機動戦士Ζガンダム異伝 エグザベ・オリベ戦記 作:1スレ130番より愛を込めて
考えてみれば、僕は幸せ者だな。
ちゃんと、大切な人たちに「さようなら」が言える。
笑って「さようなら」が言えるのは、贅沢な話だ。
どんな時代でも。
ハマーンは怒りを鎮めてくれたわけではないだろうが、エゥーゴの事情を鑑みて、僕の土下座とデバイスの再設定でとりあえずの和解をしてくれた。
まあ、『ルウムの亡霊』の動向を把握することに努めるという、割と難題も出してくれたが。僕だって、子供たちのことを考えたら、次は何をするつもりなのかくらいは把握しておきたい。
寛大な彼女には感謝するしかない。
アクシズに追い込んだシャア・アズナブルについても、ハマーンには心労をかけている。
アクシズの質量兵器化だって彼女が忠告してくれていなければ、もっと大変なことになっていた。地球にアクシズが落ちていたかもしれない。
アクシズの3万人の住民。
ハマーンは優しい人だ。真人間に戻れるアクシズの住民が少しでもいることを心では祈っている。
せめて、シャア・アズナブルの無意味な破壊衝動に巻き込まれることが無いよう真人間に戻ってくれ、と。それが、なんとなくだけど分かった。
僕とパプテマス・シロッコは、アクシズの住民を見捨てることにしたというのに。
ドゴス・ギアで、そう結論がついた。パプテマス・シロッコは、僕の親友は己の手を汚すことも厭わなかった。僕にバレないうちに、そうするつもりだったらしい。
パプテマス・シロッコは、本当に気高い精神を持った人だ。そうであるならば、僕はパプテマス・シロッコにだけ、手を汚させるような真似をさせられない。
僕ができることは少ないが、戦場に出てくる人間を殺しつくすことくらいならできる。MSも戦艦も補給艦も全て。
アクシズ。領宙侵犯の件で地球連邦軍から警告を受け続けている小惑星。それに応えもしないから、テロリスト集団と認定される日も遠くはない。
アクシズの住民全員がテロリストと認定されれば、そう、もっとどんなことでも。一MSパイロットであっても取れる手段はいくつかある。
戦史が、歴史がそれを僕に教えてくれる。
僕は1月後には、ヴェルザンディに行く。ヴェルザンディの旗艦ドゴス・ギアの所属のMSギャン改-Ⅱのパイロットとして着任するように辞令が下る。
僕とパプテマス・シロッコでそう、した。
最短でも1か月かかるのは、まあ、手続きと建前上、仕方がなかった。地球連邦政府と共和国政府の間の問題もある。少々、共和国軍は勝手をやりすぎていた。
時間が惜しい。
もっと時間が欲しい。いや、もっと早くに取り掛かるべきだった。準備期間が足りない。手駒が足りない。兵士が足りない。訓練も足りない。補給もMSの調整時間も足りない。
後悔は尽きない。が、できることは、やらなければならない。それが、軍人の務めだ。
子供たちを、カミーユとファさんを護るためにも、僕はやるべきことをするだけだ。
やらなければ、ならない。さようならを。
アクシズを地球に落とさせないために、シャア・アズナブルをジオニズムの殉教者にさせないために。
カミーユやファさん、彼らの友人、ハマーンやマイネちゃんを平穏な日常に戻すためにも。
僕は全てをかけて敵を倒す。人類の敵を。
僕は強欲で、酷いエゴイストだ。それが、わかっただろう。『ルウムの亡霊』がそれを教えてくれた。
そうであるならば、見知らぬ子供達を盾にされても、今度こそ、僕は、………戦えるだろう。
軍人は、やるべきことを、やらなければならないのだから。
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エグザべ中尉さんに呼ばれて、情報部にファが行ったのは声をかけるのも戸惑ってしまうくらいに落ち込んだカミーユを見かけた日の夕方だった。
最近、私が任されている衛生班の仕事は少なくなった。午前中だけで終わるようになっていた。他の人に悪いな、申し訳ないなと思って、手伝いをしようとしても、勉強に行くように、皆笑って言ってくれた。カミーユ君も待ってるんでしょって。
今日は、カミーユ、勉強部屋に来なかった。
セーラとマシューも自分のクッションの上で不思議そうに待っていてくれていた。エグザべ中尉さんは私たちが一緒に勉強していると聞いて、大きめの折り畳みローテーブルとマシューとセーラとマイネちゃんの分のクッションも買って部屋に置いてくれた。皆、おそろいのクッション。グラナダ基地にアーガマが着いてすぐのことだった。
マシューなんか、カミーユが勉強をさぼったことを怒るのかと思ったけれど、そんなことはなくて、ハマーンさんのところに帰る時間が近づいたころには部屋の中を右往左往してたし、セーラも教科書の同じところを何度も何度も読んでいて集中できてなかった。私は教科書を開く気もおきなくて、クッションの上でマイネちゃんを膝に抱えて、ただただ湧き上がる不安を押し殺していた。
カミーユが泣いている気がする、すごく、すごく泣いている気がする。
何か、悲しいことがあったのかしら?でも、エグザべ中尉さんは、無事に戻ってきてくれたし。
私が今、不安なのはカミーユのせいよ。いっつもいっつも、大人ぶっちゃって、嫌なこと全部抱えたまま、私には相談だってしてくれなくて。
寂しがり屋のカミーユのくせに!悲しいときだってなんてことない顔して、自分は平気だって言い張って!私が困ってるときや悲しいときはいつも一緒に居てくれて!カミーユは、優しいから!優しすぎるから、私にもサラにもシドレにもマシューにもセーラにも助けてって言えないカミーユだから…。
だから、私が不安になるのよ。
エグザべ中尉さんに呼ばれて行った情報部には、珍しくおしゃべりなヌー曹長はいなくて、代わりに女性情報部員の人が何人も近くにいてくれた。簡易椅子を出してくれて、お水もくれた。
「今日はね、ファさん。とても、ファさんにとって辛い話をしないといけない。カミーユには、後で僕から話すことになる。君から、カミーユに伝えるのは辛い話だ。」
エグザべ中尉さんは、そう言って、私の両親がグリーン・ノアで亡くなっていたことを教えてくれた。
私、知ってました、とは言えなかった。言葉がのどに詰まって言えなかった。私、知って、いたわ。
テンプテーションで、小型輸送船で、グリーン・ノアを、故郷を逃げ出した時に、確かに聞いたの。2発の銃声を。宇宙空間だったのに、聞こえた銃声。
「グリーン・ノアまで、僕の手が届かなくて。間に合わなくて。本当に、すまない。」
エグザべ中尉さんはそう、言うけど。でも、だったらどうしたら、よかったんだろう。あの日の、私もカミーユもエグザべ中尉さんも。
あの日のグリーン・ノアは変だったわ。グリーン・ノアに基地を作ったティターンズが新しいMSの訓練をしているのは、皆も知っていたけれど、あの日だけ住宅街の上空を飛んでいたの。宇宙港だって変だった。改札で、ティターンズの衛兵が厳しい目つきで皆をにらんでたの。
あの日は皆がイライラ、ピリピリしていた。
変な日だったの。
カミーユも突然ティターンズの人に因縁をつけて、酷く殴られて気絶したまま軍基地に連れていかれちゃって。でも、カミーユはお父さんもお母さんも軍の人だからって、私は1人だけで帰っちゃって。
コロニーにも穴が開いて、避難命令が出て。コロニーの中に見たこともないMSが入ってきて、戦闘さえ私は見ちゃって、ただの高校生だったのに死ぬところだった。
それで、気付いたら、両親と一緒にカミーユに対する人質になっちゃってて。
そんな、変な日だったの。
「カミーユ。カミーユはきっと、泣いちゃうと思うんです。私、カミーユのこと、大好きなのに。カミーユったら色々抱えこんじゃって。ずっと、言えなかったんです。私の両親のこと、もう、間に合わないって、ここに来た時には分かってたって。言えなかったんです。…カミーユは悪くないのに、私、カミーユは悪くないって、まだ言えてないんです。」
泣いていたのは、私だけじゃないのも分かっていた。私と両親のために泣いてくれたのは、カミーユだった。一緒に泣いてくれていた。
「私、ジュピトリスで友達が、姉妹ができたんです。まだ、お互いにメッセージカードくらいしか、贈り合えてないんですけど。サラとシドレは、何も言わなくても分かってくれて姉妹になろうって、言ってくれて。私、何も言わなかったのに、両親が亡くなったことだって分かってくれて、私に寄り添ってくれて。でも、私、カミーユにはまだ、言えてないんです。」
何が言いたいんだろう、私。
なんで、今、エグザべ中尉さんは私の両親のことを教えてくれたのだろう。
「カミーユが泣いたら、私、悲しいんです、エグザべ中尉さん。」
「ファさん、僕のことを恨んでくれ。あの日、僕がアーガマに着任できていたら、シャア・アズナブルを止められたかもしれない。ここ最近ずっと、そう思っていた。カミーユも君も君の家族も、グリーン・ノアから避難できていたかもしれない。」
あんな、変な日に何ができたんだろう。住宅地の上で、ビームライフルで殺し合いをしていたMSがたくさんいて、コロニーの中で、人がたくさん死んだあの日に。
「カミーユが泣いちゃいます。」
エグザべ中尉さんを恨むなんて、筋違いだって分かるもの。
だって、グリーン・ノアの宇宙港に戦艦なんて、アーガマなんて来なかった。私も、覚えてる。エグザべ中尉さんは忘れてるのかも。カミーユと一緒に、私もグリーン・ノアの宇宙港ですれ違った。
あの日、到着予定時刻に遅れていた輸送船も無かった。エグザべ中尉さんは遅刻なんて、してなかった。
「なんで、誰かを恨んで生きていかないとダメなの?」
バスクは、ティターンズは憎い。でも、エマ中尉は真面目な軍人さんだったし、パプテマス・シロッコ少佐は私に頭を下げて謝罪までしてくれた。サラとシドレは、ニュータイプって軍の人に判断されて、いきなりティターンズに入隊させられただけだった。
誰もかれもが、振り回されていただけなのに。私だって、カミーユを振り回しているのに。どうして、エグザべ中尉さんを恨めるというの。
カミーユの傍に居られるようにしてくれたのに。私とカミーユを助けてくれた人を、私は恨んだりできない。
「ごめん。軽率なことを言ったね。僕は、本当に。」
エグザべ中尉さんはそう言って、私に頭を下げると後のことを女性情報部員の人たちに任せて、執務室に戻って行っちゃった。
悲しそうな顔をしていた。
ああ、さよならの準備なんだ。さよならの。
また、カミーユが泣いてしまう。カミーユ。泣かないで、なんて言えるわけないじゃない。私も、今、泣いているんだもの。
ファは優しい子です。本当に。
ただ、その優しさを利用する悪い大人が居て、カミーユはそういう悪人に気づかないまま最終回に至りました。俺はそう、考えています。
ジャブロー降下の直前、ファはアーガマで食事配膳の仕事していたんですよ。それが、カミーユが宇宙に戻ってきたらMSパイロットになってる……え?むっちゃ怖くない??しかもおそらく初陣で、カミーユを助けに戦場へ出てきて……こわ…下手したらカミーユの目の前で死んでたかもしれん、ファ。こわ。
だれ?こんな残酷な提案したの?いや、富野監督だろうけれど!!そうじゃなくて、物語の中でこの提案したの誰?
ファ本人だとしても、止めろよ!大人が!!!
ところで、Z本編のレコアさん、彼女ジャングルの中を随分な軽装でボートで、ぼーっと(超絶面白ギャグ)流されていましたけど、あれで、何が分かるんです?通信機も徒歩4日かかる場所に置いて来ちゃってて、意味ある行動でしたか??
普通は現地協力者と合流して情報もらう、とか。後続の調査隊のために近場の村か街に潜伏するとか。現地の新聞集めるとかさ、そういうことするでしょ??ふつうは、そういうこと命令するんだから。
で、あの川下り、何なんです?川から見えた飛行機、数えたからって何?搬入かもしれんだろ?
カラバのハヤト登場のくだりはレコアに下準備させてましたって流れにしたら、急に湧いて出た謎の味方飛行機とかいうガバチャート組まなくて済んだだろうが!!設定がもったいない!!
あと!!カイ・シデン!!ジャングルの中で!!汚れてない!!白いスーツ!!
なんやねん音頭!!
ジャブロー基地の通信機使おうぜ!の提案!!なんやねん音頭!!
カイの無駄遣いだろ!!!
よって、弊SSではレコアとカイは出会っていません。ジャングルで出会えませんでした。
そもそも、ジャブローのジャングルで出会うってどんな確立やねんって話なので。
カイの無駄遣いは許さん委員会会長