山神滝での激闘を終え、一行が次に向かったのは団々坂にある古刹、正天寺だ。
そこには現世の騒乱などどこ吹く風といった、静謐な空気が流れていた。線香の香りが微かに漂い、境内の隅では和尚がのんびりと竹箒を動かしている。
「おや、こんにちは。元気な若者ですな」
和尚は腰をさすりながら、人の良そうな笑みを景太に向けた。そのあまりに日常的な光景に、景太は一瞬、ここが悪魔たちの潜伏先だということを忘れそうになる。
だが、次の瞬間。左腕の悪魔ウォッチが、耳を劈くような高周波の警告音を鳴らした。
アラ「――来ますよ、ケータくん! 幕開けのブザーです!」
アラスターが楽しげにステッキを宙に躍らせる。
突如として、正天寺の本堂の屋根を突き破らんばかりの勢いで、眩いばかりの「白」が降臨した。
「ガアァァァッ!!」
凄まじい風圧と共に着地したのは、雪のように白い毛並みに、稲妻のような黒い模様を刻んだ巨大な虎。その瞳は蒼に輝き、四肢には鋼をも断ち切る鋭い爪が備わっている。
ビャッコ「オレサマ、『聖獣ビャッコ』! 貴様等ヲ待ッテイタゾ!!」
地響きのような咆哮が境内に轟く。その威圧感は、先ほどのゲンブとはまた違う、鋭利な刃物のような殺気を孕んでいた。
しかし、これほどの怪物が目の前に現れたというのに、和尚は相変わらずマイペースに落ち葉を掃いている。
和尚「おやおや? なんだか急に風が強くなりましたな。あそこに何かあるのかね、坊や」
和尚の視線は、明らかにビャッコがいる方向を向いている。だが、その瞳には巨大な虎の姿は映っていないようだった。
景(やっぱり、普通の人には見えてないんだ……!)
景太は焦燥に駆られた。もしここでビャッコが暴れれば、何も見えない和尚は逃げることすらできず、巻き添えになってしまう。
景「和尚さん、下がって! ここは危ないんだ!」
景太は和尚を庇うようにして前に躍り出た。
その背後で、アラスターは「おやおや」と片眼鏡を光らせ、ピクシーは呆れたように肩をすくめる。
景太の右腕はまだゲンブとの戦いの傷が疼いていたが、それでも彼は悪魔ウォッチのレンズを力強く押し込んだ。
景「行くよ、みんな! このお寺を守るんだ!」
ヌエとアイトワラスが、景太の意思に呼応して実体化し、ビャッコと対峙する。
緊迫した空気が境内に張り詰め、一触即発の事態となった。
ビャッコ「問答無用! オレサマノ爪ノ錆ニシテヤルワァッ!!」
聖獣の咆哮が、静かな寺院の静寂を完全に切り裂いた。
正天寺の境内に、凄まじい緊張感が走る。
巨大な白い虎、ビャッコが放つ殺気は、空気そのものを切り刻むかのように鋭い。景太はすぐさま悪魔ウォッチの解析を試みた。
景「ピクシー! アイツの情報、わかる!?」
ピク「任せなさい! 得意魔法は『雷電』。だけど、その身の軽さが災いして『衝撃魔法』には弱いはずよ!」
ピクシーの言葉を聞き、景太はすぐさま悪魔ウォッチのメダルに手をかけた。ゲンブ戦での疲労が残るヌエやアイトワラスを一度戻し、新たな戦力を出すべきだと判断したからだ。だが、それを制するようにピクシーが前に躍り出た。
ピク「待ちなさいケータ。アタシ達は引き続き、このまま戦闘に参加するわよ」
景太「でも、みんなさっきの戦いで……!」
ピク「悪魔をなめるんじゃないわよ。アタシ達はあんた達人間みたいに脆弱じゃないの」
ピクシーはふわりと宙を舞い、鋭い視線でビャッコを射抜く。その隣では、アイトワラスがニヤリと不敵に笑い、ヌエが低く唸り声を上げて闘志を剥き出しにしていた。
ピク「そんな脆弱な人間が、命を懸けてまでアタシ達を守る覚悟を見せたんだもの。ここで退いたら悪魔の名折れよ。だからアンタは、その呑気な和尚を守ることに徹して、アタシ達に守られてなさい」
最後に、ピクシーは悪戯っぽく微笑んで景太にウインクを飛ばした。その言葉には、契約主への忠誠心以上の、熱い信頼が宿っていた。その姿に呼応するように、アラスターがノイズ混じりの笑い声を上げた。
アラ「素晴らしい覚悟! では、お言葉に甘えまして。私とケータくんは和尚さんの警護を担当しましょう。ですが……戦力は多い方が盛り上がりますよね?」
ピク「オーケーよ!」
景太は頷き、最も信頼を寄せる「相棒」のメダルをセットした。
景「分かった……頼むぞ! 俺の友達! 出てこい、『ハヤタロウ』!」
召喚の光と共に、聖獣ハヤタロウが凛々しい姿で現れた。彼は状況を一瞬で察し、低い姿勢で牙を剥く。
ハヤタ「事情は知った。ケータの覚悟、某もこの命に代えて応えよう!」
戦闘開始:神速の攻防
ビャ「キサマラ、マトメテ噛ミ殺シテヤルワァッ!!」
ビャッコが吼えた。その巨体が白い稲妻となって爆発的な加速を見せる。
ビャ「『狂イかみつき』!!」
ビャッコの顎が、不吉な紫色のオーラを纏ってピクシーへと迫る。その牙に触れれば、毒や混乱、魅了といった精神汚染が魂を侵食する。だが、その牙が届く寸前、ハヤタロウがその場に割り込んだ。
ハヤタ「“某を見よ”!」
ハヤタロウが放った威圧的な咆哮が、ビャッコの注意を強制的に自身へと引きつける。ハヤタロウの身体能力が極限まで引き上がり、その身に纏う残像が二重三重に重なった。
ガキィィィィンッ!!
ビャッコの牙がハヤタロウを捉えたかに見えたが、それはただの残像だった。ハヤタロウは紙一重の回避を繰り返し、ビャッコの猛攻を完全にいなしてみせる。
ピク「今よ! アンタ、いくわよ!」
ピクシーが叫ぶ。彼女はアラスターの側にいたことで、その魔力が共鳴し、一時的に底上げされていた。彼女の小さな掌に、暴風が凝縮される。
ピク「アタシだって、ただ食っちゃ寝してたわけじゃないんだからね! これを喰らいなさい! 『ザンマ』!!」
ピクシーが放った中級衝撃魔法は、巨大な真空の刃となってビャッコの横腹を切り裂いた。弱点を突かれたビャッコが、苦悶の声を上げて体勢を崩す。
ビャ「ギ、ギガァァッ!? オレサマノ身体ガ……ッ!」
そこへ、アイトワラスが黒炎を纏いながら突っ込む。
アイト「ヒャッハー! 燃えカスになりやがれ!」
アイトワラスが炎の尾を燃やし、同時にヌエが超高速の火炎魔法の連撃を放つ。
ヌエ「ギシャァァァ!」
ヌエの『アクセルブロー』が、ビャッコの顔面に幾度も炸裂した。さらにヌエはその鋭い牙をビャッコの肩に突き立てる。
「『丸かじり』!!」
ビャッコの生命力を直接奪い取り、自らの傷を癒していくヌエ。ピクシーの風、ハヤタロウの盾、そして二体の猛攻。連携の取れた悪魔たちの波状攻撃に、さしもの聖獣ビャッコも防戦一方に追い込まれていった。
景太は和尚の前に立ち、迫り来る魔圧から彼を守りながら、目の前の激闘を必死に見守っていた。悪魔たちが、自分のために、そしてお互いのために戦っている。その絆のような何かが、正天寺の境内で確かに形を成し始めていた。
境内の空気は、もはや静謐な寺のそれとはかけ離れていた。火花散る電撃の残滓と、アイトワラスが撒き散らした熱風が混ざり合い、視界が歪むほどの熱気が渦巻いている。
追い詰められたビャッコの黄金の瞳が、狂気的な光を放ちながら景太と和尚に向けられた。
ビャ「オノレ……ナラバ、ソノ小僧ト坊主ヲ守ッテミロ!! キサマラガ盾ニナラヌトイウノナラ、ソノ脆弱ナ命ゴト灰ニシテヤルワァッ!!」
ビャッコが天を仰いで咆哮する。その四肢から溢れ出した白銀の雷光が、巨大な龍の形を成して天へと昇り、一気に景太たちを目掛けて急降下した。
ビャ「“雷龍撃”ッ!!」
激しい放電と共に放たれた落雷の直撃。景太は咄嗟に和尚の前に立ちふさがり、衝撃に備えて目を強く瞑った。だが、数秒経っても訪れるはずの激痛も、焼き焦げるような熱もやってこない。
恐る恐る目を開けると、そこには景太を守るように立ちふさがる二つの背中があった。
聖獣ハヤタロウと、妖獣ヌエだ。
景「……え?」
ピク「問題ないわ。心配して損したわね」
宙に浮くピクシーが、余裕たっぷりに髪を指で弄りながら鼻で笑った。
ピク「そこの二体を見てなさい。ハヤタロウは霊力による守護、そしてヌエはもともと雷を司る獣。その程度の雷電、彼らにとってはそよ風以下……無効化するなんて朝飯前なのよ!」
ピクシーの言葉通り、雷龍に直撃されたはずの二体は、煤一つ付いていない姿で平然と立っていた。ハヤタロウの毛並みは神々しく逆立ち、ヌエはむしろその雷を喰らったかのように活力を漲らせている。
ハヤタ「さて……次は、こちらの番だな」
ハヤタロウの低い声が、反撃の合図となった。
それに呼応し、四体の悪魔が同時に動いた。
まず動いたのはハヤタロウだ。彼は再びビャッコの懐へと飛び込み、「某を見よ!」と言わんばかりの圧倒的な存在感でビャッコの注意を釘付けにする。
激昂したビャッコが鋭い爪を振るうが、回避率を極限まで高めたハヤタロウは、まるで霧のようにその攻撃をすり抜け、反撃の隙を作り出した。
ハヤタ「ハァッ!!」
ピクシーが両手を広げ、真空の刃を練り上げる。
ピク「ザンマ!!」
凝縮された衝撃波がビャッコの脚部を正確に射抜き、聖獣の巨体が大きくよろめいた。そこへ、上空からアイトワラスが急降下する。
アイト「ヒャッハー! これでお別れだぜ、大猫ちゃん!!」
アイトワラスが自身の魔力を全て炎に変換し、巨大な球体となってビャッコへ撃ち出された。
アイト「カゲロウシュート!!」
爆炎がビャッコの背中に直撃し、白い毛並みが黒く焼き焦げる。さらにその爆煙の中から、影のようにヌエが飛び出した。ヌエはビャッコの首筋に深々と牙を立てる。
ヌエ「丸かじり!!」
ビャッコの生命力がヌエへと吸い取られ、その力はさらに増幅されていく。弱点である衝撃を受け、炎に焼かれ、さらに気力を吸い尽くされたビャッコには、もはや反撃の余力は残されていなかった。
景「トドメだ、ハヤタロウ!!」
景太が叫ぶ。ハヤタロウがその全身に神聖な霊光を纏い、一閃の光と化した。
ハヤタ「絶・閃光斬裂牙!!」
ハヤタロウの牙が、ビャッコの喉元を光速で斬り裂いた。
ビャッコ「グ……ガ……アァッ!! オレサマガ……マサカ、ニンゲンノ分際デ……ッ!!」
断末魔の叫びと共に、ビャッコの巨体が大きくぐらついた。そして……。
ズズゥゥゥゥーン……!!
重々しい音を立てて、白い巨躯が境内の石畳に倒れ伏した。巻き上がった土煙が静かに収まっていく中、景太の足元にはビャッコの悪魔メダルが転がっていた。
土煙が静かに沈み、境内の石畳に静寂が戻る。倒れ伏したビャッコが起き上がらないことを願いながら景太は肩で息をしながら見守っていた。
だが、その沈黙を破ったのは、意外な人物ののんびりとした声だった。
和尚「ホッホッホ。見事だったぞお前たち。
……それで、この少年たちはどうだったかね? 『ビャッコ』」
景太の背筋に冷たいものが走る。驚きに目を見開き、ゆっくりと振り返った先には、相変わらず竹箒を手にした和尚が、穏やかな、しかし全てを見透かしたような慈愛に満ちた瞳でこちらを見ていた。
景「!?」
その問いかけに応じるようにビャッコはゆっくりと、しかしどこか清々しさを感じさせる足取りで起き上がった。
ビャッコ「……フン、不覚ダッタ。アア、見事ダッタゾ。マサカ、コノ年デ若造ニ遅レヲ取ルトハ思ワナカッタガナ」
ビャッコの蒼の瞳には、もはや先ほどまでの狂気的な殺気はない。そこにあるのは、自分を追い詰めた少年と、彼に従った悪魔たちへの純粋な敬意だった。
アラスターが、口角をこれ以上ないほど釣り上げ、片眼鏡をキラリと光らせる。
アラ「ニャハハ……! やはり、最初から見えてらしたんですねぇ」
和尚「ホッホ。坊さんってのは、昔からそういったもの――目に見えぬ理との付き合いが深いですからの。まぁ、妖怪ばかりで悪魔というのは滅多にないがのぅ。正直、最初にビャッコを見た時は、この老い先短い身でも腰を抜かしそうになったわい」
和尚は愉快そうに笑いながら、カカカと喉を鳴らした。そして、その視線をアラスターへと向ける。
和尚「無論。……お前さんの『正体』も、前々から知っておったぞ。地獄を揺るがすラジオの怪、といったところかの?」
アラ「おやおや、それは実に光栄ですね! 辺境の放送局が、このような由緒あるお寺の耳にまで届いていたとは」
アラスターは面白くて堪らないといった風に笑い出す。正体を知られてなお、この悪魔は恐れるどころか、この状況そのものをエンターテインメントとして楽しんでいた。
和尚は再び景太に向き直ると、その節くれ立った手で景太の頭を優しく撫でた。
和尚「しかし、驚いたのはお前さんの方じゃ、ケータと言ったかの?……悪魔という、本来は契約と利害でしか繋がらぬ気難しい連中の実力を、ここまで引き出させるとは。恐れ入ったわい」
景「……え、俺はただ……」
和尚「いや、それが一番難しいのじゃよ。お前さんのその『信じ、大切にする気持ち』。それが、本来は混じり合わぬ彼らの魂を一つに束ねた。彼らが自分たちの誇りをかけてお前さんを守ろうとしたのは、お前さんが先に、彼らを一人の『友達』として心に受け入れたからに他ならん」
和尚の言葉に、ピクシーは照れ隠しにそっぽを向き、ハヤタロウは静かに首を垂れ、ヌエとアイトワラスもどこか満足げに鼻を鳴らした。
和尚「その想い、どんなに年をとっても忘れてはならぬぞ。心が曇れば、彼らもまた影へと戻ってしまう。お前さんが太陽で在り続ける限り、彼らは最強の守護者となるじゃろう」
景「……うん! 絶対忘れないよ、和尚さん!」
景太は力強く頷いた。手の中にあるビャッコのメダルが、微かに、そして温かく拍動しているのを感じた。
和尚は再び箒を動かし始め、何事もなかったかのように境内の落ち葉を掃き始めた。
和尚「さて、修行はこれでおしまいかな。次の場所へ行くんじゃろう? 励みなされ。この街の『平和』という名の舞台を守れるのは、お前さんたちだけかもしれんからな」
景太達が次はさくら中央シティの「海岸」を目指そうとすると、ビャッコが景太達に謝罪した。
ビャ「……小僧、イヤ、ケータヨ。幾ラ貴殿等ヲ見定メル為ノ試練トハイエ、本気デ危害ヲ加エヨウトシタ事、謝罪スル。我ガ矜持ニ懸ケテ、少々熱クナリスギタヨウダ」
その声には、先ほどまでの荒々しさは微塵もなかった。己の力をぶつけ合った末に生まれた、武人としての純粋な敬意が籠もっている。
景「えっ、謝罪なんていいよ! 俺の方は全然気にしてないからさ。それより、ビャッコの悪魔メダルが手に入ったことの方がずっと嬉しいんだ。だから、もうクヨクヨするのは無し!」
景太は屈託のない笑顔で、ウォッチのメダルポケットを軽く叩いた。その様子に、隣を歩いていたアラスターが、ラジオの混線したような笑い声を漏らす。
アラ「ニャハハハ! 聖獣ビャッコを相手に『クヨクヨするな』なんて言えるのは、この広い世界でも貴方くらいなものですよ。ケータくん、随分と肝が据わってきましたねぇ……あるいは、恐怖のネジが一本外れてしまったのでしょうか?」
ピク「ただの考えなしなだけでしょ、こいつは。……ったく、危機感って言葉を辞書で引いてきなさいよね」
ピクシーは呆れたように大きな溜息をつき、空中でくるりと一回転した。
一行はそのまま、潮の香りが微かに混じり始めた風に背中を押されるようにして、正天寺から消えていった。
一方、主を失ったはずの正天寺の境内は、再び元の静謐を取り戻していた。
和尚は変わらず竹箒を動かしていたが、その視線はふと、景太たちが去っていった山門へと向けられた。
和尚「ホッホッホ……面白い奴らだったのう」
ビャ「アア……左様ダナ。此処マデ悪魔ト親睦ヲ深メタ者ヲ見タノハ、我ガ長イ生ノ中デモ初メテダ。彼ノ小僧ノ魂ハ、毒ト光ガ奇妙ニ混ザリ合ッテイル。ダカラコソ、アノ『ラジオの悪魔』モ目ヲ離セナイノダロウ」
ビャッコの言葉に、和尚は深く頷いた。
和尚「じゃが……もう一人の子。あの『妖怪ウォッチ』を授かった使い手の子が、もし彼と出会ってしまったら、一体どうなることかのう」
和尚の脳裏には、別の光に導かれた少女の姿が浮かんでいた。正義感に溢れ、妖怪たちと絆を紡ぐもう一つの運命。
和尚「……いや、先のことをワシのような隠居が考えたって意味はないか。この街の、そして世界の行く末は、彼らの『選択』に委ねることにしよう」
ビャッコは最後に一度だけ山門の方を見詰め、満足そうに鼻を鳴らすと、そのまま静かに大気の中へと溶けて消えた。
和尚は何事もなかったかのように、再びシャッ、シャッ、と乾いた音を立てて掃除を再開した。
夕暮れの鐘が遠くで鳴り響く。それは、平和な日常の終わりを告げる弔鐘か、あるいは新たな伝説の幕開けを祝うファンファーレか。
和尚の掃き出した落ち葉の山が、静かに風に舞っていた。
きょうの悪魔大辞典。
アラ「ケータくん。今日の悪魔は?」
景「『聖獣ビャッコ』」
アラ「四神の中でも最長のビャッコ。昔の中国では虎こそが百獣の王で、ビャッコはその頂点に立つ存在とされており、五行思想の金の司る神様です」
景「そうなんだ…」
アラ「ケータくん。「最近、包丁の切れ味が悪くなってきたから研いでもらおう」なんてさすがに無粋ですよ」
景「!」ギク!
ピク「あんたね…相手神様なのよ」
ピクシーは菓子の袋を開けようとするが中々あかない…。ハサミ使っても中々あかない…。
ピク「……」
アラ「ピクシー」
ピク「!?べ、別に切れ味上げてもらおうなんて考えてないわよ!」
アラ「貴女も相当図太くなりましたね」