続 時空を超えて   作:ぴょんぴょん店長

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スマルの部隊は退却し、コンガのカメリル陸軍陣地はロボットに占領された、どうなる、ボントの街?


第5章 3話

 スマルたちは、陸軍陣地を放棄して退却した。多くのロボットが陸軍陣地に集まっていて、こちらに追っては来ない。

 ロボットを電気のあるところ、街に近づけるわけにはいかない。ロボットと対峙するところに陣を張る方がいいのだが、物資の供給の問題もある。スマルは、ボントの街の近くまで退却することにした。

 

 ボントの街の近くまで戻ってみると、草原にテントの集落がある。 スマルは部隊にテントの集落の手前で塹壕を掘るように指示し、1人の部下にボントの領事館へ現状報告に行かせて、テントの集落の周りにいる兵に尋ねた。

 「以前は何もなかったところに、これらのテント、どういうことかね?」

 「コンガ人のテントです。」

 「コンガ人?カメリルに連れて行ったのではなかったの?」

 スマルはコンガ人をカメリルで重用して格段に進んでいる科学技術を学べば、カメリルの科学技術が発展すると思っていたのだ。

 「いいえ、全員、ここに住んでいます。」

 「わかった。代表の老人のテントはどれだ。」

 スマルは地下集落でコンガ共和国のことを教えてもらった老人のテントに向かった。

 

 コンガの老人とスマルは再会の挨拶をしてから、スマルが尋ねた。

 「こんなところで難民のような扱いを受けて、不便ではないですか?」

 「いえいえ、安心して生活できるだけで有難い。好きなところを農地にしていいというのだから、働き甲斐があります。」

 「そうですか。実は・・・・・」とスマルは、ロボットが陣地まで侵攻してきた状況を話した。

 しばらく沈黙を保って考え込んでいた老人が口を開いた。

 

 「事態は深刻ですね。手に組み込まれていた人工知能のプログラムだけは創ることができないと思っていたのですが、AIロボット、そこまで進化したのですか。陣地にロボットが集まっていたというのは、ちょっと不味い。陣地の近くに我々のいた地下集落がありましたよね。」

 「そうですが、どういうことです?」とスマル。

 「我々が地下に住めなくなったのは、ライトや電気製品が寿命で使えなくなり、予備も使い切ってしまったからで、電気がなくなったわけではないのです。製品さえ持ち込めば住むことができるのです。ロボットか亜人が地下集落を発見して、充電器を持ち込めば、ロボットも蓄電池もそこで充電できる。」

 「それは、困ったことになりましたね。地下都市よりも近くなる。」とスマル。

 「そうです。いくら蓄電池を背負っているからといって、地下都市ルマナからではここは遠すぎる。だけど、我々の居た地下集落からだと・・・・まだまだ遠いと思いますが。」と老人。

 「確かに。すぐにやって来るとは思いませんが、エネルギーをつなぐ方法を見出さないとも限りません。ボントの街まで占領されたら、世界が滅ぶかも知れない。」

 

 ・・・・・・・・・・

 

 トーベと戦っているカメリル軍の陣地に、砲弾や弾薬などの物資が届いた。戦車や自走砲の性能は、トーベ軍もカメリル軍も同じものであるから同じである。イマト中尉の部隊は、これまでの戦いから、トレツを簡単に攻撃できると思っていた。それほど、戦車隊の技量の差があった。

 

 カメリル軍の戦車がトレツの街を攻撃すべく侵攻していく。戦車の砲の射程内に入れば、一斉に攻撃すべく、横一列になって。

 トレツにはトーベ軍の援軍としてガーゴ軍が待ち構えていた。

 

 ドカーン ドカーン

 カメリル軍の戦車が爆発する。驚いたのはイマト中尉の部隊、全て命中する、トーベにこのようなロケット弾があったのかと。

 ガーゴ軍のロケット砲の攻撃である。10基のロケット砲で、敵の戦車や自走砲をすべて破壊してしまった。

 

 ガーゴ軍の戦車と自走砲がトレツの街から出てくる。もう攻撃してくるものはない。トラックや陣地をことごとく砲撃する。なすすべを失ったカメリル軍は退却する以外になかった。

 

 ・・・・・・・・・・

 

 集落に着いて、セイルは驚きの連続であった。急に異世界にタイムスリップしたような光景、藁ぶきの木造建築、しかも平屋、そんな家ばかり。そして住んでいるのは熊耳、猫耳の亜人ばかり。

 たまりかねて、「こんなところにあなたの家があるの?」と尋ねた。

 三木は「そうだよ。」と答えて、電気もガスもないことを話した。

 (これが二ホン、何とおくれたところ、こんな国にカメリルは苦戦しているのか。)

 

 三木はセイルを連れて、ハリーの家へ行った。

 

 ハリーもまたコリーと同じようにセイルをジロジロ眺めて、「誰だ、この娘は?」と尋ねた。

 

 三木は、カメリルでのいきさつを説明し、セイルが日本人である事を話した。そして、ここに尋ねてきた目的を言った。

 「ハリーさんには、日本に私の両親の交通事故のことを調べるように依頼していただきたいのです。」

 

 三木はもう日本の職員ではないので、自分で調べたりはできないが、ハリーならできると思っていた。日本政府がハリーのいうことを無視できないことを三木は知っていた。

 「交通事故の何を調べるのかね?」

 「私以外に助かった人がいたのかを。」

 「それなら調べているよ。いたよ。」

 「えっ、どういうことですか。」

 

 「なあに、あなたが初めてここにきて家族のことなどを伺った時、確認のためにね。あなた以外には弟さんが助かっています。あなたと弟さんは双子の兄弟ということも分かっています。」

 「どうして、それを今まで。」と三木が追及する。

 「あなたを悲しませたくなかったからです。日本が移転したという日に航空機でドバイに向かっていたというところまで、日本の警察に調べてもらっていました。過去に置き去りになったようだと報告を受けています。あなたは弟の存在さえも知らなかったのだから、何も知らなければ悲しむこともない。」

 

 「・・・・・・・」三木は黙って、カメリルから持ち帰った封筒の中の和紙をハリーに見せた。

 ハリーはそれを見て、驚愕の眼でセイルをマジマジと眺めた。

 和紙には毛筆で未来託次 聖羅 長女聖瑠 と記されていた。

 

 黙って三木とハリーのやり取りを聞いていたセイルは日本語が分からなくても、ハリーの表情から事の重大さを察知した。

 「何なのですか?説明してください。」と三木に尋ねた。

 「あなたが私の弟の子供であったということですよ。」




三木が日本で確認したかったこと、セイルが三木の弟の子であることが明らかになった。どうするセイル?
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