進化したら人外系お姉さんになる雑魚モンスの俺、飼い主♀の性癖を破壊する   作:霧夢龍人

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あっ、性癖が壊される音ぉ〜!

私はロリコンではない。

もう一度言おう、私はロリコンではない。

 

どちらかと言えば筋肉隆々の猛々しい男性が好きだし、家族関係は良好ではないがお姉様のような起伏に富んだ女性になりたいと思っている。

つまり、ロリコンでは断じてない……はず、だ。

 

何度もロリコンじゃない、と呟きながら私の手を嬉しそうに握っているロリっ子(元チビスラらしい)に視線を向ける。

 

「んきゅ?」

 

「っ……いや、なんでもないよ」

 

かわいい。

なんだその可愛さを煮詰めたような顔は。

かわいいもの好きの私にぶっ刺さる八重歯とあざとい視線はなんだ。

 

だいたい何だその格好は。

流石にハレンチすぎると上から私の服を着せたのに、粘液?のようなものでボロボロになったせいで何も着せられないことが分かった。

 

見た目はほぼ人間とそっくりと言ってもいい。

ただちょっとだけ半透明だし、へその下にあるモンスターであることを示す“紋様”が人間じゃないことを表している。

 

それ以外はほぼ人間と変わらない。

 

……気が狂いそうだ。

 

今も尚変な扉を開きそうになっているのを、鋼の意思で何とか耐えていた。

 

「ワン!」

 

「んきゅ!?……きゅ〜〜っ!」

 

上の空で下水道から出ていたら、何故かチビスラとモウガンが睨み合って威嚇していた。そんな姿もかわいい。

 

八重歯を見せて威嚇しているつもりなのだろうか?さっきまであんなに仲が良さそうだったのに。でもそんな姿もかわいい。

 

……かわいい。

 

「っ!?」

 

危ういと気づいて、思いきり自分の頬をぶっ叩く。

 

「ふんっ!!!」

 

「んきゅ!?」

 

「ワン!?」

 

「あぁいや、何でもないの……ちょっと目眩が、ね」

 

心配そうな眼差しを向けてくる2匹……いや、1人と1匹?に大丈夫だと告げて私は前を向いた。

横を向くと布を大事なところに巻いたような攻めた格好で覗き込んでくるチビスラに、変な扉をこじ開けられそうになるからだ。

 

それに他の国ではともかく、私の国ではモンスターとの恋愛は禁止である。人型モンスター自体がかなり少ないため、恋愛するような変人もいないのだが……この子を見て認識が変わった。

 

───私の性癖、壊れちゃう。

 

ごめん、兄様。モンスターに欲情するような変態って罵って。

あれ以来仲は険悪になったけど、どうやら私はちゃんと貴方の妹のようです。

 

嫌なところで血の繋がりを感じながら、チビスラのことを考える。

流石にパートナー契約をしないと、他のモンスター好きの変態に襲われかねない。

 

まぁ私はロリコンではないし?あくまでもパートナーとしての付き合いをしていくつもりではある。

 

……もしチビスラが起伏に富んだ人型のモンスターになっていたら危なかった。だが流石に、こんなロリっ子が姉さんのようなタイプに進化するわけがないので、命拾いしたと思う。

 

チビスラの名前を考えながら、私は安堵した……流石にこれ以上、変な進化はしないよね?

 

 

───☆

 

 

今世界で一番幸せなのは誰かと聞かれれば、自信満々に俺だ!と言えるくらいには幸福を感じる。

 

だってあの思い焦がれたご主人様が、ようやく俺とパートナー契約をしてくれる事になったのだ。

流石に街中でする訳にはいかなかったため、依頼の達成と報告を済ませ、近くの宿にてパートナー契約をすることになった。

 

ちなみにモウガンにはあの時のチビスラだと知られているため、めちゃくちゃ威嚇されたから威嚇し返してやったぜ。

 

俺の方が先にご主人様と会ってたし?パートナー契約はモウガンのが先ではあるが、一番は俺である。

でもなんでだろうな、ご主人様の様子がちょっとおかしかったんだ。

 

俺の身体を見て頬を染めたり、視線を向ければ慌てて逸らされたり……まるで俺に興奮してる、みたいな。

まぁ流石に気のせいだと思うが。

 

前の世界じゃトゥイッターで興奮するケモナー達がいたが、この世界でモンスターを恋愛的に好きになるやつは変人扱いされてるからな。極小数だ。

 

とはいえ、結婚できる国があるのも事実。人間の可能性ってすごい。

 

「あはっ、もー。そんなに早くパートナー契約して欲しいの?」

 

「きゅきゅ!」

 

「っ、そ、そうなんだ。嬉しいな」

 

宿に到着するや否や、早速ご主人様であるヴェスティに押しかける。何だかモンスター根性が板に付いてきた気がするが、もはやそんなのどうでもいい。

 

俺は───可愛い子のケツを見ながら冒険がしたい!

 

男は欲望に素直なのである。

ちなみに後で鏡を見た時に、“エンジェロリム”とは真逆の姿をしてることに気付いた時は、俺自身でこの欲望を地産地消できるのでは?なんて思ったが……やっぱり俺自身だと鎮められない。

 

それにロリよりもえっちなお姉さんが好きだし。

おっさんになっても、結局男という生き物は夢を見てしまうものだ。

 

さて、くだらない前口上は一旦置いておこう。

 

これから念願の契約だしな!

 

 

───☆

 

 

私はロリコンではない。

 

そう思いながら、針で少しだけ切った指先をチビスラの口元へ寄せる。少し赤に濡れた指先から滴る血液。

 

「んぇ」

 

餌を待つ雛鳥のように、舌を出して舐め取ろうとするチビスラ。恥ずかしいのか、僅かに頬を染めて目を閉じている。真っ赤でちっちゃな舌先をおずおずと指先に近付けている姿はまるで───はっ!?

 

「ゴホンッ」

 

「んきゅ?」

 

「な、何でもないの。うん、ほんとに、気にしないで……」

 

危ない。

私は一体何を考えていた?

 

ゴリゴリと性癖の扉がまたもや開く音がする。

これは非常に良くない。好みのタイプじゃないはずなのに、何故こうもいやらしい妄想をしてしまうんだろうか。

 

こういう時はそう、別のことを考えるんだ……よし。

ロリコンでモンスター好きな兄様が、全裸でモンスター牧場に突っ込んだことを思い出した。

 

あぁはなりたくない。

 

そう心に決めて、指先を舌先へ垂らす。

 

「ほら、舐めて?」

 

「……きゅ」

 

舌先を口元へしまい、ゆっくりと嚥下するチビスラ。だが様子がおかしい。あれ?みたいな顔になって、私の顔を見つめている。

 

様子から察するに、血の量が足りなかったらしい。

 

もう一度強めに針を刺して、指先をチビスラへ向けた。

ちょっと血の量が多いが、これくらい出れば大丈夫だろう。大丈夫、大丈夫だ。

 

私はロリコンじゃない。

 

明鏡止水の心持ちでまたもや舌で舐め取ろうとしているチビスラを眺めていたのだが───。

 

「んきゅっ」

 

「えっ?」

 

──勢いよく、指先を咥え出した。

そしてあろうことか、ちゅぱちゅぱと私の指を舐り出した。

 

舐る粘着質なちゅぱちゅぱとした音と、嚥下する音が宿泊する私たちの部屋へ響く。

もはや私の性癖という名の扉は崩壊寸前だった。

 

「き、今日から君の名前は──“メリュジーヌ”。親しみを込めてメルって呼ぶね」

 

「きゅ!!!」

 

震える声でパートナーの名付けを行う。

フランスの伝説に登場する水の妖精の名前を付けたのには意味があった。

 

頼むからロリのままでいて欲しい、と。

このまま姉様のようなスタイルのいい姿に進化しないでくれ、と。

そうじゃなければ、私はこの子を襲いかねないからだ。

 

ロリっ子ならばまだ自分を抑制できるが、これ以上大きくなるようなことがあれば───いや、よそう。そんな事を考えても仕方がない。

兎角として、チビスラ改めて“メル”が私の仲間となった。

 

願わくば、これからもパートナーとして一緒に歩んで行きたい。

 

嬉しそうな顔で私の手のひらに頬擦りするメルに、鋼の精神で耐え抜きながら私はそう思った。

 

 

 

 

 

「んぁぁぁ〜〜!!」

 

メルとモウガンがぐっすり寝た部屋の中。私は二匹……否、一人と一匹を起こさないように足をばたつかせながら叫んでいた。

 

私も焼きが回っているのかもしれない。下水道の時にスライムの姿に戻れたのだから、パートナー契約の時もスライムになってもらえば良かったのだ。

 

それなのに私は……。

 

「あぁもうっ!」

 

この思い出は封印する。

恥ずかしすぎて姉様はおろか、罵った兄様にも「お前もとうとう俺の気持ちが分かったのか」なんて言われかねない。

 

それだけは絶対に嫌だ!

 

そして宣言する。

 

絶対、絶対にロリには手を出さない!

私は筋骨隆々の男性が好きだし、例え仮に恋愛対象に女性を選ばなければならないとしても、お姉様のような包容力のある年上の女性の方が良い。

 

だから絶対にメルのようなロリには、興味はおろか何も思うことは無い!

例えメルが大きくなったとしても、私の性癖を変えることはない!

 

何度も心に誓って、私は眠りについた。

 

───まさかその誓いをいつの日か自分自身で破ることになるなど、当時の私は思っていなかった。




BANされる恐怖と戦いながらやりました。後悔はしていません。
本当はもっとマイルドなものを出そうと思っていましたが、筆が乗りすぎてこうなっちゃいました。後悔はしていません。

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