STAY WITH ME ドラえもん   作:ミサ菓子折

2 / 31
[そしてスネ夫も……]

だけど、次の別れは本当だった。

ずっと続いていくと思っていた僕らの関係。

それをまっさきに壊したのは……スネ夫だった。

 

ジャイアン「てめえ何つった! もういっぺん言ってみろ!」

スネ夫「何べん言っても変わらないよ!」

ジャイアン「なんで黙ってやがった!」

スネ夫「だって、落ちたら恥ずかしいし……」

 

ジャイアンから招集を受けて空き地に行ってみると、スネ夫がみんなに囲まれてた。

 

のび太「何があったの?」

ジャイアン「おう、のび太。やっと来たか」

 

ジャイアンは肩で息をしていた。

周りの安雄やはる夫たちも、いらいらした様子でスネ夫を見つめている。

 

ジャイアン「おい、スネ夫。もういっぺん言ってみやがれ。のび太君にも分かるようにな」

 

ジャイアンはスネ夫を小突きながらそう言った。

もう一体、何度この光景が繰り返されたのだろう。

スネ夫はよく見るとボロボロだった。

 

スネ夫「僕は私立中学に受かった。だから中学からはみんなとは別の学校に行く」

のび太「私立中学って?」

ジャイアン「こいつみてえなボンボンが行くお上品な学校だよ」

のび太「へえ、すごいじゃない。いつ受けてたの?」

ジャイアン「二ヵ月も前だよ! こいつ、黙ってやがったんだ!」

のび太「ええーっ!!」

 

びっくりした。

そりゃびっくりした。

 

のび太「な、何で言わなかったのさ!」

スネ夫「言おうと思ったよ! でも、いざみんなと別れると思うと言えなかったんだよ!」

 

スネ夫の告白に僕らはシンっとなった。

続いていくと思った僕らの道。

それはぷっつりと途絶えたのだった。

 

スネ夫「さあ、殴れよ! それで気が済むんだったら!」

 

おそらくスネ夫は覚悟を決めてきたのだろう。

二ヵ月もみんなをだましていたのだから。

しかし――

 

ジャイアン「ちっ。おい、誰か殴りたい奴いるか?」

 

ジャイアンの声に応える者は誰もいない。

 

ジャイアン「もういい。白けちまった。俺は帰るぜ」

 

やがて、集まったみんなは帰っていった。

僕とスネ夫を残して。

 

スネ夫「なんだよのび太。なんか用か?」

のび太「いや、別に……」

 

単に遅れてやってきたために、スピード感についていけなかっただけだった。

 

スネ夫「僕も帰るからな。じゃあな」

のび太「あ、ちょっと!」

スネ夫「何だよ!?」

 

どうして僕はこうなんだろう。

スネ夫に何か気の利いたことを言うべき場面だってのに、僕の口から出たのは、まったく空気を読めてない一言だった。

 

のび太「いや、ドラえもんも未来に帰っちゃったんだけど、夏休みは遊びに来るらしいんだ、スネ夫も来るかい?」

スネ夫「のび太……お前」

 

その時のスネ夫は。たいそう間抜けな顔をしていた。

そして、間抜け顔から真剣な顔に変わったかと思うと。

 

スネ夫「何で早く言わないんだ! バカ!」

のび太「え、ええ!?」

スネ夫「ジャイアンに伝えに行くぞ! しずかちゃんにもだ!」

のび太「ええーっ、うん」

 

何故か僕はスネ夫に怒られたのだった。




こうして僕らの関係は壊れていく。
……と言いつつ、まだまだマイルドですね。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。