機動戦士Ζガンダム異伝 エグザベ・オリベ戦記   作:1スレ130番より愛を込めて

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どうか、どうか、無事でいてほしい。

無事で、生きてほしい。生きていってほしい。

僕は誓った。君を平穏にかえして見せる、と誓った。

あとちょっと、あと少し。ほんの少し。

グリーン・ノアのカミーユ・ビダン。

君は、ファさんと友人と大人と、皆に囲まれて、幸せに生きていてほしい。

僕とカミーユには、僕とルウムの皆にはできなかったことだ。

でも、君たちは、生きて幸せになってほしい。

そのためならば、僕はやれることを全部するよ。

人類の敵を、殺しに行けるよ。

君が、君たちが、幸せに生きていくためならば。





出兵

 

 

 

生きていてほしい。生きて、帰ってきてほしい。

 

僕は、エグザべさんにそう言った。昨日、ドゴス・ギアに行ってしまったエグザべさんに。

 

ヴェルザンディの大艦隊はグラナダ港で補給をして、エグザベさんとギャン改-Ⅱとイマニュエル上等兵さんを乗せて、そして、行ってしまった。

アクシズへ。

 

エグザべさんは、僕とファを抱きしめてくれて、

 

「いつまでも、元気で。」

 

とだけ言って、行ってしまった。エグザベさんは、行ってきます、を言ってくれなかった。

 

パプテマス・シロッコ少佐も、ジュピトリスに既に遺書を送ったらしい。サラとシドレがテレビ通信で教えてくれた。彼女たちの後見人がパプテマス少佐だからだ。

 

僕たちも、エグザべさんに渡された。

僕たちの後見人は、これから先、ハマーンさんになる、とだけエグザべさんから知らされて渡された。それが遺書だと知らされないまま、僕とファは受け取った。ヌー曹長が教えてくれなかったら、僕らは開けて読んでしまうところだった。エグザべさんは、…本当に…もう。

 

エゥーゴはヴェルザンディの後方支援をすることになる、とはハマーンさんが教えてくれた。

ブライト艦長がまた倒れたので、ブライト艦長の代わりに新任のゲーツ大尉が常に艦内を走り回っているから、代わりにハマーンさんが教えてくれたのだ。

そんな忙しくて大変なのに、1日に60分も僕らにニュータイプの講義をしてくれるゲーツ大尉には、本当に頭が下がる思いだった。

 

ヌー曹長も忙しそうに、グラナダ基地とアーガマを行き来している。

クソガキ、が彼の口癖になってきているのは、僕のせいではなく、エグザべさんのせいだ。これは、本当に、嘘偽りなく。

 

「このひと月、キュベレイのサイコミュを解体して、技術者共とチューンアップしている。時間はまだ必要だが、情報部共もよく働いている。決戦には間に合わせよう。カミーユ、よく励め。仕事は、お前がなさなければならないことは、まだある。」

 

ハマーンさんは、そう、僕に言った彼女は、ここ最近、整備士のつなぎを着て軍手まで嵌めてヘルメットも被って格納庫でその作業を手伝っている。というか、色々、指示している。良いのか?これ?でも、ハマーンさんが1番キュベレイのサイコミュに詳しいわけだし…?

ヘルメットを被りやすいように、軽く髪を後ろで結んでいるハマーンさんは凛々しかった。声もすごく通るから格納庫のどこに居てもすぐわかるし、いつも書類を挟んだバインダーを片手に働いている。当たり前のように、皆がハマーンさんに従っていた。

 

キュベレイのサイコミュは彼女の言った通り、今アーガマの格納庫で大改良されている。解体されたキュベレイからサイコミュが取り外されて、メカニックと技術者とアムロ大尉とハマーンさんは喧々諤々と技術実験を続けている。

 

そう、アムロ大尉もグラナダ基地から借り出されてアーガマに来ている。メカニックも増員されて、憲兵もたくさんで。

 

本当に、こんな中、ゲーツ大尉は、アーガマのあっちこっちを走りまわされていて、可哀そうだった。

なんでも、ゲーツ大尉は風紀の乱れを目撃したらしい。

 

エグザべさんの執務室の奥に積まれていた荷物はシャア・アズナブルの私物だったそうだ。真相を知ったゲーツ大尉が怒りながら言っていた。

 

それを知ったエグザべさんは憲兵に引き取らせて、犯罪捜査に生かすように意見具申したって言ってたはずだけど。それも、大分前だ。エグザベさんがサイド4のデブリ地帯に行く前の話だ。それを憲兵は証拠隠滅のため、グラナダ基地がシャア・アズナブルの私兵集団に襲撃される可能性が皆無ではないという理由でアーガマに置いたままにするよう指示してきた。憲兵の怠惰だ!

 

それを引き継ぎで聞いたゲーツ大尉は、憲兵に怒りながらもアーガマの空き倉庫を探していたのだけれど、その候補の1つで遭遇した、らしい。今まさに、という現場に。

 

ハマーンさんは怒り狂った。現場を見てないし、噂しか聞いてないんだろうけど、ヌー曹長とゲーツ大尉とブライト艦長を呼び出して苦情を申し立てた。憲兵も苦い顔をしていた。ブライト艦長が倒れた原因の一つだと思う。

 

僕とマシューとセーラはアムロ大尉目当てで艦長室前に来ていて、それを艦長室の外からでも分かった。ハマーンさんの声は、本当によく通る。

 

ファなんか僕らからこれを聞かされて、マイネから一層離れようとしなくなった。

マイネは最近、好奇心が湧いてきたらしく、アーガマのあちこちを冒険したいって言ってたからだ。ハマーンさんを真似して、ブライト艦長の許可を得てから格納庫へも行ってみたりもしている。格納庫の近くって倉庫も多いのに。

ファには絶対にマイネから離れないでほしいと、僕たちもお願いした。

 

戦艦って本当に、子供が乗るもんじゃないよな。本当に本当に、そう思った。

 

 

 





「夜と霧」  編


スレでは皆に「夜と霧」みたいで素敵!と言われました!(誉)

弊SSのカミーユ・ビダン君は、だんだん打たれ強くなっています。なんだかんだ、助けてくれる守ってくれる人たちが周囲に居てくれるし、友人もいてくれるからな。ファと恋愛する心の余裕も出てきてるし。
戦場から離れるって大事なことなんだよ。

ん?エグザベが戦場に行ってる?軍人だから当たり前では??アクシズは戦力持ったままサイド3と月に近づいてきてるんだし、そりゃ当たり前に最前線だよ。
パプテマス・シロッコを信じろ!!
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