STAY WITH ME ドラえもん   作:ミサ菓子折

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[夏休み。いつものメンバーと。]

そして巡ってきた夏休み。

ドラえもんがやってきたと伝えると、いつものメンバーが僕の部屋にやってきた。

僕からしたら全員集まるのかすら心配したけど、そんなのは取り越し苦労だったみたいだ。

 

ドラえもん「やあ、みんな。今日は集まってくれてありがとう」

スネ夫「久々に羽を伸ばせるよ。やっぱこのメンバーが落ち着くなあ」

しずか「そうね。家に帰ってきたような安心感があるわ」

ドラえもん「少し見ない間にスネ夫は背が伸びたんじゃない? しずかちゃんもきれいになっちゃって」

スネ夫「ん? そうかな? あんまり伸びてない気がしたけど、伸びたかも」

しずか「もうやだ、ドラちゃんたら」

ドラえもん「で、のび太君とジャイアンはどうしたの、それ」

ジャイアン「気にするな。俺は山籠もりのつもりで行くんだ」

のび太「そうだよ。僕らのことは気にしないでくれ」

ドラえもん「ん? うん???」

 

遊び道具を持ってきたスネ夫やしずかちゃんと違って、僕らは参考書やプリントを山ほど持っていた。

どう考えても遊び行くような格好ではない。

 

スネ夫「あー、あれだよ。一学期思いっきり落ちこぼれて赤点まっしぐらだから、勉強合宿しようって浅はかな考えで」

ジャイアン「スネ夫、黙ってろ!」

スネ夫「まあいいじゃない。ドラえもんの道具で課題ぐらいさっさと終わるだろ?」

のび太「そんなつもりで持ってきたわけじゃない!」

ドラえもん「ふざけるな! そんなことのために道具なんか……あれ?」

のび太「なんだよ?」

ドラえもん「道具、いらないの?」

のび太「いらないよ!」

ジャイアン「こいつは先生から出された課題だ。遊び行くのを許してもらう代わりにもらってきたんだよ」

ドラえもん「……どうしちゃったの、二人とも」

しずか「雨でも降るのかしら?」

スネ夫「バカになりすぎて頭がおかしくなったんじゃない?」

ジャイアン「て・め・え・ら」

のび太「わあ、ジャイアン落ち着いて!」

ジャイアン「けどよう」

のび太「今の僕らじゃしょうがないよ。言わせとこう」

ジャイアン「……そうだな。おし、バカンスに行こうぜ」

ドラえもん「なんか調子狂っちゃうなあ。じゃあ、5泊6日のバカンスへGO!」

みんな「おーっ」

 

僕達は夏休みのある日にドラえもんにとある無人島へ連れて行ってもらった。

誰にも邪魔されず好きなことをやって思う存分バカンスを楽しんだ。

 

ジャイアン「ま、俺らは課題づけだけどな」

のび太「それは言いっこなしだよ、ジャイアン」

ジャイアン「まあいいじゃねえか。BBQは楽しめたしよ」

のび太「そうだね」

ジャイアン「いいなあ、スネ夫やしずかちゃんは。気持ちよさそうに泳げてよ」

のび太「ジャイアン集中しなよ」

ジャイアン「うおっ! すげえ、全裸で泳いでる!」

のび太「ええっ!?」

ジャイアン「ドラえもんが」

のび太「ジ・ャ・イ・ア・ン」

ジャイアン「冗談だって。そんな怒んなよ」

のび太「まったく」

ジャイアン「それにしても先生の課題ってよくできてるよな」

のび太「うん。絶対終わらないと思ったよ」

ジャイアン「小学校の時もまじめにやってたら終わってたのかなあ」

のび太「さあ、どうだろ。あの時は真剣じゃなかったし……」

ジャイアン「それにしても意外だったよな。あの先生が、旅行の最後の一日は勉強忘れて遊んで来いって言うなんて」

のび太「たぶん、僕らが頑張ってたら昔もそう言ってくれたんじゃないかなあ」

ジャイアン「そっか。そうだよな」

 

仰げば尊し我が師の恩、どこで聞いた言葉だっただろうか。

きっとそれは近くにあったのに、僕らは気付こうとしなかったんだろう。

 

ジャイアン「ま、全部なんて終わってないんだけどよ」

のび太「先生の課題が多すぎるのは昔からだよ」

 

僕らの頭が悪すぎたせいか、先生の課題が多すぎたせいか、それはどちらか分からなかったけれども。

それでも、僕らは不思議と満足行くところまでやれた気がした。

そして、旅行の最終日。

スネ夫としずかちゃんから意外な提案があった。

 

のび太「5人野球?」

スネ夫「そう」

ジャイアン「野球は9人でやるもんだろ?」

スネ夫「正確には最低でも18人ね」

のび太「あ、そうか」

しずか「私達、のび太さんと武さんが頑張ってる間、考えてたのよ。全員で遊ぶ方法を」

スネ夫「それが5人野球ってわけ」

ドラえもん「5人ってことは、僕とのび太君、しずかちゃん、ジャイアン、スネ夫でやるってことだね」

スネ夫「そう。どうせ僕ら、野球選手にまではなろうなんて考えてないだろ? だから5人ぐらいでちょうどいいんだ。もちろん軟球ね」

ジャイアン「そりゃまあ、そうだな。ていうかジャイアンズも実質解散しちまったしな」

のび太「でも5人でどうやるの? ポジションは?」

スネ夫「そこがポイントだ。5人野球では、全員が全部のポジションを交代交代に守る」

ジャイアン「え? つまり俺がずっとピッチャーじゃないってことか?」

スネ夫「そんなことすると不公平になるだろ。しずかちゃんだって参加するんだから。いや、しずかちゃんは未知数だけどさ」

しずか「ようは全員別チームで、守りの時だけは協力するってことよ」

ジャイアン「ということは、俺様がバッターの時は強力なピッチャーをぶつけて」

のび太「僕がバッターの時はへなちょこなピッチャーをぶつけるってわけだね」

ドラえもん「わかりやすい説明だけど、自分でへなちょこって言うのはどうなんだい」

のび太「まあまあ」

ジャイアン「おもしろそうじゃないか。やってみようぜ。とりあえず、のび太相手のピッチャーはドラえもんな」

ドラえもん「なんで!?」

スネ夫「ていうか、ドラえもんの球って届くの」

ドラえもん「バカにしてるのか! コノヤロウ!」

しずか「初めだから、あとは適当に決めちゃいましょう」

ドラえもん「おい! 無視するな!」

のび太「まあまあ」

 

そうして始まった5人野球だったが、思いのほか盛り上がった。

僕達は旅行の最後を大いに楽しみ、5人野球をこれからも締めに必ずやろうと約束して別れた。

 

ドラえもん「不愉快だ!」

ジャイアン「だから悪かったって!」

 

ちなみに出塁できるのかと不安に思われたドラえもんだったが、ジャイアンからデッドボールを食らいまくって得点を上げていた。

なんでバッタードラえもんに対してピッチャージャイアンをぶつけるということになったのかは、永遠の謎である。

とにかく、ボールをぶつけられまくったドラえもんは、プリプリ怒りながら帰っていったのだった。

 




さすがのジャイアンも、ドラえもんが相手ではストライクゾーンの狭さで制球が乱れた模様。
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