機動戦士Ζガンダム異伝 エグザベ・オリベ戦記   作:1スレ130番より愛を込めて

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子殺し

 

 

「キャスバル・レム・ダイクン次第かな?5回も逃げられているようでは……逃げる?どこに?」

 

そこに思い至って、僕は完全に思考の制御を失くしたことを知った。一線を越えてしまった。こんなにも、あっけなく。

思考が、走る。走る。僕を置いていくように、走る思考を止められない。

 

走る先に……

 

宇宙が全方位に見えた。アクシズが、地球が、月が、コロニーが、見える。月に遮られて見えないはずの、地球が見えている。火星も、木星も、アステロイドベルトでさえも、見えた。

 

いや、違う。見えるだけだ。見えるように思えているだけだ。思わされているだけだ。パプテマス・シロッコの言葉を信じろ。親友の言葉だろう!

 

僕が人を導けるのであれば、宇宙に溶けることはない。宇宙の目印が溶けるようなことがあっては、人は宇宙の迷子になる。宇宙で迷子になる恐ろしさを、僕は知っている。

 

恐ろしい、という感情は、生きているから、僕が、僕の肉体が生きているからこそ、持てるものだろう。生きているのなら、まだ、宇宙に溶けてはいない。

宇宙と一つになっていないのだから、宇宙が『見えて』いるんだ。

 

「逃げられるはずがない。宇宙だ。ファンネルで僕を足止めしても、逃げる場所がない。宇宙のどこにも。キャスバル・レム・ダイクンを受け入れる人間はいない。僕らが、そう、した。逃げ場を失くしたキャスバル・レム・ダイクンなら、僕を殺すはずだ。受けた屈辱を晴らす為だけに。内容はともかく、公的に僕の戦果は彼を越えてもいる。デブリ地帯で、百式の頭部をヤザン大尉と2人がかりとはいえ、ビームサーベルで落としたんだ。屈辱を感じたはずだ。だから、MSで、ビームサーベルで接近戦を挑んでくるはずだった。意趣返しに。ファンネルで僕の動きを阻害して、鈍った僕を殺すことを考えると踏んでいたのに。赤いキュベレイは逃げた。誰かが、知恵を付けたのか?いや、キャスバル・レム・ダイクンを導いている?」

 

赤い彗星が、目の前を横切るのが見えた。いや、違う。宇宙を彷徨っているのが、見えた。

 

彷徨っている…彗星が宇宙を彷徨うか?太陽を中心に公転しているのが彗星だろう。そう、定義されているはずだ。それが宇宙を彷徨っているように、僕は感じている。

 

「キャスバル・レム・ダイクンにとって、僕は路傍の石か。僕程度では、気に掛ける存在になれないのなら。…探しているのは『アムロ・レイ』。アムロ大尉ではなく『アムロ・レイ』を求める理由はなんだ?ああ、そうか。導かれているからか。」

 

赤い彗星にとっての太陽は……導いているモノは女性の姿をしていた。キャスバル・レム・ダイクンの欺瞞だ。女性の姿に、そう、感じた。

女性の姿をしているが、あれは女性じゃない。

 

「ニュータイプの力、それ、そのものを女性の姿として見て、受け入れた人間がシャア・アズナブル。でも、そのシャア・アズナブルはアムロ大尉には、及ばなかった。戦場でアムロ大尉に負けたから『アムロ・レイ』を、更なるニュータイプの力を求めている人間がキャスバル・レム・ダイクン。自分は、特別な力に導かれている人間だと思い込みながら、より強い力を手にすることしか考えられないから!」

 

月と地球とコロニーの引力に振り回されるデブリだ。己の欲望と、他人の欲望と、赤い巨人の欲望に振り回されている。それを、良しとしている。

他人への優越感と、自分への誇大性と特別感と、支配欲に振り回されている。

 

だから、キャスバル・レム・ダイクンはニュータイプの力を女性の姿でイメージしている。ニュータイプの力を、ニュータイプを自分の下に組み敷きたいからだ。その組み敷いたニュータイプに無限の慈愛と許しを求めている。永遠に、公転していたいと思っている。

 

でも、この光景を、このイメージを僕に見せているのは…キャスバル・レム・ダイクンではない。

赤い巨人。僕の思考を走らせてまで何が言いたい?木星を見た。

 

「機会が、来た。」

 

それを見て、僕の口から零れ落ちた言葉は僕が言ったわけじゃない。それは分かる。でも、それなら誰の言葉だ。勝利を確信している、誰かの…性格の悪さが滲み出たような言葉だ。

 

木星の中心部が、赤い巨人が見えたから、零れ出た言葉だ。

心臓が凍り付くような怖気が。指先から凍り付くような何か、悍ましい何かが見えたからだ。

 

「赤い巨人が、僕を見つけた。」

 

赤い巨人と、目が合った。僕を見ていた。

 

あれは、本来語りかけてくるものなのだ。だって、人型をしている。

血塗れの人型だからだろう。木星から地球まで語り掛けれるほど回復していない、と分からされた。つまり、弱っている。

 

「死にかけの、赤い巨人は、木星でも、試していたのか。人が、人と、完全に、誤解無く、分かり合える能力が、あれば、争い無く、生きられるのか、と実験していた。…地球でも。その何の、意味のない実験を。対象者は、アムロ大尉と女性?シャア・アズナブルは巻き込まれた、いや、赤い巨人にとっては、ただ居合わせただけの傍観者か。実験の結果には、満足した。だから、いわゆるニュータイプの力を持つ人間を増やした。サンプル数を確保するために。次の因果地平の彼方に備えて、データを…」

 

ふと、腹部が痛いような気がしてきた。息が。

咳き込みながら、床に倒れている自分を見つけた。上からそれを、見下ろしていた。

 

「品性の無い行為を私は好まない。が、応急措置であれば、否応もない。」

 

そう言いながらもパプテマス・シロッコは僕の体を支え、背を摩ってくれた。

感触がある。人の手のぬくもりは、僕を正気に呼び戻してくれるものだ。いつだってそうだ。カミーユ。

 

僕の目線が、僕に戻った。

 

「ありがとう、パプテマス・シロッコ。危なかったかな。」

 

珍しく、パプテマス・シロッコはそれに答えてくれなかった。危ない、と言うよりも、そうか、越えてしまったのか。本当に。

 

「2発、腹部を殴った。医務室に行け。しばらくは、出撃も休ませる。」

 

「君の声を聞こえない様にされていた。僕は声を出せていたかな?」

 

パプテマス・シロッコは頷いてくれた。良かった。まだ、このくらいなら大丈夫か。

 

「赤い巨人が弱っているのなら、好機だ。エグザべ、お前の言う通り、機会が来た。だが、友と引き換えにするつもりはない。」

 

パプテマス・シロッコの肩を借りて、ソファに座らせられた。まったく、僕は情けない。この程度のことで、親友に心配をかけてしまっている。

僕は、軍人になったんだろう。軍人を選んだ僕なら、全てを人類のために差し出せるはずだ。

 

「本当なら、僕が1人の時に接触したかったんだろうに。パプテマス・シロッコが聡いから、僕がドゴス・ギアに居る限り不可能だと理解したんだ。だからって、今?」

 

「キャスバル・レム・ダイクンが、ようやく動くのだろう。巨人は、試していると言ったのがお前だ。エグザべ。」

 

キャスバル・レム・ダイクンが動く。アクシズが動くのか。

 

そうか。やっと人類の敵を討つことができる。子供に人殺しを強要させる、僕の敵を。

そのために、僕は、少年兵をも殺したのだから。

 

 

 

 

 

     子供を護るために、子供を殺す。それは良き生命体と言えるのだろうか?

 

 

 




赤い巨神でなくて 巨人にしてるからヘーキヘーキ 編


とうとう、パプテマス・シロッコが殴るを覚えた。レベルが上がった。

ルウムのカミーユ達なら、この裏でやってみせろよカボチャダンスを踊ってくれている。親友全員と踊ってくれるよ。よかったな、エグザべ。



以下、ネタばれ






赤い巨人の目的は、全宇宙のやり直しです。目的の良き生命体が生まれるまで、何度もやり直します。無限のエネルギーを持っているのでできます、∞ガチャ、「当たりなし!」を延々引いています。

なんで、そうなったか?わからん。失敗した実験から生まれた謎システムなので、最初から全部イカレてる。

精神エネルギーは∞の力を持つと知った第6文明人が、エネルギー開発実験か何かに失敗して誕生しました。第6文明人は、その失敗時に全てが一つの精神体イデに統一されちゃって、滅びました。

で、よくわからんまま、良き生命体とかいうものを求めてガチャ引いてます。

良き生命体?わからん。赤子とか、他人や他生物を攻撃する意思を持たない生命体??っぽいけど、その定義から間違ってるし。わからぬぅ。
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