進化したら人外系お姉さんになる雑魚モンスの俺、飼い主♀の性癖を破壊する   作:霧夢龍人

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これっぽっちも気持ちよくなんてないんだからねっ!?

あ、危なかった……もう少しモウガンが帰ってくるのが遅かったら、モンスターバトル(意味深)が始まっていた。

 

ドアをノックする音がした瞬間、急いでスライム形態に変身した俺は、ベッドの隙間を掻い潜ってドアの外へ出たのだ。

ご主人様の格好は乱れているだろうが、あんなムチムチな身体しといて性知識も無知無知(ムチムチ)なモウガンのことだ。気付かれないはずだ。

 

……にしてもまさか、ああもしっかり襲われるとは思わなかった。

 

しかも二連続である。

ま、まぁ?全く気持ちよくなんてなかったし?メス堕ちのメの字もなかったから気にはしてないけどな?

むしろまだまだいけるぜガハハって感じである。

 

これが大人の余裕ってやつだな、うん。

 

「何してんの」

 

「きゅあきゅきゅ……きゅ?」

(いや、大人の余裕を……え?)

 

「はぁ、アンタ油断しすぎでしょ」

 

声のする方向を見れば、腕を組んだモウガンが、ため息混じりに俺を見下ろしていた。その視線が鋭すぎて、さっきまでの「大人の余裕」は一瞬で霧散する。

 

い、一体いつの間に?

 

動揺する俺を他所に、ひょいとスライム形態の身体を抱き抱えられ、モウガンの部屋へと連れていかれる。

 

俺の身体がふよんふよん。

モウガンの胸もふよんふよん。

 

流石は盛るπ先輩である。ただでさえでかいのに、こっから更にでかくなるのだから末恐ろしい。

 

……てか、ご主人様はどこ行ったんだ?

 

「心配しなくていいわ。ヴェスティ様なら御手洗に行ってるから……でもなんであんなに慌ててたのかしらね?」

 

「きゅー……あきゅ」

(あー……なるほどね)

 

そらさっきみたいな事してたら、トイレ行きたくなるよな(遠い目)

 

ひとまず安心した俺は、胸と共に揺られながら運ばれて行った。片手には食料が入った袋を抱えているため、どうやら買い物帰りらしい。格好も相まって物凄く違和感がある。

 

モウガンの部屋はご主人様の部屋と変わらない大きさだ。だが内装が少し違う。

 

ドアを開け、抱えられるままに降ろされたのは大きめのソファ。モウガンはベッドよりもソファ派らしく、彼女の柑橘系の香りが染み付いている。

 

「ヴェスティ様と何があったか知らないけど、今日は私と寝なさい」

 

「んきゅ!」

 

ご主人様もアグニも襲われる危険性がある。

だがモウガンに至っては、俺ではなく完全にご主人様に矢印が向いているのだ。

 

襲われる心配はないだろう。

 

そう思っていたのだが───。

 

「ねぇ、アンタさ。さっきヴェスティ様と何してたの?」

 

「きゅっ!?」

 

──どうやら怪しまれているらしい。

 

しかし性知識がないモウガン相手にモンスターバトル(意味深)を伝える訳にもいかず、かと言って話さなければ何も話が進まない。

隠すべきか、誤魔化すべきか。

 

「……んきゅきゅ」

(……プロレスごっこだ)

 

「はぁ?プロ……なにそれ。遊んでたってこと?」

 

「んきゅ!」

 

「気になって損したわ」

 

呆れた顔で買ってきたお肉を食べ始めるモウガン。お陰で凄く見下された顔を向けられるが、何をしていたか知られるよりかは全然マシだ。

 

美少女に見下されるって……ちょっといいよね。

 

と危ない性癖に目覚め掛けた時、モグモグとお肉を食べていたモウガンがいきなりぶっ込んできた。

 

「で、本当は交尾してたんでしょ?」

 

「……きゅ?」

 

「隠さなくてもいいじゃない。私も混ぜなさいよ」

 

「……きゅきゅ?」

 

「出産はいつなの?」

 

「……きゅきゅきゅ?」

 

 

 

───☆

 

 

 

なんでコイツはこんなにも鈍いんだろう。

買い物から帰ってきたら、ドアの奥から喘ぎ声が聞こえてきたらどう考えても交尾してた以外ないでしょ。

 

なのになんで隠し通せたと思ったのか……まぁ、メルだし。

 

今も私から何を言われたのか理解できません、って顔で固まってる。いや、帰ってきたら交尾されてた私の気持ちも考えて欲しいんだけど?

 

私だってヴェスティ様と交尾できてないのに!

 

ほんと、こんなやつの何がいいのかしら。

私より身長が大きくて、胸もデカくて、優しいくせに気持ち悪くて、頼り甲斐のあるくせに私たちにあんまり頼ろうとしないスライムよ?顔もいいし強いけど……待って。

 

よく考えたらコイツって、繁殖相手としては優秀なのかしら。

 

でも流石にヴェスティ様と交尾したなら子どもも出来てるでしょうし、繁殖するのは無理ね。

 

そう思ってのに、目を泳がせるメルを見て私は嫌な予感がした。

 

「……交尾、したのよね?」

 

「きゅ、きゅあい」

(し、してない)

 

「はぁ!?あんだけ外に声を響かせといて!?……え、嘘よね」

 

「ほんきゅ」

 

「……はぁーあ、何やってんのよ」

 

どうやら本当に交尾してないらしい。

じゃあ妊娠もしてないってことよね?コイツヴェスティ様のこと大好きなくせに、なんで手を出してないのかしら。

 

まさか他に好きな奴が……って、そんな訳ないか。

 

でもよく考えたら、それもそうか。メルって私と最初に会った時も、考えなしに煽って来たんだもの。まぁ、お陰でヴェスティ様と出会えたから今は怒ってないけど。

 

今回もそんなパターンかしらね、自業自得だわ。情けない。私が教えてあげなきゃいけないわね。

 

「もう、仕方ないわね。今から交尾の練習するわよ」

 

「ふぁっ!?」

 

「なによ。したくないの?」

 

「んきゅ!」

 

「……ぶん殴るわよ」

 

こいつ、調子に乗ってるわね。

私はご主人様に交尾に誘われてないのに、自分は誘われたからって。そもそも、どうしてこんなに嫌がるのかしら?

 

モンスターなら子孫を作るのは、何よりも尊いもののはずなんだけれど。特に私みたいな動物系統なら尚更ね。種類は違うけど、同じ動物系統のフォスなら私と同じ意見のはずよ。

 

なんて考えていたら、フォスが帰ってくる音がした。

 

「うがっ!」

 

「おかえり。帰って来たばっかりで悪いけど、メルを拘束するの手伝ってくれないかしら」

 

「……うがが?」

 

「……きゅ?」

 

フォスは私と一緒の部屋で寝ているから、このまま誘って三人でした方が効率がいいのよね。

 

メルには繁殖というモンスターの大事な部分を軽視してる面があるから、ちゃんと私たちで分からせないといけないわ。フォスもメルとアグニちゃんのことが好きな筈だから、丁度いいわね。

 

 

 

 

───☆

 

 

 

フォスは混乱した。メルを拘束する手伝いをしろと言われたからだ。

しかしヴェスを殺してしまったという引け目もあるため、いきなり命令されたとしても動くことは出来ない。

 

そんなフォスを見て、「仕方ないわね……」とスライム状態のメルをとっ捕まえるモウガン。

 

そして何かを吹き込んだかと思えば、しぶしぶ人間形態へと変化するメル。二人の間で一体何を話しているのかフォスには理解できないが、きっとモウガンがメルの弱みを握っているのだろう。

 

「さぁ、私が抑えておくから……今のうちよ」

 

モウガンはメルの体を後ろでがっちり捕まえて、逃げられないようにする。メルは「アルマを悪い道へ引き込んだクズスライムでごめんなさい……」と顔を俯かせていた。

 

自覚はあるようだ。

 

「うがぅ?」

(大丈夫?)

 

「うきゅう」

(大丈夫じゃない)

 

控えめに言って魂が抜けたような顔になっているメル。

 

こういう時アグニなら、尻尾を振って甘えれば喜んでくれると認識しているフォスは、長い尻尾を大きく振りながらメルに近寄った。

 

「……きゅ」

(……ふむ)

 

メルの手が伸びる。

頭の上に生えている耳の間を優しく撫でられ、フォスは悟った。これは自分が嬉しいだけだと。

 

しかし哀しきかな。犬種であるために撫で撫でに逆らえないという宿命を背負っているため、撫でられ続けているだけでフォスの尻尾はグワングワンと更に大きく揺れる。

 

「くぅん」

(もっと!)

 

「きゅきゅう……」

(ふむ、ふむふむ……)

 

「くぅん……ぐわぅん……!」

(もっと!もっともっと!)

 

「きゅきゅ……」

(ふむふむ、ふむふむふむ……最高かよ)

 

更にナデナデ。

尻尾はフリフリ。

 

傍から見れば、ナイスバディのお姉さんが犬の仮装をした美少女を撫で回しているという、大変眼福な光景である。

至福の撫で撫でに耐えきれなくなったフォスは、メルの元へと飛び込んだ。大好きなご主人様に甘える犬の如く、頬っぺをぺろぺろと舐め回す。

 

「ん、きゅう」

(んふ、ちょっと擽ったいな)

 

「うがうが!」

(嬉しい嬉しい!)

 

完全にイチャイチャしているようにしか見えない。そんな二人を後ろから眺めていたモウガンは、バカップルのスキンシップを見せられている赤の他人の気持ちになっていた。

 

めちゃくちゃ気まずいのである。

 

なので──。

 

「ふぅ〜〜」

 

「んきゅっ!?」

 

「お、アンタって耳弱いのね」

 

耳を責めることにした。

優しく息を吹きかけたり、耳たぶを摘んだり撫でる。そうするだけでメルの表情は、面白いくらいに変わった。

 

【五感超倍増】によって引き起こされる快感の波。

人間なら狂ってしまう程の衝撃を、なまじ強いスライムがために気絶することも許されず襲ってくるという……まさに拷問だ。

 

頬を舐められ、耳を啄まれ、舐られ、息を吹きかけられる。アグニやヴェスティとそれほど間を空かずに二人から責められているために、メルの男としての防波堤が崩れかけようとしていた。

 

その先には【メス堕ち】という名の敗北の文字が見える。

 

「ほら、早く素直になって受け入れなさいよ?」

 

「くぅん……!」

 

生殺しに次ぐ生殺し。

もはや男してのプライドも投げ捨てて、このまま身体は受け入れようとしている。

 

こうなる筈じゃなかった。

自分はどう考えても責め側であるはずなのにアグニに熟成され、ヴェスティに生殺しを受け、モウガンとフォスにトドメを刺されそうになっている。

 

それもこれも全て、【五感超倍増】とかいう位相が悪いのだとメルは考えていた。

 

だからもう、受け入れちゃってもいいよね?俺頑張ったよね?と一人で自身の頑張りを称える。

 

フォスの舐めまわしは頬だけでなく、全身に及んだ。

本人は至って真面目に毛繕いをしている感覚なのだが、へその回りや首、肩から露出している横乳と下乳に至るまで、丹念に舐め上げられている。

 

モウガンは我慢しているメルを揶揄うのが面白いのか、普段の恨みを晴らすように耳を重点的に虐めていた。情け容赦もなく、反応が良い場所を永遠に触り、舐り、囁いている。

 

そんな責め苦にメルは。

 

「……きゅ……ぅ……」

 

理性が崩壊寸前で。

 

「……きゅ、きゅきゅう!!!」

 

可愛さに訴え掛けることにした。

 

手始めにフォスの尻尾を自身の尻尾と絡みつけ、顔をグイッと近くに寄せる。そして大きな狼耳を触手によって刺激した。

 

更に──最終手段である。

クソ位相と揶揄した【五感超倍増】を触手に付与することによって、フォスの五感を最大に引き上げる。

 

「わふぅ!?」

 

「え、フォス!?」

 

未知の快感によって崩れ落ちるフォスを優しく抱きとめ、次の標的をモウガンに定めた。急に倒れたフォスによって動揺している隙をつき、モウガンと向き合う形になるメル。

 

当然警戒を露わにするモウガンだが、触手の脅威からは逃れられない。

 

「な、なによ。やる気な──んっ!?」

 

モウガンの両手を恋人繋ぎで優しく握り、驚いている口元へそのまま深いキスを開始した。

 

モウガンとメルとを一切離さないように触手で、お互いの太もも同士、腰同士、手同士を縛り付ける。メルも動けないがモウガンも動けない。

既に【五感超倍増】を付与している触手により、モウガンも同じく五感が倍増しているため、動く度にお互いの身体が擦れて抵抗が出来ないのだ。

 

「ふぁ……ん……はな、しなさい……よ……っ!」

 

「やら」

 

そして更に、身体から【粘液】を分泌した。

コレは少々溶かす威力が高いシロモノだが、特殊な一次進化をしているモウガンにとっては服を溶かす程度の効果しかない。

 

そう、服を溶かしてしまうのだ。

 

アグニだと粘液は蒸発するし、ヴェスティ相手だと怪我をするかもしれない。だがモウガン相手では、一方的に服を溶かすだけの効果を与えられるという素晴らしいモノ。

 

メルの服も溶けてしまうが、触手は解けずに互いの体に絡み付いている。

 

「……こ、れ……やばっ……!?」

 

決着は目に見えていた。

どんなモンスターとも配合できるスライムと違って、牛種はそうではない。特殊な進化をしたとはいえ、モウガンもその限りではなかった。

 

互いの肌の柔らかな感触や、甘く逃げられないキスによって、限界は当に越していたのだ。

 

大きな胸どうしがへし合い、ぬるぬるとした粘液が更に肌の感触を淫靡なものにしていく。抵抗するメルと責めるモウガンという構図が、今では女郎蜘蛛の巣に囚われた哀れな虫になっていた。

 

……いや、その女郎蜘蛛ももはや、冷静な思考ではないのかもしれない。

 

恋人繋ぎをした手を緩めることなく、更に更にとキスを続けるメル。その瞳はモウガンから見れば、ハート模様を刻んでいた。

 

様子のおかしくなったメルを相手に、何とか抵抗を続けるモウガンだったが──。

 

 

 

 

 

「んっ、メルぅ……」

 

「……きゅ、あぅ……」

 

 

 

 

「……ねぇ、もっと?もっとしましょ?」

 

「きゅ……」

 

 

 

 

「……ん……あ……」

 

「…い……きゅ……」

 

 

 

 

──決着は着いた。

互いの体力の限界のという極めて平和(?)で、かつ冷静になった故の中断である。

最後の一線は超えていない。というより、そこまで頭が回らないほどの快感が二人の脳を支配していたのが、不幸中の幸いだろう。

 

「………」

 

「………」

 

空気が気まずい。

冷静になって考えた結果、互いにとんでもない事をしてしまったと反省しているのだ。

 

俗に言う賢者タイム。

 

「……すれなさい」

 

「き、きゅ?」

 

先に沈黙を破ったのは、蚊の羽音よりも小さなモウガンの声だった。

顔を真っ赤にしてわなわなと震えている彼女は、涙目になりながらズビシとメルの顔を指さす。

 

「だ、だからっ!!!わ、忘れなさい!今までのは全部!……いいわね!?」

 

「っ、んきゅんきゅ!」

 

凄まじい剣幕で言葉を叩きつけるモウガン。その首にはメルが付けたと思しき沢山のキスマークと、キツく締めたであろう触手の跡が随所に見られる。

 

かなり派手にモンスターバトル(意味深)していたようだ。

 

「だ、だいたいあんなの本気にしてたの!?私がアンタなんかと交尾するわけないじゃない!」

 

「……ほんきゅ?」

 

「本当よ!全くこれっぽっちも気持ちよくなんてなかったんだからねっ!?」

 

叫び声が部屋に木霊する。

言っている内容に反して終始モウガンの顔は真っ赤であったし、恋人繋ぎの手も未だに離そうとしていない。更にモンスターバトル中は自分からキスをせがむ程になっていたのだが……それはメルとモウガンの間でしか知りえない情報となった。

 

ちなみにその間、フォスはぐっすりと寝ていたのだという。




途中の声だけのシーンは読者の皆様のご想像にお任せします。
最初は鮮明に書いていたのですが、あとから読み直したらR18行き確定な気がしてきたので省かせて貰いました。

またいつか、私がR18版を書きたい!と思うようになったら、更に鮮明に2人の様子が描かれると思います。

ちなみにモウガンは隠れ甘えん坊です。悪しからず。

本編とは別で他キャラとのイチャイチャ編は必要だろうか

  • やってくれ、必要だろ!
  • やるな、戻れ!
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