透き通る世界に響く雷鳴   作:おやおや、おやおやおやおや

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話を一から考えてない分、かなり楽だったけど普通に疲れた……


とある2月19日の記録(終)

 

 

 そうして問題の2月19日の午後、風紀委員会の5名がD.U.地区に足を運んでいた。ヒナは何か疑いをかけている様子で、他のメンバーは内心慌てていた

 

「それで、何の用事なの?言われるがままにD.U.まで来たけど……」

 

「い、委員長……その……」

 

「実は……」

 

「……山海経の玄武商会から、連絡をもらってさ」

 

「山海経?玄武商会?」

 

「つまり……学園間の交流会なの?そういうのは、私たちの仕事じゃないのよ?」

 

「あー……違う違う、そうじゃなくて」

 

「えー……玄武商会にいる俺の友人から、連絡もらってさ。今日、一緒にD.U.地区で遊ぶ約束をしたんだよ」

 

「玄武商会の友人……?」

 

「……前々から思ってたけど、交流持ちすぎじゃないかしら」

 

「まあ別にいいでしょ、友人なんて何人いてもいいんだからさ。あれよ、友達百人できるかなってやつ」

 

「トリニティ、アビドス、ミレニアムに続いて山海経まで……全部の学園に友人を持つ気なの?」

 

「まあそうなったらいいなって感じ」

 

「少し無理矢理感がありますが、その調子ですよハジメさん……!」

 

「一言余計だが任せとけ、アコ」

 

「……?どうしたの?」

 

「いや、なんでも。早く行こうか」

 

─────

 

──

 

「お、みんな待ってたよ!」

 

「……久しぶりだね、()()()?」

 

「おう、久しぶりだなルミ。元気してたか?」

 

「そりゃもちろん!体調が悪くなった時なんて片手で数えるぐらいしかないよ」

 

「健康すぎだろ」

 

 初対面である朱城ルミの初っ端から下の名前呼びというアドリブに対し、焦ることも間を開けることもなく本当の友人のように答えた鹿紫雲。そうして少しだけ話をしている傍らで、ヒナは相手の事を観察していた

 

 

「(この人たちは……玄武商会の会長とマネージャーと、玄龍門の執行部長……あの小柄な生徒は……)」

 

 

「お、男の人だ……。その、ハジメさん……お話は会長から聞きました……」

 

「前々から聞く噂は本当だったのか……。ゲヘナの風紀委い……ではなく、友よ!私は近衛ミナだ。それと、こちらは……」

 

 近衛ミナの自己紹介が終わり、横に座っていた小柄な生徒へと視線が集まる。少し際どい……というか、だいぶ際どい服を着ている生徒が瞑っていた目を開け、風紀委員会の面々を見据える

 

「竜華キサキじゃ。このような場……肩書きを名乗るのは無粋かの」

 

「本題に入る前に……すまぬが、香を焚かせてくれ」

 

 そして机の前に移動し、どこから取り出したか分からない壺らしき物を置くと、そこから香の香りが部屋いっぱいに充満する

 

「ん?不思議な香りだな……」

 

「ええ、なんだか気持ちが落ち着くような……」

 

 

「(竜華キサキ……間違いない。山海経の生徒会長「黒い門主」とも呼ばれる玄龍門の門主……!)」

 

「(……まあ、ハジメの事だし、友人関係でも別におかしくはないわね)」

 

 

「ハジメ、せっかくみんな集まってるんだし、もう隠しごとはいいんじゃない?事の経緯はあたしが説明するからさ。ね?キサキ」

 

「ああ、其方なら任せられる。特に、こういう場においてはな」

 

「して、ゲヘナの友人たちよ。妾のことは気軽に「キサキ」と呼んでくれ」

 

「あ、ええと……私も「ヒナ」でいいわ……」

 

─────────

 

「つまるところ、誤配が起きたというわけじゃな。双方の荷物が行き違ったが故のこと」

 

「ミナも、風紀委員会も、お互い最善を尽くしたようじゃが……運命の悪戯とは、これを指すのやもしれぬ」

 

「ふむ──そろそろ本題に移ろうかの」

 

 そうして、キサキの横に置かれていた「空崎ヒナ委員長より、心を込めて」と書かれた紙が貼ってあるケーキの箱を取り出すと机に置いた

 

「ほれ、これが……風紀委員会に本来届くはずだったケーキじゃ」

 

 それを受け取りヒナに渡すと、今度はヒナが受け取り先が「山海経高級中学校の玄龍門」と書かれているケーキの箱と取り出すと机に置いた

 

「……ありがとう。はい、これがあなたのケーキ」

 

「なんだかこうしているとプレゼント交換会のようね。ふふっ……なんだか不思議な体験だわ」

 

 上品に笑うヒナの後に、山海経の面々と一緒に話し合っていく。内容は主に今日の主役でもあるキサキとヒナの事であった

 

「まさか私たちの誕生日が同じだったなんて」

 

「365分の1……歳まで同じとなると、珍しくはあるさな。縁とは、本当に不思議なものじゃ」

 

「ええ……そうね。今日は特別な日になりそう。ありがとう、みんな」

 

「それほどでも〜」

 

「はぁ……一時はどうなることかと思いましたが……」

 

「無事ケーキをお届けできたこと、嬉しく思います」

 

「最初から協力していれば、大事にならずに済んだんですけどね……」

 

「まぁまぁ、結果オーライなんじゃない?」

 

「それじゃキサキ、ヒナ。はい、これはあたしから」

 

「また随分な量を作ってきたものじゃな……。皆で食べても余りあるのではないか?」

 

 ルミが袋から取り出し、机に置いたのは大量の料理。誕生日を祝って作ったのだが、興が乗って作りすぎてしまったとの事。まあ鹿紫雲なら全部食えそうだが

 

「ケーキを食べるまで、満腹にならぬようにせねばな」

 

「余るようなら、持って帰ればいいわ」

 

「ふふ、それもそうさな」

 

 

 

「ここだけ見ると旧友って感じがしていいね」

 

「私たちもですが、今日会ったばかりなんですけどね」

 

「それでは改めて……ヒナ委員長!キサキ門主!お誕生日おめでとうございます!」

 

「おめでとうございます!門主様、委員長」

 

「うん、ありがとう」

 

「山海経とゲヘナの交流会──否、「私的」な集まりか」

 

「今後もまた……非公式でも良い、せめて此度のように……。一歩ずつでも交流の輪を広げ、より見識を深めていきたいものじゃな」

 

 目を瞑り、どこか感慨深くそう言ったキサキ。何か反応しようかと思っていた面々だが、ミナが疑問に思っていたことを口に出した事でその考えは払拭された

 

「ところで……どうして玄武商会名義の予約で誕生日パーティを?しかもカラオケで……?」

 

「会長たっての希望です」

 

「やっぱり誕生日パーティはカラオケでしょ!」

 

「そうなのか……?

 

「そう言われると、なんかそんな気もしてくるな……」

 

……そうかも」

 

 去年の誕生日パーティでは風紀委員会の本部でやってもらった鹿紫雲だから、こういったのはあまり知らず、イオリの発言に優柔不断にかる程には知らなかった

 そんな中でもルミは元気を絶やさず、マイクを持って立ち上がる

 

「ほらほらっ、誰から始める?誰もやらないなら……あたしから歌っちゃうね!」

 

 こうしてしばらく歌を歌っていると、カラオケの部屋のドアが勢いよく開かれる

 

“私が呼ばれて来たァ!!”

 

「せ、先生……!?」

 

「先生……!?」

 

“誕生日おめでとう!ヒナ!キサキ!これプレゼント!”

 

「あ、ありがとう……」

 

「すまぬな……わざわざプレゼントまで…」

 

“いーのいーの!せっかくの誕生日なんだからさ!”

 

「と、というか……どうして先生がここに……?」

 

「俺が呼んだんだよ。ヒナとキサキの誕生日にいい思いをして欲しいって思ってね、それと合法的に先生が休めるから」

 

“最後の何!?え、私最近はちゃんと寝てるんだけど!”

 

「……念の為聞いておくけど、何時間?」

 

“一時間”

 

「ほらな?もう壊れてるんじゃないかって思うレベルだよ」

 

“そんな……私そんなに酷く見えるの!?”

 

「はい」

 

「目の隈が酷いです」

 

「私が言えたことじゃないけど……ちゃんと休んだ方がいいわよ」

 

「そんなことになるまで働いたら、いつか倒れますよ?」

 

「ちゃんと休むことも、強さに繋がるぞ先生」

 

「其方の生徒を想う気持ちは分かるが休むべきじゃぞ」

 

“(´・ω・`)ソンナァ”

 

 生徒からの正論の数々をぶつけられた先生だが、何徹か数え切れないほど徹夜をした、ほぼ深夜テンションである先生のメンタルはこの程度では打ち砕かれなかった

 

“ま、まあ、じゃあ責任を持ってこの冷えた雰囲気を盛り上げちゃおうかな!”

 

「別に冷えてたか……?」

 

「そうですよね?寧ろ歓迎されてると思うのですが……」

 

「まあまあ、あれも先生なりのノリだからね」

 

「は、はあ……」

 

 

 

“……!キサキも一緒に歌おう!ヒナはハジメと一緒に歌ったらどう?”

 

「え?でも私……歌はあまり……」

 

「妾も大きな声を出すのは……」

 

“いやいやぁ、誕生日の主役が歌わないとね?”

 

「ふむ……妾たちが歌うことが肝要である、と?しかし先生、それならヒナも誘うべきで──」

 

“ほらー!早く歌おっか!!ハジメたちは後でいい?分かった!!”

 

「まだ何も言ってねぇんだけど!?おい!話を聞け先生!!」

 

「まあ……私は後でいいわ」

 

「ヒナは先生と一緒に歌いたくねぇのか?」

 

「……私は……ハジメと、一緒に…歌いたい」

 

「?」

 

 鹿紫雲の何も考慮していない問いにヒナはどんどんと言葉が萎んで小さくなっていくが、しっかりと言っていたはずなのに鹿紫雲本人の耳には聞こえていないようだった。なんやコイツ

 

「先生、結構粋なことしますね」

 

「彼はなぜあれに気づかないのだ……?」

 

「あれが青春かぁ……いいねぇ」

 

 そんな二人を初めて見た山海経の三人は、それをまるで親のように遠くから温かく見守っていた。意識がそっちに向いていた中、マイク片手の先生の大きな声が個室によく響き分かった

 

“よぉし!盛り上がっていくぞーっ!!”

 

 

 

 

 

 

 

 

 その後、シャーレにやって来た鹿紫雲が休憩室で無惨にも大人と子供の違いを分からせられた先生がベッドで蹲っているのを発見した。鹿紫雲曰く、その表情は前に先生が7徹した時より酷く見えたそうな

 

 

 




さすが存在しない記憶を2個作り出した男だ。相手のアドリブに対し平然と答えてやがる、面構えが違うな

このまま1年と2年の話も書きますか?

  • みたいから書け
  • はよ原作開始せぇや!!
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