両面宿儺でスカイリム   作:蠅頭

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第3話

 

「もう夕方だな」

 

 三人がリバーウッドについたころには既に夕方になっていた。

 今から山登りは流石に危ないので一泊するか、と三人はこの村唯一の宿に向かう。

 スリーピング・ジャイアントという宿だ。

 

「いらっしゃい」

 

 中は広い。六つの部屋の扉があり中央には暖炉がある。

 

 奥のカウンターに進みオーグナーというノルドの男だ。

 

「泊まりか? 悪いが俺は店主じゃない。店主は其処に居る女だ」

 

 オーグナーは錬金器具を使っている女に目線を向ける。

 

(美人だなぁ)

 

 宿儺は分かっていた事だがこの世界は美化modが適応されていると判断する。

 レイアは美人だしリディアも微塵だしイリレスも美人だった。

 ここまで美人つくしだと何か探らざる負えない。

 そして当然この宿の店主のデルフィンは美人の女だ。

 

 ノルドの女で都市は五十代のはずだが美魔女と言うべき美を持つ。

 

「宿? ……言っておくけど一部屋だけ借りるのはなしよ」

 

 男一人に女二人という一見すればハーレムに見えるのデルフィンは苦言を呈す。

 宿儺は思わず首を解でははねそうになったが気合で抑えた。デルフィンを殺すのよ! 

 

「ん-、二部屋借りるわ」

「わかったわ。あの部屋とあの部屋使っていいわ」

「ありがとう」

 

 そして一行は軽く夕食をとって一晩寝た。

 

 

「よし。行くわよ!」

 

 宿を出てレイアは気合を入れた。

 これから山登りをするので嫌でも気合を入れる必要があるのである。

 

「あんたら、こんな朝早くから何処にいくんだ?」

 

 そこに話しかける者が居た。

 ホッドというノルドの飲んだくれだ。

 

「……ブリークフォール墓地に行くんだけど、何?」

「ああ、やっぱそこに行くのか……そこはやめとけ、盗賊のねぐらになってるぞ」

 

 古い墓地というのは盗賊が住みやすい。特に内乱中で治安の悪いスカイリム地方なら猶更だ。

 

「悪いけどいかないといけないの」

「そうか……だったら一つ気にしておいてくれ、ブリークフォールの盗賊が金の爪を盗んだんだ。金の爪を見かけたらルーカンに返してやってくれ」

「覚えてたらね」

 

 そうして一行は山道を登って行った。

 

 

「うわ、フロストロールがいる」

 

 山道の途中。雪が降っている中三人は道中でモンスターと遭遇した。

 

 フロストトロールというモンスターだ。

 白い毛を持つゴリラに似たモンスターである。

 再生能力を持ちフロストトロールは冷気に対して耐性を持つ厄介な敵である。

 非常に強く一小隊ぐらいなら壊滅出来るだけの力を持つ。

 

「俺がやろう……解」

 

 宿儺は見えない飛ぶ斬撃の解を放つ。

 すると綺麗にフロストトロールは真っ二つに斬られて死んだ。流石に再生持ちと言えどここまで斬られれば高位の吸血鬼でもない限り即死である。

 

「いくぞ」

 

 一行は死体を無視して先に進む。

 

「あれは……山賊が居ますね」

 

 リディアがそう言った。

 山道の途中だが小さい塔が建っており塔の入り口前には盗賊が立っている。

 古い砦だ。そこまで大きくはないので中に居る人数も大したことはないだろう。

 

「じゃあ今度は私がやるわ」

 

 レイアが疾風の如く駆け出した。

 そして硬直している女山賊の首を跳ね飛ばした。

 

「なんだ?」

「敵襲だ!」

 

 騒ぎ出す山賊に向かってレイアが斬りかかる。

 

「強いな」

 

 だがレイアは強く数分で戦闘を終わらせてしまった。宿儺とリディアが関わる暇もない。

 

「このままいきましょ」

「だな」

 

 そして更に山道を登る。

 

(流石宿儺ボディ。山道何てなんてことないぜ!)

 

 宿儺は一人宿儺ボディある事に感謝する。

 元のフリーターボディだと山を登る事など出来なかっただろう。

 

「デカいわねぇ~」

 

 要約山頂について山頂のブリークフォール墓地に辿り着いた。

 レイアが言うようにデカい墓地だ。

 スカイリムでも有数のデカさの墓地である。

 

「女だ!」

「ひゃぁ! デイドラもいる! 殺せ!」

 

 そして当然のように山賊も居て襲い掛かる。

 宿儺は今度は適応するべきかと考え攻撃を受けながら拳で戦う。

 剣と矢、そして魔法を受けて魔虚羅の方陣がガコンと回る。

 魔虚羅の方陣は常に適応をする。これで剣と矢と魔法に対し常に適応し続け何かいいことになるだろう。

 

 リディアとレイアも山賊を殺し終わる。

 

「じゃあ中に入りましょ」

 

 大きな扉を開けて中に入る。

 

「中はあったかいな」

 

 中も充分広い。

 道中山賊とスキィーヴァーの死体を見かけたが放置して先に進む。

 

「このままでいいのか?」

 

 そうして進んでいると山賊同士の話声が聞こえてくる。

 取りあえず話を聞こうと三人は隠密状態になって話を聞く。

 

「アーヴェルが戻らなかったら?」

「奴は戻るさ。取りあえず表を見て警戒を強めよう」

 

「しゃあ! 行くわよ!」

 

 そこにレイアが叫びつつ突撃する。

 突然の戦士の乱入に山賊二人は硬直する。

 硬直する男の山賊の首をレイアが跳ね飛ばし残る女の山賊の頭は宿儺が殴り飛ばした。

 

「松明拾って……いきましょ」

 

 そして階段を降りて先へと進む。

 道中は何も出ることなく奥へと進む。

 

「止まって」

 

 奥の通路を歩いていると部屋の中に山賊が居た。

 三人は止まって山賊の行動を見る。

 山賊は床に置かれたレバーを引いた。

 すると壁から毒矢が放たれ山賊を集中砲火する。山賊は死んだ。

 

「トラップね」

「間違えると発動するタイプの様だ」

 

 三人は部屋の中に入る。

 円形上の広間だ。

 前方の壁の上には動物を象った像があり左手側には回転できる同じ動物を象った像がある。

 

「これは……絵を合わせろ、と言う事でしょうか?」

「そうだな。簡単だ」

 

 宿儺とリディアが協力して壁の絵に合わせて石像を回転させる。

 

「しかしなぜ古代ノルドの墓にはこういったトラップが多いのでしょうか? 侵入者撃退用にしてはお粗末な出来ですし……」

「諸説あるが有力なのは中に居るドラウグルが外に出ないようにするためのもの、というのが強いな。侵入者撃退用ではないというのが強い」

「なるほど……」

 

 ドラウグルというのは古代ノルド人の動くミイラのようなアンデッドの事だ。

 ドラゴンプリーストが特殊な呪文を使う事で生み出されるアンデッドで能力は生前のままという。

 特徴として一定値の損傷で動かなくなっても時間経過で復活するという能力を持つ。

 

 石像を揃えてレバーを引くと扉の鉄の柵が開いた。

 

「先へ行きましょう」

 

 先へと進み階段を降りる。

 

「げっスキィーヴァー!」

 

 階段下からデカいドブネズミが現れた。

 スキィーヴァーという鼠の一種で疫病を持つ厄介な鼠だ。

 

「解」

 

 宿儺は触れたくないので解を放ち切り刻んだ。

 

「こういう時魔術師いると楽ね、ありがとう」

「仲間だから助けるのは当たり前だ」

 

 そのまま奥へと進むと男の声が聞こえる。

 

「誰か……こっちに来るのか? ハークニール、お前なのか? それともビョルン? 誰でも良いから助けてくれ!」

 

「うわ、蜘蛛の巣」

 

 声を無視して一行は進むと蜘蛛の巣によって塞がれた通路に出る。

 

「これも斬ろう」

 

 宿儺が解で蜘蛛の巣を粉みじんに斬る。

 そろり、とレイアが顔をのぞかせた。

 

「げっフロストバイトスパイダー!」

 

 そこに居たのは巨大な蜘蛛だ。二メートル程の大きさがある。

 叫びながらもレイアは突撃しフロストバイトスパイダーに襲い掛かる。

 

 レイアの剣とフロストバイトスパイダーの脚がぶつかる。

 

「援護します!」

 

 リディアは弓で矢を放ち攻撃する。

 それを嫌がったフロストバイトスパイダーは口から毒液を放った。

 宿儺が庇い受ける。

 

「大丈夫ですか!」

「問題ない」

 

(むしろ毒に適応させたいので助かる)

 

 方陣が回り魔虚羅が毒に適応する。

 毒は宿儺の反転術式で解毒し治したので問題ない。

 

「とどめぇ!」

 

 レイアがフロストバイトスパイダーの頭に剣をぶっさし殺した。

 

「よし……んで、あんたがアーヴェル?」

 

 レイアは蜘蛛の巣に絡めとられ動けないダークエルフの男に話しかけた。

 ダークエルフはモロウィンドウを故郷とするエルフ種の一種だ。生まれつき炎に耐性を持っている。

 

「あ、ああ。あんたらは冒険者か?」

「似たような物よ。んでまぁ一応聞くけど……金の爪持ってる?」

「ああ! あの爪か! 力を秘めた秘宝への鍵! 持っているとも!」

 

 アーヴェルは興奮した様子で話す。

 

「じゃあそれ寄越しなさい」

「この状態で渡せると思うのか?」

「あー、それもそうね……うーん……どうする?」

 

 レイアは宿儺とリディアに問いかける。

 

「解放すればよかろう」

「まぁ、拘束を解くぐらいならいいかと……」

「わかったわ」

 

 レイアは剣を抜いて蜘蛛の巣を斬り払ってアーヴェルを解放する。

 

「た、助かった……それで、金の爪だな」

 

 アーヴェルは懐を探り金で出来た竜の爪を取り出しレイアに渡した。

 

「これが金の爪ね……そのままのアイテムね」

 

(あれ? アーヴェル何で逃げない?)

 

 宿儺は一人疑問を抱いてた。

 ゲームならば韋駄天のアーヴェルは解放されると同時に「馬鹿ね何で宝を分け合わなければならない」と逃げだすのだ。

 その後トラップかドラウグルに倒されるが。

 

 このアーヴェルは人数差の不利と宿儺という異形を前に恐怖していたのだ。だから逃げ出さなかったのだ。

 

「な、なぁ……もしよかったら俺も奥まで連れてってくれないか?」

 

 山賊の言う事である。聞く必要は特にない。

 だがレイアもリディアも宿儺も殺人鬼ではない。殺す必要はないと判断する。

 

「ん、邪魔しないならいいわよ」

「ありがたい! 役には立ってみせる」

 

 アーヴェルを加え四人になった一行は更に奥へと進む。

 

 

「ドラウグルだ」

 

 そしてついにドラウグルと遭遇する。

 ミイラ型のアンデッド、ドラウグルだ。

 彼らは武器を手に一行に襲い掛かる。

 

 それぞれ武器や魔法で対処する。

 戦闘は楽な物だ。シャウトを使うドラウグルも居らず戦うだけで済む。

 宿儺は適当に適応を進める為ワザと攻撃を喰らったりして戦った。痛いには痛いがここで適応をケチると大事な場面で負けかねないので戦った。

 

 そうして道中ドラウグルを倒したりして奥へと進む。

 

「これは扉?」

 

 そして物語の間に到着した。

 

 通路であり奥には回転する絵と三つの鍵穴がある。

 

「これは物語の間だな。壁には何か書かれてるが古語だから読めん」

「ふーん。どうやれば進めるの?」

「"答えは手のひらにある"だ」

 

 アーヴェルがニヤリとしながら答えた。

 

「掌に……? ああ、こういうこと」

 

 レイアが金の爪を裏返してみると其処には答えの絵が彫ってあった。

 レイアは扉を回転させ爪と同じ絵にすると爪をはめる。

 ごごご、と扉が動き地面に埋まる。

 

 先へと進む。奥は広間になっている。

 

 天上には穴が開いており空が見える。

 蝙蝠の大群を退けながら奥へと進むと石碑のようなものがある。

 力の言葉が書かれた石碑である。

 

 レイアは石碑に近づく。

 

「……ファス。何故かこれだけは読めるわ」

 

 レイアは石碑の一部分に触れながら呟いた。

 

(俺は全く読めんが……ん)

 

 宿儺も石碑に触れると読めた。

 

「……ドラゴンストーンの守護者と永遠の怒りと闇の『力』、ここに眠る」

「スクナも読めるの?」

「ああ、何故か読める」

 

(こりゃmodの影響だな)

 

 宿儺は言葉の壁が読めるmodを入れていたので読めるのだろう。だがシャウトを習得した感覚はないが。

 

 途端、ガタっと音がした。

 全員音の方へ振り向く。其処には棺から出てくるドラウグルが居た。

 

 ドラウグル・オーバーロードだ。アインズ様ではない。

 

fasro!」

 

 ドラウグルがシャウトを唱えた。

 シャウトとは竜の言葉、竜の力だ。

 言葉そのものに力がある言語であり主人公であるドラゴンボーンも使う力だ。

 

 見えない衝撃波が飛んでくる。

 全員その身で受けて壁にぶつけられた。

 

「こんにゃろ!」

 

 レイアが怒り剣を抜いて突撃した。

 

foKrah!」

 

 今度はフロストブレスのシャウトだ。

 冷気の吐息がレイアに襲い掛かり体に霜を作った。

 冷気でスタミナをごっそり持っていかれ動きが鈍る。

 

「解」

 

 宿儺は其処で全力で手加減した解を放った。

 宿儺が一人本気になればこの程度の敵倒すのは容易だ。だが簡単に倒すとレイアの成長にならないと思ったのだ。

 不意に力を得ただけのイキリ野郎が何を言ってるんだろうと宿儺は思いつつも事実だからしょうがないと自分に言い訳をする。

 

「おんどりゃぁぁ!」

 

 気合を入れたレイアが剣で斬りかかる。

 ドラウグルは両手剣で迎え撃つ。

 攻防が続く。

 攻めに攻めるレイアと防御一辺倒のドラウグル。

 

「この、力を寄越せ!」

 

 そこのアーヴェルがファイヤボルトの魔法を放つ。

 アンデッドであるドラウグルには効果抜群で体力を大きく削る。

 

「死者は死者らしく眠りなさい!」

 

 すかさずそこにリディアが矢を放つ。

 

 同時に宿儺も遅くした解を放つ事でドラウグルは矢と解両方のダメージを受けた。

 ぐらつくドラウグルにレイアが止めを刺し、戦いは終わった。

 

「……なぁ、そのドラウグル、何か持ってないか?」

 

 アーヴェルが何か尋ねた。

 そうね、と一言言ってからレイアがドラウグルの懐を探る。

 

「こんなのあったわ」

 

 レイアは石を取り出す。

 表にスカイリムの地図が描かれており幾つかのポイントに星が描かれている。

 裏面には竜の言葉が刻まれている。

 

「これがドラゴンストーンかしら」

「それがドラゴンストーンだ。詳細は……気になるか?」

 

 宿儺がニヤリとしながら問いかける。

 

「……なんでスクナは色々知ってるの?」

 

 レイアが気になってしょうがない、とばかりに尋ねた。

 

「今は答える時じゃない……いずれしかるべき時に答えよう」

「そう……んでこれなんなの?」

「それはドラゴンの墓の地図だ。ドラゴンが何れ蘇る時に必要なために作られた物だな」

「ドラゴンが蘇る時……丁度今ね。全く嫌になるわね」

 

 レイアはドラゴンストーンを懐に仕舞う。

 

「そ、それだけか? 何か他に……もっとすごいのを持ってないのか!」

 

 アーヴェルが懇願する様に尋ねた。

 

「他にって……しいて言えば使ってた武器ぐらい? 冷気の付呪がされてるだけだけど」

「そんな……」

 

 アーヴェルががっくりと膝をつく。_| ̄|○

 

「ここの力は……嘘だったのか……?」

 

 一人絶望するアーヴェルに三人はなんだこいつ、という目を向ける。

 

「取り合えずここから出ましょ。出口は……あそこね」

 

 そして一行はブリークフォール墓地から出ていった。

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