機動戦士Ζガンダム異伝 エグザベ・オリベ戦記   作:1スレ130番より愛を込めて

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告白

 

 

 

 

結局のところ、僕がファに告白したのはマシューとセーラに急かされたからだった。本当になんて奴らだ!

セーラは見た目はお嬢さん、なのに、行動が唐突過ぎる。周囲の人間を振り回すのは悪い癖だと思う。振り回される僕の身にもなってほしい。

それを止めきれないマシューもマシューだ。あいつ、身長縮めばいいのに。

 

僕の決意とか、都合とか、ちょっとした希望みたいなのを全く無視して、マシューは僕をファの部屋に押し込んで扉を閉めた。

 

「セーラがね、今日はカミーユを部屋に連れて行かせるからって言うから。待ってたのよ、カミーユ。」

 

「ファも?マシューもセーラも、おせっかいが過ぎるんだ。」

 

ファはちょっとびっくりしてたけど、当たり前だ。僕はマシューに尻もちをつかされた。立ち上がって、簡単にほこりを払って服を整えるけれど、本当に格好つかない。

 

「でも、2人が嫌じゃないんでしょ、カミーユも。」

 

「そう、だけど。こっちの都合も考えないで。」

 

本当に、何の準備も出来てない。告白の言葉とかプレゼントとか用意できてない。服も作業服のままだし。せめて最低でも顔くらい洗ってから来たかった。作業終わりだから、多分汗臭いだろうし。

 

「カミーユと2人きりでゆっくり話せるのって久しぶり。」

 

「エグザべさんが、甘やかしてくれていたから。」

 

エグザべさんがドゴス・ギアに行ってしまって、僕は本当にそれを痛感した。アーガマは僕とファを、静かに2人きりにしてくれる場所ではない。戦艦だ。野次馬ばっかりだ。

 

この部屋の前にだって、マシューとセーラがいる。聞き耳をたててはいないだろうけれど、絶対にいる。それが分かる。

 

「カミーユは寂しくなかった?」

 

「寂しかったよ。エグザべさんもいないし、ファも忙しいし。寂しかった。」

 

寂しかった。

口に出してしまえば、楽になれた。そうだ。僕は寂しかった。忙しさで誤魔化していたけれど、マシューとセーラが一緒に居てくれていたけれど、どうしようもなく寂しかった。

 

それが分かって、ファを抱きしめた。温かい。

 

僕の背中にファが両腕を回してくれた。

 

「私も。カミーユが忙しそうに頑張ってるから。でも、寂しいね。」

 

僕らはお互いに寂しがり屋だ。ファが僕の傍にいてくれないと、僕はつらい。

でも、今はお互いに温かいから、言える言葉があった。

 

「僕はファに、寂しい思いをさせたくない。苦労も、してほしくないんだ。でも、ずっと一緒に居たい。僕と一緒に居て欲しい。ファのことが好きだから、自分の名前もとっくに好きになってた。ファが、僕の名前呼んでくれるから、好きなんだ。」

 

「ずっと前から、知ってたわ。だって私、カミーユのことずっと見ていたんだから。カミーユも私のこと、見ていてくれてたでしょう。カミーユだもの。」

 

「僕は、ファも、ファの家族もとんでもないことに巻き込んでしまって。それで、ファとずっと一緒に居たいって言えない臆病者だったから。ファのこと見ているしか出来なかった。」

 

「私も、ずっとカミーユのこと振り回してたじゃない。カミーユが好きだったから、ずっとカミーユの名前呼んでたの。私の両親のこと、パパとママのことで言えてなかったことがあるの。グリーン・ノアから脱出した時には。」

 

それ以上は、ファに言わせたくなかった。とても残酷なことだったから。

 

初めてのキスは、別にレモン味ってわけじゃなかった。

 

 

 

 

 

「セーラがサラとシドレに連絡とってるの、知らなかったの?カミーユ。」

 

ファが話してくれたのは、とんでもない裏社会のコミュニティについてだ。つまり、手段を選ばない女子達の結託について話してくれた。

所属する全員が、一癖も二癖もある問題児じゃないか!

 

「聞いてない!」

 

なんだそれ?本当に聞いてない。また、僕だけ仲間外れか?マシューは知ってたからセーラの味方をしたのか?男の友情は?

 

「マシューも、この前まで知らなかったみたい。セーラは、ヌー曹長から直接、紹介状貰って、私と一緒にビデオ通話してたの。3回くらい。本当に気づかなかったの?カミーユ。」

 

「何で教えてくれなかったんだ?ファも、セーラも!マシューだって。」

 

「私からは言い辛いもの。カミーユの相談だったから。セーラは教えてくれなかったけれど、サラとシドレは教えてくれたわ、カミーユ。私たちの結婚式で、私のエスコートをエグザべさんに頼みたいって、皆の前で言ってたんですって?」

 

もう、僕は何もいう事も出来ずに赤くなるしかなかった。僕は今、頭の先まで赤いんじゃないんだろうか。叫びたくなるのを我慢したのは、間違いなく、部屋の外にマシューとセーラがいるからだ。もうもう、恥ずかしくって、あちこち走り回りたい。

 

「どうなの?カミーユ?」

 

「……ファには、白いウェディングドレスが似合うって思ってた、ずっと。世界で一番きれいなお嫁さんになるって。きっと今よりずっと美人で、ずっとかわいいのは間違いないから、花嫁のエスコートはエグザべさんくらいしか頼めない。嫉妬する。いや、エグザべさんは僕にとって家族だから、僕たちの結婚式にはいて欲しい。です。」

 

ファがニコニコ笑っているから、良いのかな?こんな、こっぱずかしい告白でも。

いや、でも、こんな恥ずかしい、格好悪い告白はしたくなかったんだ。本当に本当に、そうなんだ。

どういう告白がしたかったとか具体的には思いつかないけれど、もっとカッコいい告白がしたかった。

 

そんな反省をしていた僕に、ファは暗黒コミュニティの更なる陰謀を教えてくれた。

 

「サラとシドレは、エグザべ中尉さんとパプテマス・シロッコ少佐さんに手紙書くつもりだったのよ。カミーユ。」

 

それを聞いて悲鳴をあげずに済んだのは、僕自身を褒めてやりたい。よく、我慢した。

僕はそれで、何も言えなくなって、口をパクパクするしかない哀れな生き物になっていた。でも、よく悲鳴をあげなかった。カミーユ・ビダン、お前は英雄だ。

 

「セーラはグラナダの結婚式場のパンフレットを取り寄せてた。予約もするつもりだったって。それをマシューが聞いて、ハマーンさんに知らせてくれて、止めてくれてたけれど。」

 

「もう、僕は一生、ハマーンさんに頭が上がらないし、マシューを大切にする!」

 

心臓が痛いくらいにバクバクしてるし、背中を変な汗が流れていく。

 

マシュー、なんて頼りになる友達なんだ。僕はお前に会えて、本当に良かった!

 

サラとシドレとセーラも、もちろん友達のはずだけれど、間違いなく友達なんだけれど!今だけは、恐ろしい魔王のように思えた。

 

もちろん、善意でしてくれている、んだよな?多分?僕らは友達、のはずだ。僕とファとサラとシドレとセーラとマシューは友達だ。

でも、友達が、善意で動く人間が、こんなにも僕を追い詰めるだなんて知らなかった。

 

ファが隣に居てくれなかったら、僕は恐怖で泣いていたと思う。

恐ろしい体験だった。

 

 

 

 

 

後日、サラとシドレに問いただして返って来た答えはこうだった。

 

「私たちは、姉妹のために全力を尽くすのよ!いつだってね!」

 

本当に、何かの文章が書かれたレターセットをちらつかせながら真剣にそう言ってくれたので、僕は彼女たちにも2度と逆らわない様にしようと心に決めた。

 

カミーユ・ビダンが、僕程度が女の子に立ち向かえるわけがなかったのだ。

 

 

 

 






バレンタインにチョコ貰ったやつ、全員俺の敵だから…



正直、カミーユが結婚式でファをエグザべさんにエスコートしてもらいたいって言い出した時は、何言ってんだこいつ?と思った  編


ようやく、告白しました、カミーユが!!お前は時間かけすぎ。ファじゃなかったら、待っててくれなかったぞ!まじで!
かっこいい服着て、むっちゃいいデートスポットでお花渡しながら告白とか夢見てそうだもんな、このSSのカミーユは。

Z本編だと、ファと付き合うことはほとんど諦めの境地というか、自分はこのまま戦死するしか道がないから、ファだけは生き延びて欲しい、て思ったまま精神崩壊しちゃったので、だいぶ俺のSSのカミーユは強い子に育ちました!やったぜ!
幸せな家庭を築きます(確定)

サラとシドレ的には「うちらの姉妹、泣かせたら容赦しねーぞ、カミーユ(はあと)」くらいの意味です。ショットガンマリッジかな?
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