進化したら人外系お姉さんになる雑魚モンスの俺、飼い主♀の性癖を破壊する   作:霧夢龍人

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運営さん、見逃してください。何でもします。




三人で続きをする方法

「二人で、見せつけえっちしよ?」

 

……ん?

一瞬、言葉の意味が理解出来なかった。

 

しかしアグニの右手が、徐々に危ない(・・・)位置に忍び寄って来て、強制的に現実に引き戻される。

 

「んきゅきゅあ!」

(す、するわけないだろそんなこと!)

 

その右手を抑えるように手首を握り締め、悪戯っぽく細められる赤い瞳を、真正面から見つめ返す。どうやら本気のようだ。

 

勘違いして貰っては困るが、俺はご主人様一筋である。

アグニやらモウガンやらに襲われた時だって、俺から求めたことはない。なんなら嫌がってたくらいだ。

 

美少女達から求められて、ちょっとくらいなら……なんて思ったことなんてない。ないったらない。とは言え、受け入れてしまったのも事実だ。だからこそ、今はしっかりと拒否しようと思っていた。

 

なのに。

 

「んふ、こんなに尻尾、絡めてきてる、のに?」

 

「きゅあっ!?」

 

いつの間にか自制の効かない尻尾が、俺の意思に反してアグニの腰に絡み付いていた。

 

全くの無意識だった。

 

「カラダは、正直……だね」

 

スペード状の黒くて細長い尾は、飼い主の到来に悦びを示す犬のようにゆらゆらと揺れ、離さない。アグニも少し窮屈そうにしていながらも、顔は喜色に染まっていた。

 

アグニの絹を思わせる手触りのいい指先が、臍にあるスライムの紋様を優しくなぞる。

 

たったそれだけなのに。

五感が倍増されたこの身体は、意図も容易く快感を訴える。

 

「それ、に。こんな破廉恥な、格好して。誘ってる、よね?」

 

「ん、んきゃう!」

(ち、ちがう!)

 

否定の言葉すらアグニ以上にたどたどしい。

舌が上手く回らず、彼女の吐息や声、指先から伝わる温もりが身体を蝕んでいった。

 

 

 

───☆

 

 

 

なんでこんなに可愛いんだろう。

 

声を漏らさないよう、ぎゅっと唇を結んでいるメルを見て、ワタシは言いようのない感情に支配されそうになった。

 

顔が綺麗で。

優しくて。

さっきまで殺そうとしてきた王種に対しても、可哀想だって思ってしまうくらいのお人好し。モンスターにしてはやけに人間臭くて、人間にしてはモンスターに染まりすぎてる女の子。

 

そんな中途半端な所が──いや、矛盾している全てを、ワタシは愛おしいと思っている。

 

こんなに魅力的な子、きっと他にはいない。桜は恋愛のれも知らない餓鬼だから大丈夫だったけど、他の王種のうち何体かは既に、メルに目を付けている。いつ接触してきてもおかしくない。

 

だから本当なら、今朝の桜の討伐だって、本来ならワタシはメルが倒すことを許可しないはずだった。単純に、力も経験も何もかも足りてないから。それで死んでしまったら、ワタシは桜を許せなかったと思うから。

 

けどあの時のメルから一瞬、時の王種の香りがした。

 

もう接触したのか?

メルに何をしたのか?

一体何の目的で?

 

疑問は幾らでも浮かぶ。

だって、時の王種がここまで露骨に関わってくるなんて、今まで無かったから。でもあの瞬間、いつもと違う真剣なメルの顔を見て、ワタシは許可せざるを得なかった。

 

……やっぱり、止めるべきだったのかもしれない。

 

結果としてメルは何とか勝てた。でもあれは、奇跡みたいなものだ。状況を冷静に分析すれば、死ぬ確率の方が圧倒的に高かった。

 

ほんの一歩、判断が遅れていたら。メルはきっと、ここにいなかっただろう。

 

ワタシはメルの頬を、もう一度そっと撫でる。

 

ぷに、と柔らかい感触。

温かくて、生きているという実感を与えてくれる。

 

もしあの戦いで負けていれば、この感触はもう戻って来なかった。ワタシの指先に返ってくるのは、冷たい弾力だけの物言わぬ骸だったかもしれない。

 

想像しただけで、寒気がする。

 

焔の王であるワタシが寒気なんて、なんの冗談かと思うかもしれないけど。冗談でもなんでもない。

 

「メ、ル……」

 

顔を近づける。

お互いの吐息が掛かって、少し擽ったい。隣で縛られてる桜が、「僕の目の前で盛るな変態ども!」なんてごちゃごちゃ言ってる。

 

うるさい。

 

焔で口を塞いで、喋れないようにした。殺すことも出来るけど、どうせ何処かで復活される。なら殺さずに封印した方が、制御がしやすい。

 

それにワタシのメルを殺そうとしたんだなら、ワタシ達の見せつけえっちを眺めながら一人寂しく快感に耐えてればいい。

 

……ていうか、服が邪魔。

 

「え、い」

 

「んきゅっ!?」

 

指を弾いて、下着だけを残してメルの着ている服を燃やす。ヴェスが買ったらしい黒い下着は、真っさらなメルの肌に合っている。変な模様やフリルがないのも、ワタシの情緒を煽るのに最適だった。

 

すっごく、カワイイ。

 

顔を背けて視線を逸らそうとしてる癖に、しっぽのせいで期待してる事がバレバレなのも、さっき顔を近づけた時にキスしたそうな顔してた事も、全部カワイイ。

 

我慢出来ずに少しブラをずらせば、息が上がって興奮してるのが分かる。

 

「期待、してるんだ」

 

「……きゅあい」

(……うるさい)

 

反抗的な態度も、全部愛おしい。

どうせ抵抗するつもりなんてないくせに。

 

これが好きってことなのかな。

 

繁殖して、子どもが欲しいってだけじゃない。メルのことばっかり考えて、他のことが頭に入らなくなるの。

 

「ちゅー、しよ?」

 

「……ん」

 

「んふ、素直、だね」

 

ムッと唇を向けてくれるメルの顔が愛おしい。心臓のドキドキしてる音、バレてないとでも思ってるのかな。

 

ワタシはそっと顔を近付けた。

 

不安そうに揺れるまつ毛。その一本一本を数えられそうな距離まで顔を寄せてキスをした。

 

幼い頃、まだワタシが人間だった時に、お父さんとお母さんがキスをしていた。触れるだけの、バードキス。あの頃はまだキスの意味を知らなくて、ただの愛情表現だと思ってた。

 

でも、違う。

 

好きな人とするキスは──こんなにも気持ちがいい。

 

柔らかな唇の感触が劣情を刺激して、いつの間にかワタシの背中に回された腕に、僅かに力が入る。

 

好き。

大好き。

 

なんで人間って、愛情を示す言葉がこんなにも少ないんだろう。

 

「もっと、もっと……」

 

「……ん、ふぁ…っ」

 

ずらした下着の間から、形を確かめるように胸を刺激する。ワタシよりも圧倒的に大きくて、でも無駄に思うほど大きすぎない膨らみを包み込むように、そっと手を動かした。

 

メルは何も言わない。

 

むしろ催促するように、愛欲に濡れた瞳で訴え掛けてくる。絡みついたしっぽは、ワタシのしっぽと絡み付いて、甘美な悦びを享受する。

 

もう止まらない。

止める気もない。

 

ただ目の前の好きな人を求めるだけ。

 

「はずす、ね」

 

メルはやっぱり何も言わない。

 

ワタシは、着ていた服を燃やす。

説明会?とやらでヴェスの命令で着ていた学生服だ。

 

焔が身体をつつみ、顕になるのは紅いレースの下着。ブラのホックに手を掛ければ、パチンッと音を立てて外れて落ちる。

 

「……っ」

 

メルが恥ずかしそうに、顔を逸らす。

 

カワイイ。

 

ワタシやヴェスティの下着なんて見慣れてるはずなのに、こんなに初々しい反応をするなんて思わなかった。嬉しくて堪らなくて、もう一度メルにキスをした。

 

触れるだけじゃなくて、もっと深くてもっと甘いキス。

 

「ん……や、だ」

 

ズレた下着から零れたメルの胸が、ワタシの胸とぶつかって身体に少し隙間が出来る。

 

もっと密着したい。

ずっとくっ付いて、離れたくない。

そう思った途端、背中に回された腕に力が入って、離れた距離以上に身体が密着する。

 

近すぎて、さっきよりもメルの心臓の音がはっきり聞こえてくる。舌と舌が触れ合う水気を帯びた音も、更にワタシの情欲を刺激した。

 

「んふ、これ以上、キスすると……ママになっちゃう、よ?」

 

冗談でそう言えば、メルはフルフルと頭を横に振って嫌がった。その癖に、ワタシを一向に離そうとしない。それどころか、胸を触っている右手とは反対の左手を掴んで、ぎゅっと握り返してくる。

 

もっと、もっともっとしたい。

このまま溶けちゃうくらい、二人で絡み合いたい。

 

でもダメ。

ワタシ一人で独占する訳にはいかない。

 

だって──。

 

「……二人とも、何してるの?」

 

──メルにはヴェスがいるから。

 

声のする方向に視線を向ければ、教師風の格好をしたヴェスが茫然自失といった表情で佇んでいた。目に光がなくて、完全に感情が抜け落ちてる。

 

何だか面白い。

 

眼前のメルはと言えば、とろとろに融けて目が虚ろだ。けどしっぽだけは元気に揺れてて、ヴェスの帰りを心から待ってるのがわかる。

 

やっぱり面白くない。

 

もうちょっとキスして、何も考えられないようにすれば良かった。そこだけは、ちょっと反省。

 

「桜を懲らし、めるために、見せつけえっち、してる」

 

「……は?」

 

メルの感触を確かめるように、胸を覆った手のひらを優しく動かしながらそう言えば、ヴェスの表情がさらに抜け落ちた。

 

絶望と悲哀。あとは……ちょっとの興奮?

 

そんな感情が今のヴェスに渦巻いてるのがわかる。女の勘ってやつだ。自分の大好きな子が自分以外の手で気持ちよくされて喘いでるのに、悲しい感情以外に興奮が混じるなんて思わなかった。

 

やっぱりヴェスって、ちょっぴり変わってるね。

 

でも逆に好都合かも。

 

メルの上体を起こして、ヴェスに見せ付けるように背後から抱きしめる。右手は、胸の中央を避けるように優しく触って、左手は太腿を上下にさするように指でツーとなぞる。

 

その度にゾクゾクと軽く痙攣を起こすメル。

 

「……ぁ…きゅ……」

 

耳朶を食み、舌先で刺激すれば、か細い喘ぎ声が響いた。

 

「ね、え、ヴェス。提案が……ある」

 

「……邪魔をしたなら謝るよ。私はもう、部屋を出るつもりだから」

 

ゆっくりと言葉を紡ぐ。ヴェスの事を気にしていないように、いつものたどたどしい話し方で視線を向ければ、やっぱり絶望と悲哀と興奮が入り交じった感情で、ワタシ達を見ている。

 

勘違いして欲しくない。

 

ワタシはあくまで二番目だ。一番はヴェスでいい。

だってどうやっても、メルの最初のパートナーって称号は奪えないから。

 

メルが困った時。

メルが嬉しい時。

メルが誰かを思い浮かべる時。

 

きっと一番最初に浮かぶのは、どうやってもヴェスだ。

それは時間の積み重ねだし、思い出の重さだし、何より最初に隣にいた人の強さだ。

 

そこを奪うつもりはない。奪えないとも思っている。

 

だから、ワタシは二番目でいい。でもだからといって、メルのことを諦めるつもりもない。二人はお互いのことが好きみたいだけど、ワタシだってメルのことは大好きだ。

 

そこで浮かんだのが、エリナスって名前のスライムが言った逆ハーレムって言葉。

 

好きな人が一人しかいないのなら、共有すればいい。ついでに、ムカつく桜を懲らしめられれば一石二鳥。

 

だから、ワタシは。

 

「三人で、つづき──しよ?」

 

この選択肢を選んだ。




Tips

強いモンスターは、食欲も睡眠欲も性欲も強いぞ。強ければ強くなるほど、人間の三大欲求に引っ張られる形になるんだ。

王種級ともなれば、三大欲求も当然王種級になる。

これテストに出るぞ。

当作品で何を楽しみたいか(これからの参考にさせていただきます)

  • ストーリー
  • キャラ同士のイチャイチャ
  • どっちも
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