悪役人外TS転生「ディストピアAI」   作:何処にでもある

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 本日2話更新なので8話の読み飛ばし注意。

 ふとした時にちょっぴりダウナーになりますよね。うっかり明日の分も一緒に投稿した時とか。




#9 現場猫が止まりません

 

 

「申し上げます! UG社から「火剣」と「マテリア」が融合した「融合蜂」の軍勢が脱走しました!」

[あなたは…サイジー博士の部下でしたね。それ、私の頭部以外が融合で持ってかれた時に言いますか? 普通]

「すみません! 何故かとても報告したい気持ちが!」

[……あ、もしかして蜂の精神と融合してる感じ? よく見ればあなた、蜂の羽が生えてますね…へー、融合したら精神にも影響出るんだ…]

 

 

 ◇◆7◇◆

 

 

「……ふむ、ハチその1の何にでも融合する性質で、武器にマテリアの電子変換の性質を付与しようとしたと。ハチが絶対に主軸になる点を除けば完璧な考えだったな」

「関心している所悪いが、緊急だ」

「あ、サイジー博士だ。どうした?」

「BL社が「性器が独立した生物になり、人を襲い始める感染病」の管理に失敗したらしい」

「なんて?」

「性器が独立した生物になり、人を襲い始める感染病」

「は?」

「感染経路が不明なのが致命的でな。何故か現場に行ってない私も感染し、既に性器を喪失した」

「襲うってどっち?」

「両方」

 

 …………… ██(処置済み)……ん?なんだ██(処置済み)こ、敵性ウイルスだ殺せ!!!!

 

 

 

 ……………よし、全滅したな? なんだったんだ…? あ、いやわかった認識経由ってやつだ。

 

「……………多分わかった。これ認識を経由して感染してる」

「その根拠は?」

「その話を聞いた瞬間データにそれっぽいウイルスが沸いた。倒せはしたけど…情報は?」

「…既に市民に避難指示を出した。情報は拡散済みだ」

「……っし。リセットするわ」

 

 

 ◇◆8◇◆

 

 

「…ん? データに欠けがある…マテリア同様、認識感染(ミーム)の病も持ってこれないって訳か、助かる〜」

 

 くそ…既に雲行きが怪しいぞこの賭け…二ヶ月も経たずにリセットさせて来やがる。

 やっぱやらない方がいいか? でも認識感染する存在が居るとわかったのはデカいし…よし。

 問題点の洗い出しなんて早々に済ませた方がいい。だけど毎回ループするのも無駄だ。

 研究には一定の安全基準を設けよう。勿論その為の人員と設備はこちら持ちでな。不正されたら本末転倒だ。

 人は…拡張工事と同じ要領だし、その時の人員をつかえばいいか。

 

「ミーム対策と物理的安全の担保…カサンドラに持ち帰る時に隔離施設に入れて様子を見よう。精神科医の先生も配属させて、その穴埋めは‭─‬‭─‬」

 

 100万人居る都市ってこういう時困らないのがいいよな! まあ時間が経てばそれら多数のノウハウが消え去ると思うが。

 

 さて、安全基準も作り終わった。それから三ヶ月経過しても…よし、問題ないな!

 安全基準ヨシ! 今日もご安全に!

 

 では企業達の成果を確認しようか。

 現状カサンドラの企業もぼちぼちと外部探索の研究をしている訳だが、先ほどのしくじり企業共と違い既に商品化や実用化まで漕ぎつけた奴が…5社もいる!

 …自分の物になると分かった途端人類が短期間で成果を出してくる現象ってなんて言うんだろうな?

 まあいい事だからヨシ! 早速確認していこう! 俺から見てきな臭くない順な!

 

 まず一社目はPPPP社。正式名称は長いので省略。

 手掛けているのはSP等の護衛や企業警察などの治安維持業務。

 持ち帰った物はハチその1と2こと「融合蜂」と「音操蜂」。

 二つの死体と「ミスリル」と「マテリア」を組み合わせる事で融合能力を振動で制御してみせたスゴイ連中だ。

 主な特許は「振動による融合制御方法」

 相手の靴や肌を地面とくっ付けて無害化したりするぞ!

 うん、お前それ建設業の方が向いてないか?

 

 二社目はSJ社。製鉄業や設計の会社だな。

 持ち帰ったのは熊と木の怪物「硬熱熊」と「煙樹」と「融合蜂」。

 こっちも2つの魔鉱合金を利用し、煙を自在に生み出し操れる様になる人体改造に成功した。

 ……お前製鉄業と設計だよな? なんで超能力…サイボーグ…いやサイバネか…に進んでるの? そこはガンダムみたいな人型ロボ造る流れじゃん。確かに人体工学のノウハウはあるだろうが、まさか人の身体その物を再設計するとは思わなかったぞ。というかその医術何処から来たの?

 主な特許は「異空存在由来の性質の異空合金への付与」及び「上記の人体移植施術」及び「融合蜂を利用した人体接着薬品」

 一番最初に成果を出しただけあって基礎部分を押さえたスゴイやつだ。後は時間経過による怪人化の問題点を克服すれば化けるだろうな。

 

 三社目はNEET社。配給より高品質な生活用品全般と食料を扱ってるぞ! 専用の農場を用意するなんて良くやるぜ! ニートの癖に!

 コイツは他より遠出して一つだけ持ち帰ったみたいでな、「極彩蝶」というプリズム色の蝶だ。

 彼らが言うにはこの蝶は人間でも飼育可能なくらい弱いみたいなんだ。

 そして、これから抽出した「色」は見た者に色に沿った「強烈な感情」を抱かせるらしい。

 俺には何も無かったけどな。

 主な特許は「認識に影響する色彩の安全な取扱」及び「上記の飼育と色の抽出方法」

 今は影響範囲が未知数だからこの絵の具で描かれた絵の美術展を展示させるだけに規制してる。

 入れる人員も俺が選んでるぞ。安全性が担保されたら少しずつ規制を緩めようと思う。

 でも俺は麻薬か何かの可能性は絶対捨てないからな? にぃぃい!(麻薬への最大限の威嚇)

 

 四社目はGY社。コイツは他より小規模だが、ラジオを中心に情報・メディアを展開している。社員2名の個人経営の情報屋、GYだって正式名称は芸名。一応会社扱いだから通達した奴だ。

 クソ度胸で俺に頼んで防護服作らせて、それ着て現地取材しに行ったんだよな。頭可笑しい奴!

 でも社長が米◯玄師に似てる方が気になっちゃうからいいや。試しにLemon歌って貰ったらまるで本物だったけどまあ異世界だしな。気のせいだろ。本人に歌作ってます? って聞いたら昔ニコニコでハチって名前で活動してましたって言ってたし。最後に作ったのは羅刹に骸? とか何とかだってさ。

 持って帰ったのは「不凍樹の実」。地上に生えてる異世界の果樹の実だ。「煙樹」と比べたら無害もいい所だな! けど記念に隠して持ち帰ろうとしたのはダメだぞ!

 特許はこっちで進めた一つだけ。「カサンドラ内部での不凍樹の栽培」だ。

 開拓使と仲良くなるのは良いけど、利益がないとお前の経営が破綻するからな。こっちは人類の存続の為に一人一人の生活の維持もしなくちゃいけないんだよ。浪漫は分かるが頼むからそっちも考えくれよな!

 あ、因みにその後「Utopia」なんて曲を特許とかのお礼に貰ったぞ。

 初めての市民からのプレゼントかあ…中身に現状の不満とか混ざってるけど、初めてだしな。曲は良いし大事にしよ。へへ、思ったより嬉しいな!

 

 五社目は丫社。分野は傭兵と宗教団体だ。あ、略称じゃないぞ。1文字しかない会社名なんだ。

 普段は異世界の怪物を崇めてるカルトなんだが、コイツら空飛ぶ透明で細長い奴もとい「龍」を持ち帰ってきたんだよ。

 権利は平等だから権利だ。手順に従ってたのでそのまま通したが、なんかきな臭い。

 特許も頑なに取らないし、表に出さない。どうやってかコチラの監視外で研究してる節もある。

 俺からすればグレー。しかし黒ではない。黒ではないならそのまま見守るのが管理AIというもの。二回のガサ入れも問題なかったしな。

 要注意団体として動向を見ていくことにしよう。

 

 これで以上だな。初期にしては随分と面白企業が集まったものである。

 君達今まで何処に隠れてたの? って言いたくなるくらい個性的だ。

 ミスリルとマテリアが大活躍なのも嬉しい点だな。これ創るのに何年も必要だったからさ。

 

「………そして存外…」

「…おや、どうした? フリージア」

「いや…人類は案外自分を大切にしないんだなって考えただけだ」

 

 おっと、独り言をサイジー博士に聞かれちまったな。これは失礼。

 

「悩みか? 相談になら幾らでも乗るぞ」

「あー…まあ、ちょっとした事なんだがな。俺が頑張って維持してる人類の純粋さを、市民は一切気にせず汚してるのが気に掛かったんだ」

「例えるなら部屋の片付けをしない子供を見る母か?」

「……限りなく近いかもだ。女々しい話だがその通り」

「仕方ないことだな。人は肉体より個人の意思を重視しがちだ。酒を飲むと身体に悪いのに、連日飲む感覚でやってるに過ぎない。…ああ、お菓子に置き換えてもいいか? どの道気にするだけ疲れるだけだぞ」

「そうか……そういうもんかぁ。だが、その疲れる事を代わりにやるのがAIで、俺の役目なんだよな……うん、その筈なんだがなあ?」

 

 にしても怪物どもの性質を身体や道具に取り入れる…か。

 それをしていざ日常を送るとき、突如として自分を殺しに来るとは思わないのだろうか。

 いや、実際に体験しなければ分からないだけか?

 俺も怪物共に何回も壊されて思い知った訳だし、そういうものかも知れない。

 

「まだ引っ掛かる事があるのか?」

「俺製のAI以外、仕事してなくない?」

「肉体も無く、思考も複雑な事は任せられないからな。フリージアのコピーなら兎も角、そうでなければお喋りか絵を描くかだろう。まだまだ子供で、遊んで楽しむ時期だ」

「つまり人間の大人くらい上等なものを再現するにはまだまだか…先は長いな」

 

 可能なら人間以上の機械も利用して管理したいんだよなー…死んでも替えが利くんだし。

 最終的には最強のロボ軍団で異世界の連中を皆殺しにして、この役目を終わらせて青春を送ることなんだが。

 前世じゃ‭─‬‭─‬やめよう。ダチと下校してたら地震で死んだとか、話しても怠いだけだ。

 

 だから青春目指してやっていこう! この身体食う寝るセッ!が全部やれないしな!

 

 今は‭─‬‭─‬悪だくみを進めていこうか。

 

 






 彼が前世で死んだ少し後……。

ダチ(両脚部破損)「ふう…死ぬかと思いましたが生き残りました! それでは人助けクエスト開始です!」

 その後、ダチ君は匍匐前進しながら生き埋めを3名救助したのだった(天下無双)。

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