ビネガー
「魔王様ここは…
マヨネー
「なんなのこの一面雪景色は?
ソイソー
「我々はどうなったのでござるか? ラヴォスの召喚は一体…
魔王
「ラヴォスの召喚は失敗に終わった…
ソイソー
「なんと! やはり人間が魔王様の邪魔を!
魔王
「だが、私にとっては嬉しい誤算だ…
ソイソー
「?
マヨネー
「ねえ? あの光なに?」
マヨネーは天まで届く光柱を指した。
魔王
「あれは…わたしの…故郷だ。
マヨネー
「故郷? 魔王様は魔王城で生まれ育ったのでは…
ビネガー
「お前達は知らんだろうが魔王様は故郷は別の時代にあると言われておった。魔王様は詳しくは教えては下さらなかったが…
マヨネー
「別の時代? ビネガーちゃん、何訳分からない事言ってるの?
魔王は光の柱へ向かって進み出した。
マヨネー
「ちょっと待ってー、置いてかないで…
魔王
「私は、お前達に…嘘をついていた」
「ラヴォスは魔族に繁栄をもたらすものではない。ラヴォスは私にとって憎き敵だったのだ。
私はラヴォスに復讐をする為にラヴォスを召喚しようとしたのだ。
マヨネー
(あんまり良く分からないけど、魔王ちゃんが恨むくらいに強い存在なんでしょ? 魔族に必要ってことよね?)
ソイソー
「では魔王様はラヴォスを倒そうと思い、召喚を試みた…。しかし、それは失敗に終わり、故郷のある時代へとラヴォスに飛ばされた…
それを魔王様は嬉しい誤算だとおっしゃるには故郷に何かあるのでござるな。
ビネガー
(ラヴォスを召喚して人間を滅ぼすって話は嘘だったのか…。魔族はそれを悲願として魔王様に使えていたというのに!
魔王達は古代ジールの地を訪れた。
入国受付
「随分と派手なコスプレの人達ですね…、やや!魔力値が賢者クラス! これはこれはつゆ知らず、高名な方をお止めして申し訳ありません。どうぞ先に進んでくださって結構です。武器はこちらに提出ください。」
ビネガー
「魔王様、いい加減教えて下さい! 我らはラヴォスが魔族に繁栄もたらすと信じて魔王様に仕えていたのですぞ。なのに我らはラヴォスの生み出したゲートに飲み込まれ、見知らぬ土地へと飛ばされた。魔王様は我らを裏切ったのですぞ。」
ソイソー
「口が過ぎるぞビネガー! 魔王様にも何かお考えがあってのこと!」
魔王は足を止めて山頂の王宮を見上げた。
魔王
「ビネガー! 私がこの国の王子だと言ったらどうする?」
ビネガー「?
魔王
「私はこの国の王子だった…」
魔王は古代ジール王国の話をした。
自身は元々この国の王子ジャキでラヴォスが暴走して中世時代に飛ばされてきたこと。
その原因を作り出した母親ジールを憎み、今からジールを倒して、王として君臨する計画を話した。
ビネガー
「魔王様は人間だったのですか…」
マヨネー
「えー。人間? ぜんぜん見えない」
ソイソー
「人間であろうとなかろうと、魔王様は魔王様でござる。」
魔王
「私がこの国の王となり、人間を支配する。そこにお前たちも楽園を作るといい。」
マヨネー
「それはいいけど魔王様、この国は日差しが強すぎます。なんとかなりませんか。」
魔王はマヨネーに日差し避けの魔法を使った。
ビネガー
「あ、マヨネーだけずるい! 魔王様わたしにも!」
ソイソー
「できれば拙者にも…
魔王達は空を飛び。王宮を目指した…
(まえがき)
続きは、現代風味のクロノトリガー(ネット検索要)にあるけど、あんまし人気がない。冒頭の魔王視点のはじまりだねど続きはクロノ視点になって古代編になるまで魔王の話はお預け状態になるのも展開としては良くなかったかもしれない。
なので、ここからはあえて古代編からか書き出してみようと思う。書き出しついでに内容もアレンジしてみようと思う
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■11話 古代ジール王国編
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吹雪の中を進む7人、
「エイラ寒いの苦手…
ぷるぷる震えるエイラ。寒いのが苦手というより、縄文的な薄着なものだから寒くて当然である。
「ファイア!」
「あー、ルッカ温かーい」
力をセーブした状態での魔法。ファイアの技が今までで一番役に立っているという嬉しさと虚しさを噛み締めながら、7人は歩いていた
歩けども人は見つからず、見渡してもケモノ一匹いない。これが氷河期なら今は何年頃になるのだろうか。
その疑問に対して、なぜか紀元前1万2000年というメッセージがクロノの思考に沸いてくる。
時の最果て世界に行ってからというもの、そこから監視されているような感覚を時々得るクロノ、その監視者から時折、疑問を解決するようなアドバイスのメッセージが届いてくる。敵意はなく、何度も似たような現象を体験していた為、今回も気にしないようにしていた。
実際のところ、メンバーには8人目がいる。時の最果てハッシュの欠片(小さな分身のようなものが)クロノに寄生するようにくっついている。クロノの思考を勝手に読み取る寄生物ハッシュは事実上、誰もその存在に気付かない8人目の仲間であった。
マール
「そういえばボッシュが古代に訪れたら自分も連れてけと言ってたけど…」
ルッカ「今からは無理ね。ここからゲートまで戻るの大変だもの」
ボッシュ
「こら! 影が薄いからって忘れるでない。」
マール
「えー、だって、キーノがさらわれたとき、来なかったじゃん。
ルッカ
「そうよねー、あんなに薄情だとは思わなかったわ。
ボッシュ
「だから、なん回もいったじゃろう。あれはクロノの回復に魔力を多く使ったからであって。」
マール
「嘘よ。魔方陣を使えば無い魔力を補填できるというじゃない。
ルッカ
「魔族が言ってたわよ。ラヴォスからエネルギーを抽出できるって。
ボッシュ
「あの魔法陣技術はワシでも知らん技術じゃ。恐らく雪の下に埋もれていた文明がお前さんらの時代で溶けて出土したんじゃろう。恐らくワシらよりもずっーと先祖にあたる未知の技術のことだろうが…。」
「うぇっくしゅん!ゲロ」
マール
「カエル大丈夫? 冬眠しなくて大丈夫?」
カエルの鼻水がつららになっていた。
マール
「なんでファイアかけて貰ってないの?」
カエル
「ロボがかけられてないのに、負けるワケにはいかん!」
クロノ達の前方に天にまで伸びる光の柱が現れる。
好奇心が擽られる一行は、光を目指した。
吹雪をかき分けて進んだ7人は、そこだけ吹雪が当たらない場所だと気付いた。
光の下には色彩豊かな絨毯が意味深に敷いてある。
マールがひょいと乗った瞬間、マールは光の柱に沿ってあっという間に上空へと消えていった。
クロノ達はマールに続いた。
7人は雲の上にいた。
魔法王国ジール、魔法工学を追求した都市
空に浮かぶ大地が、幾つか浮いている。数キロ離れた先には、大都市の町並みが点在していて、山頂には権威の象徴の様に宮殿がそびえ立つ。
クロノ達は道なりに進むと、似た絨毯を見つけて飛び乗った。
どこに進むのかと思いきや雲の下の大地、吹雪の世界へと戻ってきた。
ガッカリした7人。
マール
「思わせぶり? なんなのー?」
吹雪中、再び歩かされる。
ボッシュ
「今のが別名、「ふるい落としの土地」じゃ。
天空都市への入り口は大陸の随所にあるんじゃが、本入り口を複数置いてしまうと、地上人と戦争したとき、敵が四方八方から流れ込むことになって、王国側の負担が大きくなるからのう。王国の権威がまだ弱かった頃は、必要なやり方じゃったんじゃ。」
「ここから北に進むと本入り口になるはずじゃ。」
大陸の各地にあるワープポイントは最終的この1つの大陸に導かれる様になっている。地上人が一度でも天空都市チラ見すれば、そこに住みたいと思うようになる。地上にいる全ての人が天空都市に移住できるシステムが作られた。
「じゃが、天空都市は人間を受けいれる体制をあるときからやめた」
ルッカ
「それってやっぱり戦争?」
ボッシュ
「そうじゃ。人間は愚かで、どこまで幸福を追求しようとも満足せんかった。。天空でもいつの時代と同じ様に戦争が起こった。
マール
「それでどうなったの?」
ボッシュ
「色々あったが、ワシのいた頃は民族史上主義だったのう。魔力の劣る者から順に下の世界に追いやられていった。
マール
「えー、こんな寒い世界に放り出されるの?
ルッカ
「普通に死ぬでしょ。
ボッシュ
「そうじゃろ。だから現代でいうボランティア的な人が下の世界に降りて救済したんじゃ。
たぶん、王宮はそうなる事も見越してたんじゃないかのう。
ルッカ
「どういう意味?
ボッシュ
「魔力がないのは罪ではない事はわかっておった。それをあえて罪人かの様に扱う事で、本当の罪人達、いわゆる戦争をやる者に対して、もっと大きな罰を与えるられる正当性を作ったんじゃ。いわゆる拷問とかよのう。
それが犯罪への抑止力、そのまま戦争の抑止力として捉え、また王宮自らも慈悲もない様な怖くておどろおどろしい象徴に見られたいとして、民の反感を買った。」
マール
「なんで? なんでワザと怖がれるのを正当化しようとするの?」
ボッシュ
「王宮を民にとっての共通の敵とする事で、民同士の争いを防ぎたかったんじゃ。ほら、敵の敵は仲間というじゃろ。王宮が民にとっての共通の敵となる事での争い抑止を狙ったんじゃのう。」
ルッカ
「馬鹿よね。そんなことしても、争いは無くならない。
ボッシュ
「その通りじゃ。結局、民族史上主義である事には変わらない。魔力のない者を差別する文化を変えられないまま、差別する事が当たり前の中で育った人々は人格が崩れおった。特に一番酷いのが王宮じゃったかもしれん。民を差別することが当たり前の様に育ったジール王は徹底した権威史上主義に走った。
「簡単にいえば暴君じゃな。権力に溺れてしまい、全ての人や物を自分の支配物の様に解釈しておった。家族であれ、息子であれ娘であれ…
王宮はとにかく殺伐としていた。皆が哀れでならんかった。
特にワシは王子様が哀れでなぁ。
王宮はそそうをするだけで命を落としかねない場所だったから、王子様に近づく者は誰もおらんかった。
幼いながら友達一人いない。いても形だけ。ワシはなんとかして、王子様に心の通う同年代の友達を作ってやりたかった。」
ルッカ
「ボッシュってやけに王宮に詳しいわね…
マール
「まるで王子様の教育係みたいな視点だね
ボッシュ
「あれ? 言わなかったっけ? ワシは王宮で王子様の教育(教科目、命の魔学)をやってましたけど。
ルッカ.マール
「「聞いてないわ」」
ボッシュ
「それでな。ワシは王宮に内緒で王子様を見すぼらしい姿に変えての、一緒に地の民にボランティアをしにいったのよ。
身分を隠してやれば、わんぱくな子供達は気を使うことなく友達になってくれるかなと。
実際、それでうまく行った。
ジャキ様は笑顔になり、友達ができた事を喜んでおった。」
ルッカ
「へー、良かったじゃないの
ボッシュ
「じゃが、ワシは馬鹿だった。年齢のせいもあるのう。頭がもうろくしとった。
ワシも王宮も知らない内に、ジャキ様は地に降りて子供達と遊んでおった。
ジャキ様はある日、何の悪びれもなく、王宮の衣を纏ったまま遊びに行き、王子だと名乗られた。
『王宮は悪いところ、そこに住む者は悪』地の民に住む子供達は親からその様に教えられとった。
ジャキ様は虐められ、ボロボロの衣服で戻られた。
母上のジール様はひどく怒りになり、ジャキ様を責めなすった。
【下界の者と遊ぶとは何事だ】【下賤な者に触れた下賤者】と
ジール様の一声でジャキ様に手を上げた者への
死刑が決まり、王子様の出入りを監視していなかった者達への死刑が決まった。
マール
「そんなことで…
ボッシュ
「勿論、それがおかしい事は多くの識者は理解しておる。だから死刑の手続きも実際はふりだけ。魔学で生み出したその人そっくりな人形を作り遺体偽装することで、ジール様の目を欺いたのじゃ。」
ルッカ
「やるわね、識者の人達」
ボッシュ
「とはいえ、そういった王宮の仕組みの中で育ったジャキ様の心は、正常に成長する筈もなく、ジール様の様に心が捻れていきおった。」
マール
「なんか可哀想…
ボッシュ
「それでもジャキ様には心の拠り所になる者が存在した。
ルッカ
「まさが自分って言う訳じゃないわよね…
ボッシュ
「自分って言えないのがツライのう…ワシはワシで頑張っておったんじゃがなぁ…
マール
「で、誰なの?
ボッシュ
「姉のサラ様じゃ。サラ様はジール様の夫であるクト様がまだ健在であった頃にお生まれになられた方で、クト様の精神を濃くお継がれになられた。
マール
「クトさま?
ボッシュ
「サラ様を語るにはクト様抜きでは語れません。クト様は私の魔学の教え子でもあり、地の民へのボランティア仲間でもありました。クト様は名家の血筋でありながら、民族史上主義にも染まらない…、要するに愛される人じゃった。そのカリスマ性がジール様の心を射止めたといえるが、少々浮気症なところがあり、それが原因で地に追いやられる事になり…
ルッカ
「ボッシュ、話がずれてる。
ボッシュ
「とにかく、弟のジャキ様と違い、姉のサラ様はクト様という、とてもまともな人に愛された事で心が真っ直ぐに育てられました。サラ様はジャキ様を我が子の様に愛し、ジャキ様はサラ様を本当の母上の様に慕いました。」
マール
「なんかほっとする…
ルッカ
「ジャキはジール、本当の母親の事はどう思っていたのかしら?
ボッシュ
「言葉にはしませんが、おそらくは憎んでいたでしょう。もしかしたら、殺したいくらいに…
ルッカ
「流石にそれは言い過ぎなんじゃ…
ボッシュ
「ジール様は浮気したクト様にどことなく似ているサラ様を嫌っておったのかもしれんと、今は思うが、ジール様はサラ様を魔神機の制御をするアイテムの様に扱っていたのじゃ。
ルッカ
「魔神機? ラヴォスのエネルギーを抽出するという?
ボッシュ
「当時はラヴォスエネルギー需要が高まっておった時期で、都市はより多くのエネルギーを必要としておった。魔神機の出力を上げていってラヴォスが目覚めたらどんなリスクがあるか分からぬから、サラ様はラヴォスを目覚めさせない様に抑える役どころを担っておった。
ルッカ
「それってサラ様にしかできなかったの?
ボッシュ
「そうなんじゃ。ラヴォスをコントロールできる魔術師はサラ様だけじゃった。
マール
「なんでよ!
ボッシュ
「なんでと言われてもワシにもわからん。
とにかく、サラ様は都市を支える為、ジール様の不老不死を叶える為に奴隷の様に扱われとった。魔力が枯れるまで働きずめで、そんなサラ様を見ておられたジャキ様は母上をどう見ておられたかは、こころ察するところで…
ルッカ
「たしかに、親であろうと殺したくなるわね。
7人は天空都市へのワープポイントに到着した。
「ここからが本当の入り口じゃ」
「恐らく入国審査で魔力が足りないと言われて拒否されるだろうが、ワシがいるから大丈夫だと思う)
ルッカ
「ねえ? もし、もう一人の自分と会ったらどうするの?
ボッシュ
「構わんじゃろう。魔学研究で時を操る論文も書いておったし、ワシが現われても、すんなり受け入れるじゃろうて
ルッカ
「そうじゃなくて、過去の貴方にラヴォスのタイムゲートに飛ばされない様にアドバイスなんかして、現代に貴方が存在しなかった事になったらどうするの? 貴方と出会う私達の運命も無かった事になって、今の私達の存在は…
ボッシュ
「お前さん、細かい事を気にするんだのう。もしワシがいなかったとして、どんな悪い方向に運命が変わるというんじゃ? ワシがハッシュを助けて時の最果てが存在しなくなったとして問題あるのか? 未来が大きく変化したとして、そなたの今の現代それほど守る価値があるものなのか?
この国を今救い、サラ様を救えれば、ラヴォスが1999年に目覚めないかもしれないのじゃぞ」
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――――――――――――――――――――――――――――
■12話 ロボには魔力で造られた痕跡あり
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6人とロボは入国審査を受けた。
担当者
「ロボさんは…魔具ですね。魔力が無いのは…カエルさんですね。残念ですがカエルさんは入国できません。」
ボッシュ
「ワシ、生命魔学の賢者、ボッシュじゃぞ? 王宮おかかえの魔学師にして王子様の教育係じゃぞ?」
担当者
「ボッシュ? ボッシュ?(そんな超有名がこんなところに…?)
ボッシュ
「ほら、ちょい老け気味のボッシュじゃ。
担当者
「そ、そん、な…
失礼しました!
ボッシュの顔パスで入国審査を抜けたクロノ達
王宮に行くと、
ジャキもサラも健在だった。
ジャキ
「この中に近く死ぬ人がいるよ。
ルッカ
「何言ってんのこの子?
ボッシュ
「こら! 王宮での粗相は危険だと言うたばかりだろうが。
ルッカ
「え?」
ボッシュ
「この子が王子様のジャキ様じゃ。跪づいて礼くらいせんと死ぬぞ。
クロノ達は跪づいた。
ジャキ
「おいジイ、この者たち見ない顔だな。
ボッシュ
「はい、この者達は私の親戚の者達でごさいます。今日は王宮の従事に関して…
ジャキ
「この魔具(ロボ)はなんだ? やけに存在感のある形をしているな。
ボッシュ
「これはボッシュ特性のおしゃべり魔具にございます。
ジャキ
「なぬ? ことばを喋るのか? それは面白い。おい魔具よ。何か申してみよ。
ロボ
「こんにちは。私の名前はロボです。王子様、ヨロシクおねがいます。
ジャキ
「うーん。なんかいまいち。何か他にできないの?
ロボは踊った。エイラの踊りを覚えていてそれを真似した。
ジャキ
「うーん。微妙だな。他には?
ロボは歌った。エイラの歌を覚えていて真似をした。
ジャキ
「…
ロボはロケットパンチを繰り出した。壁に腕がめり込む。
従者達から悲鳴があがった。
ジャキ
「こりゃ最高だ! お前、家来にしてやる。こっちこい。」
ロボはルッカと顔を見合わせている、
ジャキ
「あとそこのミドリのやつ。ぷにぷにして気持ち良さそうだから、お前もこい。
ボッシュ
(すまんのう、二人共しばらくに付き合ってやってくれんか。)
ボッシュ
「ではジャキ様、私達はサラ様にご挨拶に参りますのでこれにて…
ーサラの部屋ー
サラ
「え? まさか貴方ボッシュ? 幽閉されていた筈では?」
サラの驚きに釣られてボッシュも驚いた。
ボッシュ
「そうか! この時のワシ、ジール様にラヴォスエネルギー利用の継続の危険性を進言したんじゃ!
それが反抗的態度だと思われて、北の山に幽閉されとったわ。あの時はサラ様がこっそり助けて下さったのだが…」
ボッシュはクロノ達に言った。
自分が未来から来た事を証明するには北の山で幽閉されたボッシュを助けて2人でやればいい。
ルッカ
「それならもうジールに直接会ったら? 山に連れていかれて、もう一人の自分がいたら流石に気付くでしょう。
ボッシュ
「ちょっと怖いけど、それもいいかなぁ…
ボッシュはジールのいる王広間へと向かった。
◆
瞬間、ボッシュが光に包まれた。
マール
「こ、これって…
ボッシュ
「な、何か起こっておるのじゃ…。この冷たくて暗い感じは…」
クロノには見覚えがあった。中世時代にマールの祖先リーネが死にそうになった際、子孫であるマールが世界から消えた。
ルッカ
「…もしかするとボッシュがラヴォスゲートに飲み込まれない未来をこれから作ってしまうからじゃ…」
「歴史を弄る結果、ボッシュは私達とは出会わない歴史になってしまって、そしてそうなる私達もここに存在してい…
ルッカが考察していると、ルッカやクロノ達の身体も光に包まれ、消え始めた。
ルッカ
「いけない! 何か手を打たないと私達、消えてしまう!」
ルッカは消えかけたボッシュの手を取り王宮の外へと走った。それに続くようにクロノ達も走った。
王宮の外へ出るとクロノ達を包んでいた光は消え、殆ど消えていたボッシュも浮かび上がってきた。
「な、なんじゃったんじゃ今のは??」
ボッシュが一息つくと、ルッカは歴史を変えた際に起こりうる矛盾点を説明した。
ルッカ
「ボッシュ、残念だけど未来を変える事はできないわ」
ボッシュ
「そんな…。我ながら良いアイデアじゃったのに。
ルッカ
「恐らく、この都はラヴォスによって消滅する運命から逃れられないのかもしれない。歴史のどこにも古代文明の痕跡が無かったから、きっと未来の様に滅亡してしまう。
ボッシュ
「お主らが見てきた未来の事か…
ルッカは考えこんだ。
「この空中浮遊の大陸がもしラヴォスによって落ちるのだとしたら…」
大壊滅する。浮かぶ大地だけではない。海に落ちれば海面の水位は一気に上昇する。それだけでなく衝撃から、大津波が発生して海岸沿いに住む人々はそれに巻き込まれてしまうだろう。
ボッシュ
「そんな…古代に住む人々を助ける事ができぬのか…」
マール
「諦めちゃ駄目だよ! ラヴォスが暴走しても大丈夫な様に人々を避難誘導すればいいんだよ。」
ルッカ
「そうよね…。この時代の人が生き残った分、歴史を大きく変えてしまう恐れはあるけど、その方法なら可能性があるかもしれない。
私達が誰かを助けようとして、私達がさっきみたいに消えそうになれば、やめればいいのだから。
マール
「それって、助けられる人がいても見捨てるってこと?
ルッカ
「しょうが無いじゃない。私達が存在しない事になったら、どのみち誰も助けられないのだから。」
エイラ
「エイラ、難しくて良く分からない。けど何となくわかる。みんな助けよう、みんな助けよう
ルッカ
「ここで、こうしてても仕方ないわね。ボッシュ、いつラヴォスは暴走をし始めるの?
ボッシュ
「ワシが嘆きの山に幽閉されてサラ様に助け出されたのが10月の30日じゃから…。ラヴォス暴走まではあと10日じゃな。」
ルッカ
「あまり時間がないわね…ここと海岸沿いの地上には人口ってどのくらいいるの?
ボッシュ
「現代みたいな統計はとっておらんから何ともいえんが、海岸には20万人はおるのう。天空都市では2000万人のくらいかのう…
ルッカ
「私達では到底フォローできるレベルじゃないわね…
マール
「中世のガルディア軍に協力をお願いできないかな
ルッカ
「そうね…彼らならタイムゲートの存在はもう知ってるから、説明もしやすい。
マール
「ガルディア軍て全部で5000人くらいいたよね?
ルッカ
「南の魔王軍は弱体化しているとはいえ、東西北との魔族戦に備えるだろうから、せいぜい動かせるガルディアは1000くらいじゃないかしら。
マール
「1000人で凡そ2000万人の避難誘導…
ルッカ
「一人あたり20000人の避難誘導になるわ。一人あたり一日2000人を誘導…絶対無理とは言えないけど現実的には難しそうね…。そもそも住民が素直に話を聞いてくれるかとうか
ボッシュ
「それならワシの力でなんとななるかもしれん。ワシはこの時代では現代よりも遥かに有名人じゃからのう。
マール
「でもどうやって? ボッシュは幽閉されている事になっているのでしょう? ボッシュが表に出たら、そっくりさんだと思われておしまいじゃない?」
エイラ
「エイラ、良くわかないけどラヴォス、暴走したらやっつけるのはダメなんか? 暴走するの最初から分かっているのなら、待ち伏せて打てばいい。」
ルッカ
「どうなのボッシュ? ラヴォスは倒せないって前にも言ってたけど、
ボッシュ
「あの時はラヴォスから恐ろしい殆のエネルギー量にビビッたままタイムゲートに飲まれたから、きっと倒せないと思ったんじゃが、もしたら…
ボッシュは戦争で使われた魔導兵器の存在を語った。
魔力を溜め込み、発射する装置で、あまりに強力で戦争では一度も実践される事が無かったという。現代でいうところの核兵器の様なものであるが、攻撃範囲を固定でき、周囲に破壊の影響を与えない効果があるとのこと。
それがラヴォスに効果があるかもしれないという。
ボッシュ
「魔導兵器は破壊する対象物を囲む様に設置して起動する。多ければ多いほど威力は強力になる。たとえば7つ魔導兵器を使うなら、ラヴォスの周りを取り囲んで7人で同時にスイッチを押す必要がある。ちなみに同時にというのは安全装置みたいなもんじゃの。」
ルッカ
「つまり、私達には選択肢としてもう一つの、『闘う』があるのね。この時代のボッシュがラヴォスのタイムゲートに飲まれたあと、その魔導兵器をラヴォスの周囲に設置して起動する。」
◆
クロノ達の進路は決まった。
ラヴォス暴走のタイムリミットが迫るまでは、ボッシュ、ガルディア軍を主軸にして避難誘導をする。ラヴォス暴走の直前、ボッシュと共に海底神殿の底、ラヴォスが眠る間へ行き、魔導兵器を起動する。
クロノ達が王宮の外で話合っているその頃、魔王はビネガー達と共に王の間でダルトンと戦っていた。
魔王達はラヴォスのタイムゲートに飲み込まれ、古代へと来ていた。
相当なダメージを受けているダルトン
「き、貴様らは一体…
ビネガー
「この国は我々の王、魔王様が支配する事となった。」
マヨネー
「やっぱり人間って脆いや。魔法が使えても心操ちゃえば簡単なんだもの。
ソイソー
「我が主に仕えられる事を誇りに思うがいい。
魔王は王座の前にいる母、ジールに語りかけた。ジールはマヨネーに動き封じられている。
王の間にいる全ての従者はマヨネーの視線攻撃から心を一瞬奪われた隙にソイソーの攻撃で気絶させられていた。
「お久しぶりです。母上様…」
ジール
(母上? お前、何を言っているのだ?)
「私の顔をお忘れですか? 私ですよ。ジャキですよ。
ジール
「な、何を言っている…ジャキは私の息子…
「そうです! 貴方の息子です。
私は貴方のせいで失った。姉上も私自身の心も!」
魔王はこの時代で姉サラと再会し、近くない未来にラヴォスが暴走してタイムゲートが発生し、ジャキと生き別れになる事を告げようとした。けれど光に包まれ、存在が消えそうな事態となった。
目前にいる最愛の姉に近ずこうとすると自身が消える。ボッシュの様に時の矛盾点に妨害された魔王は、ラヴォスが暴走する運命が変えられないのなら、せめて自身の手でラヴォスを暴走させようと思い、ジールをその手にかけようとした。
しかし、上手くはいかなかった。ジールを殺そうとした瞬間、魔王達は光に包まれ消えはじめた。
魔王
「クソっ!」
マヨネー
「なによ、また私達薄くなっちゃった。
ソイソー
「…
ビネガー
(魔王様の話と全然違う。魔王様がこの国の王となって、領土をくれるというからついた来たのに!)
魔王がジール殺害を諦め、王の間を出ると、次第に元と姿へと戻った。
後を追うようにビネガー達がついていく、彼らもまた同じように消えかけた身体が元に戻った。
魔王は王宮の窓から飛び立ち去っていく。続くようにビネガー達も去っていった。
ジール
「い、今のは何だったのじゃ…幽霊か、幻か…
ダルトン
「…違います。あれは紛れもなく実体があった。きっと、どこかの組織が開発した魔同兵器の類かもしれません。
ジール
「し、しかし、あの様なこと、王宮の魔学技術部では一度も聞いた事がない。ほんとうにあれは、兵器なのか?? それにあの者、自身をジャキと名乗ったのだぞ…
ダルトン
「ジャキ様?(まさかジャキ様が謀反を? そんな馬鹿な。まだ彼は子供だぞ…)
ダルトンは魔法で部下に信号を送った。
王族を警護監視している隊員と連絡をとった。
ダルトン
「ジャキ様の様子どうだ? 何か異変はないか?」
警護
「特に異常ありません。ジャキ様が喋るペットや魔具と遊んでいる以外は特に。あ、しかし、ただそのペットと魔具、一度光って消える様な現象がありましたが…。ジャキ様が遊びで魔法を使われたと思って気にも止めませんでしたが、ジャキ様もそのペットも魔法を使った様子はなく…」
ダルトンは以前からジャキの秘められた才能を捜していた。サラの様なラヴォスを制御する様な特異な力があるのでは思い、護衛にチェックさせていた。もしあれば、政権を自身に有利に動かせる材料になるかもしれないと思っていた。もしジャキがジールに謀反を起こす意図があって先程の様な現象を起こしたなら、それを利用したいと考えていた。
ダルトン
「ペットと魔具が消えかけただと? その時間は?
警護
「……てすが…
ダルトン
「さっきの現象とほぼ同時刻か…
ダルトン
「喋る魔具とペットは今どうしてる?
警護
「喋る魔具は王宮の外に。今はペットだけです。
ダルトンは警護への通信を切ると、別の場所に信号を送った。
「ジャキ様の部屋にいるペットを見張れ。そのペットの行動を記録し、私に報告しろ。これは極秘事項だ。決してペットとそれに関連する者達には気付かれるなよ。」
カエル
「ふう、王子様の気まぐれにまいるぜ。こんなにももぐられたのはいつ以来だっけ、げろろ」
カエルがジャキから開放され、クロノ達の元に戻った。途中、背筋がぴりっとしたが気にしなかった。
カエル
「あの王子様やばいぞ。オレにロボパンチを避ける遊びさせるんだからな。内蔵が飛び出たらオレの負けとか、んなこと言われても内蔵飛び出たら死んじまうぞ俺。」
ルッカ
「大丈夫よ。その時はきっとボッシュが治してくれるから。
ボッシュ
「いや、流石に内蔵飛び立ったら、ワシでも自信ないわ。
ルッカ
「ところで、カエル、貴方が王子の相手をしている間に当面の方針が決まったわ。私達は…
この時、カエルはダルトンに頭の中を覗かれた。小型の思考監視魔具をつけられていた。
この魔具は言語の違いを超えて思考そのものを読み取れる。
ダルトン
「まさか未来人がこの世界に来ていたとは…しかも歴史を変えようとする者が光に包まれて消えるような事が…だとすればジャキ様がジール様の命を狙おうと未来からやって来た事も、ある意味で納得できるが…」
ダルトン
「しかし、この天空都市が崩壊するだと…
そんな事になったら王の権威なんぞ、塵の様に吹き飛ぶぞ。私も今の官職を失うかもしれん。
海底神殿の建設にどれだけ税金を注ぎ込んだと思っている。奴らには死んでもラヴォスのコントロールに成功して貰わないとな…
でなければ今まで積み上げたコネクションが…」
ダルトンはこれまで国務を裏で牛耳ってきた。
王族や官職達をいつでも殺して成り代われる程の力をダルトンが属する組織は持っていた。
そのダルトン派の関係者がどれほど王宮内に潜むかジールやボッシュも知らない。
ただ、ジールは薄々と知っていた。
王宮ではいつ王族に謀反が起こってもおかしくなかった。
ラヴォスから大量の魔力を抽出する行為、魔神機によるラヴォスの利用は、そんな王宮の危機の中で生まれた。計画に大きな夢を抱いたダルトンとその勢力は計画を続行し続ける間だけは謀反を起こさない。ラヴォスのコントロールに必要なサラは国の要であり殺せない。サラを思い通りに動かすにもその血族は人質にする事はできても殺す事はできない。
ジールが計画のリスクを知りながら強行実行しているのは、王宮を守るためだった。
ジールが些細な事で失敗する者への大きな罰を与えるのも理由があった。ボッシュ達が裏で死刑を無かった事にしているのもスパイを使って知っていたし、些細なミスをした従者を王宮から追い出すのも、王宮がクーデーターで血に染まった場合に備えてだった。
王宮の従者を極力減らしたかったジールは暴君と成り果てるしかなかった。
魔力の無い者を地に追いやる政策も、元々、王権の意向に反目する派閥の提案だった。
ダルトンが王宮にいない頃から王宮内部には魔力で格付する差別主義者が多くいた。
ジールが生まれる前から差別体制が作られ
ジールの夫クトはその様な差別体制の中でジールと婚約し王宮に入った。
とはいえ、王族になるというのは死と隣り合わせである為、ジールは最初から浮気等の理由をつけて追い出すつもりだった。
魔法学的にいえば妊娠はセックスをしなくても可能だった。
危険と隣り合わせの王宮に命を生み出す事に大きな抵抗があったジールだったが、もし子供を作らなかったら、このまま跡継ぎは差別体制主義者に移行してしまい、ボッシュの様に裏で民を救済している者達もいずれ殺されてしまう。そうなれば本当の意味での魔力無き民への弾圧が始まってしまう。
ジールがジャキに冷たく当たり散らしたのも
愛してない姿を見せ、人質として交渉には使えないのだとダルトン派に思い知らせる為だった。
暴君ジール、誰もに気付かれることないが、実は誰よりも国の未来を考えていた。
ダルトンは誰よりもの保身を考えていた。
ダルトン
「暴君ジールは魔神機で民を危険に陥れる。しかし、それはある意味、私にとっては好都合か…」
ラヴォスが暴走して都市が消滅したとしても、それまでに人々を救出した実績を残せばダルトン自身の権威は保たれる。
ジール王は暴君として王宮からも民からも人望がない。ダルトンが海底神殿の陣頭指揮をとっているとはいえ、国民から見れば暴君ジールの命令に従わされている様にしか見えない。国民は救出実績を作ったダルトンを肯定的に見るはず。
〜念波〜
この時代、自身のメッセージを念にして飛ばせる距離は通常1m以内であるが、増幅装置を使えば不特定多数の誰かにも届けられる。
また念の質、つまりはボッシュの念の識別コードを載せて飛ばせる事もできる。
不特定多数とはいえ、念波を飛ばせる範囲は調節できる。
ボッシュは避難誘導に必要な念を込め、それを念波として使える魔具を沢山用意し、避難誘導に使った。
クロノ達、ガルディア軍もその魔具使った。。
ルッカ
「なんだ…。私、無線機必要かと思って沢山用意したけど不要じゃないの」
ボッシュ
「そんな事ないぞ、魔具は盗聴される心配あるが現代の無線機は大丈夫じゃて。ワシらがラヴォスに攻撃する計画を知られる様なことになれば、ワシらは邪魔されかねんからのう。」
ルッカ
「じゃあ、この魔具を使って直接連絡を取り合うのは危険ね。会話するのは無線機で。ということね。」
マヨネー
「なにこれ? 頭になにか入ってくる。」
ソイソー
「…
ビネガー
「魔神機の実験が失敗して都市が崩れるかもしれない? どういう意味ですか魔王様?
魔王は空を飛んで建物を駆け上がって、下を見た。
地上に避難していく人間達を見つめた。
魔王は地上に降りて、人々が向かう先へと自身も向かった。
雪が降る中、集まる人々。津波に対応する為にできだけ標高の高い中央に人々が集まっている。
魔学的につくられた魔法シェルターに人々が避難している。雪を凌げ、温度も快適に調節された空間に、地の民と天の民が仕切りを作る様に2つに分けてそこにいた。
地の民への差別心を持つ天の民
天の民への恐怖心を持つ地の民
2つがクッキリ区別されるように別けられている。
しかし、天の民の中には少数であるものの、地の民に「心配ないよ」と声をかけたり、天地関係なく、子供同士が遊んでいたりする。
大人達はそれをみて怒ったりするものの、わんぱくな子供達は聞く耳を持たず、しかり疲れするパターンもあった。
羨ましそうに眺める子供、親の言い付けを絶対に守ろうと子供、地の民を虐める子に、それを止める天の民、多様な光景が入り乱れた。
「ボッシュ! ボッシュ!」
10日目、嘆きの山に幽閉されたボッシュがサラに救助された。氷漬けにされていたボッシュが解凍されるとゲホゲホと嘔吐した。
サラは魔法でそれを癒やした。
サラ
「まもなく海底神殿でラヴォスが覚めてしまいます。一緒に止めに来てください!」
ボッシゅ
「やはり、強行されますか…ですがサラ様が行かなければ丸く収まるのではないでしょうか。
サラ
「今の母上はまるで別人格が乗り憑いているかの様です。私の魔力で動きを封じることもできません。きっと私がいなくても母上は計画を強行し、ラヴォスを目覚めさせます。もう私の力だけでは止められません。私と共に一緒に来て下さい。」
サラはボッシュを抱えると山を飛び立った。
サラ
「ところでボッシュ、あなたの偽物が街にいるという噂が…、これはどういう…」
クロノ達の避難誘導の噂が王宮のサラに届いていた。
ボッシュ
「なに? ワシが民を下界に避難誘導しとるだと?」
サラ
「貴方が呼びかけたものではないのですか?」
ボッシュ
「ワシは知らん!
知らんが…
ボッシュ
「今はそれどころではない!
誰か知らんが避難誘導をしてくれるというのなら願ったりじゃ。、ワシの偽物は取りあえず、ほおっておきましょう。」
〜海底神殿〜
海底神殿はラヴォスのいる地層へと掘り進める為に建設された。建設業者は普段、最寄りの施設からワープして神殿にて掘削作業にあたる。現在はラヴォス深層まで掘り進んでいて作業者はいない
ジール
「さあ、ラヴォス神よ! わらわに永遠の命をもたらせー!」
ジールが呪文を唱え終えると魔神機が起動した。
魔神機がラヴォスからエネルギーを吸い込み、ラヴォスが唸りを上げる。
ボッシュ
「遅れてすまん!」
ガッシュ
「ボッシュ、お前、あの山から抜け出たのか!
ボッシュ
「ああ、いまどうなっておるのじゃ?
ガッシュ
「無謀にもサラ様無しで魔神機を起動しおった。あれではラヴォス神が目覚めるのは時間の問題だ。
ハッシュ
「ジール様はバリアをはられていて、近づけん。もはやジール様を止める事は我らにもできん…」
サラがラヴォスの触れて魔力を込めた。
ラヴォスが目覚めない様に魔力を注ぎ込む。
ボッシュはこの時の為に作っておいた赤い剣を取り出して魔神機に刺した。魔神機を破壊するには魔神機と同じ素材で生み出された武器しか使えない。
その正体はドリストーン(ラヴォスの欠片)である。古代人は知らないがラヴォスの欠片を利用することでラヴォスの性質を利用している。魔神機がラヴォスからエネルギーを奪えるのもその仕組みからであり、魔神機を破壊する為の武器についてもラヴォスの力を利用しなければ破壊できないということ。
神と堂々の力がなければ神の素材で作った物(魔神機)は破壊できないという意味であるが、その事に気付いている者は誰もいなかった。
ボッシュは魔神機を破壊する為の剣を刺したが、奥に刺さらなかった。。ジールが魔法をかけ、剣がそれ以上動かせない様にしていた。
三賢者達はジールの魔力に対抗して剣に力を注いだ。
強い力が注がれた赤い剣はその力によって鍛練されていき、別の形(グランドリオン)に整形されていく…
ボッシュ
「この後じゃ、この後、ワシがタイムゲートに飲まれるんじゃ」
魔神機は止まらず、サラよるラヴォス制御も力足らず、時空が歪んだ。
ハッシュ
「ま、まさかこれはタイムゲート? いかん! ボッシュ、今すぐ、そこから逃げろ!」
空間が避け、ボッシュはゲートに飲み込まれた。
ハッシュ
「ガッシュ! サラ様! もうだめじゃ!ここから逃げて下さい!」
言った瞬間、2つのゲートが同時にでき、ハッシュとガッシュも飲み込まれた。
ボッシュ
「ガッシュまで…」
せめてガッシュは助けたかったボッシュ。
悔しい思いを振りきり、クロノ達に魔導兵器の使用合図を出した。
マール
「まって! まだサラさんがラヴォスに!」
合図を取りやめたボッシュ
そこにジャキが走ってきた。
「姉様!、危険です!ここから直ぐに逃げて下さい!
「なぜ、なぜ、貴方がここに…
サラは弟に叫んだ。
「ダメよ! 来ては!」
サラの叫びも虚しく、ジャキはラヴォスゲートに飲み込まれた。
サラの悲痛な叫びが発せられた瞬間、ラヴォスが目覚めた。
サラの集中力がジャキが消えたことで途切れた。その瞬間だった。
そのとき、ラヴォスは突然、鎮まった。
そしてエネルギーを貯め始めた。
クロノ達はそれを理解せずとも悟った。この後、ラヴォスから光の柱が飛び出して天を貫き、大地を砂の大地に変える。未来で起こった同様のことが起きる。
天空都市が落ちる、またその前に海底神殿に穴が空いて水没する。
クロノの達も死ぬ未来を悟った。
今すぐにでも魔導兵器を使用しないといけない。
諦めかけたとき、魔王が上から降りてサラを抱き、ラヴォスからから離れていった。
ルッカ
「な、なぜ、ここに魔王がいるの?
ボッシュ
「とにかく、今がチャンスじゃ!」
クロノ達は魔導兵器を起動した。
7つの魔具から光が発射され、ラヴォスを包みこみ、ラヴォスから悲鳴がほとばしる。
ラヴォスはガムシャラに抵抗しているようで、その作用か大きな磁場が発生した。カオティックゾーン(混沌の領域)を使ったラヴォス。
7人はその磁場によって精神に異常をきたした。
クロノ、マール、ルッカは意識を失った。
とっさにラヴォスから距離をとったカエルとエイラでも酷いめまいに襲われ嘔吐する。
ロボは電気的な磁場に捕らえられて動けなくなっている。
「いかん! まさかこんなことが…
ボッシュは念力的な魔法を使い、クロノ達をラヴォスの磁場から引き離し、回復させた。
魔導兵器は磁場に取られていて次第にラヴォスの内側にめり込んでいく。
魔導兵器はラヴォスに押し潰され壊された。
7人はラヴォスの正面に立っていた。
ラヴォス正面の目玉にエネルギーが溜まっていくいく。
ラヴォスは目覚めたばかりに周囲はまだ良く見えてない。
見えている世界は赤外線であり、熱源反応から敵の位置を捕捉する。最も熱源の強い存在として最初に選ばれたのはロボだった。
光線を受けて消滅するロボ
次にボッシュが光を受けて消滅した。ボッシュは若者よりも熱源反応は弱いのだが、何故か先んじて殺されてしまう。
エイラは消滅する二人をみて腰が抜けた。逃げようと後ろを向いた瞬間、ラヴォスからレーザーが放たれ消滅した。
ラヴォスの目玉は標準をクロノに合わせている
逃げようとしても目玉が追いかけてくる。
クロノが狙われている隙にラヴォスの視界から逃れたカエル、マール、ルッカが離れる
ラヴォスはレーザーをクロノに発射した。
避けるクロノ
何度も発射するラヴォス
真横に走り視界から抜けようとしても、ラヴォスは一キロメートルはある巨体を動かしてクロノの正面に立とうとする。
ルッカ
「クロノ! ジールよ! ジールがラヴォスを操ってる!」
クロノはジールに向かって走った。
ジールの前に立つとラヴォスは攻撃を辞めた。
だがジールが念力でクロノを高く持ち上げ始めた。、ラヴォスの標準がクロノ合い、光が発射される。瞬間、カエルがジャンプしてクロノを抱えて救出した。
カエルはクロノを抱えてフロアを出るとクロノをワープ台においた。
カエルはマールとルッカもすかさず助けて、ワープ台に乗った。
ターゲットを見失ったラヴォスの目は動かなくなり、しばらく鎮まった後、
光を全身に集め始めた。
光の柱が身体の表皮から飛び出し、海底神殿の天上を貫き、世界を包みこんだ。
光は宇宙まで到達すると衛星軌道に乗り、地球の裏側まで届いていく。
光はゆっくりと落下し、加速していき、天空都市を貫いた。いくつもの光が拡散し、落下していき、都市が割れ、大陸こど海へと落ちてく。海はその光の熱で蒸発し、世界全体が霧状にもやがかかっていく。
地上に降り注ぐ光は、人々が避難をしているシェルターまで降り注ぐも、魔術師達がバリアを張って耐え忍んでいる
地面を覆う雪は光の熱でとけ、地表が顕になる。
海底神殿の天上には穴があき、海水が流入してくる。
ラヴォスも海水に飲まれ、水没していくが、ジールの思念とラヴォスのエネルギーが共鳴、呼応し、海底神殿はジールと融合をし始めた。
海底神殿は生き物の様に変異し、ラヴォスを下から包み込むように浮上をし始めた。
神殿の底には無数の穴が空き、海水を排出しながら浮上する。
ジール神殿は海面を上に抜けると、上空へと浮上していく。
クロノ達は破壊され落下していく天空都市と
ラヴォスと共に浮上するジール神殿を見ていた。
クロノ達は既に死んでいて魂のような状態から、その光景を俯瞰して観ていた。
そんな中にクロノ達の体が光輝き消滅しはじめた。
何が起きてるのか分からなかった。
何が原因で消えようとするのか、
消えようとしているのはクロノ達だけではなかった。この国の人々も消えようとしている。
皆がパニックに陥いりながら消滅した。
次の瞬間、見覚えのある光景がそこにあった。
ジールが念力でクロノを高く持ち上げ始めた。、ラヴォスの標準がクロノに合い、光が発射される。瞬間、カエルがジャンプしてクロノを抱えて救出した。
カエルはクロノを抱えてフロアを出るとクロノをワープ台においた。
カエルはマールとルッカもすかさず助けてワープ台に追いた。
ターゲットを見失ったラヴォスの目は動かなくなり、しばらく鎮まった後、
光を全身に集め始めた。
このままでは光の柱が世界に降り注ぐ。その事を知っていたカエルは動いた。
カエルは咄嗟にグランドリオンでラヴォスの目を攻撃した。
攻め込み、ラヴォスの照準に合わない角度から聖剣(ラヴォスから作られた剣)を突き立てる
ビームは飛ぶもののカエルは寸前で当たらない。
ラヴォスの目玉をくり抜きかけたとき、ラヴォスから光のエネルギーが消えた。
ラヴォスの目玉の奥まで剣を侵入させ、えぐりだした。
ラヴォスは倒され、反応がない。
カエルはラヴォスがある程度空洞になっている事に気付いて奥に入った。
まるで洞窟のよう。
目を凝らすと壁はダイヤモンドが無数に埋まっているかのように輝いている。
その光輝く道の先にひとつの生き物を見つけた。
ラヴォスの外殻へ向けて血管が伸びてそれに繋がる上半身だけの何かがいる。
カエルは咄嗟に攻撃を加えるも上半身の何かからエネルギー派を受けて近づけない。
剣を振りまくるが、衝撃波で近づけない
カエルは足に力を貯めようとするが
次の瞬間、カエルは混乱して自我を失っていた。グランドリオンを自分に向けて自害しようとする。
ここでカエルが死んでも時が戻るようなタイムリープ現象な起こらない。
あれはエイラが死んだからこそ、起きた一度きりの超常現象。
エイラが死ぬことで6500万年分のエイラから生まれきたはずの無数の子孫達の魂が、生まれなかった事にされる事の無念さよって引き起こされた霊的現象のようなものである。
無念さのエネルギーは既に使いきってしまったので。もう二度とタイムリープは起こらない。
カエルの自害をクロノが止めにはるが、カエルの力は強く止められない。
ルッカとマールも力を合わせるがカエルのパワーを大きく、力を敗けをしている。
少なからずの自我が残っていたカエル。
自ら死のうすることに抗い、気張り、血管を浮かせる。
ロボがレーザーを奥の生き物に飛ばすが効果はない。
ボッシュが治癒魔法でカエルを正気に戻そうとするもの効果がない。
「たのむ!若者らの希望を奪わんでくれ」
「元々、この者達は無関係なんじゃ。この時代に無関係な者達で何も悪くないんじゃ。直ぐにここを立ち去るから、彼らだけでも見逃してくれんか!」
ラヴォスからは何も反応がなかった。
その代わりエイラがボッシュの肩をぽんと叩く、ロボの肩をぽんと叩く
エイラ、ボッシュ、ロボの三人は既に死んでいる。
魂だけ、幻影のような存在の彼らはこの世界に干渉できない。
三人にできることは、祈ったり、この先の展開を観ているだけである。
エイラはラヴォスへと近づき、それをよく観察した。
観察していると
爆発が起きた。
良く観れば上半身だけの何かは巨氷漬けにされていている。そうと思いきや爆発しながら電気も帯びている。
水、炎、天 の三属性の連撃魔法、クロノ達によるものではない。
エイラは後ろを振り返った。後方に複数の人影が見える
上半身は魔法で氷漬けにされる。その瞬間、その作用を一瞬で熱に変換させ水蒸気爆発を起こした後に落雷を落とす。反作用のボムの後に生まれる一瞬の真空状態は通電効果が高く、雷によるダメージが数十倍にも跳ねあがる。
魔法を完ぺきに熟知した連携技であるが、その技な何度も上半身に与えられる。
誰がそれをしているのか、分からなかったが更に良く観ると何者かが目にも止まらぬ速さ剣技で上半身に攻撃をしている。エイラには見覚えはなかったが、ロボには覚えがあった。ソイソーである。
煙の中を高速に動くので良く見えないが上半身はソイソーの攻撃にダメージを受けていいて、そのお陰でカエルの自我が取り戻しつつあった。
上半身はその後も繰り返し高度な魔法の連撃を受け、剣技を受ける。
そうこうしている内に、グランドリオンによる攻撃が届く。
カエルは完全に自我を取り戻していて、留め差すように上半身を切り取った。
上半身の何かは倒された。ラヴォス外殻と繋がる血管と上半身がちぎれ、管の穴から泡が吹くと、上半身から脱皮するように、更に何かが現れた。
まるで宇宙服を纏ったかの様な人型が現われると、人型はラヴォス外殻を突き破り、天空と登り宇宙へと消え去った。
人型は何処へ行ったのか、ラヴォス外殻の残骸のみがラヴォスの亡骸として地球に残った…
ラヴォスを倒して未来を平和にしてしまうと、クロノ達は荒廃した未来の世界には行かないシナリオになり、時の最果てにも行かないシナリオになり、これまでの全ての冒険、行動もなかった事になるだろう。
救われた古代人によって現代の歴史は大きく変わるはずで、クロノ達は生まれなくなるだろう。
だがクロノ達は消えなかった。
消えない原因があるとすればクロノ達が今倒したラヴォスは未来を滅ぼしたラヴォスではなかったということ。
古代のラヴォスとは異なるもう一体のラヴォスが地殻に存在していることになる。
クロノ達の役目はまだ終わっていない…
そして
エイラの子孫かもしれないクロノ達が消えなかった理由。
それはエイラがクロノ達の子孫だからである。
未来からゲートを使って原始時代へと避難してきた人々の中にエイラの先祖がいるのだが…
この物語でクロノ達がそれを知ることなないだろう。