進化したら人外系お姉さんになる雑魚モンスの俺、飼い主♀の性癖を破壊する 作:霧夢龍人
「その未来で死ぬのは、あなただそうよ」
なんだって?……俺が、死ぬ?
自慢じゃないが、偽物でも王種の特異個体になっている俺が死ぬとは思えない。物理効果も効かないし、死んでも復活するからだ。
そもそも俺の位相の数は、中々の数になっている。
・【
極相が一つ。
・【
任意のタイミングで異なる次元を行き来できるため、触手側は一方的に干渉できるが、こちらから干渉することは出来ない。
・【衝撃完全無効】──自身に及ぶ物理攻撃(打撃・突撃を含む)を完全に無効化する。
・【
代償として、自身以外に再生の付与が出来なくなった。
・【五感超倍増】──自身の五感を超倍増させる。身体機能の向上や動体視力を底上げすることができる。なお、オフにすることは出来ない。高等粘液制御によって、五感倍増を自身以外にも対象へと付与可能。
【五感倍増】が【五感超倍増】が進化したことによって、欲求位相が四つ。痛みすらも倍増するクソ位相があることが気になるが、基本的に三次進化と考えればこの位相達はクソ強い。
・【擬態偽装】──生物・非生物を問わず擬態できるようになった。【構造再設計】と組み合わせることで、擬態or偽装対象の生態や行動を模倣する事が可能に。
・【超吸収】──対象の体液や身体の一部を吸収することで、新たな位相を得る確率が上昇し、吸収量に乗じて耐性や身体能力も少し上がる。また、属性攻撃(火・水・etc.)を稀に吸収し、無効化できる。
・【核分裂】──自身の身体を一時的に分裂させ、知能と能力が劣るコピーを一体だけ複製可能。破壊されると一部ダメージが自身に跳ね返ってくる。
と【吸収】が進化、【核分裂】を新たに獲得したことによって目的位相が三つになった。めちゃくちゃ強い様に感じるが、あくまでも目的位相である。発動確率が低かったり、多少のデメリットも存在している。
・【影縛】──対象の影を踏む、もしくは触れることによって行動を縛ることが出来る。しかし縛るだけで、攻撃を封じるわけではない。
そして生存位相。
【影踏】から【影縛】に進化した。
見ての通り、アグニールやらのチートモンスターには背伸びしても絶対に勝てないレベルではあるが、ここに極相の【焔炎天】が混じるとそこそこ強いレベルに到達する。
ストーリーじゃ無双できる程度だ。やり込み要素とかになってくると、ボコボコにされるが、一応解説をしておこう。
【焔炎天】の“万焔帰一”は、俺が普段使っている焔属性の攻撃である。“劫焔罪断”はドルマンを一撃で沈めた、対象の罪を基にダメージを与える技。
そして“残焔輪廻”は、倒されても自動的に焔の中から復活するという能力だ。
──なのに、聖女の知っている未来で俺は死ぬ?
どんなヘマをやらかしたのか、あるいは既に未来が変わっていて、その未来より俺が強くなっているのか分からないが、残焔輪廻がある以上水の特異個体にも余程ヘマをしない限り負けないはずだ。
「そんな驚いた顔をしないでちょうだい。私も驚いているもの」
「んきゅう」
いやほんとにな。
何でこんなに厄介なことになってるんだろうか。
時期的にもイスフィが水と桜の特異個体のどちらかから、パートナー契約を持ち掛けられるだろうし、それに加えて聖女を狙う存在もいるんだから、ままならないものだ。
考えることが多すぎて頭を抱える俺。
「まぁ、何とかなるでしょ」
しかしモウガンはやけに楽観的だった。
「きゅきゅう!」
(いや厳しいだろ!)
「そうかしら?だって私たち、ドルマンの時も何だかんだ上手くいったじゃない」
「んきゅう……」
(それはそうだけどさ……)
ドルマンの時は結構行き当たりばったりというか、ストーリーを知らなければ何度か詰んでいた場合も多かった。
たまたまアルマが居たから死者を出さずに都市の防衛に成功したし、たまたま俺が進化出来たからドルマンを倒せたし、たまたま……こうして考えてみると、たまたまな部分が多いなほんと。
まるで“誰かに”上手くいくように“お膳立て”されたみたいな、俺たちに都合が良すぎた戦いだった。
「そんなに考えても仕方ないわ。それより今は、出来ることすべきよ」
「きゅ?」
(どんな?)
「アンタを呼んだのは、確かにこの事を伝えるためでもある。けどそれ以上に……」
なんだろう。
モウガンは口を開いたまま、じっと俺を見つめてきた。俺の方が身長が高いため、上目遣いでこっちを見てくるのはグッと来るが、一体どうしたんだろうか?
疑問に思う俺をよそに、モウガンは無言のまま俺に近付いてくる。顔は能面のように無表情で、僅かな恐怖を感じて思わず後ずさった。
「──私、どうやら発情期が近いみたいなの」
「きゅ?」
「だからちょっとだけ、発散させてちょうだい」
──☆
「遅いなぁ、メルちゃん」
「確かにねぇ。もう授業始まっちゃってるよ」
イスフィとリリアは後方の席で話をしながら、タブレットで授業を受けていた。既に授業開始の鐘が鳴っているのにも関わらず、未だにメルは帰ってきていない。
何かに巻き込まれたんやろか?
もしくはモウガンさんに何か酷いことされてたり……?
そんな考えがイスフィの脳内を支配する。お陰で授業にも殆ど集中出来ずにいた。手を忙しなく動かしているのに、メルのことを考えているのが丸わかりなイスフィにリリアはクスリと笑う。
「ふふ、イスフィちゃんってメルちゃんのこと、結構好きだよねー?」
「はっ!?そ、そんなんじゃないわ!」
「しっ!声が大きいよ」
慌てて口を抑えたイスフィだったが、メルのことを気になり始めているのも事実だった。ぎゅっとタブレットを握って、今か今かとメルの帰りを待つ時間が長く感じてしまう。
なんやろ、この感じ。
置いていかれたみたいな……寂しい感覚。
「……うちら、何も知らんよな」
メルがどこから来たのか。モウガンさんとどういう関係なのか。なんであんな強い人に萎縮せずに自然と隣に並べるのか。
全部、知らない。
「イスフィちゃん」
リリアの声は、いつもより少しだけ柔らかい。
「気になるなら、聞けばいいじゃん」
「……聞けるわけないやん」
「あー、そっか。怖い?」
「……うん」
「言えたじゃねぇか」
ニヤニヤしながらイスフィの肩をポン、と優しく叩くリリアは、言葉を続けた。
「でも私たちからしても、モンスター科の人って憧れではあるからねぇ。普通そんなに易々とモンスターとパートナー契約って出来ないからさ」
「うっ、それは分かるんやけど……」
「でしょ?だからイスフィちゃんも、パートナー契約できるモンスターを探せばいいじゃん」
イスフィはぴたりと手を止めた。
「……探せばいいって、そんな簡単に言うけどな」
「だって実際そうじゃん?」
リリアはくるりとペンを回す。
「この学園にいるってことは、いずれ契約候補と出会うってことだし。一般科だから無理、なんて決まりないよ」
「……」
確かに決まりはない。
だが自然とモンスターが多い田舎にいても、契約モンスターが一匹も出来なかったイスフィには自信がなかった。
そこで脳裏に浮かぶのは、先日のモウガンとアマネ=クリプトンの戦い。きっとメルも、モウガンのような強い人間の方が好みなはずだ。
……でも、ウチみたいなのを選んでくれるモンスターなんておらんやろ。
確かにパートナーは欲しい。
しかしそんな浅ましい気持ちで契約させられるモンスター側が可哀想だ。
だから半ば、パートナーを作ることを諦めていたのだが──。
『パートナーが欲しいの?』
『私の方がきっと合うよ』
イスフィの脳裏に、謎の声が二つ響いた。
TIPS
通常種の基本属性は五つ。
相性は
火→花→土→水→火の順で相手に弱点を突けるよ!
電属性は、基本属性の火、水、花、土全てにちょっとだけ弱点を突けるよ!
ただし特異個体の場合は
焔(火)→淵(水)→金剛(土)→桜(花)→焔(火)の順で、基本属性の相性とは真逆になるよ!
雷轟(電)は通常種と同じく四属性に少しだけ弱点を突けるよ!
当作品で何を楽しみたいか(これからの参考にさせていただきます)
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ストーリー
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キャラ同士のイチャイチャ
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どっちも