[さよなら、ドラえもん???]
ずっと続いていくと思った僕らの道。
それは、あっさりと途切れた。
まず最初はドラえもんだった。
中学への進学を前に、未来へ帰ると言い出したのだ。
のび太「そんな、どうして!」
ドラえもん「いつか帰るって言ってただろ」
のび太「だからってこんな急に帰ることないだろ!」
ドラえもん「そんなこと言われても仕方ないんだよ。このままじゃ滞在期限を過ぎちゃうんだ」
のび太「滞在期限? 何それ?」
ドラえもん「僕ら未来の者がこの時代にいてもいい期限さ。これは人によって違うんだ」
のび太「守らなかったらどうなるの?」
ドラえもん「未来に深刻なダメージが出る。それにそんなことは、そもそもタイムパトロールが許さないよ」
のび太「そっか……。どうしようもないんだね」
ドラえもん「まあ、そんな心配するなよ。夏休みとか冬休みには遊びに来るからさ」
のび太「は?」
ドラえもん「は?」
のび太「どーゆうことだよ!? 未来に帰るんだろ!?」
ドラえもん「あー、そういうことか」
のび太「どういうことだよ?」
ドラえもん「正確に言えば、僕の滞在期限は5年なんだ。だからまだ半分ぐらいある」
のび太「じゃあ期限ギリギリまでいればいいじゃないか」
ドラえもん「バカ。この時代にいたって5年なんて、あっという間だぞ。それよりも休みの時だけ来れば一生会えるじゃないか」
のび太「ん? んん? その5年っていうのは……」
ドラえもん「文字通り僕がここにいれる期間のことだよ。だから、未来に帰ってる間は含まれないんだ」
のび太「な、なーんだ」
ドラえもん「なんだと思ったんだい。時々未来の君を連れてきたこともあっただろ」
のび太「あー、そういえば」
ドラえもん「どうせ君も中学生になって忙しくなるんだ。ちょうどいい頃合いだよ」
のび太「さみしくなるな」
ドラえもん「そんなこともいってられなくなるさ。じゃ、次の夏休みにね」
のび太「うん、バイバイ」
結局、ドラえもんとの別れは、さみしいんだかさみしくないんだかよくわからないものだった。
おまけにドラえもんときたら……。
ドラえもん「やあ、のび太君。どう? 中学校生活は? もう慣れた?」
のび太「まだ中学にすらなってないよ!」
ドラえもん「え?」
のび太「まだあれから3日だよ! 中学生にすらなってないよ! ていうか何の用!?」
ドラえもん「いやぁ、いきなり夏休みなんて日が開きすぎるなあって。だから、こうやって少しずつ慣らしていこうかなと思って」
こんな調子だったもんだから、お別れという感じはあまりしなかった。
考えてみれば将来の僕がドラえもんに会っていたんだから、本当の意味で未来に帰るってのは、ありえなかったわけだけど。
ドラえもんはいつか帰るとは言うものの、のび太との交流はその後も続いている(大人になったのび太がやってくる話など)ようなので、別れというのもこういう感じじゃないかなって思ったりします。