フォースはいつでもエーテルと共に   作:光明面と暗黒面ってルビ無しで読めないよね

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第24話 フォースは板挟みになる

「ブレイズウッドだったっけ?落ち合う場所」

 

「そうそう。昔はチーズで有名な飲食店があったみたいだけど今は寂れちゃったよくある郊外の町らしいよ」

 

「ふーん、チーズか……」

 

「帰ったらチーズケーキでも焼く?うぎゅっ!?」

 

 軽口を挟んだらお腹を締め上げられたザイン・スカイウォーカーです。現在ホロウをいくつも突っ切ってカリュドーンの子と合流する予定の町、ブレイズウッドへバイクをひた走らせております。というかサイドカーか何かつければよかった。エレンさんどころか同年代の女子とこれだけ密着した経験はないのでいろいろやわこいところが当たって死にたくなっております。あとで切腹でもするか。まさか完成したライトセーバーで一番に斬るのが自分になるとは思わなんだ。

 

「何考えてんの?汗ヤバイよ。熱いのはわかるけどさ。やっぱソレ脱いだら?」

 

「いや、帰ったらサイドカー作るか拾ってこようかなと。意外と長時間コレツライ」

 

「ふーん、あっそ。まあちゃんと座れるなら私もそっちがいいし。でもコッチも嫌いじゃない。それに」

 

「それに?」

 

「こんだけくっつくのはボスかアンタくらいだよ。ボスはもふもふだし、アンタはなんかひんやりしてるし」

 

 殺し文句かなにかか?とエレンさんが耳元で呟いた言葉に思わず顔に熱が集まってしまう。ひんやりしている、っていうのは多分フォースのオーラ的な話というかそういうのだとするけど男はこういうアンタだけ特別っていう言葉には弱いんだよ知ってるエレンさん?知らないよねサラっと言えちゃうんだから。

 

「ハイこちらオーダーですご用件をどうぞ?」

 

『オーダーですの!?今ちょっと緊急事態が起きているんですわ!パエトーンとビリーを乗せたトラックがホロウに落ちましたの!』

 

「了解、近かったら救助に向かう。どこかわかる?」

 

『この地点ですわ!正直胡散臭いですが一応確認を頼みますわ!』

 

「プロキシってなんかトラブルが尽きないね」

 

「俺は人のこと言えないなあ。ちょっと乱暴になるから全力で掴まってて。尻尾も注意ね」

 

「うん、わかった」

 

 仕事用の端末が着信を鳴らしたのでハンズフリーで出てみれば相手はルーシーさんだった。かなり慌てた様子の彼女はそれでも簡潔な状況を説明してくれたので理解しやすくて助かる。しかし、パエトーンの二人がホロウに落ちたのか……!まずいな、二人は確かエーテル適応体質じゃない上に侵食に弱いと聞いた。

 

 幸い示された座標はここから近い、ブレイズウッドに向かう途中にあるホロウか。エレンさんにトラブル発生と促すと彼女は俺の腰に回した手をより強くしてついでに後ろの流していた尻尾も俺の腰に巻き付けた。便利だなシートベルトみたいで、と思いつつ俺はフォースも使って運転をする。エンジンを思いっきり吹かしてスタントのような運転でホロウ内に突っ込んでいった。

 

 中にいるのはビリーさんとアキラさんだけか!リンさんの方はどうだか知らないけどホロウの規模も小さいしすぐに見つけられた!フォースで道路上のあらゆるものをどかして一本道を作り上げて最速最短で駆ける!さぁ見つけたぞ!

 

「エレンさんっ!」

 

「任せて!」

 

 エレンさんはシリオンらしい高い身体能力を生かして高速のバイクからジャンプで飛び降り空中で鋏を展開して着地点にいた大型のエーテリアスに突っ込んでいく。俺もバイクを蹴っ飛ばして飛び降り、フォースでの空中ジャンプを使って空から地面へ突っ込んでいく、新しく作り直したライトセーバーを袖口から起動して。

 

 聞きなれたブォォンという音とともにエネルギーの刃が伸びる。聞きなれてはいるけど見慣れてない形と色の刃だけど。なんだったらグリップも握り慣れていない。白紫の刃は円柱状だった今までのものとは違い直剣のような形状になっている。グリップも四角いしね。

 

 振るえば手応えなくエーテリアスの体に滑り込むように入り込んで切り裂いていく。抵抗を感じ取っていた今までとは違う。手応えがなさ過ぎて斬れたかどうかもわかんないくらい。切れ味というか内包するエネルギー量がすさまじいんだろうな。グリップを操作すると半分サイズまでセーバーの刃が縮む。さらにジェダイ・ローブの裾を振るうと同じものが6本落ちてきてフォースで宙を浮かびエーテリアスの残りに襲い掛かっていく。

 

 フォースの導きに従って作ったセーバーの数は8本である。いやグリーヴァス将軍じゃないんでこんなに操れないと思ったらフォースで浮かせばいいやと思い至ったのだ。飛剣は雲嶽山でも使う人間は使う武器だったし。瞬光とか。それであんなにでかいカイバークリスタル見つけさせたんだなって。

 

 結晶を使えるサイズまで割って削り一つのセーバーに使用したのは5つ、エネルギー収束用に3つの長さ変更に2つの大盤振る舞い。何層織り込んだかわからない合金製の柄に新型のパワーセル、極めつけには……!

 

「はぁっ!!!」

 

 斬撃が飛んで銃を落としたビリーさんを襲おうとしたエーテリアスを両断する。雅さんの斬撃飛ばしは武器が特別だからできるものだと思っていたんだけどそうでもないらしい。俺は素だとできなかったんだけど、このライトセーバーならできるようになった。

 

 お師匠様が言ってた話、使っているカイバークリスタルにはフォースどころかエーテルも巻き込んで収束していると。危ないから取り上げていい?とも言われたけどそれは断固拒否したんだけどね。話を戻すと雅さんの斬撃飛ばしはエーテルを斬撃で飛ばす技術だ。じゃあ、フォースで巻き込まれて収束しているエーテルを撃ち放てるのでは?とやってみたらできた。他の武器じゃ無理だったので恐らくこのセーバー限定なんだけど。

 

 最後に思いっきりフォースを込めて両手に持つセーバーをライトニングを纏わせてさらに威力を底上げする。最後に残したデカブツに両手で同時に十文字を送り付けてやった。落雷のごとくライトニングが奔りエーテルの塵になったエーテリアスが立ったまま消えていった。

 

「なんかアンタ、また強くなってない?どうなってんの?」

 

「武器変えただけで俺自身そこまで変わった覚えはないけどね。おいっすアキラさん、ビリーさん。無事?」

 

「オーダー……それにエレン!?どうしたってここに……?」

 

「おお!オーダーのあんちゃんにメイドの嬢ちゃんか!助かったぜ!」

 

「詳しい話はあと……ってもう来たのか」

 

 袖口にライトセーバーを戻して浮かしていた6本のセーバーもフォースでジェダイ・ローブの中に仕舞う。フォースで自立させていたバイクもこっちに動かしてと。そういえばこんなにいくつもフォースを同時に使えたっけな俺。最近出力も同時操作の数も増えた気がする。

 

 俺たちより幾分遅れたのかバイクの音が鳴り響き上から3輪のバイクとマフラーが特徴的なバイクだ。シーザーさんとライトさんだな。彼女らは降りてきた瞬間周りを警戒するもののもうすでに終わってしまったことを察して肩の力を抜いた。

 

「んだよもう終わっちまったのか~~。あん?こいつがパエトーンだなビリの字?」

 

「そうだぜ!店長、こいつらが今回引き合わせたいって話してたカリュドーンの子だ!シーザーのアネゴにライトだな!」

 

「あー、とりあえずでないか?たぶんそろそろ……アキラさんがやばい」

 

 俺がそう言うとほとんど同時にアキラさんがふっと意識を失った。侵食に弱いとは聞いていたけどここまでとは思わなかった。出会った瞬間からフォースでエーテルを遮断していたのにもかかわらず今まで暴露したエーテルだけで侵食が短期間で進んでいっている。倒れた瞬間に体内のエーテルを散らしたから命に別状はないだろうけどホロウ内に置いておく理由もない。

 

 慌てるシーザーさんとビリーさんを落ち着かせてビリーさんのトラックにある抗侵食薬を投与したのちにエレンさんに一緒に乗ってもらい俺たちの先導でホロウを抜ける。ブレイズウッドについたらなぜか外にあるソファにシーザーさんがアキラさんを寝かした。あとはまぁ、起きるのを待つばかりかな。

 

「ナニコレ?プロキシ死んでないでしょ」

 

「カリュドーンの子の儀式か悪ノリじゃないかな。郊外の文化だったり?」

 

「趣味悪いね」

 

 容赦ないなぁエレンさん、と思いつつ目の前で起こる茶番を眺める。シーザーさんの仕切りでなぜかアキラさんの葬式の手配がカリュドーンの子の中で進んでいった。棺はライトさんが担ぎ、パイパーさんが霊柩車を運転しそしてバーニスさんが灰にする、と。できるのが怖いところで冗談だと言って欲しい。

 

 茶番は終わりですわ!との声と共に乱入した釘バット。シーザーさんは手持ちの盾で防いだが場を引き締めてくれる人が来たのはありがたい。ルーシーさんはブチギレながらも場を取りまとめていく。あらかた怒り切ったあたりでアキラさんも目を覚ました。おお、良かった良かった。まぁ目が覚めるのはわかってたけど安心するよね。

 

「はぁ……皆様ザインさんを見習……って……?」

 

「おい、どうしたルーシー。怒りすぎて血管でも切れたか?」

 

「お黙りなさいシーザーサラダ。あの、ザインさん。隣にいるメイドは……どなた?」

 

「え?あー、彼女はね」

 

「初めましてー。ご主人サマがお世話になってますー。専属メイドのエレン・ジョーでーす」

 

 ちょっとエレンさん!?と死ぬほど棒読みだけど明らかに挑発と違う意味を込めて俺の腕に抱き着いたエレンさんに動揺しまくってしまった。何余計なことしてるの!?とエレンさんを見るも彼女の表情は『私の勝ち』という顔しかしていない。やめていただけませんか!?と思うけど振り払うこともできないのでされるがままである。

 

「っ……!!!いつか絶対奪ってやりますわ……!」

 

「嫌だよ、渡さない。どーしてもってんなら転入でもしたら?」

 

「俺が何をしたってんだ……!!」

 

「ハハ、両手に花だな。羨ましいぜオーダー」

 

 じゃあ変わってくれませんかねライトさんや。という顔をしてみるもグラサンで隠されて何も言えなくなった。なーんかこの状況見たことある。ちょっと前にアキラさんがニコさんとアンビーさんに挟まれて腕を引っ張られてた構図に酷似してる!ええい話を戻せ!エレンさんもいつまでも体を密着させない!女の子でしょ!よくないよこういうの!

 

 幸いリンさんとビリーさんが車で乱入してくれたことでこの何よりもひどい修羅場のような光景は消えうせてくれたがエレンさんがこんなことをするのが初めてすぎて何にも言えなかった。いきなりどうしたとかそんな感じ。

 

 そんでそこからいろいろ説明、ツール・ド・インフェルノの話から始まりパールマンの話に入ってシーザーさんが初手で隠していた手札をぶちまけたせいで完全に計画がおじゃんになってぐだぐだになっている。パエトーンの二人はパールマンの身柄を確保したいから協力しないって選択肢はなさそうだけど。

 

「そういえば、ザインはなんで郊外にいるの?エレンもそうなんだけど」

 

「俺は郊外に作業場があってね、セーバーの作り直しにこっち来てたところをカリュドーンの子と知り合ったんだ。見た通りセーバーはもう作り直したけど彼女らから仕事を受けてね」

 

「私はヴィクトリア家政が夏季休暇だから転がり込んだだけ。まぁ適当に手伝って帰るよ」

 

 リンさんが両手でそれぞれ俺とエレンさんを指してそんなことを言うので一応何でここにいるのかを説明しておく。なるほどと頷くリンさんがにやりと悪い顔をしつつエレンさんを見る。やめてよ再燃するようなことしたらめんどくさいんだからさ。俺が何をしたって言ってるじゃんか。

 

「まぁ、実際にツール・ド・インフェルノに参加するわけじゃないし観光半分ってところかな。ただ、準備段階じゃ手伝うつもりでいるよ」

 

「ありがたい話ですわ。シーザーが断ったと聞いたときは心臓が止まるかと思いましたもの。覇者の矜持も結構ですが現実問題利用できるものは利用しないとカラカラですわよ」

 

「やかましいなあ。お前の言ってることは最もだけどよ、俺たちの問題に何人外部のやつらを挟めば気が済むんだよ。俺ら自身で解決すべき問題を他人に投げすぎるなって言ってるだけだろ」

 

「四の五の言ってられる余裕がないからやってんですわ!」

 

 相変わらず仲がいいんだか悪いんだか、と勝手に懐からエナジーバーを取り出していくエレンさんに苦笑いしつつ俺はそのやり取りを眺める。あとは準備さえしてしまえば一気に話が進むはずだ。プルクラの情報を待ちつつなんとかやっていこうか。




 虚狩る戎具と化したライトセーバー君の登場です。8本セットでフォースがついてきてお得ですね。長さ調節可能なセーバー、当然スプリットです。色はメイス・ウィンドウの紫に白を混ぜたイメージでしょうか。形状自体は瞬光が普通フォームで持ってるような直剣で大丈夫。雲嶽山の影響をフォースが勘案しました。
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