新訳 ドラゴンクエストビルダーズ   作:seven river

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6話 骸骨軍団の襲来

町づくりが始まった翌日、ビルドは昨日作った寝室で目を覚ます。

 

「ふわあ、よく寝た」

 

ピリンとロロンドは既に起きているようで、ベッドは空だった。ビルドはとりあえず、寝室の外に出てみる。すると、ピリンは町の真ん中でまったりと座っており、その近くではロロンドがメルキド録を読んでいた。解読が進んだか気になり、ビルドは尋ねてみる。

 

「ロロンド、メルキド録の解読は進んだ?」

 

「さっきピリンにも聞かれたぞ。徐々に進んではいるが、重要な情報はまだ手に入っておらん。気長に待つとよい」

 

町作りのために重要な情報は、未だ得られていないようだった。

 

「分かった。そうするよ」

 

ビルドはピリンと同じで、まったりと1日を過ごそうとする。しかしそんな中、町の西から複数の足音が聞こえてきた。

 

「ん、何だ?」

 

その方向を見てみると、5体の骸骨が拠点に近づいてきていた。

 

「魔物だ!町を襲いに来たのか!?」

 

「吾輩たちの町作りがバレたのかもしれぬな」

 

ビルドとロロンドは、棍棒を持って骸骨たちに近づいていく。ピリンは戦えないようで、作業部屋の中へと避難する。すると、5体の隊長だと思われる大型の骸骨が、こちらに声をかけてくる。

 

「人間ども、今すぐ町を復活させようとするのをやめろ。さもなくば、命はないと思え」

 

せっかく町作りが進んできているのに、ここでやめさせられるのはビルドもロロンドも認められなかった。

 

「嫌だね。君たちを倒して、町作りを進める」

 

「よく言ったビルド!吾輩も、町作りをやめるようなことはせぬ」

 

町作りをやめる気はないと、ビルドとロロンドは骸骨たちに告げる。

 

「そこまで言うならかかって来るが良い。まあ、お前たちが死ぬはめになるがな」

 

「負けるつもりはないよ!」

 

「お主たちを倒して、町を守ってみせるぞ!」

 

命懸けの戦いだが、ビルドもロロンドも退く気はなかった。

 

「命を捨てる気だな…それではお前たち、人間どもを切りきざめ!」

 

骸骨軍団の隊長は、部下たちに戦闘指示を出す。ロロンドとビルドの元に、それぞれ2体の骸骨が近づいてきた。

 

「愚か者め…死ねい!」

 

「ふっ…それっ、えいっ!」

 

手に持った剣で斬りかかってくる骸骨たち。ビルドはそれをジャンプして避け、横から反撃していった。ロロンドも同じように、敵の攻撃を避けて反撃する。

 

「体の大きな男の方が強そうだな。我もそちらに向かう」

 

骸骨軍団の隊長は、ロロンドの方へと襲いかかる。ロロンドは3体の攻撃を回避しながら、隙を伺って棍棒で反撃していった。

 

「そりゃっ、それっ!」

 

ビルドは声を発しながら骸骨を殴りつけていく。左右の骸骨がいるが、ビルドは右の方を集中して攻撃していった。スライムやキメラと違ってすぐに倒れはしないが、少しずつ弱らせることが出来ていた。

 

「くっ、すばしっこい奴め!」

 

「諦めてくたばれ!」

 

骸骨たちはそう言って切りかかってくるが、ビルドも負けるつもりはない。ジャンプをして回避をしては殴りつけ、敵を弱らせていった。

 

「えいっ、とうっ!」

 

そして、攻撃し続けると右の骸骨は倒れ、青い光を放って消えていく。まずは1匹、敵を撃破した。

 

「何!?こいつを倒しただと!?だが、まだ我が残っているぞ。我にも勝てるかな?」

 

「こうなったら、我もそちらに加勢するぞ」

 

ロロンドを攻撃していた骸骨軍団の隊長が、今度はビルドの方に向かってくる。

 

「とりゃっ!それっ!」

 

隊長の剣は大きく、攻撃範囲が広かった。それでも大きく跳ぶことで回避することができ、ビルドはまずは部下の骸骨を攻撃していく。

ロロンドは隊長の攻撃から解放されたことで動きやすくなり、剣を回避しつつ力強く骸骨を殴っていった。

 

「くそっ、しつこい奴め!」

 

骸骨たちは剣を振り続けるが、ビルドはその度に避ける。部下の骸骨はやがて体力が尽き、光を放って消えていった。

 

「こいつのことも倒すとは…だが、我だけでもお前を倒してやる!」

 

隊長は力強く剣を振ってくる。しかし、横にジャンプすることで回避は簡単にでき、棍棒で少しずつ体力を削っていった。

ロロンドも片方の骸骨を集中攻撃し、倒すことができていた。もう一体の敵にも的確に対応し、だんだん弱らせていった。

 

「しつこい男め、早く諦めるがいい」

 

骸骨はそう言うが、ロロンドは当然諦めるつもりはなく、棍棒で殴り倒していった。残りは隊長だけになり、ロロンドはビルドに加勢しにいく。

 

「こちらは片付いたぞ。では、この大きな奴を一緒に倒そうではないか」

 

「うんっ。頑張ろう」

 

隊長の骸骨は二人同時に狙うことはできず、狙われていない方は安全に攻撃することができた。狙われた方も跳んで回避し、横から殴りつけていく。隊長の骸骨はいよいよ耐えられなくなり、倒れて消えていった。

 

「よしっ、これで敵は全部倒せたね」

 

敵を全員倒すと、ルビスの声が聞こえてくる。

 

「ビルド、見事に町を守り抜きましたね…これで、希望の旗もより強く輝くことでしょう。しかし、竜王の配下の魔物たちに、この町の場所を知られてしまいました。魔物たちは人間が団結し、かつての力を取り戻すことを恐れています。この先は町を潰そうと、魔物たちがまた襲ってくるでしょう。これからも魔物を撃破し、いつかメルキドを支配する強大な魔物も倒すのです」

 

「分かったよ」

 

ルビスとの話を終えると、ロロンドが怪訝そうな顔で見てくる。

 

「どうしたのだ。目が虚ろで、口が半開きになっていたぞ。それに、何もないところに返事をして…」

 

「ルビスの声が聞こえたんだ。まずは魔物を倒せてよかったってことと、これからも魔物は襲ってくるだろうってことを言われた。ルビスの声が聞こえる時は、変な顔になるみたい」

 

「ビルダーはルビスの声も聞こえるのだな。その最中あんな顔になるのは、不思議なことだが」

 

ロロンドにもルビスと話す時のだらしない顔を見られてしまった。ビルドは事情を説明していった。

 

「まあ確かに、町の存在を知られてしまった以上、今後も魔物たちが襲ってくるかもしれぬな。町を確実に守る方法を考えねばならん」

 

拠点の防衛は今後の課題になっていきそうだった。

 

「そうだ。ビルドよ、魔物たちの隊長がこんな物を落としていったぞ」

 

ロロンドはそう言うと、青色の紋様が描かれた白い石版を見せてくる。

 

「なんだろう、この石版?」

 

「メルキド録に書かれておった、旅の扉なるものだと思うぞ。何でも、旅の扉を地面に置くと、自分が必要とするものがある場所に光の扉が開くようなのだ」

 

この石版は旅の扉なるものであると、ロロンドは説明する。

 

「この旅の扉は壊れて半分だけになっておる。しかしビルダーのお主なら、これを修復できるはずだ。土と青い油を使うと良いと思うぞ」

 

「分かった、修復してみるよ。素材を取りに行ってくるね」

 

ビルドは早速、旅の扉を修復するための素材を取りに向かう。その途中、ボロボロだった希望の旗が、綺麗な逆三角形の旗になっているのを発見した。ロロンドは驚いた顔になっていた。

 

「ぬおお!ボロボロだった旗が綺麗になっておる!」

 

「ルビスが言ってたね。希望の旗がより強く輝くようになったって」

 

「そうなのか!立派な旗、吾輩たちの町にふさわしい!」

 

希望の旗が立派になり、ロロンドはとても喜んでいた。

 

「良かったね。とりあえず僕は、旅の扉の素材を集めてくるよ」

 

町の東で土を集め、近くにいたスライムを棍棒で倒して青い油を手に入れる。

 

「これで素材は手に入ったね」

 

ビルドは拠点に戻り、旅の扉を修復しようとする。すると、誰かの足音が近づいてくるのが聞こえてきた。また魔物かと思って音の方向を見ると、ぼろぼろの服を着た人間の男であった。

 

「遠くに見えた光を目指して来てみたら、こんな場所があるなんてな…」

 

男はそう呟く。新しい町の仲間になってくれるかもと思い、ビルドは話しかけにいく。

 

「ここで僕たちは町を作ってるんだ。君も、町の仲間になってくれないかな?」

 

「随分くだらねえことしてんだな。人間が協力し合って暮らす場所だなんて」

 

男は町というものを知っているようだった。くだらねえことと言われて、ビルドはムッとする。

 

「くだらないなんて、随分酷いこと言うね」

 

「だって、この世界じゃ自分が生きてくので精一杯。他人に構ってる余裕なんてないはずだ」

 

男はビルドたちが変えようとしている、この世界の現状について話す。

 

「その状況を変えようとしてるんだよ」

 

「無茶なこと考える奴だ。とはいえ泳いで歩いて疲れたからな、オレもしばらくここにいさせてもらうぜ。オレはロッシ、長居する気はねえが、よろしくな」

 

仲間になる気はないようだが、しばらく滞在するとのことで、ビルドは挨拶をする。

 

「よろしくね。僕はビルド。町には他に、ピリンとロロンドって仲間がいるよ」

 

「分かったぜ」

 

ロッシは拠点の中へと入っていく。ビルドは先ほどから行う予定だった、旅の扉の修復を行うことにした。旅の扉は半分に割れたような形状をしており、土でもう半分を形作り、青い油で紋様を描いていく。すると、不思議な力で旅の扉は中心から光を放ち、土でできた部分も白く輝くようになっていた。

 

「これが旅の扉か。ロロンドに伝えよう」

 

ロロンドは希望の旗の旗の近くで、メルキド録の解読を行っている。ビルドは早速話しかけにいった。

 

「ロロンド、旅の扉ができたよ」

 

「おお、よくやったな。これで新たな土地と町を行き来することができるだろう。新しい地には新しい素材がある。新しい素材があれば、新しい物を作れるぞ。さあ、旅の扉を地面に置き、新しい地へと旅立つのだ」

 

「分かった。行ってみるよ」

 

ビルドは旅の扉を地面に置き、新しい地へと旅立とうとする。その前にロロンドは言う。

 

「ビルドよ、お主には旅の扉の先でビルダーの証とも言える、大木槌の作り方を調べてきてほしいのだ。メルキド録によれば、大木槌があれば硬い木や岩も素材にできるそうだ」

 

今までは、硬い岩や木を素材にすることは出来なかった。

 

「新しい素材があれば、この町をさらに発展させられるだろう。大木槌の作り方は、名前の通り魔物の大木槌なら知っているはずだ。大木槌の作り方が分かったら、実際に作り出して吾輩に見せてくれ!」

 

「魔物が知ってるって言っても、素直に教えてくれるのかな?」

 

魔物が作り方を教えてくれるとは思えず、ビルドはそう聞き返す。

 

「大木槌は比較的人間に友好的な魔物らしい。話を聞いてくれるはずだぞ」

 

友好的な魔物もいるのだと、ビルドは初めて知る。

 

「分かったよ。それじゃあ出発するね」

 

ビルドは作業部屋の近くに旅の扉を置き、新しい地への門を開いた。彼はそのまま、旅の扉へと入っていった。

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