それからは対して変化のない日常が過ぎていった。
僕とジャイアンは順調に成績を上げ、親を呼び出されるようなこともなくなった。
長期休みの時はドラえもんが来てくれて、いろんなところに連れて行ってもらった。
締めに5人野球をやるのも恒例だ。
ただ、しずかちゃんはソフトボール部でめきめき実力をつけ、3年になるころにはジャイアンのピッチャー役をするほどになっていた。
これには僕らも驚かされた。
(ちなみに、なぜかバッタードラえもんに対してピッチャージャイアンの伝統は継続していた)
誰も落第の危機にもならず、このまま平穏に高校に進学していくんだろう。
そう思っていた時、事件が起こった。
3年の3学期末試験でのことだ。
突然、ジャイアンが僕の席にダッシュでやってきた。
ジャイアン「おい! のび太、見たかよ!?」
のび太「何を?」
ジャイアン「お前、期末試験で名前が張り出されてるぞ!」
のび太「ええっ!?」
どうやら、たまたま試験返却前に成績優秀者が張り出されたらしい。
驚くことに、そこに僕の名前があるという。
ちなみに、ジャイアンは2年生の中ほどから柔道部に入り、勉強の方は平均点あたりをうろうろしていた。
ジャイアン「嘘じゃねえよ、ほんとだよ。ちょっと来いよ!」
のび太「わあ! 引っ張らないで」
抵抗もむなしく、僕はジャイアンに校庭まで引っ張って行かれた。
そして、そこに張り出されている成績優秀者の張り紙を見たのだった。
のび太「20位……野比のび太!? ええっ!?」
ジャイアン「な? マジで載ってるだろ!?」
のび太「たしかに今回のはいつもよりできた気はしたけど……ええー!?」
ジャイアン「何ビビってんだよ! 俺は誇らしいぞ!」
のび太「あ、ありがとう?」
しずか「あら、のび太さん。成績優秀者に載ったのよね。おめでとう」
のび太「しずかちゃん! いや、びっくりだよ。他のみんなの調子が悪かったのかな」
しずか「うーん、どうかしら。そんなことはなかったと思うけど」
しずかちゃんはそういいながら自分の名前を見ていた。
5位源静香。
まあ、いつも通りの定位置にしずかちゃんはいた。
そしてもっと定位置というか、不動の位置にいるやつもいる。
1位の出木杉だ。
ジャイアン「ま、俺も平均点はとったし、高校進学はこれで全員決まりだな」
のび太「そういえば、しずかちゃん高校どこ行くの?」
しずか「私? 普通にこのまま地元の高校に進学するわ」
のび太「え? そうなの? じゃあ僕と同じ?」
しずか「ええ。出木杉さんも同じ高校に進学するそうよ」
のび太「ええっ!?」
しずか「近いところがいいって言ってたわ。出木杉さんらしいわよね」
ジャイアン「なんでえ。あいつも同じ高校かよ。じゃあ、1位はとれねえな」
しずか「武さんは1位以前の問題でしょ……」
ジャイアン「がははは、ちげえねえ。目指せ国体優勝ってな」
しずか「あ、いけない。友達が呼んでるわ。それじゃあねのび太さん。武さんもケガしないで頑張って!」
しずかちゃんを見送った後、僕はジャイアンとも別れた。
帰り際、僕はもう一度成績優秀者の掲示板を見る。
1位 出木杉英才 470点
20位 野比のび太 391点
のび太「……超えられるかもしれない」
ぼそっと呟く。
無謀なのは分かっていた。
でも、得点ならたかが80点程度なんだ。
しかも、あいつは僕と同じ高校に進もうとしている。
雪辱の時は今――
そんな決意だったんだろうか。
今、僕は宿敵に挑もうと決意したんだ。
天才の出木杉君の点数が500点満点じゃないのは何故か?
これには理由がありますが、まずリアルな理由として不可能だからというのがあります。
ぶっちゃけ、国語の点数なんて100点満点取れるようにはできてないんですよね。
その証拠に記述模試の試験結果を見ると、数学に満点はいても国語には満点はいません。
国語の記述問題(記号問題だけなら満点はありうる)が満点なんて嘘くさいという風潮があるようです。
ていうか、これは現実に国語教師から聞きました。
まあ、考えてみれば当たり前のことで、満点を取ったこともない国語教師が作った問題で満点なんか出るわけがないというわけです。
これを知らないで僕らは国語の模試の結果に一喜一憂してたわけですね。
酷い話です。
と、まあ、リアルの試験の話は深入りするとアレなのでこの辺で。