進化したら人外系お姉さんになる雑魚モンスの俺、飼い主♀の性癖を破壊する   作:霧夢龍人

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エロ同人で見た展開だ!

時刻は夜。

 

数時間も掛からずオウヒとの戦いで負った傷が癒えた俺は、無事寮内へと戻ることになった。元々ただの転校生に過ぎなかったんだが、桜の王種を倒したことで有名人になってしまったらしい。

 

もちろん、一体何処から王種なんてのが現れたのか疑問に思った人たちもいた。だがその辺りは、ご主人様がうまく処理してくれたようだ。

 

聖女からの情報により、王種の襲撃が起こる可能性がある。

そのため特別教師として招かれた──という話を広め、学園全体の沈静化を図ったのだ。

 

……まあ。

事実とはだいぶ違うが、とはいえ説得力が無いわけでもない。なぜならこの学園にはもう一体、王種がいるからだ。

 

言わなくても分かると思うが、アグニのことである。

ご主人様が従えている(と思われている)同じ王種の存在が、話に妙な信憑性を持たせてしまったらしい。

 

王種を止められるのは王種だけ。

 

どうやらそれが、この世界では常識に近い認識のようだ。

ちなみに今回の戦いで出た負傷者は、治癒系モンスターたちが回って治療を行い、崩れた教室はモンスターと業者が協力して修復を進めている。

 

人間とモンスターが普通に一緒に工事している光景は、なかなかシュールだ。

 

そしてその結果──なんと、今まで使われていなかった旧校舎が日の目を見ることになった。教室が足りないから、しばらくは旧校舎を使うようだ。

 

いやまあ、普通に考えたら王種が襲撃してくる学園なんて、俺は怖くて通いたくないけどな。

 

だがこの学園の……いやこの世界の人たちはやっぱりちょっとズレている。怪我を負った生徒の中には、こんなことを言う奴までいたからだ。

 

「一生に一度見れるか分からない王種を見れるなんて、怪我してよかった!」

 

……いやいや、良くないだろ。

内心で全力ツッコミを入れていた俺だったが、どうやら怪我した連中のほとんどが、その意見に賛同しているらしい。

 

俺、間違ってるのか?

なんでそんなにモンスター好きなんだよ。

愛が強すぎるだろ。

 

ちょっぴりというか、普通に怖くなった俺は医務室から逃げ出した。

 

オウヒを俺が倒したという噂が広まるのが早すぎたせいで、質問攻めにあっていたからだ。

 

以下のは、俺が受けた質問や言葉を一部抜粋したものである。

 

「本当に倒したの!?」

 

「スライムってそんなに強くなるんだ!」

 

「本当に助かったよ」

 

「桜の王種ってどんな匂いした!?」

 

「メルちゃんって受け?攻め?……いや、言わなくても分かる。受けだよね」

 

何回思い出しても疑問だが、最後の二つはなんなんだ……。

 

それに加え、今まで俺はスライムである正体を隠していた。だが今回の一件で状況が変わった。オウヒを倒せたこと。そして残りの淵の王種の脅威や、ラスボスの存在。

 

それらを加味して、もう隠す必要はない──と聖女が判断した(俺は今でも聖女の正体を知らないが)らしい。それを受けて、ご主人様は戦いの後の説明会で、俺のことを赤裸々に語った。

 

それはもう、時計の長針が三周するくらいの時間をかけて。

 

長い。

めちゃくちゃ長い。

途中で絶対関係ないエピソードも入っていた。

 

「メルはね、最初はすごく弱そうでね」

 

「でも優しくて」

 

「あとぷにぷにしてて」

 

「抱き心地もよくて」

 

それ必要だった?

 

ご主人様のお陰(せい)で俺は、いろんな意味で有名人だ。

 

聖女の判断については、正しいと思う。ご主人様が説明会を開くのも、間違ってはいないだろう。でもわざわざあんな恥ずかしいエピソードを、あんなに長く話す必要があったのだろうか?

 

いや、ない。それだけは断言出来る。

 

あまりにも恥ずかしくて、説明会が終わったあと──

 

ききゅい(キライ)!」

 

──とご主人様に伝えたら、その場に倒れて動かなくなった。

 

俺悪くないよな?

 

兎角、歩くだけで周りの視線を感じるようになってしまったせいで、寮内をぶらつくのも非常に敏感になってしまう。

 

そんな心情もお構い無しに、隣を浮遊するコイツはやけに嬉しそうだ。

 

「んふ、ワタシのメルが、目立って、る」

 

「んきゅきゅ」

(エロい視線が多くてもか?)

 

「あとで、焼くから、だいじょうぶい」

 

アグニはピースサインを作ると、二本の指をぱたぱたと開いたり閉じたりしながらなんでもなさそうに告げる。

 

南無。

 

男として気持ちは分かるから、程々にしてあげて欲しい。

 

因みに今俺たちが何処へ向かっているのかと言うと、先生専用の寮室である。オウヒを倒したが、殺せている訳ではない。アグニの力で抵抗出来ないように留めているらしいのだが、完全に封じるために俺の力も借りたいとのことだ。

 

もちろん、二つ返事で了承した。

 

「あっきゅ?」

(あ、そうそう。俺はどんな感じで手伝えばいいんだ?)

 

「……んー、取り敢えず部屋に、着いてから説明、するね」

 

「てんきゅ」

 

おじさん先生やら若い男の先生、後は熱い眼差しを向けてくる女性教師たちを避けながら進むこと数分。辿り着いたのは、ご主人様の部屋だった。

ノックを数回した後、ドアを開く。

 

広がる部屋は殺風景で、所々に置かれた可愛らしいぬいぐるみが緩衝材になっていた。

 

ご主人様って……やっぱり可愛いもの好きだよな。見た目はかっこいい美少女なのに、ギャップを感じてとても良き。

 

「さ、始める、よ」

 

「ききゅう?」

(え、ここでか?)

 

「うん。焔で身動き取れなくしてる、から。攻撃はでき、ないよ」

 

まだ帰って来ていないようだが、どうやら先に封印作業を始めるらしい。身動きを封じているなら、俺は要らない子じゃないか?……なんて疑問はひとまず脇に置いておく。

 

アグニは無言のまま指先を軽く掲げると、そこから焔のように紅く燃え上がる小さな玉を放った。ふわり、と宙に浮いたそれは、ゆっくりと回転しながら膨らんでいく。

 

最初は拳ほどだった光の塊が、やがて頭ほどの大きさになり──次の瞬間。

 

閃光。

 

目を焼くほどの赤い光が一瞬だけ弾けた。思わず目を細める。そして、光が収まったとき、そこにあったのは人の形だ。

 

焔の残滓がふわりと散る中、空間に固定されるようにして、一つの影が現れる。両腕と両脚を鎖のような炎で拘束され、宙に縫い留められた姿。

 

長い髪がゆらりと揺れ、桜の花びらが静かに舞う。

 

「……ちっ」

 

現れたオウヒは顔を歪め、拘束された腕を無理やり引こうとした。その度に焔の鎖がぎしりと音を立てる。

 

「ふざけるなよ……!」

 

ぎろりとこちらを睨みつける。

 

「僕にこんな真似して、ただで済むと思ってるの?」

 

さらに力任せに身体をよじるが、拘束はびくともしない。苛立ちを隠そうともせず、オウヒは吐き捨てるように叫んだ。

 

めちゃくちゃ元気ですやん。

 

どうやら身動きが取れないのは本当らしいが、あれだけ喚けるなら、まだまだ余裕がありそうだ。

 

というか普通に怖い。相手は王種だ。ついさっきまで、学園を半壊させかけた存在である。なんならアグニも殺し、俺も殺された。そんな奴が、今も目の前で元気にキレ散らかしているのだ。

 

恐怖を感じない方がおかしい。

 

だが、そんな俺の内心などまるで気にした様子もなく、アグニはいつもの調子で言った。

 

「やだ」

 

そして、こてんと首を傾げる。

 

「貴女は少し、反省する、べき」

 

「……反省だって?」

 

オウヒの眉がぴくりと跳ねた。

 

「ふざけるなよ」

 

拘束された体を揺らしながら、怒鳴る。

 

「あの子は僕を振ったんだぞ!?」

 

その言葉には、怒りというより拗ねた子供みたいな響きが混じっていた。

 

「しかも弱いスライム種なんか選んでさ!!!許せるわけないじゃん!?」

 

「おかしなこと、言う。その弱いスライム種、に貴女は負けた。だったら貴女は、弱いスライム以下」

 

……パンチラインも王種級なんですね、アグニさん。

 

そう思わざるを得ないほど、あまりにも容赦のない一撃だった。おかげでオウヒはというと、わなわなと肩を震わせている。

 

わなわな、という表現がこれ以上ないほど似合う震え方だ。ド正論の火の玉ストレートを真正面から喰らったせいか、顔は真っ赤。しかもよく見るとちょっと涙目である。

 

「ぐ……っ」

 

オウヒは何か言い返そうと口を開くが、言葉が出てこないらしい。そのまま悔しそうに歯を食いしばる。

 

「……ち、違うし……」

 

声が小さい。

 

「僕は……その……」

 

それっきり、涙目で黙り込んでしまった。

 

なんだろう。

さっきまでの王種の威厳はどこへ行ったのだろうか。いや、ほんの数分前までこの子、学園を半壊させる勢いで暴れてたよな?

 

それが今では、言い負かされて涙目の桜の王種だ。威厳がみるみる減っていく。

 

強いのは間違いないはずなのに、妙にポンコツ感がある。

 

「も、もういい。好きにすればいいじゃないか……僕は屈しないけどね」

 

「初めから、そのつもり」

 

もはや、どっちが悪か分からない。

焔の鎖で縛られた僕っ子美少女なんて、どう見ても俺らが悪い秘密結社ポジションだ。

 

殺されかけておいてなんだが、ちょっと可哀想に──いや待て。

 

俺は首をぶんぶんと降って、哀れに思ってしまった自分を恥じた。コイツはアグニやご主人様を殺したモンスターなんだ。そんな甘い考えは捨てるべきだ。

 

気持ちを切りかえ、アグニからの指示を待つ。

 

「えと、ね。メルがして、欲しいことは……」

 

耳を傾けると同時に一度、オウヒを見る。炎の鎖に縛られたまま、ふてくされた顔でこちらを睨んでいる桜の王種。

 

アグニはその姿を指さして、続けた。

 

「この子を──して──した後に──してほしい」

 

「……んきゅ?」

(……え?ほ、ほんとに?)

 

「うん。容赦、はいらない」

 

マジか。

俺ですらどうなるか分からないし、見た目が美少女な以上かなり躊躇われるのだが……やるしかあるまい。

 

「な、何する気だ!」

 

炎の鎖に拘束されているとはいえ、相手は王種だ。

油断するつもりはない。俺は自分の影へと視線を落とす。すると、そこからぬるりと何かが這い出してきた。

 

見慣れた存在だ。

普段から何かとお世話になっている、もはや相棒と言ってもいい。

 

──触手くん(性別不明)である。

影の中から現れた触手たちは、くねくねと身体を揺らしながら俺の隣に寄ってきた。

 

よしよし。

今日も元気そうで何よりだ。

 

この子達に付与するのは、キングオブデメリット位相の烙印を押している【五感超倍増】。あとはこのまま攻撃……する訳では無い。王種が痛みに強いのは、前回で学んだことだ。

 

ならば今回は何をするかと言うと、具体的にいえば、長時間の触手による(くすぐ)りだ。場所は、脇や首や太ももなど、アグニが指定した所を重点的に責める。

 

「う、うねうねしてる……なんだそれは!そんなもので僕に何する気だ!」

 

こちょこちょするだけです。

警戒心を隠そうともしないオウヒ目掛けて、触手くんたちを伸ばした。

 

するり、と。

 

数本の細い触手が彼女の身体へ絡みつく。

 

腕に。

脇腹に。

足元に。

逃げようとしても炎の鎖に拘束されているせいで、オウヒは抵抗すら出来ない。

 

「っ!?ちょ、待っ──」

 

そんな状態で擽りを受ければ、大抵の人間はくすぐったさが勝る。しかし俺が付与しているのは、【五感超倍増】だ。五感の感覚が文字通り超倍増するこの位相は、知っての通り痛みすら倍増させてしまう。

 

五感のうちの触覚が敏感になってしまうからだ。

 

そう、敏感になってしまうのである。ここテストで出るからね。

 

「や、やめっ……!」

 

「ひっ、あはっ……!」

 

「ちょ、そこ……っ、だめ……!」

 

敏感な肌に、細い触手がくすぐりをする。勘のいい人間なら一発でわかるだろう。

エロ同人でよく見る展開だ!と。

 

しかし、ここで即堕ち二コマにならないのが王種の威厳を感じさせる。痛みに強いのだから、やはり快感にも強いのだろうか?

 

細い触手が臍の中心を擽り、身体に巻き付いた幾つかの触手くんたちが脇や太もも、首を刺激する光景を眺めながら、ふとそう思った。決して美少女の喘ぎに興味津々な訳ではない。

 

「効果は、抜群だってやつ、だね」

 

スレンダーな胸を張りながら、アグニはニコニコと微笑む。

 

なんて恐ろしい発想なのだろうか。

もっとこう、痛みによる拷問か何かに近いものだと思っていたのに、実際は想像を絶する程の快感を与え続けるという、完全な拷問だ。

 

俺なら絶対にこんな目にあいたくない。

 

目が虚ろになり、口の端から涎を垂らし始めたオウヒを見て改めてそう思った。

 

アグニは自分の考えた作戦が上手くいって嬉しそうだ。

 

「んふ、パパが言ってた。強気な女は、快楽に弱いって」

 

「……きゅう」

(……パパさん)

 

完全なやぶ蛇である。

鬼や蛇が出ると知っているのに、薮を突く馬鹿はいない。アグニの両親がどういう人達かは分からないが、きっと娘の成長に喜んでいることだろう。

 

多分。

きっと。

恐らく。

 

全力で首を横に振っている可能性もあるが、俺は何も言わないでおく。

 

さて。

 

擽りを開始してから数分後。

あんなに強気だったオウヒは、もはや威厳の欠片も無い姿になっていた。

 

「……ぅ、ひぁ……くっ…」

 

無論、色んな意味で達しないように調節はしているが、そのせいで逆に生殺しになっているのだろう。快楽もいき詰めれば、地獄に等しい。それが垣間見えた瞬間だった。

 

……流石にもう可哀想だよな?

 

アグニに合図を送り、そろそろ辞めさせようと触手くん達を呼ぶ──その瞬間。

 

「だ、め」

 

ぼふん。

 

そんな柔らかい音と共に、俺の身体は後ろへと倒れ込んだ。そのまま受け止めたのは、どうやらご主人様が普段使っているらしいベッド。

 

深く沈み込む感触とともに、アグニが腰の上に乗っかった重みで更に深く沈み込む。ご主人様の柑橘系の香りと、アグニのラベンダーの優しい匂いが混じって不思議な感覚だ。

 

「あの子はまだ、反省してない。だから、もっと反省させる、必要がある」

 

たどたどしい言葉遣いで、彼女は俺の頬を優しく撫でる。指先は驚くほど静かで、まるで壊れ物を扱うみたいだった。

 

ついさっきまで王種を容赦なく拘束していた同一人物とは思えないほど、その仕草は穏やかでかつ繊細。

 

頬で指をなぞりながら、アグニは小さく目を細めた。

 

「──だから」

 

細くて長い指が、今度はへその中心をグルグルとなぞり始めた。弧を描く口元をペロリと舌が半周し、艶やかな唇を湿らせる。特徴的な真っ赤な瞳が劣情に燃えていることに気付くのは、そう時間を要さなかった。

 

逃げられない。

 

鎖で拘束されているわけでも、力づくで抑え込まれている訳でもない。

 

なのに蛇に睨まれた蛙のように、烈火を思わせる目を見つめ返すことしか出来なかった。

 

「二人で、見せつけえっちしよ?」




この文章を最後まで書くのには、余白が狭すぎる。

ということで次回こそはヴェスティが参戦します。
盛り上がり過ぎて、文章量が多すぎるのが最近の悩み。だって戦闘回や説明回よりも、イチャイチャ回の方が筆が乗るんだもの。

当作品で何を楽しみたいか(これからの参考にさせていただきます)

  • ストーリー
  • キャラ同士のイチャイチャ
  • どっちも
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