進化したら人外系お姉さんになる雑魚モンスの俺、飼い主♀の性癖を破壊する   作:霧夢龍人

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えっちすぎるので変態で中和することにしました


責任取れよ、ばか

ご主人様の様子がおかしい。

目にハイライトがない上に、ほぼ上裸のような格好で俺の上に跨っている。

 

……えと、もしかしてこれ襲われてます?

 

その考えを肯定するように、ご主人様は俺の首元に吸い付いてきた。左肩 は、アグニールが付けたマーキングの痕がある場所だ。

上書きするように何度も吸い付かれ、何度も噛み付かれる。

 

でもここで抵抗してしまうと、ご主人様を傷つけてしまうかもしれない。受け入れるしか無かった。

 

べ、別にご主人様にならいいかな、なんて思ったわけじゃないんだからねっ!?

 

とはいえ、その、なんだ。

ご主人様が俺の首にキスマ?か何かを付けようとしてるのはいいんだが、如何せん……下手くそである。

 

アグニールはまだ良かったが、ご主人様のコレは正直痛い。

 

「うきゅぅ……」

(ご主人様……)

 

「んっ……なに?黙って私に噛み付かれててよ」

 

そう言って俺を抑えつけ、見下ろしてくるご主人様。どうやら止める気はないらしい。

襲われるのはやぶさかでは無いし、ご主人様なら大歓迎だが、ずっとコレではたまったものじゃない。

 

「んきゅ」

(触手くん、頼んだ)

 

「……っ、え、ちょっと!?」

 

俺の影からゆらりと出現する触手。

その矛先をご主人様に向け、手足を拘束する。

 

一旦話を聞く必要があるからな。

 

ていうか、触手で抵抗出来ない美少女に迫るロリか……セーフだな!

 

いきなり触手で縛られたご主人様は慌てていたが、俺が腕を組んで仁王立ちしていると、バツの悪そうな顔で視線を逸らし始めた。

そんな姿も可愛いと思ってしまう辺り、俺は手遅れかもしれない。

 

「な、何するつもりなの……た、確かにいきなり噛み付いた私も悪かったけど」

 

「んきゅ」

(それはそう)

 

「うっ、ごめんなさい。でも、その、モンスターがメルにマーキングしたじゃない?」

 

「んきゅんきゅ」

(うんうん)

 

「それが……いや、だったの」

 

……なるほどね。

つまりは嫉妬していたと。

 

ふーん?

 

やばい、どうしよう。ニヤニヤが止まらない。

ちょっと、いやだいぶ嬉しい。まさか嫉妬してくれるなんて思わなかったから。

 

それに納得もした。だから俺に噛み付いてきたのか……でも、抵抗出来ないようにするのは少し頂けない。

それに結構痛かった。もしかしてご主人様は処女なのだろうか?

 

……なら。

 

「な、なに。どうしてニヤニヤしてるの?」

 

「んーきゅ?」

(いーや?なんでもないよ)

 

怯えた表情を浮かべるご主人様に近付きながら、触手くんに少し拘束を弱めて貰う。痣ができたら大変だからな。

それにもし本当にご主人様に嫌われたら、俺生きていけないし。

 

だから俺が今からすることは、ちょっとした賭けだ。

 

ゆっくりとした動作で、壁際に縛り付けたご主人様のすぐ側まで歩む。あとほんの少しでも歩けばぶつかるような、そんな距離。

 

「ん、きゅ」

(抵抗、しないでね)

 

「……っ、ちょ、ちょっと……んっ!?」

 

怖がらせないように頬を少し撫でる。

身長差があるから撫でにくかったため、触手を俺の足元に置いて、ご主人様と同じ目線まで上げてもらった。

 

戸惑い、混乱、それに少しの興味。

様々な感情が混ざったご主人様の瞳。白い髪と肌のせいで、照れているのが丸わかりな頬は、絹のように滑らかだ。

 

赤色の瞳は泳いでいて、俺から視線を逸らそうと顔を横に向けていた。

 

──とっても好都合だ。

 

白くて綺麗な顔から続く首筋。鎖骨と肩の間に位置する場所に、顔を近付けた。ご主人様っぽい甘くていい匂いが、鼻腔を刺激する。

 

「メ、ル……?」

 

俺を呼び止める声。もちろん答えない。

近付けた首筋から香る匂いにクラクラしながら、ゆっくりと口付けする。

 

チュッと軽いリップ音。

ビクッと驚くご主人様を差し置いて、今度はハムハムと首筋を甘噛みする。頬を撫で、肩を掴んで吸い付いて甘噛みを繰り返す。

 

「くっ……ん、メルっ?」

 

そして、ぺろぺろと舐め出した。

しょっぱい汗の匂いと甘い香りで、俺の頭もどうにかなりそうだった。

 

吸い付いて、甘噛みして、優しく舐る。

何度も何度も繰り返していくうちに、ご主人様から甘い声が漏れる。

可愛い。

 

「うっ……うぅ、なんで、そんなに上手な(うまい)の?」

 

「んーきゅ」

(さぁーね)

 

涙目美少女は最高である。

とはいえ、いつまでもこうしている訳にもいかない。

 

数分間ずっと繰り返していた行為をパッと止めて首筋を見れば、くっきりとした“痕”が出来ていた。俺が刻んだマーキングだ。

唾液と汗に濡れていてもハッキリと分かるくらい、ちゃんとしたキスマーク。

 

それを確認したあと、触手くんの拘束を外す。

 

「はぁ、はぁ……やっぱり、上手すぎるよ。誰で練習したの?」

 

誰……か。

前世での経験としか言いようがない。

高校や大学でもそこそこモテていたし、友人関係にも恵まれていた。

 

それは転生する前も変わらない。

俺を慕ってくれる後輩も、面倒を見てくれる先輩も、親孝行の出来てない両親も、唯一無二の友人たちも。

全部前世に置いていったモノだ。

 

だから戻りたいと思った。でもご主人様に出会ってしまった。

 

前は元の世界に戻るため、生き残るために力が欲しいと願っていたのに、気付けば今はご主人様とモウガンを守るための力が欲しい。そう思うようになってしまった。

 

改めて思う。ご主人様は責任を取るべきだと。

 

「きゅー、んきゅ?」

(ほら、続き……できるよね?)

 

手を前に出して、ご主人様の頬を触る。

そのままもう一度マーキングされた場所を指さして、挑発するように笑みを浮かべた。

 

壁際から離れてベッドの上に寝っ転がり、ご主人様を跨らせる。

ゴクリと眉唾を飲んだご主人様は、もう一度俺の首筋に顔を寄せた。

 

さっきの下手くそなものよりも何倍も情熱的で、愛に満ちていて、俺を求めていることが分かるマーキング行為。

 

ご主人様と出会ってしまったせいで……まぁ、追い掛けた俺が悪いのは間違いないんだが、ご主人様がいないと生きてけない身体にされてしまった。

パートナー契約をして、ご主人様の存在を身近に感じるようになって、なお想いは変わらない。

 

「きゅ、きゅきゅ」

(責任取れよ、ばか)

 

吸い付いて離れないご主人様の頭を優しく撫でながら、夜は更けていく。

 

 

 

───☆

 

 

 

やってしまった。最後まではいってない……というより、首元へのマーキング以上のことは全くしていないのだが、()ってしまったのは間違いない。

 

あれほどロリだから襲わないと誓ったのに。

 

今日ほど自己嫌悪に陥る日は初めてだ。

当の本人であるメルは、鏡で嬉しそうに私のつけた“マーキング(キスマーク)”を眺めている。

 

───メル、かなり上手だったな。

 

思い出すのは昨夜のこと。

我ながら下手くそなアレにメルも怒ってしまったのかと冷や汗をかいていたのに、気が付けば私がやり返されていた。

 

あ、あんな……あんな情熱的な……っ!

 

「……うぅ」

 

何度思い出しても恥ずかしい。

あんなにはしたない声をあげるなんて、淑女失格である。私の首にもメルが付けたマーキングが付いているせいで、昨日のは全て夢だった、なんていう逃げ道もない。

 

はっきり言おう、凄く嬉しい。

でもメルが上手かったのが、凄く引っかかる。

 

面倒臭い女だ、と我ながら思った。

 

 

 

 

モンスター保護施設、というものがある。

ここはモンスターを預けることで、ご飯や遊び場などを提供してくれる施設である。

 

とある人物と会う予定が出来た私は、そこにメルとモウガンを預けることにした。

 

「いい?いいこにしておくんだよ」

 

「んきゅ」

「ワン」

 

「うぅーん……ほんとにわかってる?」

 

「んきゅんきゅ」

「ワンワン」

 

ということで施設の職員さんにお願いして料金を支払い、私は待ち合わせ場所のカフェにてコーヒーを飲んで待機していた。

待ち人からの指定だったが、中々どうしていい雰囲気である。

 

コーヒーも美味しいし、店内BGMも少し昔のムーディーな音楽が流れていた。

 

そんな私に声を掛けるものが現れる。

 

「あ、あの!もしかして一人ですか?良ければ一緒に──」

 

「ごめんなさい。生憎と人を待っているの」

 

待ち人ではない。普通の少女だった。

申し訳なさそうに私が断ると、ガックリと肩を落としてとぼとぼ退散していく。

 

その背後を見送って、スマホを操作して「まだ?」とメッセージを送る。

ピロリン!という音が私の背後から鳴り響いた。

 

「ほっほー、俺の妹はやはり女にモテると見える」

 

来た。相変わらずの減らず口に辟易するが、今は私がお願いして来てもらっている身だ。ここは丁寧に挨拶しよう。

 

「黙れ、クソ兄様」

 

おっと、つい口が滑ってしまった。

 

「相も変わらず毒舌だねぇ。ま、変わってないようで安心安心。んじゃ、早速本題に入ろうか。一体なんの用で俺を呼び出した?まさか彼氏が出来たとか言うわけじゃないだろ?」

 

「んなわけ」

 

「だろうな」

 

大仰な仕草で手と手を組み、付けている眼鏡をカチャリカチャリと付け直す兄様。恵まれた容姿のおかげで似合ってはいるが、着ているTシャツが終わっている。

 

なんだ───ロリ(ラブ)ショタ(ラブ)って。

 

顔が良くなければ危うく通報するところだった。

だけどこんなのは正直、気にしてるだけ仕方がない。普段の奇行を見ている分、まだ大人しく感じる方だ。

 

チューチューと殆ど氷しか入っていないアイスコーヒーのコップを吸いながら、私は写真のフォルダを開いた。

そして、幾つかこっそり撮っていた写真たちを兄様に見せつける。

 

「話す内容は、私のパートナーについて」

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