないくらいの各方面なんだ。ピーーーーーーーー(在地球反連邦組織から反宇宙移民組織、各地の退役軍人部隊から一部宗教の違法に保持している私兵集団)まで。……口が達者だし、情報通で、他人を自分の思い通りに話に乗せる方法に精通している。今回は、エグザベがその被害にあったのだろう?」
エグザベ「え?僕は自分で参加を決めたつもりなんだけど?アムロさんも一緒だって聞いたし、ゲーツもいるなら何も心配いらないと思って。」
アムロ「」
ゲーツ「」(両手で顔を覆うアムロさんとゲーツさん)
アムロ「警戒心とか、危機感って、どうすれば鍛えられるんだ?ゲーツ。」
ゲーツ「………いや…アムロ、その話は1度置いておこう。エグザベ、フジムラさんはかなりの曲者なんだ。アムロとエグザベが翻弄されるくらいには。いや、手玉に取られているのは2人だけじゃない…んだ、が。………アムロ、エグザベ。この照明、カメラついてないか?」
アムロ「あのっ!!髭ダルマ!!」
エグザベ「今までの会話、全部これに記録…いや違うか。電波で飛ばすタイプだ。この前の講習で出てきた最新モデルの…テレビ撮影用のカメラと変わらないくらいの値段がするはず。」
ゲーツ「………いや、フジムラさんについては、もう私たちの手に負える範囲ではないんじゃないか?勝てる気が……俺たち全員でかかっても、フジムラさんを出し抜ける気がしない…。」
アムロ「やっぱり、フジムラは地球連邦の腐敗と怠惰の権化なんだよ。あのカブトムシが、全人類の敵なんだろ。無理だよ。俺達だけで敵う相手じゃない。人類の叡智と勇気を合わせないと…フジムラと一対一で戦うって言うなら、それはフジムラと同じレベルに落ちるってことなんだ…あの髭と同レベルに落ちたら人間としてお終いだろ。人間、ああなったらダメだ。フジムラになったら、ダメだ!盗撮するようなダメ人間になってしまう!」
≪素晴らしい2回目の朝!!≫
フジムラ「おはよぉー!!ございまぁーす!!皆さーん!!朝ですよぉ!新しい朝、新しい日の光を浴びてくださぁーい!今!朝の6時です!!朝ですよぉ!!」
アムロ「……勘弁してくれ。朝から、朝からフジムラはつらい。」〈寝起きでカスカスの声のアムロさん〉
ゲーツ「耳栓していて良かった。おはよう、フジムラさん。」
エグザベ「耳が、…キーンッてします。おはようございます、フジムラさん。疲れがとれたみたいで何よりです。」〈両耳を抑えたエグザベさん〉
フジムラ「あらららららら。エグザベさん、あなた、耳栓持ってきてたんじゃなかったんです?使わなかったんですかぁ?」〈笑うフジムラ〉
エグザベ「すみません。クマが怖くて。地面に耳当てたまま寝てしまって…」〈力なく笑うエグザベさん〉
フジムラ「なるほど、なるほどぉ!!大分で習ったことを早速実践してたんですかぁ!!関心関心!」
アムロ「フジムラ…お前の声を聞くと頭が痛くなる。着替えるから出てってくれ…。」〈カスカスの声のアムロさん〉
フジムラ「うちのインドア機械オタクにも見習ってほしいですねぇ。ええ?私が声かけるまでグッスリ寝入っていたアムロさーん!!」
アムロ「出ていけ!カブトムシ!」
≪今日の予定発表!!≫
フジムラ「さぁ、皆さん!!朝ごはんも食べましたし!元気ですかぁー!!」
エグザベ「はーい!」(困った顔で笑いながら答えてくれるエグザベさん)
アムロ「……フジムラの元気に反比例して俺は元気がなくなる。」
ゲーツ「フジムラさん、盗撮カメラの件は謝罪してくれないのか?朝食前から言っているんだが?」
フジムラ「さぁ!!今日の予定の確認しますよぉ!カヌーに慣れてきた今日は午前中の3時間で40キロメートル進みまーす!休憩挟みつつの40キロですねぇ!で、お昼を食べたらまた3時間、40キロ進んでもらいます。今日は、一気に80キロ進んでもらって、次のキャンプ地で、皆様に釣りを楽しんでいただこう、と、まあこう取り計らっておりまぁす!」
ゲーツ「フジムラさん!盗撮カメラの件についての謝罪はないのか?せめて、テントでの私たちの会話を放送をしない、と確約してほしい。」
フジムラ「放送は、…しーまーすー!!まだ内容確認してませんけどぉ!こちとら撮り高ないんだから当たり前でしょぉー!!あんたらねぇ、ちょっと隠しカメラ仕掛けられたくらいで騒ぎすぎなんですよぉ!ニュータイプなんてもん自称するなら、隠しカメラくらい、もっと早くに見つけなさいよ!あんなバレバレの隠しカメラに気づくのに、何分かかりました?スタッフに訊いたら、見つけるまで30分以上かけてるじゃないの!あんたがた、バッカじゃないの?」
アムロ「ふざけるな!フジムラが!!バカだ!!」
ゲーツ「盗撮カメラ仕掛けた人間が、…なんて言いぐさなんだ。」
エグザベ「いや、確かに。テントの中で赤外線のチェックしなかった僕たちにも非が無いわけじゃ…」
ゲーツ「暗視スコープもないのに無茶を言うな、エグザベ!私たちに非は無かった。」
アムロ「フジムラ!エグザベが可哀そうだと思わないのか?お前の口車に乗せられて、休日返上でユーコン川まで来たのに!お前に盗撮されてたんだぞ!!恥を知れ!」
フジムラ「知りませんよぉ!!恥なんてねぇ!旅の恥は掻き捨てっつーことわざがあんでしょーよー!!恥なんてユーコン川に流して捨てちゃいましたっ!!」
フジムラ「逆に、逆にですよぉ!そんなにニブチンのあんたたちがカメラに気づいちゃったから!!我々の撮り高減っちゃったじゃないの!!どうしてくれんですかぁ?!ええ?!」
アムロ「今時、チンピラだってそんなこと言わないぞ!!フジムラ!!」
ゲーツ「悪質すぎる。こっちは盗撮カメラを発見した後、破損せずにスタッフに返しているのだが?」
エグザベ「寝る前の会話だって、いつもの「水の星どうでしょう」ならアムロさんが嫌がるのも無視してテレビカメラ回しているじゃないですか?どうして、今回に限って盗撮カメラなんて仕掛けたんです?言ってくれれば、僕、必要な時間きっちりカメラを回しますよ。」
フジムラ「フフフフフ!分かってませんねぇ、本当にあんたら若造は分かってないんですから!いいですか?特にエグザベさん、あなたがカメラ回してもダメなんですぅ!!自然な会話に、絵にならないでしょーぉよー!!我々のぉ!この、番組のぉ!視聴者が求めているのは自然な会話!!もうもうもう、あなた方のねぇ!心からの驚きと戸惑いの表情!!それを、台本ありきで仕掛けて撮ろうなんてねぇ、まるで性根が駄目っ!!なーんも分かってないボンボン共にぃ、この技術は100年早いのっ!」〈大笑いするフジムラ〉
〈フジムラに釣られて力なく笑うアムロさんとゲーツさんとエグザベさん〉
アムロ「技術って、ハハハハハハ!!お前の言う、技術って!ハハ!俺の驚いた顔とか、げんなりした顔を、げっそり疲れた顔を、フッフフフフフ撮るだけのことに、フフフ!!」
エグザベ「いや、いや、うん。本当に、フフッ。僕たち、昨夜はクマの話くらいしかしてないのに、フフ、ハハハ。盗撮するような内容、何も、フフ。」
ゲーツ「フジムラさん達には悪いとは思うんだが、フッフフフ。技術って…ククク、フフ。技術って…ハハハハハ!!」
≪2日目のカヌー出発!!≫
〈前エグザベさん、後ろアムロさんのチーム〉
〈前フジムラ、後ろゲーツさんのチーム〉
〈じゃんけんで決めました。〉
アムロ「平和だ。カヌーってこんなに心穏やかに楽しめるものなんだな。」
エグザベ「あ、あそこ!頭が白い鳥が!魚を掴んでる!」
スクーカム「良く視えますね。……ハクトウワシです。」〈双眼鏡で確認をするスクーカムさん〉
スクーカム「ハクトウワシ、冬は南の暖かい所へ行ってしまいます。今の時期は営巣して子育てします。一生パートナーを変えない愛情深い鳥です。」
カメラマン「エグザベさーん。ごめんね。ハクトウワシ、撮りそこなっちゃった。みなさんも何か面白いモノ見つけたら、早めにわかりやすく教えてくださいねー。」
アムロ「フフフ、撮り高ないからって…」
エグザベ「え?ええ、はい。すみません、今度は気を付けますね!」
アムロ「いい、エグザベ。聞き流してくれ。事前準備とプロのカメラマンを用意してないあいつらが悪いんだ。2年近く番組作ってて、そんなことも分かってないくらい、しょうもないんだ、どうでしょう班は!」
カメラマン「フジムラさぁん、いいんですか?アムロさんがあんなこと言ってますよ。」
フジムラ「アムロさん、カメラマンさんに失礼でしょお!!謝んなさいよぉ!!このオッサンだって初めてカメラ握って、早や2年ですよ!頑張ってるじゃないの、2年間もカメラマン役独占して。今だって、エレボートにカメラ固定して、自分は居眠りこいてたからハクトウワシ撮り損ねてるんですよぉ!」〈フジムラの後ろで笑うのを我慢できなくて顔を右腕で隠すゲーツさん〉
カメラマン「何言ってるの?フジムラさん。最初、あんたがカメラ落としてレンズ割ったからでしょ?一昨日だって、動物なんかどうせ出ねぇからカメラ固定しとけば?って、あんたが言ったんでしょ。」
フジムラ「あんたねぇ、指示待ち人間になってどうすんですか?仮にも、仮にも●●(中佐)で私の副官でしょー!もう50代に届こうってのに指示待ちじゃダメでしょー!」
カメラマン「いやいや、上官の命令は絶対ですからねぇ。こちらとしてもフジムラさんの命令は無視できませんから。あたしは、フジムラさんの指示に従っただけですよ。」
ゲーツ「今…ふ、フジムラさんも居眠りしていたのに。クククク。気づかれてないと思って…フフフフ。」
アムロ「……醜い大人たちだ。お互い、居眠りしてて…貴重な映像を取り損ねた責任を押し付け合って…」
エグザベ「いや、大丈夫、大丈夫です!次はもっと早く見つけますから!頑張ります!」
アムロ「エグザベ、あいつらを甘やかすな!無限につけあがるぞ!」
≪ユーコン川での注意事項!!≫
フジムラ「はい!カヌーで大騒ぎして疲れましたね!休憩です!!」
スクーカム「今更ですが、ユーコン川は自然保護のため、キャンプできる土地が限られています。ファイヤーピット。そこにある看板近くでしか火を起こしてはいけません。焚火台あってもダメです。あそこに赤い大きな看板あります。あれがある場所でしかテントも火も使ってはいけません。」
アムロ「カヌー乗って1時間半しかたってないが、休憩に入って大丈夫なのか?」
ゲーツ「体感的には昨日より川の流れが早かったように思う。…どうしてGPSを渡してもらえないんだ?」
スクーカム「ゲーツさんの言う通り、我々は予定より進み過ぎています。ここで時間潰します。」
エグザベ「次の目的地に先乗りできないんですか?」
スクーカム「偵察班から連絡来るまで待機です。」
アムロ「…偵察?偵察って何の偵察だ?スクーカム。」
スクーカム「クマです。」
ゲーツ「聞きたくなかった。ここで、その言葉は聞きたくなかった。スクーカム。」
エグザベ「え?本当にクマって出るんですか?キャンプが許可されている地域なのに?」
スクーカム「…全てのクマに発信機を取り付けられるほど、ユーコン川を守る会も予算と人員、持ってないです。今はクマの子育ての季節です。母グマと子グマ、予想外の行動取ります。」
アムロ「念には念を入れて、とか。確実な安全性のため、とか。…今そういう言葉が出てこなかったな。」
スクーカム「大丈夫です。ユーコン川を守る会の偵察班、強いです。」
アムロ「強いとか強くないとかじゃなくて、スクーカム。クマだよ、クマ!もしかして、昨日もおとといも偵察班いたのか?」
フジムラ「当たり前でしょお!!ユーコン川を守る会の皆様は前日からクマ捜索して、発見次第、静音ドローン使って発信機つけてくださってるんですよぉー!!そんなことも気づかないで、あんた、ほんとにニュータイプなんですかぁ?アムロさーん!」
アムロ「黙れ!フジムラ!俺の前で2度とニュータイプという言葉を口に出すな!」
ゲーツ「スクーカム!本当に偵察班が先行してクマ対策を?それほどの獣害が出ているのか?この地域で?」
スクーカム「いえ、出てません。しかし、予防、必要です。だいたいいつも、この時期で私達、クマの子供探します。クマは群れで行動しません。人間とクマ出会わないことが大事です。まだ小さい今の時期にクマの体に発信機、埋め込みます。いい機会なので、偵察班と並行して行動してます。」
エグザベ「ああ、それならクマと遭遇することはなさそうですね。よかった。…偵察班の皆さんの装備は万全なんですか?流石に、僕たちとは違いますよね?命は安全なんですよね?」
スクーカム「何事も、完璧なものはありません。しかし、ユーコン川を守る会は最善を尽くしています。」
アムロ「……つまり、つまりスクーカム、こういう事か?彼らの装備はライフル銃とショットガンだけだ、と?」
スクーカム「赤外線探知ドローンと静音監視ドローンもあります。何より、偵察班はラッキーボーイ達で構成されています。」
エグザベ「ラッキー…ボーイ…?まさか、まさかですけど、くじとかじゃんけんで決めてるんですか?」
スクーカム「占いで決めてます。12星座占い、私達ユーコン川を守る会でも人気です。」
〈崩れ落ちるアムロさんとゲーツさんとエグザベさん〉
ゲーツ「予算!予算があればなんとかなるのか?今の、無防備な状態から脱せられるのか?」
スクーカム「難しいです。予算だけ、たくさんあっても。野生動物の観察も保護も、とても難しい…。ユーコン川とても長い。ユーコン川を守る会が活動する場所、とても広いです。増えて良い動物、減らす動物たくさんいます。場所によって違います。長く、コツコツ。危なくても、ここで、ユーコン川で生きて活動を続けること、それが必要で大切なんです。もちろんお金も必要です。でも、予算だけ増えても、長く続けられない。それではココで生きていく意味がないです。これから長く続く未来に人間と動物たちが生きているユーコン川、残せないです。」
フジムラ「うちのMS馬鹿が今、一生懸命MSの設計図地面に書いてますけど、無視してくださいね、スクーカムさん。どうせこの馬鹿、MSだと湿地帯やら低木やらを踏んで駄目にしちゃうこと計算して作ってないんで!」
アムロ「ぶっ飛ばしてやるからな!この、髭ダルマ!!いいだろう、地面に負担掛けないような安価で丈夫なMSを設計すれば良いだけだ!完成したら、このMSでお前を追いかけまわしてやるからな!」
エグザベ「白夜だってつらいのに、食料だって少ないのに。それでも、ユーコン川は故郷なんですね。」
スクーカム「もちろんです。いい思い出、ばかりじゃないです。嫌な記憶あります。私の父さん、子供の頃、ユーコン川で死にました。1年戦争の時、長男も病院に薬届かなくて死にました。友人も、いとこも、おじも死にました。」
スクーカム「でも、私、生きている家族がいます。父や長男、友人、家族、皆と過ごした故郷があります。クマやムース、鹿を狩った思い出やカヌーや釣りをした思い出、たくさんここにあります。思い出の場所に遠くへ行ってしまった彼らがいつでも居てくれます。それが故郷です。……エグザベさん、ごめんなさい。私、あなたの故郷がルウムと、知っています。もうそこが無いことも。故郷の話をしてごめんなさい。」
エグザベ「いえ、大丈夫です!スクーカムさんの故郷の話。僕はもっと聞きたくなりました。僕の故郷の話も良ければ聞いてください。無くなってしまったけれど、僕から聞いた誰かが覚えてくれていれば………いや、僕の故郷、良い所だったねって言って、ほしいだけ、なのかも、しれないですけど。…皆に、知ってほしいんです。」
エグザベ「…僕のエゴなんです。皆が、地球の人も宇宙移民も実際会って、話して、互いがどんな人々か分かり合うことができたのなら、支え合って生きることも傷を癒し合うこともできるんじゃないかって最近、思うようになりました。宇宙と地球で、手を取り合って生きていく第一歩を再び作れるんじゃないかって。」
一晩経って、読み返した結果苦情が来なかったので…ヨシッ!!
カツにパンケーキ作って、差し入れで持っていくアムロはいる。
放送見たカミーユにねだられてファと一緒にパンケーキ作って軍大学に持っていくエグザベはいる。
ユーコン川の1読み直したらアムロさんの恰好があまりにあんまりなのでキャンプが終わり次第、ゲーツがアムロさんの服のコーディネートしてくれるかもな。ゲーツはシティ派。
故郷ってなんですかね。ほんと。
スクーカムさんはこう言ってるけど、実際ユーコン川流域は人口流出ヤバそう…でも、地上での生活・技術・知恵・習慣が途絶えると1,000年後の火星テラフォーミング計画にも支障が出るので…がんばってもろうて
水曜どうでしょうはねぇ、「人体実験」番組なんですよ。「お涙頂戴」みたいな展開していいわけじゃないんで、エグザベがルウムの話していい番組じゃないの!
アムロさんとゲーツさんとエグザベさんが苦しむ表情とリアクションのためだけにユーコン川へ行った…ってだけの番組に仕上げないと「水曜どうでしょう」じゃないの!
まあ、俺は弊SSのエグザベに世界で一番甘い男だから(自認)…エグザベ、お前のその青臭い理想主義的な行動も許せる。