気が付くと、僕は自分の家で寝ていた。
頭にぬれタオルが乗せられている。
いったい、誰が?
ドラえもん「あ、ようやく気付いた。まったく心配させないでよ」
のび太「ドラえもん?」
ドラえもん「君のバイタルが異常数値を示していたから、慌てて飛んできたんだ。君、家に帰るなり階段から落っこちて今の今まで意識を失ってたんだよ」
のび太「そっか……ごめん」
ドラえもん「ママー、パパー、のび太君目を覚ましたよー」
ドタドタと階段を上る音がする。
ママとパパだろう。
気が付くと窓はすっかり暗くなっていた。
ママ「ああ、のび太。よかった、目を覚まして」
パパ「痛いところはないかい? お医者様は疲れてるだけで問題ないと言ってたけど」
のび太「ママ……パパ……」
ママ「のび太、ママは勉強しなさいとは言ったけど、あんなに根を詰めて勉強をする必要はないわ。それに、まだ一学期じゃないの」
のび太「心配かけてごめん、ママ。どうしても、今学期だけは負けたくないやつがいたんだ」
パパ「へえ。で、勝てたのかい?」
のび太「無理だった」
パパ「はははは。そうかそうか。まあ次頑張ればいいじゃないか」
のび太「相手は全教科満点で頑張りようがないんだけど……」
パパ「……えーと、のび太。諦めるということを学ぼうか。所詮君は僕らの子なんだ。カエルの子はカエルって……」
ママ「あ・な・た」
パパ「わあ、ごめん!」
のび太「あははは。大丈夫だよ、パパ。僕には無理ってのはよくわかった。これからはマイペースにがんばるよ」
ドラえもん「マイペースにはなりすぎないようにね。今度はさぼり病が出るだろうから」
のび太「うるさいな、一言多いんだよ。ドラえもんは」
パパ「ところでのび太、お腹は減ってないかい」
のび太「え? うーん……」
ぐぅ。
悩むよりも先にお腹が鳴った。
パパ「はは、体は正直だな。ママ、寿司でも取ろう。のび太の2位祝いだ」
ママ「ええ。ドラちゃんも食べてくわね?」
ドラえもん「あ、これはどうも御馳走さまです」
のび太「うわ……このロボットなんて意地汚いんだ」
ドラえもん「なんだと!? 一番心配してやったのは僕だぞ!」
ママ「喧嘩はやめなさい! お寿司抜きにするわよ!」
のび太・ドラえもん「は、はい」
パパ「いや、僕らだけ寿司を食ったら、何のために寿司を取るのかわからないんだけど……」
パパのもっともな指摘に僕らは笑い合った。
僕にはみんながいるし家族がいる。
それでいいじゃないか。
マイペースに頑張っていこう。
僕は僕のままでいいんだ。
そう思った。
人間無理をしちゃいけないのです。
持った縁に従い、自分の分を全うすんのがワシの道だす、ってことですね。
限界を超えて無理を通しちゃったら、のび太君は「おーい、出し下さいよ...ねぇ」とか言いながら、勉強机を叩いてる廃人になってたかもしれませんね。