機動戦士Ζガンダム異伝 エグザベ・オリベ戦記 作:1スレ130番より愛を込めて
だが、逃げ続けた先に待つものを理解して逃げなければならない。
逃げた先に楽園があるとは限らない。
捨てた土地が楽園だったのかもしれない。
生きるということは楽な道を選ぶことではない。
生きるということは、決して楽なことではないのだ。
クワトロ大尉は行方をくらませたらしい。カミーユがそれを知ったのは、当然エグザべさんの部屋で、だ。ファと一緒にいるとき、エグザべさんに伝えられた。
「シャトルに乗ったというのは確かなんだけどね。地球上でカラバっていう武装組織を憲兵と連邦軍で一網打尽にできたから、そこまでは確認できているらしい。でも、宇宙のどこにいるんだか?」
同時期にエゥーゴの戦艦も1隻行方不明になったらしい。エグザべさんはクワトロ大尉が持って行った、と考えているみたいだ。行方不明になった戦艦の予定航路を何度も何度も見ているのを、後ろからのぞき見していて気づいた。
1隻で動くのも、地球近くを通るのも怪しすぎて僕でもわかった。
心配なのはエグザべさんのことだ。僕がのぞき見したことも気づかないくらい集中している。思考が走っているのかと思ったけど、どうも違うらしい。キラキラしたものが見えない。
いつも忙しすぎだ。そろそろ休んでくれればいいのに。エマ中尉もアポリー中尉も、そう言ってくれている。
情報部だけは違う。まだまだ仕事があります、なんて言って書類を持ち込んでくる。なんなら艦長室にエグザベさんを持っていこうとする。
ついさっきも、ファと一緒に威嚇して追い返した。エグザべさんがようやく、パイロット用の食事に手を付けてくれるところだったからだ。
エグザべさんの隠してあるレーション、探してみるかな?どこか、分かんない場所に隠しなおさないと…いや、無理か。すぐにばれて、怒られてしまう。きちんと食事を取ってもらいたいだけなのに。それが、こんなに難しいなんて、僕は思ってもみなかった。
「グラナダに戻れたのは、本当にありがたいよ。航宙中はやっぱり情報も限られるし、ニュースもゆっくり読めやしない。艦載員も疲れているし、ある程度は安心して過ごせる要塞の中で休まないと満足な仕事はできない。」
僕もファも一緒に食事を食べようと思って、ランチボックスをもらってきた。エグザべさんの見張りも兼ねている。押さえつけてでも口に押し込めってアポリー中尉が真面目に言ってきたのは面白かった。アストナージさんも、リック・ディアスのことは全面的に任せておけと伝えるように言ってくれた。
本当に、もう、エグザべさんは。
「そう、ニュースと言えば、ヘンケン艦長がエマ中尉にお付き合いを申し込んだらしいね。」
僕は聞いてない。ヘンケン艦長がエマ中尉に?なんだそれ?思わず、ファの顔を見ると別に驚いてない。僕だけ仲間外れか?
「私、その現場、見ちゃったんです。エマ中尉にお断りされてました!」
「へえ、そうなんだ。ヘンケン艦長がエマ中尉に気があるとは思わなかったよ。」
ランチボックスのミックスベジタブルをつつきながらエグザべさんが言う。僕にはすぐ、マナーっていうファも、エグザべさんには言わない。それって差別じゃないか?!不公平だ。
「年齢だって離れているじゃないですか!不潔ですよ!」
ファの態度に釈然としないものを感じながら、僕がそう言うと、エグザべさんは笑った。
「ヘンケン艦長には悪いけど、僕もそう思ったよ。ま、でも世の中には20歳以上の歳の差夫婦もいるからね。あまり、大声でいうことでもないさ。」
「贈り物、多分指輪だと思うんですけど、エマ中尉困ってましたよ。」
ファも先に僕に教えてくれてたら良かったのにさ。正直に言うと、その現場に居合わせたかった。野次馬根性だ。アーガマでは勉強と訓練と休憩しかないから、必然的にそうなってしまう。
「いきなり指輪か。情熱的と言えばいいのか、ヘンケン艦長らしいと言えばいいのか。」
そこまで言って、エグザべさんはちょっと遠くを見た。すぐ目線が戻ってくる。今、思考が走ったな。キラキラした何かが、エグザベさんの頭を撫でていった。
「でも、まぁ、ヘンケン艦長は幸せな人だよ。だって、…」
エグザべさんはそのままミックスベジタブルを口に運んだ。何を言いたいのか、僕にはわかった。
だって、ヘンケン艦長は生きているし、彼の好きな人も生きているんだから、ヘンケン艦長は幸せな人だと言いそうになったのだ。
言いそうになったのは疲れているからで、言わなかったのは僕らがエグザべさんと居るからだ。
孤独じゃないと思ってくれているのなら、僕とファはそれだけでも、ただそれだけでも嬉しかった。三人で食べるランチが嬉しかった。
いいですか?皆さん。
艦内で、そう潜水艦だろうと護衛艦だろうと補給艦だろうと巡洋艦だろうと空母だろうと!!
艦内で!みだらな関係をしてはいけません!!よりにもよって艦内で!!えっちなことするなんて!!
米海軍?実際妊娠率が高い?
軍の規律として駄目なんだよぉぉぉおおお!!
クワトロ・バジーナ!!聞いてるか??
「シャア・アズナブルとして人類を導く」
というブレックス准将の遺言はとっくに達成されています。
そう、皆様ご存じ、シャアミームですね!!
おじいちゃんもハヤト・コバヤシもネットに詳しくないから許してあげてよ。若者の流行についていけなさそうな顔してんじゃん(許されざる発言)