両面宿儺でスカイリム   作:蠅頭

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第2話

 

「じゃあ行ってくるよ」

「気を付けてな、ハドバル、レイア、スクナ」

 

 食事を終えて休憩をとった三人はリバーウッドの門前に来ていた。

 これから向かうのはこのホワイトラン地方の首都ホワイトランだ。

 

 それじゃあ、と三人はホワイトランに向かって歩き出した。

 

「ここからホワイトランまで徒歩二時間弱だ。急ぐ必要はあるが……急いでは事を仕損じる。慌てず行こう」

「ああ」

 

 宿儺は今更になって何で言葉通じてるんだろうと考える。

 タムリエルにはタムリエル語がありそれは日本語とは違うはずだ。

 言語形態としては英語に近いはずだが宿儺の自認としては自分は日本語を喋っている。

 何かしらの力が働いているのだろうか、と宿儺は考える。

 

 そうして歩いていると雑談を交わす。

 

「そう言えばスクナの頭上に浮かんでいる輪はなんだ? たまにガコンって音が鳴ってるが」

 

 ハドバルが宿儺に問いかける。

 宿儺は常に魔虚羅の方陣を出している為たまに何かに適応してガコンと音が鳴っている。

 

「これは俺の魔法だ。出しとくだけで魔法の練習にも成るから出している」

「変性魔法のようなものか? 魔法はよくわからないな……」

「私も回復魔法ぐらいしか使えないしねぇ……」

 

 雑談を交わしていると一行はホニングブリューハチミツ酒醸造所を通って行く。

 

「巨人だ!」

 

 ハドバルがそう叫んだ。

 見ればペラジア農園に巨人が居る。

 巨人とはスカイリム地方に住まう亜人種の一種だ。

 五メートルの巨体を持つ種族であり言語は解さない。

 だが交易はし農村に牛と引き換えに安全を保障するなどをしているし、ホワイトラン近くの巨人とはマンモスのチーズによる交易がある。

 

「介入するか?」

「いえ、すでに誰かが戦ってるわ。無理に入る必要は無さそうよ」

 

 レイアの言う通り既に戦いが行われている。

 

 戦っているのは武装した集団だ。

 

(原作通りだな)

 

 そこに居るのはアエラとヴィルカス、ンジャダだ。

 アエラは弓使い。ヴィルカスは両手武器を。ンジャダは剣と盾で戦っている。

 戦っているのは武装した集団の方が優勢の様で巨人が押されている。

 

「ん-、無理に入る必要は無さそうね。彼ら同胞団っぽいし……このままいきましょ」

「そうだな」

 

 という訳でこのイベントを無視して一行はホワイトランまで進む。

 

「と、俺はここまでだ。馬車でソリチュードまで向かうよ」

 

 だがホワイトランの馬屋でハドバルがそう言った。

 

「そうね、ありがとうハドバル、私を助けてくれて」

「それはこっちの台詞だ、レイア。元気でな! もしよかったら帝国軍に来てくれよ!」

 

 そう言ってハドバルは御者と話しソリチュードまで馬車に乗って行ってしまった。

 私達も行こうか、とレイアと宿儺はホワイトランの門まで進む。

 

「止まれ! 門は閉鎖中だ! 公用以外では通せない!」

 

 するとそこにホワイトランの衛兵が止めに来る。

 ホワイトランの衛兵は兜を被り軽装鎧を纏った戦士だ。盾と剣、弓と矢を持っている。

 

「私たちはリバーウッドから来た! ドラゴンの脅威を伝えるために!」

「リバーウッドも危ないのか? だが……隣にいる奴は大丈夫なのか?」

「この人は大丈夫よ、デイドラじゃないわ」

「そうか……だが念のため監視を付けさせてもらうぞ。ロイ!」

 

 衛兵は隣の衛兵に話しかける。

 

「監視としてついて行ってくれ」

「わかった」

 

 そして門が開かれ中に入る。

 

(おぉ……)

 

 宿儺は一人ホワイトランの中を見て興奮していた。

 ゲームより非常に大きい。倍以上あるだろう。設定どおりなら七倍はあるのだろう。

 

 入ってすぐに鍛冶屋がある。戦乙女の炉だ。

 

「いくらかかろうが金は払う。だが帝国軍にはもっと剣が必要だ」

「そう言われても時間も材料も足りないわ」

 

 等と言い合うのはイドラフ・バトル・ボーンとエイドリアン・アヴェニッチだ。

 イドラフは帝国軍の鎧を着た人物でエイドリアンはインペリアルの女鍛冶師だ。

 インペリアルとはシロディール地方に住まう人間種の一つだ。

 特にこれと言った種族的特徴無いが交渉事には強い種族である。

 

 三人はホワイトランの街並みを歩く。宿儺はキョロキョロ見渡したいのを我慢して歩く。

 歩いていると当然視線を受ける。

 宿儺の異形の外見になんだこいつ、という目を向けられるのだ。

 だが隣に衛兵が要る為攻撃してくる者は居ない。

 

 そうして歩いてると風地区を通り雲地区へと入る。

 

「でっか」

 

 思わずと言った風にレイアが呟いた。

 宿儺も内心それに同意した。デカい、と。

 

 就いたのは木造の宮殿ドラゴンズリーチだ。

 かつて隻眼のオラフがヌーミネックスを捕らえたとされる城だ。

 

 門を潜って中に入る。

 

 中は広い。吹き抜けの構造である。

 階段を登って首長が座る玉座へと近づくと一人のダークエルフが抜刀しながら近づいてきた。

 

「衛兵、何を連れて来たの?」

 

 ダークエルフ──イリレスは衛兵をじろりと睨む。

 

「はっリバーウッドから来た者です。ドラゴンの脅威を伝える為に連れてきました」

「だからといってこんな異形を連れてこないで頂戴」

「酷い良いようだな」

 

 くっくっくと宿儺は笑う。泣きそうである。

 

「まぁいいわ。ここからは不要よ、仕事に戻りなさい」

「わかりました」

 

 そう言うと衛兵は去って行った。

 

「着いてきなさい」

 

 そう言うイリレスについて行って二人は玉座に近づく。

 

 玉座に座るのは金髪碧眼の少し歳を取った男、偉大なる首長バルグルーフだ。

 

「で、ドラゴンを見たのか?」

 

 バルグルーフはレイアと宿儺を見る。

 宿儺という異形を前にしても威厳を保つのは流石は偉大と付くだけはあるだろう。

 

「えぇ。ドラゴンがヘルゲンを破壊したのを見ました。最後に見た時はこちらに向かって飛んで行ったわ」

「イスミールに誓う、イリレスは正しかった!」

 

 イスミールというのはウルフハース王やタイバー・セプティムの異名の事だ。

 

「今はどう思う? プロペンタス。壁の分厚さを信じるか? ドラゴンを跳ね返せると?」

「首長、ただちにリバーウッドに兵を送りましょう。山でドラゴンが待ち伏せしているならそれが当面の危機ね」

「ファルクリースの首長は挑発と考えるでしょう! 我々がウルフリックと共に攻撃してくると思うでしょう」

「もういいだろう!」

「そうすべきではないと……」

「ドラゴンが私の要塞を焼き尽くし、人々を殺しているのにボケっと突っ立っている気はない! イリレス、今すぐリバーウッドに兵を送ってくれ」

「わかったわ、首長」

「私は仕事に戻ります」

「それがいいだろう」

 

 バルグルーフはレイアを見る。

 

「よくやった。よく自力で俺に会いにこれたな。ホワイトランに果たしてくれた貢献は大きい。このことは忘れない。ほら、ちょっとした感謝のしるしとしてこれを貰ってくれ」

 

 バルグルーフは二百セプティム金貨を手渡す。

 セプティムというのは通貨だ。だいたい十セプティムで一泊出来る。

 

「もう一つお願いしたい。これはお前のような特殊な才能を持った奴にしか出来ない事だろう」

 

 バルグルーフは椅子から立ち上がる。

 

「王宮魔術師のファレンガーに会いにいこう」

 

 レイアと宿儺はバルグルーフに大人しく着いて行く。

 ついて行った先は魔術師の部屋だ。

 錬金器具とアルケイン付呪器がある。

 錬金器具は錬金術の為の道具だ。これを使って様々な薬を作る事が出来る。勿論材料は居るが。

 アルケイン付呪器は武器や防具に魔法効果を付けることが出来る道具だ。

 

「ファレンガー。助けになってくれる人を連れて来た」

 

 バルグルーフは黒髪の魔術師のローブを纏った男に話しかける。

 この男こそがホワイトランの宮廷魔術師のファレンガーである。

 

「助けと言うと、礼のプロジェクトの?」

「ああ。詳しい話をしてくれ」

 

「ふむ。私はドラゴンの研究をしているのだがとある伝手でドラゴンに関する遺物がある遺跡にあると知ってな。それをとって来て貰いたい」

「それはどんな遺物なの? そしてそれは何処にあるの?」

「場所は分かっている。ブリークフォール墓地だ。リバーウッドの外れにあるな。取ってきて欲しいのはドラゴンストーンという物だ。詳しくは話せないがな」

「わかったわ。それをとってこればいいのね」

 

「これは非常に大切な事だ。幸運を祈る。それだけでない。人員も派遣しよう。リディア!」

 

 バルグルーフは一人の女を呼んだ。

 

「及びでしょうか、首長」

 

 呼ばれたのは黒髪黒目のノルドの女だ。

 

「リディア、首長として命じる。この者達について行ってドラゴンストーンをとって来てくれ」

「わかりました。首長」

 

「よろしく頼むわ」

「よろしく」

 

 宿儺とレイアは取り合えず挨拶をしておく。

 

 そしてそのままドラゴンズリーチを出ていった。

 

 

 

 

「どうする? このままリバーウッドに戻ってもいいけど……」

「時間的にそれが最善だろうな」

「お二人とも準備は大丈夫でしょうか?」

「あー、私はちょっと鎧を整えたいわね。何時までも帝国軍の鎧を着てるわけにはいかないし」

 

 別に帝国軍人以外が帝国軍の鎧を着てはいけないという決まりはないが気分的にはいい物ではない。

 

「では戦乙女の炉に行きましょう。其処なら鎧が手に入るはずです」

「ポーションの類も補充しておくべきか?」

「そうね、必要だわ。二手に別れましょう」

 

 という訳で宿儺はポーションを。リディアとレイアは武器を見に行った。

 待ち合わせは城門前である。

 

 

 宿儺は適当な衛兵に話しかけてポーション屋に行った。

 このホワイトランは原作よりも大きいため迷子になりかねないと思ったのである。

 

 そしてついたのはゲームでもあるアルカディアの大釜に来ていた。

 

「い、いらっしゃい」

 

 店主のアルカディアは引き攣った顔をしながら宿儺を歓迎した。

 

「ポーションが欲しい。体力回復の奴を三つ……いや四つだ」

「わかったわ」

 

 この世界にはポーションがある。

 錬金術で作れる物で効果はだいたい三つだ。

 体力回復薬。スタミナ回復薬。マジカ回復薬の三つだ。

 自作で二つの回復効果を持つ薬を作る事も出来る。

 因みに超錬金というバグ技がありこれを使うとラスボスでもなんでもワンパン出来てしまう武器が作れる。

 

「これよ。四つで百五十セプティム……いえ百四十セプティムよ」

「わかった」

 

 宿儺は財布を取り出す。

 先程貰った報酬とアルヴォアから貰った金を出せば足りるだろう。

 支払いを済ませアルヴォアから貰った腰掛のバッグに仕舞う。

 

「……」

 

 宿儺はふと、影の中に収納できないかと考えた。

 思えば即断即決。影の中に仕舞う。

 

(これはいいな)

 

 宿儺の呪術運用能力ならば伏黒のように入れた物の重さが加算されることはない。便利なアイテムボックスである。

 

 宿儺は店を出て城門まで行くと既に装備を整えたレイアとリディアが居た。

 レイアは鉄の鎧一式に身を包んでいる。頭装備は無い。

 鉄の盾と鋼鉄の剣を纏っている。

 

「じゃあ行きましょ」

「ああ……いや。待ってくれ。少し外で寄りたいとこがある」

「そうなの? 別にいいけど……」

 

 三人は外に出て少し歩く。

 宿儺だけ少し外れて歩き目的の場所を見つけた。

 

「ここだ」

「? 何もないけど……」

「……目に映らんのか」

 

 宿儺はふむ、と考える。

 宿儺の目には自分がmodで追加したmodハウスYKルームへの扉がある。

 

 取りあえずはと宿儺は扉を開けて中に入る。

 

 中は通路になっていて左手に昭和の家のような引き戸がある。

 引き戸の中を開けると其処は平成っぽい家があった。

 

 靴を脱いで上がる。

 部屋の作りをざっと確認する。

 風呂場に洋式トイレ、錬金器具にアルケイン付呪器もある。

 居間に座ってパソコンを弄る。

 

(ネットは……通じるんかーい)

 

 そしてネットが繋がった。

 見るのもコメントを書くのも可能である。

 しかもつながっているのは元の世界のネットである。その気になればこのパソコンでスカイリムを起動する事も出来るだろう。

 ノートパソコンだがスペックは高いのである。

 

(ネット通販は後で見るか)

 

 もしかしたら都合よく何か買えるかもしれないと思い宿儺は家の鍵状のアイテムを拾ってYkルームから出る。

 

「うわ、出てきた!」

「まるで幽霊みたいな言い方だな」

「いや実際虚空に消えて虚空から戻って来たから似たようなものでしょ」

「それもそうか……まぁこれで俺のやりたいことは終わった。行くぞ」

「わかったわ、行きましょう」

 

 そして一行はリバーウッドへと向かった。

 

 

 

 

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