~蒼士side~
古来より、秀才は運動音痴という話がある。
それは、スポーツをする時間すらも勉強に当てているからだと俺は思う。
じゃあ、あまり勉強しなくても頭の良い人は?その分の時間をどこに当てるのだろうか?
服部慎之助。
小さい頃から颯斗とバスケをしてきて、運動能力は高く、バスケの実力は純粋にうまい。それに、将棋など考えたりすることが得意で、まだ一度も負けたことがない。
つまり何が言いたいかというと、今体育の授業でバスケをやることになったが、たった一人で五人相手にしてもここまで圧倒的とは。
一人で抜いてレイアップ、3ポイントシュート、ダンクなど決めるだけじゃなく、何を言ったのか分からないが、チームの士気を高めていた。
「やっぱすげぇな、慎之助は。結局一人で決めてるようなものじゃねぇか」
そして俺の隣ても、勝手に士気を高めてるバカがいた。
「ほらほら、まだやる気になるのはさすがに早いよ?俺らの試合は次の次だし」
「いやいや、体を温めとくに越したことはねぇからな」
「いくらなんでも早すぎたらスタミナなくなるって。椎名さんが見てるんだから良いとこ見せたくなる気持ちも分かるけどね」
途端に固まる颯斗。
「あれ? 椎名さんに良いとこ見せたくないの?」
「バ、バカ野郎が! 別にそんなんじゃねぇよ!」
明らかに動揺している颯斗を傍目に慎之助の動きを観察する。
「うわっ、今の見た? 完全に空を駆けてたよ」
まるで某黒○のバスケの火○大我だよ。
あれ? 返事が無いな?
不思議に思って隣を見ると、まだ固まったままの颯斗がいた。
「よし、次は俺たちの番だな」
順調に試合を消化して俺たちの番まできた。
「よっしゃあ!さっさと終わらせるかぁ!」
やっと回復した颯斗と、体をほぐす。
「颯斗さーん! 頑張ってくださーい!」
上の方からは椎名さんが颯斗に声援を送っている。
「負けられないな。負けたら心実になんか言われちまうぜ」
「ふぅーん、ようやく素直になってきたね。悪友として鼻が高いや」
悪友の成長は気分が良いものだね。
結果、慎之助と当たる前に授業が終わってしまい、颯斗は不完全燃焼だった。
「ちくしょーっ!先公の野郎あと数分くらい良かったじゃねぇかよ!」
「まあ、仕方ないな。今度気晴らしにどこか行くか?」
「いいね、じゃあ、ゴールデンウィークにみんなで遊びに行こう?」
「おっしゃ! じゃあどこにいくか?」
いつも通りに三人で話し、バックを持ってそれぞれ 移動する。
みんなそれぞれの放課後が始まる。
ちなみに、悪友というのは誤字にあらずです。