進化したら人外系お姉さんになる雑魚モンスの俺、飼い主♀の性癖を破壊する 作:霧夢龍人
おはようございます。
危うくメス堕ち仕掛けたおじさんです。
……字面に直すと気持ち悪いなこれ。
電話に出た後、部屋に戻ってきたご主人様の表情がめちゃくちゃ暗かったし、昨夜の出来事はもうあまり思い出したくはない。
ちなみにオウヒについてだが、文字で説明出来ないくらいぐちゃぐちゃになっていた。
かろうじて説明できる部分を述べるとするならば、目元は涙で濡れ、頬にはその跡が何本も残っている。焦点の合わない瞳がぼんやりと宙を漂い、口は半開きのまま。そこからは、だらりと涎まで垂れていた。
王種の威厳とは?となるレベルで、尊厳破壊をされていた。
それを見て流石にもういいだろ、と思っていた俺だが、隣にいるアグニは、オウヒをじっと見下ろしたまま動かない。
赤い瞳を細め、しばらく観察するように眺めて──。
「まだ、足りない、かな」
ぐったりとしているオウヒの身体をひょいと持ち上げ、まるで物でも扱うみたいに軽く持ち上げる。
そして次の瞬間、ぽん、と。元の火の玉の中へと放り込んでしまった。赤く揺らめく炎が一瞬だけ強く揺れ、オウヒの姿はそのまま炎の中へ沈んでいく。
「これで、よし」
だいぶ雑に見えるが、仕方ない。
結局その後は、少し様子がおかしいご主人様とアグニとともに三人で寝ることになった。
翌朝。
窓から差し込む光で目が覚めた。
アグニに服を燃やされたため着る服がなかったが、大きすぎて着れなかったというご主人様の服を借り、いわゆる彼シャツ姿で外に出た。
周りにはギョッとした顔をされたが、大きな問題はないはずだ……多分、きっと。
帰ってきた時には寮室にはイスフィもリリアもいなかった。
時間的にも遅刻ギリギリだったため、既に登校していたのだろう。お陰で着替えるのは楽だった。
「んきゅーきゅ」
(よし、行くかー)
スクールバッグを担ぎ、穿きなれたスカートに身を通した俺はモンスターの身体能力を遺憾無く発揮して、教室まで向かう。普通の生徒なら息が切れる距離でも、俺にとってはほとんど散歩みたいなものだ。
足が床を蹴るたび、身体が軽く前へ跳ぶ。
廊下を曲がり、外へ出て、校舎へ。朝の校庭には、すでに多くの生徒が登校していた。やけに視線を感じる辺り、やはり昨日の王種の件は尾を引いているようだ。
校内に王種が現れたうえ、その場に居合わせていたとなれば噂になるのも無理はない。むしろこの程度で済んでいるだけマシかもしれない。
そんなことを考えながら校庭を横切っていると──ふと、視界の端に妙な人物が映った。
校門近く、木陰のベンチの辺りに、シスター服らしきものを着た女が立っている。白と黒の落ち着いた装いで、遠目に見ればどこにでもいそうな聖職者の格好だ。
「……」
近くの聖堂学園の生徒だろうか。
そう思ったが、すぐに違和感に気づいた。なんというか生徒っぽくない。
立ち方というか、空気というか。
妙に堂々としているというか、妙にだらけているというか……そして何より。
「……」
女はベンチにもたれながら、片手を口元へ運んだ。次の瞬間、白い煙がふわりと空へ昇る。
……うん。
煙草吸ってるよな、アレ。
どっからどう見ても、煙草を吸っている、しかも隠す気が一切ない。普通に朝の校庭でスパスパやっている。
女は煙を吐きながら、ぼんやりとこちらを見ていた。
そして。
「……おっ!」
目があった。
女は煙草を指に挟んだまま、にやりと笑う。
どこか見覚えのある笑みだった。
厄介そうな奴に絡まれた。そう直感した俺は、咄嗟に顔を背けて歩く速度を上げた。ついでに鞄を少し持ち上げ、さりげなく顔を隠す。
……だが。
どうやら手遅れだったらしい。
「おーい!」
間延びした声が校庭に響いた。反射的に何人もの生徒が足を止め、声の方を振り向く。
だが当の本人は、周囲の視線などまるで気にしていない。
ベンチにもたれたまま煙草を指に挟み、こちらへ向かって手をぶんぶん振っている。
そして、さらに大きな声で叫んだ。
「そこの、ケツとタッパがでかいネェちゃん!」
……俺の事か?俺の事だな(諦め)
諦めてゆっくりと顔を向けると、シスター服の女は「お、やっと気づいたかァ」と言わんばかりににやりと笑った。煙草を指に挟んだまま、こっちへ歩いてくる。
コツ、コツ、と気だるげな足音とは裏腹に、顔はニヤニヤしている。それが妙に腹立つ。
(なんだコイツ……)
俺は少し眉をひそめながら、女を見返した。ていうか一体コイツ、なにも──ん?
待て。
じっと顔を見た瞬間、頭の奥に引っかかる感覚があった。どこかで見た事がある。
聖職者とは思えないくらい軟派そうな雰囲気と、朝っぱらから煙草を吸っている奴。見た目だけなら清楚なシスターって感じなのに、その実態は、完全にチンピラ寄りの何かだ。
金髪のシスター。
軽い口調。
煙草。
そこまで条件が揃った瞬間、脳内で何かがぴたりと繋がった。
そうだ、この顔はR18禁版に登場する──。
と、俺が言葉を探して口を開きかけたその瞬間だった。
「んはっ!」
突然、女が吹き出すように笑った。
煙草を指に挟んだまま、ぐいっと距離を詰めてくる。
そして俺の顔をまじまじと眺めて、口角を大きく吊り上げた。
「やっぱヴェスティちゃんが気に入るこたァある」
楽しそうに目を細める。
まるで品定めでもするみたいに、視線がゆっくりと上から下へ滑っていく。頭の先から足元まで、遠慮という概念を知らないかのような観察っぷりだ。
やっぱりコイツ……。
「お前、アタシのどストライクな顔してンじゃねェか!どうだ、一発シていかねェか?」
俺は内心で確信する。
間違いない、コイツはR18禁版の生臭シスター──“カプノス”だ。
───☆
エロいな、こりゃ。
アタシは煙草を指に挟んだまま、目の前の女をじっと眺めた。
朝の校庭。
生徒たちがちらほらと登校してくる中で、その女だけが妙に目立っている。
背は高い。
肩幅もある。
そして何より、スカートの下で揺れる腰つきと、身体のラインがやけに艶っぽい。
「……ほほォ」
思わず口の端が上がる。
メリュジーヌって言うんだっけか。コイツ、見れば見るほどいい身体してやがるなァ。
しかもこっちを警戒するみたいに睨んでくるその目つきが、またいい。
強気な顔してるくせに、どこか落ち着かない感じがある。なかなか“ネコ”の素質がありそうじゃねェか。
アタシは煙をゆっくり吐きながら、もう一度上から下まで眺め直した。願わくばこのまま一発と洒落こみてェが、流石に頷かねェだろうな。まぁ、聖女サマに「メルちゃんを聖堂学園まで連れて来て欲しい」って言われなきゃ話し掛けないレベルの、極上のべっぴんさんだ。
煙草を燻らせながら返答を待つ。
アタシの顔を見たことがあるのか、ちょっとばかし戸惑ってる気がする。
……ダメだ、ムラムラする。
背の高さも、身体つきも、顔の雰囲気も。全部がアタシの好みのど真ん中をぶち抜きやがって。ヴェスティちゃんと並べて、両方楽しむってのもアリだ。
そこまで考えて、アタシはニヤリと笑った。煙草を指で軽く振りながら、軽口を叩く。
「ほれ、どうだ?アタシも中々いい身体してンだろ。朝っぱらからヤルのも乙なもんだと思わねェか?」
「……んきゅ」
「けっ、まぁそう簡単には頷か──え、今頷いたか?」
「んきゅ」
「そ、そうか……」
想定外すぎる展開に、アタシは思わず煙草を落としそうになった。だがすぐに咳払いして体勢を立て直す。
(さ、誘ったアタシが動揺してどうすンだ!童貞みてェな反応してんじゃねェよアタシィ!つか自分にとって都合がいい幻がなんか見てる可能性だってあンだろ、気をしっかり持て!)
「……あー」
揺らぐ自分を奮い立たせ、頭をかきながら目の前のメリュジーヌちゃんをもう一度見た。幻でもなんでもなく、やっぱり頷いてる。
アタシはゆっくりと視線を空へ向けた。朝の空はやけに澄んでいて、雲一つない青が広がっている。その青空を仰ぎながら、アタシは胸の前で軽く指を組んだ。
世界って、こんなに美しかったんだなァ。
空の美しさに感銘を受けたアタシは、神妙な顔で深々と祈りを捧げる──まさかこの後、あんな目に遭うとは露知らずに。
人気キャラクター 二部
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メリュジーヌ (メル)
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ヴェスティ=クラウニア(ご主人様)
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モウガン (ツンデレ牛娘)
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アグニール (クーデレ王種)
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フォス (元気っ娘)
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アルマ=メイソン(最近出番がないぞ)
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ソルガ (残念系イケメン美女)
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イスフィ(関西弁パパ系ガール)
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リリア
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アマネ(実はポンコツやれやれ系少女)
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オウヒ (好感度が上がるだろうか)
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ノア=ハルベルト (ラスボス系美女)
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ミツル (眼帯系王種)
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フルちゃん(アルマの貴重なツッコミ要因)
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シスターカプノス (生臭シスター)
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モルド=クラウニア (変態お兄さん)
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タナカ・サトウ・スズキ・ヤマダ