機動戦士Ζガンダム異伝 エグザベ・オリベ戦記   作:1スレ130番より愛を込めて

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公王即位式。

それがアクシズにおけるポイント・オブ・ノー・リターン。

誰もが、その瞬間を待っていた。

宇宙の誰もが。

ジオン公国の新しい王を、ジオニズムの体現者を、ザビ家の後継者を待っていた。

公王本人も吝かではなかったのは、もはや喜劇だった。



公王即位

 

 

 

キャスバル・レム・ダイクン、ジオン公王即位。

 

その宣言がアクシズから発信されたのは、各国がアクシズ包囲網を敷いてから3か月半経ったころだった。ずいぶんと時間がかかったな。

キャスバル・レム・ダイクンだけを名乗っているのも気になる。

 

「獣め。キャスバル・レム・ダイクンを名乗るか。」

 

最近のパプテマス・シロッコはキャスバル・レム・ダイクンの話題となると、僕とヤザン大尉の前では不機嫌さを隠しもしない。気持ちはわかる。

 

キャスバル・レム・ダイクンほど無軌道で考えが読めない人間はそうそういない。連邦軍の情報部や中央参謀本部でもそう評価されている。

 

何をするか、予測ができない上に実行力が非常に高い人間だと言われている。人を殺すことを戸惑わない人間でもあるのは周知の事実だった。

つまり、単純に危険人物だ。

 

「シャア・アズナブルの名前を使わなかったのは、ちょっと意外だったかな?『赤い彗星』の功績を後ろ盾にせず、公王を名乗るとは思いもしなかった。少しは自己顕示欲を抑えられるようになったんだろうか?」

 

地球圏に対し、アクシズは公王即位式の映像を流した。僕とパプテマス・シロッコとヤザン大尉は、艦長室でそのライブ映像を見ている。

 

「いや、『赤い彗星』のシャア・アズナブルは、さすがのあいつも2度と名のらねぇだろうよ。」

 

ヤザン大尉は、パプテマス・シロッコに出されたウィスキーをロックで煽りながらそう言った。今はプライベートだからウィスキーだって飲める。ドゴス・ギアの中であったとしても。

 

公王即位式の映像から得られる情報の精査は、各国の情報部と参謀本部の仕事になる。久しぶりの僕らの休日に、公王即位式、か。キャスバル・レム・ダイクンは嫌がらせの天才かな?

 

「そこまで酷いのかな?シャアミームは?」

 

最近忙しすぎて、碌にニュースも見れていない僕としては意外だった。前にヌー曹長が僕に見せてくれたシャア・ミームはポールダンスとか、ペットあるある動画とかだった。まあ、それだって十分に気持ち悪かったけれど。

 

「なんだ、見てないのかよ!あんなおもしれー物を?!この前なんか、バスクと寝てたんだぜ?」

 

「ヤザン、やめろ。紅茶がまずくなる。」

 

そう、アルコールが許可された休日なのに、僕とパプテマス・シロッコは紅茶だ。

職業病だ。緊急に備えて、軍人なってからアルコールを摂取したことはない。

 

最前線のドゴス・ギアで珍しく、本物の紅茶を口にした。ティーパックでもない。

パプテマス・シロッコはリーフなんてどこから手に入れたんだろう?しかも、セイロンだ。とてつもない高級品だ。1年戦争の後、緻密な審査をクリアしたデパートの外商顧客しか買えなくなった嗜好品の1つだった。

 

セイロンなんて、人生で初めて飲んだ。驚くほどに美味しい。

 

「どうしてか、僕はシャア・アズナブルを可哀そうに思えないんだ。」

 

ルウムで飲んだ紅茶は生涯忘れないだろう。庶民の味だ。家族と友人の思い出の味だ。

でも、きっと、このセイロンの味も忘れないだろうな。

 

パプテマス・シロッコは、僕を見て笑って見せた。そうか、これは思いやりの味か。ならば、ずっと忘れないな。

 

「そりゃ、おもしれーからだろ?」

 

「キャスバル・レム・ダイクンに相応しい姿だからだろう。」

 

パプテマス・シロッコとヤザン大尉のあまりの言い様に、可笑しくなって3人で笑ってしまった。

 

「でも、赤い彗星だった頃の名声に未練はあるみたいだね。マントまで赤にしている。」

 

そう、キャスバル・レム・ダイクンの衣装は、ジオン公国の公王デキンの正装を基に簡素化したであろうデザインだった。

しかし、マントも衣装も赤い。それぞれ微妙に色合いは変えてはあるが、眼に痛い色だ。正装を飾る金糸の刺繍は細かく画面に映える。よく、間に合わせたものだ、この短期間で。

 

「ニュータイプの成り損ないは、ザビの犬をしていたこと以外に何の実績もない。ニュータイプもキシリア殺しも証拠になるものは何も提示できない。そうであるならば、シャア・アズナブルを公言するだけの度胸も持てはしまい。」

 

パプテマス・シロッコの言葉に、僕も同意する。

だが、キャスバル・レム・ダイクンは狡猾なところがある。凶暴な獣と同じように。

 

「もしかすると、キャスバル・レム・ダイクンを逃げ出した後のことを考えている可能性もあるんじゃないか?」

 

現在の宇宙に逃げ場がなくとも、過去、常に逃げることを考えて来たであろうキャスバル・レム・ダイクンだ。シャア・アズナブルがミームになり、己の矜持を傷つけていたとしても、かつての栄光に逃げ場を残しているのかもしれない。

 

「はん!だせぇな。目も当てられねぇほど、だっせぇな!」

 

ヤザン大尉の言う通りだ。みっともない。往生際が悪すぎる。

 

「確かに。その可能性は皆無ではない。憲兵とエゥーゴに警告しておこう。問題が起こるとすれば後方だろう。奴は、連邦軍内部に反地球連邦の私兵集団をつくる下衆だ。生き残るためには、あらゆる手を打つだろう。」

 

「ガキを人質に取るような外道だぜ?アクシズを囮に、自分だけ逃げ出すくらいのことは、してもおかしくねえよな。」

 

「戦後のジオン公国からも、アクシズからも、エゥーゴからも逃げ出しているからね。今度も間違いなく逃げ出す算段を立てている、か。キャスバル・レム・ダイクンらしいな。」

 

奴はアステロイドベルトまで逃げ、そして地球圏に逃げ戻って来た。

僕には、キャスバル・レム・ダイクンの目的が分からなかった。逃げ続け、逃げた先で人の闘争心を呼び覚まし戦い、自分が不利になれば、不要と感じれば、また逃げる。

 

逃げ続けているのに、生きている。

 

逃げれば生きられるわけではない。僕はそれを知ってる。僕は、……運が良かった。

逃げたとしても運が良くなければ、逃げ延びた先で死ぬ。逃げても、生き延びられると確定しているわけじゃない。逃げれば逃げるほど、次の逃げ場は無くなっていく。

この世に居場所がなくなっていく。その恐ろしさも、僕は知っている。

 

どうして、キャスバル・レム・ダイクンは逃げ続ける人生を送ってきたのに生き延びられたのか。不思議に感じていた。

 

答えは、どこまでも理不尽だった。ただの理不尽な奇跡がそれを可能にしていた。

どこへ行っても争いを起こす人間は、火種になる人間は、キャスバル・レム・ダイクンは赤い巨人にとって都合が良かった。便利だった。だから、赤い巨人が生かしていた。それだけの話だった。

 

「パプテマス・シロッコ、ヤザン大尉。奴は、キャスバル・レム・ダイクンはサイド4のデブリ地帯で投降しなかった。壊れて使い物にならなくなった百式から降りることもなかった。子供を人質に取った部下を叱責しなかった。止めもしなかった。」

 

今思えば、あの時、僕が感じたのは失望だったのだ。キャスバル・レム・ダイクンは自分の良心を示す最後の機会だと理解できていなかった。

 

「良心。アムロ大尉は、シャア・アズナブルの本質を優しい人間だと感じていた。生まれ持った優しさを他人に示せない人間なのに。…ニュータイプの感応能力さえ己を護るために、他人に殺意を抱かせないために使っている可能性がある。自分で自分を騙して、そう、感じさせているのかもしれない。」

 

「ニュータイプだろうが、強化人間だろうが、人間だろうが関係ねえな。世の中いるもんだぜ、そういう人の心を持っていない外道がな。自分の罪を心から正当化できる外道だ。例であげるなら、ギレン・ザビ。奴は地球や宇宙移民だけじゃねえ。サイド3の国民をどれだけ殺した?」

 

なるほど。ヤザン大尉の言う通り、ギレン・ザビは多くの若い世代を徴兵し、戦場で死なせた。少年兵も死んだ。だが、ギレン・ザビはもとより、ザビ家を悪し様に言うジオン共和国民は少ない。ザビ家を憎む人間さえ、少なかった。

 

サイド3の若い就労世代を多数、戦争で間引き、サイド3の産業構造に問題を起こしているというのに。

共和国における労働者不足の問題は今後30年以上は、国家存亡を左右する問題であり続けるだろう。

 

「サイド3の人間は、少し……いや、かなり倫理観に欠けているところがあるから。」

 

僕が言いなおしたのは、パプテマス・シロッコに軽く睨まれたからだ。自分でも自覚がある。僕はサイド3の人間に甘い。

別に情が湧いているわけじゃない、とは思うんだが。

ギャン部隊は共和国民から嫌われている。共和国の報道は常に僕たちを予算の無駄だと批判してくるし、テロリスト鎮圧を『国民の弾圧』などと言い出す。報道のいう、その『国民』達は旧型のザクに乗ってコロニーに穴をあけようとしていたことには言及しない。

 

「ジオン公国など、所詮、旧世紀の優性思想の焼き直しをしただけの集団に過ぎん。元々の優性思想すらも、敗戦国が国家統制を行うために言ったお為ごかしだった。歴史を学ばぬ、知性と品性に欠けた人非人にしか支持されることはない。」

 

「アクシズで新たな人非人の誕生か?おめでてえ頭の赤い彗星だ!肩の上に乗っているのはマネキンの首じゃねえのか?」

 

アクシズの公王即位式は、公王キャスバル・レム・ダイクンの演説に移行していた。よくしゃべる。その姿はギレン・ザビを思い出させた。ガルマ・ザビの国葬の時を思い出した。

 

「随分と、知りもしないはずの地球環境のことを見て来たかのように語るね。僕の知る限り、彼はダカールに1週間程度しか行っていないはずだけど。」

 

そう、ブレックス准将が暗殺されたあの時だ。防犯カメラが無ければ、憲兵はブレックス准将暗殺の実行犯として、クワトロ・バジーナを手配できた。その代わりに未成年者略取の容疑で全世界に指名手配していたけれど。

 

「公国がコロニーを地球に落としたことさえ、奴の中では無かったことになっているのだろう。獣に罪は理解できない。長い時間と莫大な資金をかけて、地球もコロニーをも復興させねばならない地球連邦の辛苦も、生きるという苦労も理解できないのだから、宇宙移民促進などという大言壮語を言う。」

 

その復興したばかりのコロニーの1つ、グリーン・ノアに穴をあけたのがシャア・アズナブルの指揮下にあったアーガマだ。

 

公国が潰した数多のコロニーはまだデブリのまま宇宙を漂っている。コロニーの再興など、デブリの暗礁地帯をどうにかしなければ、夢のまた夢だ。

コロニーが無いのに、宇宙に人が住めるわけがない。

 

宇宙移民事業はジオン公国の蛮行のせいで、天文学的な時間と費用と人材を必要としているのに、キャスバル・レム・ダイクンは、アクシズは停戦を宣言しなかった。

本当に、残念だ。

 

「金に苦労したことねえんだろ?」

 

ヤザン大尉の、その一言で思い出したことがあった。

 

「ブレックス暗殺事件のことを思い出したよ。キャスバル・レム・ダイクンは資産の大部分を金、つまりインゴットにして保持しているそうだ。憲兵と情報部から聞いたから確かだ。キャスバル・レム・ダイクンにお小遣いをくれる人も多い。アナハイムエレクトロニクスの元会長も奴のパトロンだった。」

 

「クソだな!赤い彗星は28?29歳か?他人の金で、ここまで偉ぶれる人間は、そうそういねえな。心底、性根が腐ってやがる。腐ってなきゃできねえ。」

 

金塊。混迷する経済においては重宝されるが、同時に混乱の元にもなっている。使い方次第では、きっと沢山の人を助けることができただろうに。

シャア・アズナブルは己の失敗を隠すためだけに使った。人間の口を塞ぐために使ったのだ。

シンタとクム、あの子供たちの身の安全を確保するための資金にもしなかった。

 

ああ、アクシズが動く。赤いキュベレイが来る。それが見えた。だが、今日ではない。

 

「シャア・アズナブルとして、戦場に出るのか。キャスバル・レム・ダイクンは指導者、シャア・アズナブルはMSパイロット。自分の都合で、使い分けるのか。…赤いキュベレイが来る。『ガンダム』が戦場にいないのに?」

 

「エグザべ。」

 

パプテマス・シロッコの声が聞こえる。聞こえるのならば、まだ、大丈夫だ。軽く首を振った。

 

「気のせいかな?『ガンダム』のいない戦場に、シャア・アズナブルが出るとは思わなかった。」

 

本音だ。だから、シャア・アズナブルが戦場へ出てこなくても確殺できるような作戦を、僕は立てていた。地球連邦軍と共和国軍に上申した。パプテマス・シロッコにはバレているだろうけれど。

 

「連邦軍はグラナダ基地に、サイコ・ガンダムを搬入させた。エゥーゴの情報部は、キャスバル・レム・ダイクンに悪いことをしたな。グラナダで解体調査させるために、搬入したことを伝え損なったようだ。」

 

さらっと、パプテマス・シロッコから聞かされた情報は本当に初耳だった。

本当に、だ。

 

そうか、グラナダ基地を、サイコ・ガンダムを狙って、キャスバル・レム・ダイクンが動く。いや、そうなるように動かしたのか。

パプテマス・シロッコの策だろう。非難がましい目で見てしまうが、流された。流されるしかない。

考えてみれば、僕もパプテマス・シロッコと似たことを提案していた。僕の案を改善してくれたのか。

 

僕にとっては不本意な事実だが、今、この瞬間もアクシズ破壊のための大量の核弾頭がグラナダ基地に集められているはずだ。

どちらにしろ、グラナダ基地は敵の戦略的目標になる。

 

僕が、ここで、アクシズでキャスバル・レム・ダイクンを殺さなければ……

 

「あ?ガンダムに執着してるのか?8年近くもか?」

 

ヤザン大尉が、ウィスキーを飲む手を止めて驚いた顔をする。

驚くのも無理はない。ガンダムは1年戦争時の伝説のMSだ。パイロットとして言えば、型落ち、というより骨董品に近い。後継機のガンダムMk-Ⅱも盗難にあった、という負のジンクスがある。

 

『ガンダム』の伝説は、現実の戦場では死に体となって久しい。

ヤザン大尉の驚きは普通の反応だ。

 

時代は、『ガンダム』を必要としなくなっていた。

 

ああ、それにそうか、僕とパプテマス・シロッコはまだ、大尉に話していないことがあった。サイコミュのことだ。いや、アクシズがサイコミュ兵器を保有しているという話はとっくの昔にしているけれど、味方のサイコミュについて全然話していなかった。

正直、僕はこれについてはパプテマス・シロッコが悪いと思う。

 

パプテマス・シロッコは、ヤザン大尉の愛機となったハンブラビにバイオセンサーを採用していることを黙っていた。僕にもヤザン大尉にも、だ。

思考が走った先で知った僕が指摘しなければ、パプテマス・シロッコは黙ったままだっただろう。

僕はパプテマス・シロッコに少し怒った。ヤザン大尉が思考が走らない人間だから、と言って、許可も取らずに実験のようなことをしては信頼を失う。技術者として好奇心が抑えられなかった、と言い訳をしていた彼は珍しく困った顔をしてみせたから、それ以上、僕は何も言えなかった。

 

地球連邦軍で使用しているサイコミュとバイオセンサーについては、折を見てヤザン大尉に説明することをパプテマス・シロッコは約束はしてくれたけど、キャスバル・レム・ダイクンの予測不可能な動向のせいで、その程度の時間も取れない。

 

仕方ないので僕が、改めて簡単にニュータイプしか使用できないサイコミュというシステムから説明した。ミノフスキー粒子の通信妨害の中でも、通信を可能にし、ミサイルやファンネルを遠隔操作さえできる技術だ、と。

情報の共有が確実に行われているか、確認のためでもある。

 

「サイコ・ガンダムは、まさにニュータイプのために作られた特別機…地球連邦軍が、強化人間やニュータイプの特別な脳波を利用して、機体の反応速度や敵機の索敵、狙撃までのタイムラグを大幅に改善したMSだ、と僕は聞いている。……『ガンダム』タイプで作った理由はよく分からないけれど。でも、ニュータイプを自負するキャスバル・レム・ダイクン、いやシャア・アズナブルは、間違いなく1年戦争の屈辱を晴らす為にニュータイプ専用の『ガンダム』に挑む。『アムロ・レイ』を越えるために。」

 

「エグザべは得た情報から、そう推測を立てていた。実際、サイコ・ガンダムの搬入でキャスバル・レム・ダイクンが動いている。ヤザン、奴は芯から獣だ。餌を見たのならば、食いつかずにはいられない。」

 

パプテマス・シロッコは、また話を逸らした。悪戯が見つかった子供のようなことをしているのは、まあ、正直意外だ。ヤザン大尉に甘えているのかもしれない。パプテマス・シロッコでも。

悪いことじゃない。僕もいつまで、ここに、…此岸にいられるか分からないのだから。パプテマス・シロッコにも甘えられる相手がいるのは、良いことだ。

 

「サイコミュを使った、特別なガンダム、か。なるほど。俺でも戦ってみたいとは思うぜ。だが、俺たちは軍人だ。大義も命令もなく戦えるわけじゃねえ。」

 

ヤザン大尉の言う通りだった。

惜しむらくは、キャスバル・レム・ダイクン、彼は人生の1度も自分が軍人であるという自覚を持てなかったことだろう。他人の大義や正義を認められる度量もなかった。

 

「大義名分は、地球環境の為、だそうだ。アクシズを地球に落とすことが地球の為になるだなんて、馬鹿げたことを言っているよ。地球で生活したこともない宇宙移民のキャスバル・レム・ダイクンが、だ。コロニー内部の環境だって、土や水の中の微生物だって地球から持ってきているんだ。宇宙移民は地球なしに生活できないのに。そんなこともわからないで、キャスバル・レム・ダイクンは自分がニュータイプなど、よく言えたものだよ。」

 

馬鹿馬鹿しい演説だ。僕は言いながら、呆れるしかなかった。

 

キャスバル・レム・ダイクンの御託は、本当に聞くに堪えない。結局のところ、『ガンダム』と、『アムロ・レイ』と戦いたい、いや、力を己の物にしたいだけだ。その欲望が透けて見えた。

人間のことは元より、地球のこともコロニーのこともどうでもいいのがキャスバル・レム・ダイクンだ。

 

因果地平の彼方へ、全ての生命体を導くつもりでいる赤い巨人にとっても、どうでもいいのだ。今を生きている命など、赤い巨人にとっては失敗作に過ぎない。

実験結果以外、気にする必要もない。ニュータイプの起こす、感応という奇跡以外どうでもいいのが赤い巨人だ。

 

「キャスバル・レム・ダイクンはニュータイプなどという、夢物語に生きる道化だ。そのうち、夢心地のままニュータイプの力を薬物や催眠で強化するやもしれんな。己の力量も受け入れられぬ、下衆ならやりかねん。」

 

「人間を強化したところで、俺に勝てる奴がいるのかよ?戦場にはオカルトや伝説が付き物だが、結局、戦うのは人間だぜ!心と体の立派な大人の男の仕事だ!幻覚なんぞに左右されていいもんじゃねえ!」

 

そう、ニュータイプなどというもの、それは幻覚だ。

人間はどこまで行っても人間で、突き詰めて言えば生物だ。

 

他の生物の命を奪い喰らい、そして死んでいく生物だ。

 

僕らは、赤い巨人の夢ではない。

 

 

 




ジオン公国公王即位式  編

おめでとうございます!キャスバル・レム・ダイクン公王!!

コロニー落とされて、7年程度で地球が回復するわけないし、だからと言って人類が地球を捨てて宇宙にあがって来れるはずがない。コロニー壊して回ってたシャア・アズナブル君は良く知っているはずだよね?
全地球住民が被災者だし、地球もコロニーも難民で溢れているし、ジオンに虐殺された宇宙移民なんて被害を訴える遺族すらいないんだぞ!!いい加減にしろ!

サイドの1つや2つや3つや4つは、自分の力で再建してから物言えば唇寒し秋の風!!

エグザべ君だってな、遺族がいるのならば、もっと拉致被害者返還運動が積極的に起こって地球連邦政府も本気で予算投入できるから連邦に戻れるのにな!遺族から殺されているから、こんなことになって……




逆シャアのシャア君お金持ちだね。たくさんの戦艦と兵士雇えてるね。新しい専用MSまで作ってもらって、随分と楽しそうだね。
そのお金どこから手に入れたの?

正史だと、本当にどこから手に入れたお金なの?コロニー再建に使わないの?そう、戦艦とMSに使うんだ…サイコフレームも横流ししちゃうんだ…へえ…君を応援してくれるスウィート・ウォーターっていうコロニーの補修工事にも使ってないんだ…そうなんだね。
君ってそういう奴なんだね。
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