「おおー、ほんとに見渡す限り砂ばっかだな」
少し昼を過ぎた頃にアビドスへとついたジョ〇スター一行……じゃなくて鹿紫雲一行こと俺ら。空は雲ひとつない晴天だが、今日はアビドスにしては比較的涼しいのでアビドス高校に行く途中のアビドス砂漠で先生が倒れることはないだろう、多分。まあアビドスにしては涼しいってだけで普通に暑いけどな
おいコラ髙羽。なに泥団子作ろうとしてんだお前、早えよ
「あ!髙羽!!なに1人で先に作ってるのさ!」
「うるせぇやい!別にいいだろそんぐらい!はい今線引いた!そこから先は俺の陣地だからこれ以上入るなよ!」
「くっ……!なんと姑息な……!しょうがない先生、私たちは二人で一緒に作ろうか」
“オッケー!ピッカピカの泥団子作ろう!”
「なに小学生みたいなことしてんだお前ら」
駅を出て直ぐのところで、雑に引かれた線を挟んで泥団子を作っている大人(子供)。一応俺ってこの中じゃ最年少なんですよ、なんで周りの大人達が俺より幼稚なことしてるんだろう、俺の中の先生像が崩れていく……いや、イオリの足舐めた時点で既に崩れてたわ
羂索や髙羽は事前に泥団子を作るように買っておいたペットボトルの水を使って、大人とは思えないビックリするほどの笑顔で砂を固めていく。先生に関してはかなりガチめに作ってて、ある程度丸めた泥団子に小石とか小枝を自力で分けたサラサラの砂をかけて形を整えながら表面を磨き上げていっている。何が先生をこうさせたんだホントに
幸いアビドスに来る人は全くと言っていいほどにいないから通報される事は無いだろうが、もし見つかってしまえば確実にムショ案件の光景だろう。その時は俺は全力で他人のフリをするからな
そうして目の前の子供達の「たのしいたのしいおだんごづくり」を見てること数分、全員がほぼ同時に泥団子を作り終えたようで手のひらに乗せたまま立ち上がる
「ハジメ!どうだい!私が一番綺麗だろう!」
「いやいや少年!俺が一番だろ!!」
“フッ、どっちも甘いね。見なよ、私の泥団子を”
そう言って差し出された先生の作った物を見ると、ひび割れ等は一切ないツルツルで表面の細かな石や小枝まで取り除かれた完璧な泥団子。これに比べるとただデカイだけの髙羽の泥団子や形だけは整っている羂索の泥団子はカスや
「先生優勝」
“いぃやったぁー!!”
「そ、そんなバナナ……!」
「素晴らしい…これ程までに綺麗な泥団子を見たのは生きてて初めてだよ。仕方ない、泥団子マスターの称号は先生に渡すとするよ、おめでとう」
“嬉しいけどいらない”
何故か負けを認めてから自分の泥団子を先生に渡そうとする羂索をやんわりと押しのける先生を横目に、雑に引かれた線と水で濡れた地面を砂を蹴って消していく
「おらガキ共、手洗ったらさっさと飯食いに行くぞ」
「「はーいママ」」
「ママじゃありません、ママはお前だろ羂索」
“父親じゃなくて…?”
母親でもあり父親でもある羂索って頭おかしくなりそうだな、それはそうとさっさとレッツラゴー
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もう見慣れたアビドスの砂色の道路を歩いて行くと、目的の場所に近づく程に特徴的な醤油のいい匂いが漂ってくる。アビドスでご飯と言えば行く場所はもちろん柴関ラーメンだろう。安くて多くて美味い、多分毎回赤字だろうがそれでも値段を変える気がないのは素晴らしい事だ
そういえばウチに爆発された後屋台に変えたらしいが、俺はその時ミレニアム行ったり風紀委員会行ってたりして見てないから何気に屋台のお店は初めてなんだよな。あ、柴関ラーメンの店は今こっちなの?ありがと先生
先生に言われた方向へ歩いていくと、小さくてあまり良く聞こえないが大人数での話し声が聞こえてくる。少し遠くにある屋台には仲睦まじくラーメンを食べている5人の後ろ姿とバイトのユニフォーム姿のセリカが見えた
“やあみんな、久しぶり”
「せ、先生!?」
「お〜、やあ先生〜。ハジメも久しぶりだね〜」
「久しぶり、兄貴」
「お久しぶりです先生☆…と、その後ろの方々は?」
「初めまして、羂索です。一応ハジメの父親をやらせてもらってます」
「なんで一応なんだよ。俺は羂索の付き添いの髙羽史彦、よろしくね」
「羂索さんに髙羽さん?よろしくお願いしま……父親?」
「……え!?まみめくんのおもうまん!?」
「口の中の物ちゃんと飲み込んでから話せよ」
「─」ゴクッ
「ちゃんと噛めよ……」*1
ちょっと関係ない話だけど、仲間や敵と初対面の時と同じやり取りするのいいよね。漫画とかそういうのに時々あるけどまさか俺がするとは思わなんだ
注文を聞きに来たセリカに安定の美味さである柴関ラーメンを4つ頼んで、大将から休憩を貰ったセリカ含むアビドスメンバーと大人数用に出された机に相席する。羂索や髙羽にアビドスからの自己紹介が次々と飛び交って見ている分には面白いし平和なので良しとしよう
「よろしくね皆、今はまだ…ね」
「なんで含み持たせるんだよ、俺たち何も悪いことしないから」
「ん、かなり怪しい。なら今ここで…」
「ちょーっと待って待ってシロコちゃん!俺たち悪い人じゃないから!ね?その手に持ってる物騒なブツを収めて?いい子だからさ?」
「そうだよシロコちゃ〜ん、まだ怪しいってだけで悪い人か分からないからね」
「そうですよ〜、早とちりしちゃメッですよ☆」
「フフフ……その優しさが命取り…」
「ねぇ、なんでわざわざ怪しい行動するのお前」
「シロコちゃん、構えて」
「ホシノちゃん!?」
「ん、了解」
「おっとぉ!?違うからね!だから下ろして!ほら、両手上げてるから!!」
「そうくるか……ならばこちらも抜かねば無作法というもの!」
「羂索ぅ!?」
“羂索さん…そうやってみんなの不安を煽るような事はやめてください。ほら、皆も銃下ろしてね”
「うへ〜、冗談だよ冗談」
「仕方ないね、自然界では自分より立場の上の者に従うのが鉄則だからやめておくよ」
「なんで自然界なのよ……?」
「……それで、結局悪人なんですか?それともただの変な人…?」
「どちらもありうる、そんだけだ」
「マトモな人って選択肢はないのか……トホホ…」
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「これは……!」
「うっっま!?なんだこりゃ!?」
頼んだ柴関ラーメンが運ばれてきて、早速口に運んだ羂索と髙羽があまりの美味しさに目を見開いて驚きの声を出す。あの1000年生きた羂索でさえ驚いているのだ、柴関ラーメンはキヴォトスの中でも美味しさはTop5に入るレベルだろうね
「このスープが絡んだ麺…外の世界でも食べたことない程の美味さだ……」
「…スープも醤油の香ばしい香りがしっかりと主張している。それなのに角がなくまろやかな味わい……」
「チャーシューも柔らかく口に入れた瞬間溶ける、煮卵も半熟で中まで味がしゅんでいる私好みの卵……」
「最高だ……!」
「ハッハッハッ!そう言ってもらえて職人冥利に尽きるってもんよ!」
大絶賛する羂索をその近くにいる柴大将が高らかに笑い、嬉しそうにそう言う。さすが1000年生きてきただけあって食レポは上手いな、羂索の事だし日本全国のラーメンを食べてそうだが、その羂索からこうも褒められる柴関ラーメンやっぱり凄いな
さて、そろそろ俺もいただきましょうか。ウマー
「……ねぇ、さっきから思ってたんだけどさ」
「?」
「どうしたのセリカちゃん〜?」
「ホシノ先輩、鹿紫雲先輩と距離近くない?」
ラーメンを啜る手を止めてセリカが指を指す隣を見てみれば、隣に座っているホシノが俺の腕に体重を預けてグダグダしている。寄りかかってるのは左腕だし食事に支障がないから気にしてなかったけど、言われてみれば近いな
まああの時デコピンとか襟掴んで説教したお詫びって事で
「別にいいだろ、ホシノの好きにさせとけ」
「ほら〜、ハジメもこう言ってるんだしいいでしょ〜?」
「ん、先輩ズルい。私も兄貴の隣に行く」
「あら、シロコちゃん大胆ですね☆」
「あら〜、ウチの息子モテモテ」
「こりゃ羂索の孫の顔を拝める日は近そうですな」
「いい加減にしてくれねぇかなぁ…」
羂索が退いた右隣の椅子に座ったシロコを横目に、口元を隠して変な視線を送ってくる変人に口を尖らせて睨む。ヒェッ、怖い怖い〜じゃねぇんだわおいコラ
ちょっ……シロコ、右腕をガッツリと掴むな。食べれないだろ、HA☆NA☆SE!!
「ん、なら私が食べさせる」
「余計なお世Wi-Fiだわ離せ」
「!」
「……なにそれ」
「髙羽の持ちネタ、著察権フリーだってよ」
「ん、それ語呂がいい。時々使う」
「!!」
あー髙羽からの視線が……うわ、すっごい目キラキラしてる、いやあれ涙目でキラキラしてんな。そんな嬉しかったんか
右腕に寄りかかるどころかすがりついているシロコを離して、頬を膨らませて怒ってます主張をしながら右腕を突いてくるのを無視しながら柴関ラーメンを食べ進める。呪力で強化しとるとはいえ普通に痛いんだわ
というか、なんかホシノの耳が赤い気がするが、気のせいかな。いつも通りうへうへ言ってるから気のせいか
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ラーメンを完食し終え、先生に奢らせて奢ってもらってからアビドス高校……に行って紹介するつもりだったけど、柴関ラーメンで会っちゃったからもう予定ないな、あそれどーしましょ
このまま帰ってもいいけど、わざわざアビドスに来たんだから何かして帰りたいんだよな。泥団子作りは変人達がもうやったし……なんかアビドス砂漠とかでできそうなの……アビドス砂漠……2年前……せや!
満足気な顔で膨らんだ腹を撫でながら前を歩く羂索を呼び止める。口の端についたスープを親指で拭き取りながら振り向いた羂索に、折り畳んだ游雲を弄りながら口角を上げて聞く
「なあ親父、これから先は予定ないんだろ?」
「そうだけど、それがどうかしたのかい?」
「それなら食後の運動ってことで親父、最近はキヴォトスは変わり映え無くて暇だからよ──」
「ちょっと付き合えよ」
次回!羂索vs鹿紫雲ハジメ!!
つーかキヴォトスカッシー、柴関ラーメンの屋台の場所知らないくせに案内しようとしてたんかこいつ
通算UA50万記念で書いてほしい奴
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とある世界線の鹿紫雲(多分2種類)
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プレナパデス世界の鹿紫雲
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女体化鹿紫雲
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子供化鹿紫雲
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鹿紫雲一化(簡単に言うと記憶喪失)
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とある科学の超電磁砲コラボ
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透き通る世界に響く雷鳴≡(モジュロ)