この話は時系列的に言えばパヴァーヌ一章が終わった辺りです
それと誤字報告ありがとうございます
いきなりですが、俺は今水辺が見える森の中に居ます
そんで右手側には目から木の生えた謎の人型生物
左手側には上裸のちょんまげゴリラとピンク髪の黒い制服に赤のパーカーがつけられた物を着ている人が見えますね
そんでどちらも呪力を纏わせながら俺の方見てます……
『……クソッタレ』
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とある日、エンジニア部から『凄いものができたからなるべく急いで来てくれ』との連絡を受け、再びミレニアムサイエンススクールに足を運んでいた先生と鹿紫雲。見慣れた廊下を歩いていき目指すはエンジニア部の部室
「凄いものって言ってたけど、何なんですかね」
“見てからのお楽しみ……ってことじゃない?”
「そりゃ期待値MAXっすね〜」
時々向こうからくるミレニアムの生徒に挨拶をしながら、先生と何があるのかを予想していく。軽量化に成功した先生用スーパーノヴァ2号だとか、反重力機構だとか……あのエンジニア部だから、何でも作れそうという謎の期待があるからロマンを語り合ううちにテンションが上がってくる。
しばらく歩いていくと、近未来風な扉に「エンジニア部部室」と手書きで書かれた木の看板がかけられている部屋につく。先生が3回ノックをすれば中から出てきたのは白石ウタハ、俺の游雲だったり秘密♡の製作者で尊敬と賞賛に値する人だ。
「やあ先生と鹿紫雲くん、待っていたよ」
「おっすウタハ、はよその凄いもんっての見せやがれ」
“ハジメ、口悪いよ”
「見せやがれください」
“違うそうじゃない”
そんなコントを前にしたウタハは「言われなくてもちゃんと見せるよ」と軽く受け流して中へ案内する。足を踏み入れた先で見たのは広い部室内のど真ん中にデカく丸いガラスで囲まれた機械。そこの近くには一年生の猫塚ヒビキがスパナでネジの固定をしている最中だった
俺たちに気づくとヒビキは額に流れる汗を手で拭って近寄ってくる
「遅いよ、先生達」
“ごめんねヒビキ、ハジメがさ〜”
「サラッと嘘を教えるな無免許教師、アンタがめちゃくちゃ寝坊したからだろうが」
“免許あるからね!?それに、ちゃんと私を起こしてくれなかったハジメにも問題があるんじゃないの?”
「ねぇわドブカス、生殖機能無くすぞ」
“ヒェッ”
こめかみに青筋を浮かべながらそう言った鹿紫雲を本気だと本能的に感じ取った先生は股を抑えて距離をとる。しかし鹿紫雲はまるでアリクイの威嚇のように両手を上にあげてからジリジリと近づいていく
まさに一触即発の雰囲気、ヒビキはそれを呆れた目で見て、ウタハはそれを気にしないかのように目の前の大きな機械の説明をし始めた
「おほん、この機械は4ヶ月分のエンジニア部の予算を全てつぎ込んで作成したタイムマシーンさ!」
「“タイムマシーンだと(だって)!?”」
さっきの雰囲気はどこへやら、タイムマシーンという単語を聞いた瞬間同時に同じことを言うと目の色を変えウタハを見るバカ二人。説明しようとした瞬間、奥の方から説明しましょう!と声を出してドタドタと近づいてきたのはこれまた一年生の豊見コトリ
「このタイムマシーンは未来には行けませんが、過去に行くことが出来ます!その期間なんと100年!好きなお菓子が作られた経緯や自分の親がどんな感じで付き合い始めたのか等まで見れちゃいます!」
「最後要らんなぁ、見たくないわそんなの」
“……ちょっと気になるかも”
「先生……?」
誰が自分の親の付き合った経緯なんて見たがるんですか??ましてやあんなの……いや、ちょっと気になるかも
深く思考の海に沈んでいたからか、目の前を見るといつの間にか説明を終えていたコトリがウタハと協力して先生に謎の器具を付けて機械の中にある椅子に座らせていた。先生の手には謎の黒い仮面があったがあれはなんだろうか
そう思っている間に外に出てきたウタハがスイッチを入れると機械は眩い光を発した。あまりの眩しさに目を瞑り、少ししてから目を開けると機械の中に先生はいなかった
「……成功のよう、だね」
「待てやおい、もしかして人でするのは初めてだったのかお前」
「あぁ、何回か小さなぬいぐるみでしたが安全だ……と思うよ」
「何やってんだお前ェ!!!」
先生が入った後から言われたあまりの衝撃の告白にウタハの胸ぐらをつかみそうになったが、機械がブーンと音を鳴らし始めたことに気づく。再び機械の方を見ると、またまた部室内を包むほどの光を発した。それが収まると何処か興奮したように体を揺らしている先生……?が黒い画面をつけた状態で座っていた
「あ、無事だったか……先生、だよな?」
『……?あぁごめんごめん、これ外してなかった”
そう言って黒い画面を外すと、ちゃんと先生とハッキリ認識できるようになった。これはなんだとウタハに聞いてみれば、その横にいたコトリが遮って説明し始めた
「それは認識阻害仮面!光の屈折などを利用して相手から自分の姿を認識しにくくすることが出来る仮面です!過去に行った時に過去の人に会ってしまって何か起こるとマズイので付けさせたんです!ちゃーんと、ボイチェン機能は付けてますよ!」
……私には苦痛しかありません。それ以上の……
頭の中にどこか見覚えのある人物が浮かんできたが、すぐさまそれを消す。それはダメだ、アカンやつ。
先生は椅子から立ち上がると軽く伸びをして機械の中から出てくる。その顔はまるで青春を見た先生のようだった。あ、今は先生か
「結構短かったが、良いの見れたか?」
“見れた……え?10分ぐらい居たように感じれたけど…”
「……おや、時間の流れがこちらと違うのか。これは凄い発見だね」
そう言った先生にウタハが反応する。過去に行ってる間はこちらの時間はあまり進まないようだ、恐らくは六十分の一程。ウタハはウンウンと頷きながら小さなメモ帳に書き込んでいった
「よし、次は俺か?」
「ああ、早く入ってくれたまえ」
「言われなくても入るよ。あ、先生その仮面よこせ」
“はい、どうぞ”
先生から渡された黒い仮面を付けてから、機械の中の椅子に座る。仮面は顔全体を覆っているが視界には何も問題はなく、いわゆる「マジックミラー」と同じ構造になっていた
ウタハとコトリがさっきと同じように俺の体になんかよく分からん器具を付けていく。付けられている側は意外とくすぐったかった
「それじゃ!過去の旅へ行ってらっしゃーい!」
「行ってきまー」
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──東堂side──
『……クソッタレ』
虎杖が黒閃を出した直後、森の中から莫大な呪力を感じたと思えば……!
「(なんだあいつは……姿がまるで認識できん……!)」
声も男か女か分からない声。虎杖も現れたヤツに気づいて俺に聞いてくる。が、俺にも分からない。あれが何者なのか……この状況から推測するに敵……!
<夏油が呼んだ呪詛師でしょうか、丁度良かったです。この男たちを倒すのを手伝ってください>
目の前の呪霊がヤツにそう聞いた。相手でさえも把握していないのか……?だが本当に敵だとしたらマズイ、あいつの感じから戦闘力でいえば特級!このままでは俺たちに勝算は無いだろう…
「東堂……アイツ、なんかやべぇ……」
「虎杖も感じるか……戦闘力でいえば特級、そして恐らくあいつも黒閃を経験している」
「マジ!?」
「呪力の流れが自然すぎる。一回以上は確実だろう」
「……あんなのが敵…」
あの虎杖でさえも、何もせずただ突っ立っているアイツを見ただけで恐れている。ここは逃げを──
『お前、呪霊か?』
<そうです、私は花御。夏油に教えられてないのですか?>
『あぁ。かわりに──』
そう言った直後、たった地面を一蹴りであの花御とやらに近づいた。速すぎる、俺でもギリギリ目で追えたレベルの速さ。何をする気かと思えばその瞬間、呪霊の体が木をなぎ倒しながら後ろへと吹き飛んでいった
『俺は、呪霊は敵だって教えられてんだよ』
味方……!!
「……とりあえずは、味方のようだな」
隣にいる虎杖にそう聞いたが返事が来ない。不思議に思い隣見ると姿が無く、代わりにあの者の近くへと移動していた
「アンタ!味方って事でいいんだよな?」
『おう、まあ俺がいるからには大船に乗った気でいなよ』
「サンキュー!俺は虎杖悠仁!呪術高専の1年生!よろしく!」
「虎杖!?」
あまりにも警戒心が無さすぎるだろう!?だが、それも虎杖の良いところだな。
『よろしく、俺は……あー、ローランだ。まあ偽名だけどそれで呼んでくれ』
「了解!」
「助太刀感謝する」
感謝の言葉を述べ、移動していた虎杖の隣に立つ。コイツに聞きたいことがあるしな
『そっちのでかいヤツは?』
「東堂葵だ。そしてローラン、お前に聞きたいことがある……」
「どんな女がタイプだ!!男でもいいぞ!!」
「えっ今!?」
俺がそう聞くと仮面越しに……恐らく顎の所に手を当ててじっくりと考えるローラン。回答次第ではコイツを……
『……胸としりの小さい女性かなー』
殺──
『詳しく言うなら、胸は絶壁という訳ではなくて少しある程度。AだったりB-が俺のどタイプだな。そんでウェストも細い子が良い、細いにも種類があって少しプニッてしてる子や鍛えていて細い子があるが、俺は少しだけ腹筋が縦に割れている子が好きだ。そしてしりは安産型で柔らかいのが一番だ。小さい子と言ったが、しりの大きい子でも俺はタイプだぞ』
「……良い心を持っているようだな、お前とはいい友人になれそうだ」
今まで会った中で、ここまで自身の性癖の詳細を伝えてきた者はいなかった。それほど自分の性癖に誇りを持ち、自信を持っている素晴らしい心を持つ男……!俺とタイプが違うがそんなのはどうでもいい!
「ちなみに俺は……」
「ケツとタッパのでかい子がタイプです!」
「あ、俺もー」
新しい友と虎杖と共に吹き飛ばされた呪霊がいる方向を見て構える。今の俺たちならなんでも出来そうだ
<……厄介な男が乱入してきましたね>
そこから呪霊がなぎ倒された木を避けながら歩いてくる。先程と違うのは今まで隠されていた左腕を覆う布が無くなり、体とは対称的な色の左腕が見えることだ
<貴方達は、多少本気を出した方がよさそうだ>
「「「!」」」
地面から大量の木が生え、俺たちを襲う。だがそれぞれ空中に跳ぶ事で避けたがその影響で近くの建物の屋根付近まで上がってしまった
「なんつー攻撃範囲!!」
「ビビるな!!その分強度と速度は遅い!!」
『悠仁!!後ろ!!』
急いで後ろを見ると、木の中を移動してきた呪霊があの伏黒に付いていた虫を飛ばそうと構えていた。ローランの声により気づいた虎杖と俺がそれを避けると直ぐさま近づき殴る。ローランは姿勢を低くし腹に蹴りをいれていた
「東堂!!ローラン!!もっとタイミングを合わせよう!!」
「あぁ!!」
『おう!!』
虎杖の言葉に応え、再び近づこうとしたその瞬間、足場であった大量の木が消えた。足場を失った俺たちは重力にしたがいそのまま下へと落ちていく
<大地の有難みを知るといい>
『俺は大丈夫だ!!』
あの呪霊の足場の木から3本の木が出され、体を貫かんと迫ってくる
「「ブラザー!!」」
ローランの言葉を信じ、虎杖と足を合わせて共に蹴ることで避ける。念の為ローランの方を見ると無事に避けれたようだ。しかし、空を蹴ったように見えたのは気のせいだろうか
そのまま地面へと降り立ち、その後を続くように前に降りてきた呪霊へと走る。呪霊は術式で生成した花を集め投げてくる。一瞬、戦意が削がれたせいで地面から生えてきた木を避けることができずに当たってしまい、口の端から血が垂れた
『大丈夫かお前ら!!』
「無問題!!」
「大丈夫だ!!」
咄嗟に花を避けていたローランから心配の声がかかる。それを大丈夫だと返して呪霊の方を見ると、何やら様子がおかしい。まるで、この戦いを楽しんでるように見えた。このままではジリ貧……なら
「虎杖!!ローラン!!」
「俺の術式を解禁する!!」
「前使ってなかった?」
本当は1話で終わるつもりだったんですけどね……長くなっちゃったから2話構成です
次回は鹿紫雲目線でやる予定です
ユメパイは救いますか?
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当たり前だよなぁ?(救う)
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ホシノは曇らせとけ(救わない)