機動戦士Ζガンダム異伝 エグザベ・オリベ戦記 作:1スレ130番より愛を込めて
地球から最も遠いコロニー。
かつてはコロニーやアステロイドベルト、火星、木星を開拓するための工業製品を生産していた。
人類の宇宙進出を支えていたコロニーだった。
その、はず、だった。
人生で一番戦慄する出来事は、何だった?と言われれば、まさに今だよね。
「じ、磁石はね、やめて、いや、本当にね、だめだよね。カミーユ君、知ってるでしょ!だめだよ、ここでね、磁石は!だってね、磁石だよ!しかも、それ、貨物固定用の強力なタイプ!!」
そりゃ、宇宙だしね、グラナダ基地なんだしね、戦艦なんだしね、電磁パルス対策は戦艦全体にすら、かけられているけど!!磁場対策もされているし!
でも直接は、さすがにね!!万が一!って考えたら、全力で止めるしかないよね!
技術屋だってね、エンジニアだってね、うっかりはするもんなんだし!
まさかね、磁石を鈍器にして電子機器叩いたりね、しないよね?さすがにね、しないって言ってよ。
いや、待って!振りかぶらないで!!
「僕は、ヌー曹長の知恵が借りたいと、言っているだけです。」
もう俺は悲鳴を上げるしかできない!!
やだよ、もう!この情報部にね、大小含めてどれだけの電子機器が入ってると!!いや、カミーユ君なら知ってるか、ここ数日、情報部で雑用させてたから。
「待って、本当にね、待って!!貸すからね、俺でよければいくらでも貸し出すからね、本当に、お願い!お願いだからね、データだけは!コンピューターだけは!や、やめてね、磁石は!!データは俺の命より重いんだからね!!だめだよね。こんなんね脅迫だよ!!」
「今すぐ、ヌー曹長の知恵をお借りしたい、って僕が言ってるんですよ。」
カミーユ君ね、君ね、目が据わってるじゃないか!もうやだ。さっきエグザべ中尉も帰って来たし、俺もこれから艦長室に行かないといけないのに!!
他の仕事だってね、山積みだよ。だって『ヴェルザンディ』がね、結成されたんだものね。エゥーゴの扱いをどうするかもね、方向性をね、決めないといけないんだものね。そういう話し合いの準備だって、俺ら情報部の仕事になっちゃってんだからね、本当にね、冗談なく忙しいこの時にね、カミーユ君の脅迫!
情報部員が、磁石を振りかぶった子供にね、立ち向かえるわけないよね!だってね、全員椅子に座ってたんだものね。多少動ける部員も訓練の成果だよね、咄嗟に机の下で頭を守ってるもん。データ守ってるんだと思えばね、褒められるけれど!でもね!俺にはわかってんだよね、こいつら、カミーユ君の脅迫をいいことにね、机の下で仮眠取る気だ。
分かるよね。だって、俺だってそうしたいものね!責任者じゃなきゃ、そうするよね、誰だって。
「ヌー曹長、艦長室には自分が向かいますので、お気になさらず。ブライト艦長とエグザベ中尉には、グラナダへブロマイドを買いに行った、と報告しておきます。」
アーガマ情報部の俺の次席、タナカ伍長が俺を見捨てた!!
「俺としてはね、エグザべ中尉をね、ここに呼んできてほしいんだけど!!」
「良いんですか?ヌー曹長、僕はまだ廊下にバケツという手段も持ってきています。トイレ掃除用のバケツです。当然、水も入れています。」
カミーユ君の、その静かな言葉に、俺は、人生で初めて、部下に売られた。
タナカ伍長を始めとした情報部員に捕まってね、廊下に閉め出された。ドアに鍵までかけられた!廊下にね、バケツなんて無かったのにさ!!タナカァ!!!お前、廊下ね、見たくせに!
軍でこんなことある???いや、でもそう。カミーユ君は子供だからね、軍人じゃないんだからね、仕方ないんだよなぁ。
「エグザべ中尉にね!!お説教するから!!君たち手が空いたらね、準備進めといてよ!!」
カミーユ君は俺を引きずれるくらい、力が強かった。
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僕はヌー曹長を引っ張って、彼の自室まで連れて来た。ヌー曹長は軽い。僕でも引っ張って来れるくらいに軽かった。
「エグザべ中尉は、エグザべさんは、ルウムの難民だったんです。なんで、ジオン共和国で軍人なんかしてるんです?!地球連邦軍は何をしてるんですか?」
まず、僕が言いたいことは、これだった。部屋のドアを閉めたのを確認して、ヌー曹長に訊いた。
「分かるよ!本当にね、カミーユ君が言いたいことはわかるよ。わかるけどね、これにはだいぶ、大人の事情というか、上層部の思惑がね。…あ、いや、まって!!やめてよね!俺の枕は持ち上げないで!!だめ!!カミーユ君は未成年でしょ!!なんで知ってるの?だめだよね!止めて!見ないで!!」
「エグザべさんは、なんで、地球連邦軍に、保護されないんですか?」
「ま、枕から手を放して。いや、話すからね、軍機じゃないところは話すから!!待って!」
ヌー曹長の慌てぶりに僕は誤魔化されるつもりはない。恨むなら、同じくらいおしゃべりなアポリー中尉を恨んでほしい。枕の下にヌー曹長の『宝物』がある、と話してくれたのはアポリー中尉だ。おしゃべりした曹長自身も悪い。
「エグザべさんは、本来は、地球連邦の、サイド5の、ルウムの人です。なんで、地球連邦は、エグザべさんを、保護しないんですか?」
僕にとって、一番主張したいのはそこだ。
「わかってるけどね。本来はね、地球連邦政府がエグザベ中尉を、保護すべきなんだよね。拉致被害者として保護したいんだよ、俺ら情報部はね。…本当に、エグザべ・オリベ中尉の今の環境はね、ジオン共和国の兵士にされていることはね、許される行為じゃないんだよ。人権侵害もいいところだよ。許されざる人権侵害だよね。ホントにね。…だけど、エグザべ中尉だけじゃなくてね、サイド5だけじゃなくてね、ジオン公国時代にね、おおよそ最低でも10,000人近く拉致されているし。」
初めて、知ることだった。
僕は、初めてそれを知った。1年戦争のジオン公国の非道は、大虐殺だけじゃ、なかった。
故郷を、家族を、友を失くして、行き場を失くした人間を、それをしたジオン公国が攫って行った。声が出せなくなるくらい、怒りで奥歯が震えるくらい、何も考えられなくなる。
「でもね、本当にあそこのね、ジオンを名乗るサイド3の国民はね、公国で時代も共和国でもね、頭おかしいんだよね。カミーユ君も分かるだろ?あいつら、頭おかしいの。今の共和国政府と共和国軍はね、まだマシだけど、国民がね、頭おかしいの。一年戦争だけじゃなくて、ニュータイプとか、ジオニズムとかぜーんぶね!まともな頭してたら、あんなカルトにね、ひっかからないでしょ。そんな、頭おかしい連中をね、1年戦争で地球連邦軍はサイド3に隔離したんだけどね、いや、隔離できたつもりでいたんだけど。」
「エグザべさんは、まっとうな人です。普通の、人間です。」
僕の声は怒りで震えている。ヌー曹長だってわかっているはずだ。
エグザべさんはまともな人なのに、ヌー曹長の言う頭のおかしい連中を隔離したサイド3に、連れ去られている。本当にサイド3の人の頭がおかしいのかどうかは置いておくとしても、そんなところに、一緒くたにされて、隔離されているなんて…
「そうだよ、エグザべ中尉はね、まともな軍人なんだよ。本当に、自分の任務にも立場にも向き合ってるからね。共和国政府もね、共和国軍もね、戦後、とにかく末端の暴走と戦闘意欲を抑えようとね、教育課程の見直しと倫理教育の徹底をしたからね。その辺はね、さすがに公国時代とは違うよね。というかね、公国が論外だっただけだしね。戦犯も危険思想持った軍人もだいぶパージできたしね。…問題はね、国民の方なんだよね、何度も言うけど。サイド3の連中は本当に頭おかしいんだよね、何度も言えるくらいに。一日中言えるくらいには頭おかしいんだよね。…あいつらね、殺した人数の多さで上下関係決めてる節があるからね。うん、当然、日常生活でも、だよね。うそじゃないよ!まじでね、本気でね、そういうところあるから。でなきゃ、宇宙移民同士で殺しあいなんかしないよね。地球にコロニーをね、落としたりもしないよね。」
ヌー曹長は、口早にそう言うけど、僕には理解できない。殺した人数の多さ???人の命を?数に?上下関係を?
「な、に?言ってるんです?今、何を?」
「これはね、軍機じゃないからね、言えるよ。本当に信じられないだろうけどね。例えばね。…シャア・アズナブルは戦争の時、1年経たずに大佐になったよね、知ってるだろ?こんなんね、普通の、まっとうな軍ならしない人事だよね。だって、佐官って地位はお飾りじゃないんだものね。でもね、大佐になった。理由は、たくさん人を殺したからだよね。他サイドやルウムの民間人虐殺にね、役立ったからだよ。民間人を守ろうとする戦艦も戦闘機もね、たくさん落としたからだよね。だって、MSの操縦が上手いだけの、それだけの人間をね、普通は大佐になんてしないよね。だってね、ブライト艦長と同じ階級なんだよ、大佐ってね。どんな仕事があって、何しているか、ブライト艦長をね、見てたら分かるんじゃない?カミーユ君ならね。…ほらね、わかってきただろ?あいつら、頭おかしいんだよね。」
分かりたくない。分かりたくない、そんなこと!
そんなこと!!
人の命を、たくさんの命が。あの戦争で…でも、ジオン公国は、その命を!
今も、その命を、もてあそんでいる人間が居るなんて!分かりたくない!
エグザべさんは、まだ覚えてるんだ、ずっと覚えているんだ!ルウムの惨劇を!一生抱えていくんだ、あの人は!それを!!
どんなに、どんなに辛くても苦しくても命に敬意を払うことの大切さを抱えて、生きていく人たちがいるというのに!!
「で、ね。そんな頭おかしい奴らを隔離したサイド3、放置しておくわけにはいかないんだよね、地球連邦としても。いや、今までも本当はね、放置していたわけでもないんだけど。地球連邦もいろいろ口出ししたしね、懲罰かけたしね、監視も常にしてるしね。…デラーズフリートが、ね。いや、これはまだ、軍機か。……えーとね、つまり、共和国内部に協力者がね、必要なんだって話なんだよね。地球連邦とジオン共和国の協調路線を推し進めるための協力者。わかるかな?頭おかしい奴らにはね、バカどもにはね、分かりやすい旗印が必要なんだよ。英雄っていう分かりやすい旗印が。」
「そんな、そんな人たちのために!エグザべさんが、命を賭けないといけないなんておかしいですよ!あの人は!そんなことしていい人じゃないんだ!僕の命の恩人なんです!!家族なんですよ!」
肩で息をしていた。僕は辛い。悲しかった。
なんで?そんな人たちに、そんな馬鹿げた大人の事情で、エグザべさんの人生が玩具にされなきゃいけないんだ!僕の家族の人生が!
幸せに、平穏に暮らしてほしい、ずっと、支えあって生きていきたいという僕の願いが!エゴだったとしても、それがなんだ!人の命を弄ぶ奴らのために、踏みにじられていいものかよ!!
「そうなんだよね。本当にさぁ。こっちとしてもね、いい加減、ニュータイプ思想とかジオニズムなんかに関わりたくもないしね、勘弁してほしいし。サイド3なんかもうね、全滅させて新しく作り直したほうが早いってね、上層部に常々言ってるんだけど。だってね、地球連邦政府にとっても必要ないからね、サイド3の遅れた技術も工業力も。若年層もいないし、技術開発するための資金だって1年戦争に投じちゃって、いつ経済崩壊するのかも秒読み段階だしね。それに、たった一億五千万人ね、全滅させたところで、1年戦争の犠牲者を考えたら誤差だよね。カミーユ君もそう思うだろ?ティターンズ設立に賛成票投じたお偉いさん方もね、そのつもりだったんだろうし。あ、これは軍機じゃないよ。俺のね、推理というかね妄想。」
「サイド3が無くなったら、エグザべさんは帰って来れるんですか?」
血を吐くような思いだった。そんなことはない。分かっていても、口に出さずにいられなかった。
「肝心のエグザべ中尉本人が、ダメだよって言ったからね。本当にね、勘弁してほしいよね。中尉本人には知らされてないけどね、憲兵さん達もね、連邦軍の上層部も共和国軍の上層部も、もう、中尉を旗印にする方向で動いてるからね。…俺はね、サイド3全滅案を推してるんだけど。どうせ、あいつら生かしておいてもね、人類に何の貢献もしないんだし。拉致された人たちをね、返してもらってから、戦艦でコロニーに穴開けるだけのね、簡単作業だよ。エゥーゴの戦力だけでもできる。何をね、躊躇うことがあるんだかね?」
ヌー曹長は本気だ。それも分かった。
「人類の半分を殺した連中をね、生かしておく理由なんてどこにもないんだよね。」
ヌー曹長は便利なオリキャラ 編
便利すぎて、このころから多用してます。
枕の下に、グラビアアイドルの叡智な写真集やピーーな写真を置いています。部屋に誰も入れる気が無かったから、一番使いやすいとこに置いてた。そして、それを喋ったヌー。
やばやばやばやばなジオン共和国。
サイド3って工業生産コロニーだったんだって??本気で?
え?1年戦争の後、工業製品どこに売る気?誰も買わないのでは?だって、サイド3って遠いし、製品に運送代加算されるはずだし、そもそも人類の怨敵だし。
今でもフリーチャイナ運動とか、ロシア製品不買運動とか、結構してる人多いけれど。
いや待て、なんでまだ存続できているんだ?Zガンダム本編の裏設定で、ジオン共和国軍がある??敗戦国の再軍備が10年以内で許されている?人類の半分を殺したのに??まあ、ザビに全罪おっかぶせたから、か。いや、地球連邦政府、優しすぎるのでは?
というか、戦争で若年層も大幅に消えてて、MS開発技術も取り上げられているはずで。製品買ってくれる客層であろう、コロニー群はほぼ壊滅。
テロ組織の支援するための資金とか、出せるの?このサイド3に?
現実だと、北朝鮮あたりは国民生活切り捨てて、ネットバンクへの悪質ハッキングで資金盗難してるし、ロシア、中国から資金ももらってるし、パチンコとか臓器とか…
ギレン君、何したかったの?地球連邦に勝ちたかったのは分かるけれど、その手段が「宇宙移民大虐殺して地球にコロニー落として大虐殺」はちょっと、意味不明。
エレズムっていう、地球の聖地化無人化の達成??いや、本末転倒では?大目標の地球環境保護が吹っ飛んでるじゃん。物理的に!!
第一、サイド3が独立するメリットって何があるの?関税かけられて、輸出制限かけられたら、工業製品生産コロニーは「死」じゃん。
鎖国してポルポトるつもりだった?農業国というか、原始共産制でも目指してた?でも、ジオン公国って貴族制ぽいよな?ヘリウム3どうするの?原始共産制で。
もっと言えば、なんで、たった1億か2億人でなんで全世界に戦争仕掛けてるんだ?
大日本帝国だって、追い込まれて、というか外交の失敗で嫌々そうなっただけで…黄禍論とかもあったし…ABCD包囲網もあったし…ロシアなんか信用しちゃう大失敗してるし…
そんなこともあった様子もなく、1年戦争????
やっぱ頭おかしいや。登場人物、頭おかしいよぉ!