進化したら人外系お姉さんになる雑魚モンスの俺、飼い主♀の性癖を破壊する   作:霧夢龍人

6 / 97
感想欄の性癖暴露が誠に草ですわ
いいぞもっとやれ

それと勘違いして欲しくないので言いますが、私はロリコンではありません。ロリが好きなだけです。


元おっさんがロリになるようです

私はヴェスティ。なんのしがらみも囲いもない、ただのヴェスティ。

可愛いものが好きで、いつかはモンスター達を導いて一緒に旅が出来たらいいな、なんて夢を抱えていた幼少期。

 

そしてその夢を我慢出来ず、とうとう私は家出を決行した。

 

とても清々しい気分だった。

立場が立場のせいで思うように友人が出来ず、恋人もいない。家族とも良好な関係を築けなかった私はようやく、真の意味での友。つまりパートナーを探す度に出掛けることが出来た。

 

遠くの町や村を散策し、自分のパートナーを探す毎日。辛いという感情はなかった。

 

17にもなって今更、という人もいるとは思うが、私にとって年齢は飾りでしかない。夢を追うのに年齢は関係ないんだ。

 

そして、パートナー探しをして二週間と少し。私はとうとう───運命と出会った。

 

ぶらぶらと村を見回っていた私は、疲れを取ろうと大きな岩の近くに腰掛けていたんだ。完全に気が抜けていたのは否定しない。

だが、空から私の大好きな可愛らしいモンスターが落ちてきた時は、あまりの興奮で変なことを口走った記憶がある。

 

かのモンスターはチビスラ。最弱の名を欲しいままにする、初心者御用達のモンスター。

 

もちろん、私も何度もチビスラを見かけていた。だが、ここまで心惹かれるような個体とは会ったことがない。

彼、もしくは彼女は、自我があるかのように私に飛び乗ったり嬉しそうに鳴いてくれた。

 

そこが他のチビスラと違って心惹かれた点である。

 

メンダコと呼ばれるタコのようなフォルムに、愛らしい羽がちょこんと付いたその姿があまりにも可愛すぎて、思わずお持ち帰りしようとしたが躊躇った。

 

仲間にしたいのは山々だし、恐らくこの子も乗り気だ。

 

だが断言する。

この子は可愛すぎて──多分、戦わせたくなくなる。

 

何度でも言うが、私は可愛いもの好きだ。そして好みドンピシャのよく懐くチビスラなんていう、欲望の塊とパートナーになったとして、私はその子に傷ついてほしくない。

 

間違いなく、特別扱いをしてしまうだろう。

 

そしてそれはこの子の為にもならない。だから私は、文字通り身がよじれる思いでパートナー契約をしなかった。

適当な嘘と真実を織り交ぜて、体のいい断り方をしたのだ。

 

だがそれも、今になって思う。

 

「やっぱりパートナー契約しとけばよかった……可愛かったなぁ」

 

「ワン?」

 

リュックからテントを取り出し、一緒に休憩しているモウガンを撫でながら呆然とつぶやく。

モウガンに対して失礼だとは分かっていたが、やはり後悔しかない。

 

それにあんなに可愛い子のことだ。きっともう出会うことはないだろうし、会ったとしても他の人のパートナーになっていることだろう。

 

これが……寝盗られ……?

 

おっと、危ない。もう少し遅ければ危うい扉を開くところだった。

 

「あ〜あ、もう一回会いたいなぁ」

 

気分は完全に自分から振っといて未練のある元カノだ。彼氏なんていた事はないが、多分こんな気持ちのはず。

だが……まぁ、仕方ない。

 

可愛いのは大好きだが、それ以上に美しい方が好きだしな。チビスラが進化すると大きいスライムになるだけだし、パートナーというよりペットのような扱いになりそうなのは想像に容易い。

 

せめて人型で、大きめのお姉さんだったりお兄さんのような姿のモンスターが居れば……はぁ、いるわけないか。

 

ため息をひとつ吐いて、モウガンと一緒に横になる。過去に囚われても仕方がない。

この子が今の私のパートナーなんだ。大切にしよう。そしてあのスライムの事はキッパリ忘れる。

 

それが一番幸せだ──なんて当時の私は考えていた。

まさかあんな再会の仕方をするなんて、夢にも思ってなかったからだ。

 

 

 

───☆

 

 

「きゅう……」

 

俺は死にかけていた。

スライムの身体が溶け出して、今にも下水道のシミになりかけるくらいには瀕死だった。

 

そんな身体を引きずりながら、害獣の視線を掻い潜りご主人様の後を着いていく。そうしないと他の害獣たちが、弱った俺目掛けて襲いかかってくるからだ。

 

「うきゅ……うきゅ……」

 

やはりパートナーがいないチビスラはくそざこだ。

進化するためにはモンスターや害獣を倒さないといけないが、位相を駆使しても厳しいチビスラじゃどうしようもない。

 

だってあいつら、俺の【溶解性粘液】を浴びてもちょっと痛がる程度ですぐに攻撃を避けてくるから、こっちが一方的にダメージを喰らってしまう。

 

「が、頑張ってモウガン!!!」

 

「ウワォン!!!」

 

ご主人様達も苦戦しているようだ。

レベル1のモウガンで苦戦するなら、そら勝てませんわ。

 

やってみて分かるが、ゲームじゃ最弱のチビスラでも何とか敵を倒すことが出来るが、リアルじゃ相手は待ってくれない。ターン制じゃないからだ。

 

そんなことも気付かないなんて俺ったらお茶目さん♡

とはいえ、このままじゃまずい。何より、恐らくこの先は害獣たちのボスがいるはずだ。

 

モウガン一体じゃさすがに厳しいだろう。

 

粘液と自身の血液でボロボロになりながら、進むこと数分。

あれだけいた害獣達が減り、恐ろしい気配が身近に迫ることを感じる。

 

間違いなく、“いる”

 

視線をこらせば、暗い下水道の先に巨大な蛾のような害獣がこちらを見ていた。

 

「 U A A A A ! ! ! 」

 

目が合った瞬間、劈く咆哮。

可愛い系によったモンスター達とは違い、害獣たちの見た目はだいぶグロテスクだ。

 

例によって幼虫やサナギ型のボスである蛾の害獣も、ビキビキと浮き出た血管に真っ黒な瞳やら気持ち悪いお腹やらで、ホラゲーに出てきそうな見た目だった。

 

「っ、来たね。まだいけそう?」

 

「ウウゥゥ……ワンッ!」

 

「ふふっ、流石私のパートナー。やる気だね」

 

(ま、まじか。アレに挑むのかよ)

 

蛾の害獣には名前がない。

だがゲームではそこそこ強いレベル1の害獣として有名だった。ご主人様達はやる気みたいだが、やはりモウガン一体じゃ厳しいだろう。

 

そして予想通りモウガンは蛾の害獣による鱗粉と、巨大な翼によるつむじ風でダメージを蓄積していく。対して相手には全くと言っていいほど、ダメージを与えられていない。

 

……何か、俺にできることはないか。

 

【溶解性粘液】……ダメだ、風圧で弾き飛ばされる。かと言って近づいて直接吹き掛けるには、今の俺はダメージを受けすぎていた。

 

「ワウ……ウゥ」

 

「くっ、厳しいか……無理しないで、モウガン。君の無事が一番大事だから」

 

どんどん弱っていくモウガンに、焦りを募らせていくご主人様。

だがモウガンも諦めが悪く、猪突猛進で果敢に攻撃を仕掛けに行く、

 

「 U U ? 」

 

だが、不発。

ひらりと躱され、間近で鱗粉を浴びてしまう──

 

「モウガンッ!!!」

 

──寸前で、ヴェスティがモウガンの前に躍り出て代わりにダメージを食らってしまった。

 

「ぐ、う。……はは、駄目なパートナーでごめんね」

 

そのまま崩れ落ちるご主人様。

モウガンに謝りながら、息苦しそうに顔を歪ませている。鱗粉による呼吸阻害で、上手く酸素を取り込めていないのだろう。

 

もしあのまま放置すれば、ご主人様は死ぬ。絶体絶命だ。

 

「きゅ」

 

だから。

 

「きゅうッッ!」

 

命を掛けて特攻した。

 

死ぬかもしれない?

もはや死んでいる身だ。前世の記憶とか色々あるが、おっさんの俺からすれば子供が死にかけているのに、助けない道理はない。

 

それに、だ。

俺は3Rというゲームを信じている。

こんなバッドエンドで終わるようなゲームじゃなく、皆が笑顔で終わるような幸せなハッピーエンドをくれるようなゲームだと。

 

果たしてそれは。

 

──《チビスラの完全な自我を確認。目的位相を糧とし、更なる進化を要求……失敗しました。パートナーの不足による原因を確認。代わりとして、新たなる種族を構成……》

 

どうやら正しかったようだ。

 

 

 

──《成功しました。対象を1次進化:“デモンロリム”へと進化します》

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。