綾小路がBクラスに配属された世界線   作:来世

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前の感想返信で「堀北には一票も入らねぇだろww」とか言ってすみませんでしたぁぁ
意外と初期北さんのままでも救って欲しい人がいるらしいですね
いや、だからこそ覚醒して欲しいって意味なのか…………?

とりあえず、松下はもう結末が確定してるんですが、長谷部あたりは救済ということで


20話:サバイバル(強制)

 

 

 

『生徒の皆様にお知らせします。もし時間があるようならば、是非デッキにお越しください。暫く間、非常に意義ある景色(・・・・・・・・・)をご覧いただけるでしょう」

 

 

東京湾を発ってから一日と少しが過ぎようとしていた今日頃。

 

船内に、そんなアナウンスが響いた。

 

時刻は午前九時。

 

今オレは、優雅に朝食を頬張っているところだ。

 

 

 

「────非常に意義ある景色…………なんのことだろ」

 

 

一之瀬が頭を傾げる。

 

確かに、二度聞けば引っ掛かる言い回しだな。

 

ただの景色に、意義があるという意見には相違ない。

 

だが、ただ景色が綺麗な海域に入ったからと言ってもアナウンスまでするだろうか。

 

 

「少し、気になるな」

 

「なら、みんなで行ってみる?」

 

 

神崎の小言に網倉が反応したことで、いつものメンバーでデッキに出ることになった。

 

だが、その前に朝食を済ませないとな。

 

 

「…………少し、勿体ないな」

 

 

オレは左手に持ったフォークの先に刺さっているステーキを見て呟く。

 

この船内は全ての施設が無料、つまり食事もすべて無料だ。

 

なのに、めちゃくちゃ美味しい。

 

だから、もっと味わいたかったんだがな。

 

まぁ、仕方ない。

 

 

「デッキ行くだけだよ。戻ってくれば昼も夜もまた食えるだろ」

 

「それもそうだな。柴田の言う通りだ」

 

 

オレはステーキを早めに口に押し込んだ。

 

 

 

 

 

 

「あれが…………南の島か」

 

 

水平線上に浮かぶ緑色の物体に目を向けながら、神崎が呟く。

 

意義ある景色ってのは、これのことか。

 

 

「大きいね」

 

「でも、ペンションなんてなくない?」

 

 

網倉と一之瀬の会話が耳に届く。

 

確かに、星之宮の言っていたペンションなんてどこにもない。

 

なら、どうやって南の島で遊ぶと言うんだろうか。

 

泊まり無し、デイキャンプってことか?

 

なんだそれ…………オレ、楽しみにしてたんだぞ。

 

酷いじゃないか。

 

みんなと心置きなく遊べると思ってたのに…………

 

まぁ、これがイベントってやつだ。

 

 

「泊まることはない、若しくは野宿かもな」

 

 

神崎が再び口を開いた。

 

 

「え?! まじで…………?」

 

 

柴田も驚きを隠せないでいる。

 

当然、オレもだ。

 

 

「え…………嫌なんだが」

 

 

野宿とかふざけてるのか?

 

オレたちは高校生だ。

 

国営の超優秀な者が集められる(諸説あり)名門高校の生徒だぞ?

 

それを、何だよ野宿って。

 

 

「気持ちは分かるが、あくまで可能性の域を出ない話だ」

 

「でも、当たってそうだよね」

 

「先生はバカンスとか言ってたけど、嘘なのかな…………」

 

 

ほら、やっぱりみんな野宿は嫌なんだろ。

 

なら、抗議するか。

 

学校側に『生徒を騙して連れてきて命の危険に晒すとか頭おかしいのか?』『卒業後親に密告されて訴えられたら負けるぞー』って。

 

そうすれば、このままお気楽な船旅を続けられるかも。

 

 

 

 

その後、一年生全員が舩の先頭デッキに集められた。

 

しかも、制服でも私服でもなくジャージでだ。

 

つまるところ、そういうことだろう。

 

 

「それじゃあ、今から無人島でのルールを説明するからよく聞いてね」

 

 

先頭では我らが担任の星之宮が口を開く。

 

生徒と同じで彼女たち教師陣もまた、ジャージを身に着けている。

 

──────改めてみると大きいn(((殴

 

 

 

「まず、みんなスマホは持ち込み禁止だから気を付けてね~。船から降りるときに検査するから、絶対忘れないようにね」

 

 

スマホ持ち込み禁止…………

 

皆との夏の思い出を残しておくことすら許してくれないのか。

 

おのれ学校め、覚えておけよ。

 

 

 

星之宮の演説の後、茶柱から高性能腕時計を配られた。

 

これは、無人島にいるときは装着義務があるらしい。

 

勝手に壊したり、外したりするのも禁止。

 

なんでも、これでつけている者の体温や体調を監視できるらしい。

 

まぁ、必要な犠牲であると割り切ることにした。

 

流石に、風邪にでもなったらまずいしな。

 

 

 

そして今度は学年主任である真嶋の番だ。

 

彼はマイクを持って、堂々と全員の前に立った。

 

 

「Aクラス担任の真嶋だ。今日この場に無事に着けたことをまずは嬉しく思う。だがその一方で、一名ではあるが病欠で参加できなかった者がいることは、残念でならない」

 

 

まぁ、最初の入学者を全員とするなら八人不参加だがな。

 

しかし、それはノーカンというものなんだろう。

 

 

「一之瀬、誰だか分かるか?」

 

 

オレは隣に立っている一之瀬に小声で尋ねる。

 

すると、彼女は待ってましたと言わんばかりに自信満々の表情で答えた。

 

 

「Aクラスの坂柳さん。確か『葛城くん』とAクラスのリーダーを巡って対立してる女の子だよ」

 

 

なるほど、な。

 

となると、今回のこのイベントで葛城とやらは絶対勝ちに来るだろう。

 

だがもしオレたちの邪魔をするなら──────容赦なくその坂柳とやら含め叩き潰す。

 

連帯責任ってやつだ。

 

 

 

 

 

 

 

「────ではこれより、今年度最初の‘‘特別試験’’を行う」

 

 

 

 

 

──────かっこいい名前つけんなよ。

 

『生徒騙して無人島に連れて来てみたドッキリ!』とかに変更しろ。

 

 

 

 

 

 

 

 

「では、これより無人島特別試験のルールを説明する」

 

 

オレたち一年生は全員荷物チェックを済ませてから砂浜に並ばされている。

 

無人島試験なんていう大層な名前つけるなよな。

 

オレの楽しみを返してくれ…………

 

 

「この試験の期間は今から一週間、八月八日の正午に終了だ。君たちにはこれから一週間この無人島で過ごしてもらう。もちろん寝泊りもここだ」

 

 

まじでサバイバルなのか。

 

神崎の予想が当たっていたな。

 

本当は、外れて欲しかったが。

 

 

「スタートした時点でクラスごとにテント二つ、懐中電灯二つ、マッチ一箱を支給する。日焼け止めに関しては無制限。歯ブラシは一人一つまでだ。そして女子生徒のみ生理用品は無制限。詳しい話は担任に聞くように。以上だ」

 

 

説明少ないな。

 

だが、言われただけの資源で一週間サバイバルは不可能じゃないか?

 

まぁ、そこも含めて星之宮から説明があるだろう。

 

 

 

 

その後、星之宮から説明された『無人島試験』の概要とルールは以下の通りだ。

 

 

1:この試験のテーマは『自由』であり、生徒がどう過ごしても良い

 

2:試験開始と同時に各クラスには『300P』が与えられ、試験後に残っていたPがCPTに等倍追加される

 

3:Pを消費することで、マニュアルに記載されている物資を購入できる

 

4:各クラスは【リーダー】を一人選出する。当人には後述のキーカードを配布する

 

5:無人島各地には【スポット】が点在し、【リーダー】がキーカードを使用することで占有できる

 

6:一度の占有で『1P』を得られるが、このPは試験中は使用不可能

 

7:一度の占有は、八時間の経過で自動的にリセットされる

 

8:正当な理由なく(・・・・・・・)【リーダー】を変更することは不可能

 

 

主なルールはこれだ。

 

が、他にも追加のややこしいルールがある。

 

 

各クラスのリーダーには他クラスのリーダーを指名する権利が与えられるらしい。

 

まず、他クラスのリーダーを当てたら、追加で『50P』が手に入る。

 

だが、逆に当てられると『50P』マイナスを食らう上にスポット占有で手に入れたPも無効になる。

 

それと、他クラスのリーダー当てをミスっただけでも『50P』マイナスだ。

 

重すぎるだろうが。

 

そもそも、これでは団結力などの話ではない。

 

他クラスのリーダーを把握さえすれば無双できるクソ試験だ。

 

 

「あとは、ペナルティについてもマニュアルに書いてあるから、読んでおいてね」

 

 

星之宮はそれだけ告げると、この場を離れていった。

 

仕方なく一之瀬の持っているマニュアルを覗き込む。

 

 

 

他クラスの占有しているスポットを無断で使用した場合、-50P

 

他クラスの生徒相手に恐喝・略奪・暴行などの行為を行った場合即刻加害者の所属するクラスは試験失格となる

 

生徒による環境汚染などが確認された場合、-20P

 

毎日午前午後八時に行われる点呼に一人不在につき-5P

 

リタイア(試験続行不可能と判断された)者一人につき-30P

 

 

 

「だるそうな試験だ…………」

 

 

これが一週間だと?

 

オレの高校生活を返せ…………

 

いっそのこと、皆でリタイアするか?

 

いや、でもそれはAクラスに追いつく機会を捨てることを意味する。

 

神崎が許す筈もないか。

 

 

憂鬱な気持ちを抱えたまま、オレは口を開く一之瀬の声に耳を傾ける準備をした。

 

 

Dクラスで救って欲しい生徒(No.1を投票して)

  • 堀北鈴音
  • 櫛田桔梗
  • 軽井沢恵
  • 長谷部波瑠加
  • 三宅明人
  • 松下千秋
  • Dクラスに救う価値無し
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