だけど、次の別れは本当だった。
ずっと続いていくと思っていた僕らの関係。
それをまっさきに壊したのは……スネ夫だった。
ジャイアン「てめえ何つった! もういっぺん言ってみろ!」
スネ夫「何べん言っても変わらないよ!」
ジャイアン「なんで黙ってやがった!」
スネ夫「だって、落ちたら恥ずかしいし……」
ジャイアンから招集を受けて空き地に行ってみると、スネ夫がみんなに囲まれてた。
のび太「何があったの?」
ジャイアン「おう、のび太。やっと来たか」
ジャイアンは肩で息をしていた。
周りの安雄やはる夫たちも、いらいらした様子でスネ夫を見つめている。
ジャイアン「おい、スネ夫。もういっぺん言ってみやがれ。のび太君にも分かるようにな」
ジャイアンはスネ夫を小突きながらそう言った。
もう一体、何度この光景が繰り返されたのだろう。
スネ夫はよく見るとボロボロだった。
スネ夫「僕は私立中学に受かった。だから中学からはみんなとは別の学校に行く」
のび太「私立中学って?」
ジャイアン「こいつみてえなボンボンが行くお上品な学校だよ」
のび太「へえ、すごいじゃない。いつ受けてたの?」
ジャイアン「二ヵ月も前だよ! こいつ、黙ってやがったんだ!」
のび太「ええーっ!!」
びっくりした。
そりゃびっくりした。
のび太「な、何で言わなかったのさ!」
スネ夫「言おうと思ったよ! でも、いざみんなと別れると思うと言えなかったんだよ!」
スネ夫の告白に僕らはシンっとなった。
続いていくと思った僕らの道。
それはぷっつりと途絶えたのだった。
スネ夫「さあ、殴れよ! それで気が済むんだったら!」
おそらくスネ夫は覚悟を決めてきたのだろう。
二ヵ月もみんなをだましていたのだから。
しかし――
ジャイアン「ちっ。おい、誰か殴りたい奴いるか?」
ジャイアンの声に応える者は誰もいない。
ジャイアン「もういい。白けちまった。俺は帰るぜ」
やがて、集まったみんなは帰っていった。
僕とスネ夫を残して。
スネ夫「なんだよのび太。なんか用か?」
のび太「いや、別に……」
単に遅れてやってきたために、スピード感についていけなかっただけだった。
スネ夫「僕も帰るからな。じゃあな」
のび太「あ、ちょっと!」
スネ夫「何だよ!?」
どうして僕はこうなんだろう。
スネ夫に何か気の利いたことを言うべき場面だってのに、僕の口から出たのは、まったく空気を読めてない一言だった。
のび太「いや、ドラえもんも未来に帰っちゃったんだけど、夏休みは遊びに来るらしいんだ、スネ夫も来るかい?」
スネ夫「のび太……お前」
その時のスネ夫は。たいそう間抜けな顔をしていた。
そして、間抜け顔から真剣な顔に変わったかと思うと。
スネ夫「何で早く言わないんだ! バカ!」
のび太「え、ええ!?」
スネ夫「ジャイアンに伝えに行くぞ! しずかちゃんにもだ!」
のび太「ええーっ、うん」
何故か僕はスネ夫に怒られたのだった。
こうして僕らの関係は壊れていく。
……と言いつつ、まだまだマイルドですね。