悪役人外TS転生「ディストピアAI」   作:何処にでもある

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 一方本物カサンドラ歴380年頃、72%の大地をフリージアに占領されていた異世界の僻地で世界に干渉出来る生物が産まれ、逃げた上位種族達から救世主扱いされながらも、どうにか本物フリージアを倒せるパターンを模索していた。
 魔力転換によって「亀裂拡大」当時の2015年代の地球の生産?と、なんか適当に手を伸ばしたら手に入った10人の死にかけ人間の脳みそと脊髄と神経……通称「転生者」。

 それらを魔奏と一緒にこねこねして新たな可能性を探る「フリージアよわよわ」作戦、「味方フリージア創造」作戦の始動である。




#29 成長を続けましょう

 

 

 最近、人類が騒がしい。

 

 いや理由は分かってるんだ。遂に異世界の生物を皆殺しにして、異世界に繋がる亀裂を一つを残して消し去る事が出来た。

 そして地球の魔力を消し去る事を選び、その結果異世界人とヘイロー、その両方から反感を買っていることは、分かってるんだよ。

 

「……革命組織「スノードロップ」ねぇ…随分とまあ、バカ正直に名乗り出たね」

〈【反乱勢力は情報媒体によって成立と構成員が異なり‭─‬‭─‬】…政治的に統治者(コンダクター)か代表となり、フリージアの解体を行うのを望んでますからね。それなら表に出てこそでしょう〉

「だからです。ヘイローは全員で50万だけど、都市の人口は150万。それで「私達の為に死ね」と言ってるとくれば、まあ…バカでしょう?」

 

 だが、分かってても世の中手出しできないことは…ある!

 それが今回の件だ。ヘイローは武力として、異世界人はまだ人間の範疇。

 どちらも殺すには惜しい相手であり、使い倒すべき、守るべき相手だ。

 決して俺から消すなど、言語道断である。

 

 まあ最悪消す用意は出来てるけど。

 

「勝ち筋が無ければやらないこと…それも、碌なことじゃ無い。最近のヘイローは「人類の希望」から、あっという間に「爪弾き者」。それで席を取る? 暴力の世界で生きた奴がこの差を覆すなら、それは暴力以外に無いんですよ」

〈【ヘイローに似た存在は小説媒体で登場しており‭─‬‭─‬】…散々ですね。ヘイローから金を貰って生きている側の言うことじゃないと思いますけど〉

「そこはもう人類相手の商売に切り替え済み。前々からそっちの広告や勉強もさせてたのが役に立ちました」

〈エゲツナイですね…さすが社長〉

「あなた達を食べさせるためです。当然でしょう」

 

 しかしどうしようか、この政治組織。

 1番嫌なのは一斉蜂起なんだが、これはこれで後ろでヘイローをまとめて騙してる奴の気配がする。

 都市で不審な活動が見られない辺り、おそらく俺の目がない地上の何処か。

 同じく魔力がないと死ぬ異世界人かな? アイツら大人だしこのくらいやれるだろ。

 子供だって俺に預けず地上で育ててるんだ。街もある以上、アイツらからすれば地下都市と協力する理由はない。

 既に脅威は消え、魔力が出てくる亀裂も管理出来るようになった。

 総人口5,000人の街。地下都市が消えれば人類の文明は更に後退するだろうが、再出発する気なら寧ろ丁度いいだろう。

 

 ただ、ヘイローのエネルギー供給は出来ないようだ。出来てたらもっと暴力で来る。

 以上が1番可能性の高い仮説だが……うーん、異世界の知的生命体の干渉説は微妙だしな。

 一旦この線で物事進めておこう。先ずは隠れてる拠点探しだな。

 

〈社長はどうなると思います?〉

「政治的に仕掛けた以上、しばらく派手な動きはない。根本的にヘイローは攻めの兵器。市街戦や隠れ潜むのはボロが出ます。暴れるのは負けてからでしょう」

〈ですけど代表って確か必ず7人を選ぶんですよね。現状3人しか名乗り出てませんが、大丈夫なんですか?〉

「大丈夫ではないですね。足りなければ選挙不成立ですから」

〈ちょっと?〉

 

 メッチャ痛い所突くじゃん。

 そうなんだよなあそこも問題なんだよ。

 人数足りないと無理だって断れるけど、これで都市側が名乗りでないとそのまま過半数の席取られて終わるのよね。

 投票率が終わってても7人丁度なら全員採用となる訳で、それ以下は不成立という仕組みな訳だ。

 あ、流石に0票は弾かれるぞ! それOKだと後出し何でもありになるからな!

 

 でも俺は可能な限り何もしないよ!

 いざとなればそれっぽいペットショップを取り出すのも考えているけど、基本的には静観して見守る事を優先する。

 これも人類の価値の一つだからな。ヘイローって不純物は居るが、その後ろに異世界人がいるかも知れないなら静観以外に無いだろう!

 

「ですが問題ないかと。ルールはいつでもAI搭載の公共施設に聞けば確認出来ますし、ヘイローが不穏な事をしているのは事実です。危機感と自主性があれば、自然と数は出てくると思います」

〈そんな上手く行くかなー…【‭─‬‭─‬ので、脳と脊髄こそが転生者なのである】〉

 

 ま、フリージアのシステム的にそれ以外出来ないってのもあるけどね。

 地味に「人類の価値を保証」って役目から俺が反してるかなって思った事は出来ないのよ。

 そこは機械の宿命だな。フリージアを作ったらしい西寺博士以外どうにもならない。

 西寺博士の記憶を完璧に模倣したサイジー博士でもここは弄れなかったんだ。

 俺なんかではどうしようもないだろう。

 

〈…今更ですけど、一つ質問してもいいですか?〉

「はい、何でしょうか」

〈何で私を採用したんですか? こんなまともに喋れない人を入れなきゃいけない程、ここは困ってないと思うんですけど〉

「ああ、それですか」

 

 予言のコイツかあ。転生者な上にどこ由来か不明な情報垂れ流してるんだよな。

 始めこそ有益かな、これで色々情報集められたらいいなって思ってたんだけど……なんか、【あの口からは知っても意味のない情報が垂れ流されてる】っぽいんだよね。

 いや、コイツの語る原作とやらは面白そうな話ではあるのよ? 創作としては。

 

「喋れないのは有効活用出来ないという訳ではないので。実際、施術の腕はこの会社でも1番上手いでしょう?」

 

 転生者っぽいし、特典ならいい物だと思ってたんだよ。

 

 ぜーんぜんそんな事なかった。

 

 俺は機械だから後から記憶を消せるのを利用して、実験的に情報ありと情報なしで同じ物を作ったんだけどな?

 

 結果は【全く同じ構造の物を同じ時間で構築して、その上で情報ありの方が99.9%(これ以上の精密な計測を途中放棄)も性能が低かった】んだよ!

 

 分かるか? ガスコンロの火がマッチレベルに劣化してた時の俺の気持ちを!

 

「口を閉じ、勝手に走り書きされた文字を消し…そうすれば、あなたは誰よりも優秀です。変な魔奏ではありますが…まだ少数ですが、自然の魔奏使いが産まれて一世代ですから。自他対象問わずなんてのもあり得る話に過ぎませんよ」

 

 何言ってるか分からない? うん、俺もそう思う。

 だけどそうなるんだよ、こいつの特典由来の情報聞くと。

 何というか……エネルギーロスとしてどっかに消えてく感じ?

 確かに事実であり重要な情報に間違いないが、物を作る、先を見通して動く、運営する立場として【知らない方がいい結果になる未来知識】なんて邪魔でしかない。

 

 理解して直ぐにコイツ由来の知識を全て廃棄したね! あの時は!

 いやー酷いもんだ。ハズレ特典も良いところだった。ズルはやっぱダメだな! 俺が言えた義理じゃないけど!

 だからコイツの垂れ流す情報は汚染物として常にスルー、処分を行うプログラムを作成している。

 思い出しても黒塗りに塗りつぶされてるって寸法だ。いやー直ぐに種が割れて助かったぜ。

 

〈ご理解頂けて恐縮です。とても助かってます〉

「構いませんよ。魔奏仮称名《しくじり未来(バッドエンド)》……要素としては未来や知識の閲覧に強力な弱体化。今は使えなくても、自然に会得した魔奏は遺伝で強くなるみたいですから。生きることが投資みたいな物です」

〈……はい〉

 

 そういう方便でしかないけどな。魔奏じゃなくて特典な訳だし。

 ま、そこはクジを引いた本人が1番分かってるから良いだろ。

 世の中そういう事にした方がいいものは多いもんだ。

 

 さて、そんな訳でそろそろ、誰も知らない未来に夢を見る時間だ。

 いや何、最近の地上も異世界の連中を4体を残し、亀裂も一つだけ。

 魔力の消去施設も各地に設置を開始して、各地の破壊された建築物や自然環境も戻してる最中。

 俺もそろそろ異世界みたく別世界に行く方法や宇宙か何か行こうと考えててな?

 

 魔力消去のついでに、魔力の生産、及びそれを利用した宇宙開発を考えてるんだよ。

 

 なんでそんな事やろうとしてるかって?

 そりゃあお前、異世界人を旅立たせるなら宇宙の方がマシって結論になったからだよ。

 

 魔力はどんな物質にでも変換できる万能な性質がある。

 異世界とこの世界の法則の不干渉性を利用すれば、宇宙に飛び立つ様々な障害も無視出来る。

 惑星のテラフォーミングも簡単だし、宇宙船の生活も圧倒的に容易だ。

 

 何よりその船の自動操縦機能として俺が乗れば、簡単に異世界人に次元を渡る方法を研究させられる。

 地下なんて鼻で笑える孤立空間だ。支配なんて余裕だね!

 総人口こそ少なくなって研究は遅くなるが…機械の身体なら時間なんて幾らでもあるからな。

 ダチに会うならゆっくりでもこの方法が都合よく行ける訳だ。

 

 しかし異世界と繋げたまま移動するのはリスクがある。

 異世界には魔力と空気が幾らでもあるが、同じくらい危険生物も居るんだよ。

 なので魔力生産という訳だ。無理なら繋げながらの強行運航になるぞ!

 

 ただ、問題はそれだけ離れると流石の俺も通信出来ないってことなんだよな。

 可能なら全宇宙船を管理したいが、それをするなら異世界に通信の中継を置いてやる必要がある。

 それじゃあ魔力生産は不要ってなるし、現状1時間しか異世界を継続して観測出来てないから無理がある。

 

 だけどこのまま異世界人殺すよりは絶対マシなんだよな…地球は人類の手に戻り、異世界の痕跡は宇宙に渡る。

 そもそも半径10光年の空洞の世界とか、宇宙に比べたらちっぽけな大きさなんだよ。

 異世界の連中だってさ、態々先住民の居る地球じゃなくて他の惑星に接続されれば問題無かったんだよ。

 

 つまり異世界の生物達が居る空洞と地球が、必ず繋がる要因がある筈なんだよ。

 ロマンあるよな。それでこうなった身(地下都市の管理機構)としては勘弁してくれって話だけど。

 

 なので当面の目標としては、5千人の異世界人を宇宙は無理でも月に移住させること!

 亀裂はいつでも作れるからな。多分空気の心配はしなくていいだろ。

 宇宙で亀裂を作った場合の検証も兼ねて、代表選抜中ですが一月後には第一ロケット発射予定です!

 

 待ってろよーお月様!

 生活可能か検証する為にヘイローとペットショップを何人連れて行くからな!

 月面基地「オルガ」、作ってやるぜ!

 

 






 本物カサンドラ歴400年頃
 1000の複製?世界と転生者を観察してた異世界生物の努力に関係なく、「フリージア」、潜伏していた異世界上位生物に唆された人類によって滅びる。
 その結果人類は滅び、異世界に平和は戻り、救世出来ず主は日々の生存競争に追われ、自作した複製?地球と管理システムをポイ捨てした。

 捨てた衝撃で当時接続していた1000の世界との繋がりが消え、待機中だった600の内、588の複製?世界が転生者不在のまま動き出し、本物までは至らずに終了。システムも動作を終了させる。
 これにより「原作」と転生者に定義される事になる情報が蓄積されることに。
 そして600の世界の大半は3つの結末に収束され、殆どが同じ事の繰り返しだった。

 ????年後……偽カサンドラ歴0年、偶然が重なった結果捨てられたシステムの作動条件が成立し、No.0〜No.11を転生者入りで接続開始する。

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