機動戦士Ζガンダム異伝 エグザベ・オリベ戦記   作:1スレ130番より愛を込めて

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地球から宇宙へ上がり、ティターンズに入隊したエマ・シーンは民間人も住むグリーン・ノアでMSパイロットをしていた。

ガンダムMK-Ⅱのテストパイロットという任務は彼女の自尊心を満たすと同時に、物足りなさをも与えていた。

宇宙へ上がってきたエマはまだ、戦闘をしたことが無い。戦場に立ったこともないのだ。
ティターンズはエリート部隊だというのに。

何のために宇宙へ上がってきたのか、分からぬまま日々を過ごしていた。


エマ

白いリック・ディアスが、私のリック・ディアスより先行して1機で敵に突撃したエグザべ・オリベ中尉が、敵のMSを次々と落としていく。

 

速いだけじゃない。ビームライフルの狙いも正確、攻撃の位置取りも確実、緩急も上下左右も!

バランサーとスラスターで敵のかげに回り込む?そんな動き、MSでできるものなの?!

 

1対6という数の不利でさえ、敵を殺す為に使えるなんて。

それを見ているだけしかできないのが、私、なんて!

 

 

 

私、正しいことがしたかったのよ!!エマ・シーンは心で叫ぶしかできなかった!

 

正しいことがしたかった!

地球にコロニーが落とされて、16歳の私は何もできないまま、自分から遠いところで人が死んでいるところをニュースで知るしかできなかった。死んだ人の数を、知ることしかできなかった。

 

軍へ入隊した時も、正しいことをしよう、両親や友人に誇れる自分であろうと思った。

だから、ティターンズというエリート集団にも入隊できたのよ。だって、もう、戦争は、正しくないことはしたくなかったから。

 

なのに、私は結局ニュースを見ているだけの少女のままだったのね。

ティターンズのバスク・オムが、15歳の少年カミーユ・ビダンの母親を、ガンダムMk-Ⅱの開発者の1人を殺すことを止められはしなかった。

そして、カミーユが、子供が戦場で人を殺すことさえも。

 

 

違うわ。カミーユに人を殺させたのは、私。私やクワトロ大尉、レコア少尉、ブレックス准将、ヘンケン艦長、みんなで寄ってたかって、カミーユに人を殺させたのよ。カミーユを追い詰めて、人を殺させたの!

 

たった15歳の子供に、現実を見せてやろうだなんて、大人っぽいだけの科白で上塗りして誤魔化して、ただただ子供を傷つけて甚振っていただけだった。

軍人でもない子供に、軍を強要して…違う!私、バスクと同じことをしてただけなのよ!

私、殴って騙して脅して、子供を『軍人』じゃない、『人殺し』の道具にしてただけ!あの子に、カミーユに本当の『軍』のこと、何も教えてない!子供に偉ぶって、気持ちよくなってただけの女が私だったの!バスクなのよ!

 

正しいことなんて、何一つもできてないのよ。

 

 

 

ティターンズに裏切られてエゥーゴに逃げだして、そして、正しいことからも逃げ出した私は、馬鹿な女をしていた。

 

レコア・ロンド少尉。私にサボテンとクワトロ大尉を頼んで、単身地球のジャブローへ降りた彼女。連絡なんて一度も返ってきていない。それをいいことに私は恥知らずな真似をした。

 

アンマンで、いいえ、あのアーガマでは初めて行われたデブリーフィングの黙祷の後でさえ、私はまだ目が覚めてなかった。

エゥーゴを、逃げた先を全滅させかねない愚かな過ちを冒しておいて、私はクワトロ大尉から失望されたくなくて、また、逃げようとした。次は、エグザべ・オリベ中尉のところへ。

 

「エマ中尉が勇敢な軍人だと言うことは、アーガマが知っています。中尉が艦長やクワトロ大尉、皆さんに信頼されているからこそ、先の防衛は叶いました。誇りにされてください。」

 

エグザべ・オリベ中尉のその言葉は、馬鹿な女を映す鏡だった。それは、私の本当の姿じゃないの。

 

恥ずかしかった。私は消えてしまいたいくらい、恥ずかしかった。15歳の少年のカミーユが羨ましかった。妬ましいとさえ思った。

 

正しいことをしてこなかった自分を棚に上げて、私はカミーユに嫉妬していたことを思い知らされた。カミーユはMSの天才パイロットでクワトロ大尉にもエゥーゴの皆にも目をかけられてて、可愛い顔をしていて素直な少年で優しい心をしていた。

レコア少尉の潜入について一番心配していたのはきっと、カミーユ。

 

レコア少尉。きっと、あなたも私と同じね。いいえ、私よりももっと本気でクワトロ大尉に命をかけたのね。クワトロ大尉のためなら、1人で地球に降りられるくらいに本気で。

 

ごめんなさい。私はそこまでできないのよ、レコア。

 

正しいことをしたいの!私。

 

例え一度道を踏み外したのだとしても、周囲が間違っていても私は、何度だって正しいことをしたい。もう、ニュースを見ているだけの少女はやらないわ。

 

私、大人になってたんだもの、軍人を選んだの。人間に人間を殺させないために、軍人になったの。

戦争を、争いを止めるために軍人を目指した私を、ようやく思い出せたのよ。

 

白いリック・ディアス。エグザべ・オリベ中尉が、アーガマからの帰還命令の信号弾を見てこちらにMSでハンドサインを出した。

 

「援護感謝する。」

 

そういう意味のハンドサイン。初めて会ったころから変わらず、律儀で真面目な模範的軍人ね。

 

彼は、アーガマでもカミーユとファを、子供を護っている。

それは間違いなく正しいこと。それなら、私はいくらでも手助けできるわ。

 






別に、アムロはシャアを求めてはいないだろ、と8話時点では笑って見ていたが…あのぉ、富野、監督???え?

なんか、アニメだと時間の進み具合がよく分からなくて困る。俺の観察力が足りないだけ?まあ、そう。
俺みたいな馬鹿のために、右上に常時、年月日書いておいてくれ、頼むよ宇宙世紀。


コレ書いてた前後かな?地球連邦軍の給与遅配をスレの皆から教えてもらいました。え?国家公務員の給与が遅配???嘘っ!!

いやまあ、さもありなん。地球全土どころか、地球圏全体が被災地…
7年じゃまだまだ、片付けどころか被災状況把握がようやく終わったか、終わってないか辺りか。

エマさんは地球出身で、両親が軍人だそうです。その割には、こう、その、行動とか思想がね…
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