悪役人外TS転生「ディストピアAI」   作:何処にでもある

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 改善の兆しが現れてます。




#22 進化を加速してください

 

 

 後継者。

 それは自分の資産を次の代の誰に渡すかを決める行為である。

 立場、資産、知識、関係…引き継ぐものは様々であり、長く続く程渡される物が重くなっていく仕様が存在する。

 

 その重さに耐えられれば問題はないが、押しつぶされると引き継ぎ品もまとめて消えるので、渡す相手は常に考え、慎重に進めるべきだろう。

 決してその場の勢いで決めてはいけないのだ!

 

「おね…えちゃん?」

「遺伝上はそうね。でもお互い初めましてだし、あなたからしたら横から全部掻っ攫うようなものでしょ? だから……はい、相続権を渡して、私はあなたの前から消える。それでおしまい。いいわね」

「…だ…だめ!」

 

 はっ? なんで?

 

「それは……お、お外のことは私、何も知らないから…教えてくれると、すっごく助かる!…から、一緒にいちゃ…だめかな…」

「………」

 

 あ〜なんでこんなことしなくちゃいけねぇのかなあマジで。

 

 いやな? 冬になって都市のコアに戻って、オビリアも死んで、5年経ってカサンドラ歴16年になったのは良いんだけどさ?

 人間の身体の時に色々渡されちゃったんだよね。後継者の立場とか。なんで?

 

 その処理の為にオビリアに色々任せたのは良いんだけど、やっぱり一度本人達に意思通す必要はあるよねって訳で、人の遺伝子使った禁断のペットショップで会いに行ったんだよ。

 そしたら足止め喰らうのが多いのなんの! 別に操作するペットショップが1人2人増えた所で都市の運営に問題は出ないけど、普通に面倒くさいんだよね。

 

「……手、離してくれる? 言っとくと私あんたのことキライだから。二度と関わんないで」

「あ……! 待って、待ってぇぇ!! 助けてよぉ!! 都市怖いのぉ!」

 

 何より都市の運営がこんなことするのは立場的にダメなのよ。

 資本主義において政府の関与はアウト。何がしかの不正になっちゃう。

 なので突き放しつつ、解体して市民に人肉食わす訳にもいかないので、役目を終えた連中は社会の一部として働かせる事にした。リソース勿体無いおばさんとは私のことだ!

 人に任せてる業務でここ手出ししたいなーってとこにシュー! 俺の捨て駒の完成だぜ!

 

「裏金…やっぱりあったか。まだ数年しか経ってないのに、もう手を汚してるのね…」

 

 そして調べたら案の定ヘイローシリーズが手を汚してた。

 まあ裏社会の連中を参考にした精神モデルだからね。大人の汚さ、卑怯さを見せる為にも必要とはいえ、限度って物はある。

 後継者関連から生産する事になったこの1079体のペットショップシリーズはそこら辺の浄化を行わせるとしよう。

 民間は兎も角、公共事業で中抜きをやられると困るんだ。消防、医療、警部、土木…そこら辺はしばらくの間監視を強化……場合によっては政府と民間から独立した監視機関として一部の人員を割いてもいいかもな。

 市民もヘイローもペットショップシリーズが俺の完全操作制とは知らないし、有りな選択だ。

 

 さて、子供達の卒業も第一期生から始まり、また動き始めた地下都市。

 ちょっとばかしそこに放たれた子供の性能発表をさせてくれ。

 

 最低限高校レベルの教育に簿記と実技の資格は持たせてあるぞ!

 いや、ペーストのおかげかどいつもやけに能力が高くてな? なんかここまで育っちゃった。

 それでもダメダメなのが居なかったのは…初期に脳外科やって脳の細胞補完したり異物退かしたりしたからかなーやっぱ! IPSとか頑張ってやった甲斐はあったぜ!

 

 だからがんばれー大分初期(4〜5年目)に産まれてた"12、3歳"の最年長卒業生20,495名諸君。

 理論上君たちは大人だ! 気張れ!

 

 新しい職場に馴染む所からスタート……いや、その前に話しかけられるかどうかか?

 

「あ…あの」

「あ"?」

「ひっ…な、なんでもありませんー!」

「……あ〜?」

 

 おー道が分からずにヘイローに話しかけて怯えてるな。やっぱちっちゃい子に人型兵器のバカでか連中は怖いか。

 でもそいつら、そもそも足元に居る子供に気付いてないぞ。キョロキョロしてるし。

 子供達は大きくても身長170なのに、アイツら最低でも190は行くからなぁ。

 平均身長250の巨人軍団なんだわ。

 だが、これでも小型化していると言わせて貰おう! 頑張りました!

 

「どう、いけそう?」

「むりむりむりむりむり!!! 怖い! 大きい! 怖い!」

「ヘイロー…先生に教えて貰ったけど…すごくこわいね…」

「で、大人達殺したって噂もあるってさ…やばくね? 俺ら死ぬくね?」

「かえりたい…わんちゃん…ふぇ…」

「泣くなよ…俺も泣きたいの我慢してるんだからさ…」

 

 腹筋バキバキなの多いし、美人でも怖いもんは怖いか…あ、これヘイローにとっても未知の相手か?

 下手したら踏み殺しそう…だけどまあいいかあ! よろしくなあ!

 助けには入るけど、数人死んでから考えるわ! だからいけよほら。元は同じ人間だろ?

 命だけは助けに入ってやる。安心して交流しに行け。

 

「おいゴラ」

「あなんだやんのかあ"ゝ"ん?」

「そこ…小っこいやつ居ねぇ?」

「あ"?…え、マジだかわいい〜! 私らの手のひらに乗るんじゃない?」

「ガキっつかさ、噂の卒業生だよね? マジやばくね? 話しかけに行けよ〜」

「えぇそっちが行けよ〜。なんかはじぃだろぉ?」

「恥とかなにそれナンパかっての! んじゃ同時にだ。やろうぜ」

「いいねぇ」

 

 うーん、いつも通り中身の影響が出てるな。女子の見た目と悪人の中身が見事に混ざってるわ。

 にしてもちっちゃいねぇ…否定は出来ん。

 

 ペーストの影響か大体の身体付きは15歳なんだけどな、一部は胎児の段階で浴びた放射線の影響か栄養不足の成長不良か。

 4〜10歳くらいのちっこい体型の子供達も居るんだよ。大体50%くらいか?

 原因あり過ぎて真相は不明。でもこれはもう俺の手の範囲超えてるからしょうがない。

 

「へいへいへい、そこのおチビちゃーん? こんな所で何してるのかなー?」

 

「「「「「「!?」」」」」」

 

「困ってること有ったら言ってみ? お姉ちゃん達ハジキ(ゲーム店)アメちゃん(甘味屋)も詳しいし、ここら辺ならだ〜いたいは案内出来るよ?」

「そうそう‭─‬‭─‬一緒に来んかったら分かるよなぁ"?」

(ナンパ失敗で私ら凹んじゃうの意)(2人とも立って話してるからすごく威圧的)

 

「「「「「「(あ、これから私達死ぬんだって顔)」」」」」」

 

 ま、早めに社会経験積めるだけ後続より有利と思えー。

 

 スタート時点で親がちゃんと資産を残した子と、俺の手弁当だけ渡された子で既に大きな差はありそうだけど、この様子だとあんまり影響は出ないだろ。

 数年都市を我が物顔で使ってたヘイローと比べたら誤差みたいな物。

 というか、本来ならここに肩ぶつけたら斬り殺すくらいのメンタルのヘイローを基準に想定してたんだから、全然優しくしてると俺は思うよ?

 

 異世界の生物の殺意的にそのくらいが妥当ってね!

 

 さてさて! そんな地下のささやかな交流会は置いといて、地上では日本地図を制覇し、近辺の海底と空中を一掃し、中華方面に行ってコテンパンの返り討ちにされていた。

 いやー…やっぱり強いね、異世界の連中って。もう俺らのこと学習しやがった。

 これでも異世界の不干渉性を利用した浮遊や情報体分解領域弾とか作ったんだけどねー。

 

 まさか重力操作が出来る亀が居るとはね。

 周囲を倍々にするしか出来ないんだけどこれがまあ強い。

 シンプルに100倍にされたら死ぬんだよね。やっべー奴!

 これまでもデカい、増える、残機、超反応超火力とか相手にして来たけど、こんな概念染みたのは初めてだ。なんだよ重力って。そんなのアリかよ!

 銃弾も重力で落ちるし、超高高高度から殺そうとしてもその前に感知されて落とされる。

 シンプルに強い。そんな生物である。

 

 あとはそうだな…奪還した領土の守りなんだが、これはある程度解決の兆しがある。

 といってもある程度の規模になると強者の縄張り扱いで雑魚共の侵入頻度が減るってだけなんだけど。

 おかげで安全の確保は出来た。しかしこれは一時的なものだろう。

 入らないと言うことは我々の存在を少なからず認知されているのと同じ。

 その内強者が挑みに来たり、共生を狙う連中が入り込む筈だ。

 生物は大抵狡猾だ。そういう連中が人に取り入り、生き残って来たのは人類史を見れば明白だろう。

 

「…! おいヘイロー! これメチャクチャ美味いぞ!」

「お?……うっわマジうまっ初めてうまっ!」

「林檎と梨とメロンが合体したみたいな…兎に角甘いのにスッキリしてて、なのに濃厚だ…!」

「結構実ってるぜ! みんなの分も取ろう!」

 

「「栽培…出来るかな」」

 

 例えばそう…"食料となって人類に増やさせ"たり。

 

『くぅ〜ん…』

「なんだお前…?」

『ハッハッハ!』

「昔飼ってたケンスケみたいだな…これ、食うか?」

『ワン! ワン!!  ワ‭─‬‭─‬』

 

『ごくん…ゲェ〜ッ』

 

 例えばそう…"かつての人類の友の姿に擬態"したり。

 

 カツン、カツン、カツン…。

 

「‭─‬‭─なんとも、招かれざる来客がここに来たのは初めてですね」

『woa…わた、わたし あなた なかよく』

「こんにちは、偽人類。言葉をどこで学んだか知りませんが……殺しますので御覚悟を」

 

 俺が操作したり自由意志で動いたり出来る「ブレス」の前に出てきたコイツのように、"人の文明を真似た"り。

 

 既に向こうは新たな一歩を歩み出した。

 どこからか集めた情報で、確かに我々を学び始めた。

 時間は有限で、未来は未知数だ。

 

 頑張れよー子供達。お前らの未来は、案外血に濡れてそうだぞ?

 

 






 もしも現状のゲーム的なログがある場合の両者の画面。

 人類側の画面。
 異世界側が「人類」を1段階学習しました。
 「緑星」が現れます。その廃退的な美味に従って服従して下さい。
 「ドッペル」が現れます。その友好的な擬態に騙されて捕食されてください。
 「異邦人」が現れます。その偽りの同胞に友好を結んでください。
 「████████」は未だ眠っています。
 「████████」は未だ気付いてません。
 「████████」は未だ成長中です。
 「████████」は未だ幼体です。
 異世界側の進化速度が上がります。

 異世界側の画面。
 人類が「魔奏」を開発させました。
 「異世界人」が完成します。その怨根に末代まで殺し尽くされて下さい。
 「魔奏銃」が完成します。その殺意に死を以って報いてください。
 「生物兵器:ヘイロー」が完成します。その悪意に欺かれてください。
 「人類価値存続都市:カサンドラ」の攻略難易度が上昇しました。
 「████████:10」は依然、正常にシフト中です。
 人類戦力の上昇速度が上がります。

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