~蒼士side~
昨日、ニューヨークから急いで帰ってきて時差を考えずに学校に来たためか、ものすごい睡魔に襲われている。
「ふわぁ、眠い」
朝のうちに大量に買ったアメリカ土産を、クラスメイ
トや知り合いに渡しまくったので、あとは文緒の土産やあまりくらいしか残っていない。
今は図書室で睡魔と闘っているが、もう寝落ちそうだ。
「蒼士君、眠いんですか?」
文緒が何か言ってるようだけど、もう無理。
おやすみ、文緒。
俺は完全に寝落ちた。
~文緒side~
蒼士君に話しかけても返事はなく、もう熟睡してしまったようです。
でも午後の授業はどうしましょうか?
私が悩んでいると、蒼士君の友達の服部慎之助さんが図書室にやって来ました。
「やっぱりぐっすりか。まあ午前の授業中は頑張って
起きてたからしょうがないか」
慎之助さんは蒼士君が眠るのを想像していたようで、携帯で蒼士君の寝顔を撮っていた。
「慎之助さん、ダメですよ?」
「良いんですよ、コイツはほとんど隙を見せないから」
遠慮なく蒼士君を撮る慎之助さんを見てると、少しうらやま…………しくなんてないですよ?
「じゃあコイツはこのままで良いですよ?俺が先生にでも言っときますから」
「あ、ありがとうございます。でもこのままでは風邪をひいてしまいますし、何かかけてあげないと」
カウンターの私の席の所にある毛布を、蒼士君の肩にかける。
そこでチャイムがちょうどなりました。
「タイミングがいいな。じゃあ俺はもう行くんで」
「はい、ありがとうございます」
~蒼士side~
…………何故か起きたら毛布がかかっていた。確かこの毛布は文緒がいつも使ってる膝掛けだ。それが俺にかけられているということは、
「文緒?」
俺は体を伸ばし、席を立つ。
カウンターには文緒がいつも通り本を読んでいた。
「文緒、コレありがとうね」
「あ、おはようございます」
文緒に膝掛けを返し、耳元で囁く。
「今夜うちに来れる?」
俺の言葉で勘違いしたのか、顔を赤くする。
「な、なっ!?」
俺は文緒をからかってから大事なことに気付く。
「あれ?今って昼休み?」
それに赤い髪の男、颯斗が答える。
「ちげぇよバカ。もう放課後だぞ」
「あれ?珍しいね。またまたどうしたんだい?なんかまた相談事?」
「いや、慎之助に頼まれてな。お前が起きたか見てこいってな」
そう言って手に持っている缶コーヒーを手渡してくる。
「ほら、差し入れだ」
「お、サンキュ」
一旦、図書室から出て缶コーヒーをあける。
「そういや聞いたか?スパリゾートの話」
「なにそれ、初耳だ」
「確かまだ結構先だが、いろんな施設が詰まってる娯楽リゾートとかなんとか」
そんなものがあるのか。
「そんなことはどうでも良いか。そんじゃ俺はもう行くわ」
そう言って颯斗は帰っていった。
~三人称side~
蒼士は図書室に戻り、閉館まで本を読む。
閉館の時間になると、文緒が戸締まりを始めたので蒼士も手伝う。
職員室に鍵を返して、そのまま校舎から出る。
「じゃあ帰ろうか?」
帰り道、いつものように小話をして蒼士の家に向かっていった。
「ただいま、って言っても誰もいないけど」
「お邪魔します」
玄関で靴を脱ぎ、二人はリビングに上がる。
「文緒、今日呼んだのはこれを渡そうと思ったからだよ」
そういって机の上に置いてある箱を見せた。
「ありがとうございます。…………でも凄い量ですね。
とても嬉しいです」
「持ち帰るときは手伝うから」
蒼士は、終止ニコニコしていた。