転生した狐はメイドになる   作:くまんじゅう

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原作開始前ー至福と散華ー
転生


 突然だが、皆は死んだ後に私達はどうなると思う? 

 

 キリスト教で天国か地獄に

 イスラム教ではバルザフや審判

 仏教では輪廻転生に浄土

 ヒンドゥー教では輪廻転生に解脱

 ユダヤ教では天国と地獄や救世主(メシア)による復活

 神道では祖霊となり家の守り神に

 

 このように様々な死後への考え方がある。

 ちなみに私の考えは「死んだ後には何もなくただ無がある」という唯物論やニヒリズム的なものである。

 

 ────だから今、怖くて仕方がない

 

 そんな事をドクドクと心臓が拍動する度に、命が体からこぼれ落ちていくのを感じながらぼんやりと考える。

 

 なんてこと無い普通の一日だったはずだ。学校に行き返却されたテストの結果に一喜一憂し、放課後の部活と買食いを何よりも楽しみにしていた、ごく一般的な高校生の一日を今日も送っていたはずだ。けど、今私は瀕死だ。

 ついさっきまで信号が変わるのを待っていた。

 すると突然、背後からドカッ! とぶつかられ、私は交差点に押し出された。

 車の行き交う交差点に身を投げ出しながら後ろを見る。

 私を殺す事になるやつの顔くらい見ておきたいと思ったから。

 

 そこにあった顔は、以前学校で起きていた虐めから助けた奴のしてやったりとした顔だった。

 

(なんで? なんで? なんで?)

 

 脳が理解を拒む。なんで私は守ったやつに殺された? なんで? 

 

「あの生意気なやつがやっと死んでくれる。僕を見下しやがって」

 

 そいつのその言葉を聞いたのを最後に、私は車に跳ね飛ばされた。

 

 ****************

 

 そんな理由? 

 地面に激突し、朦朧としている意識の中で考える

 巫山戯るなッ!! 巫山戯るなッッ! 巫山戯るな!!!!! こんな理不尽があっていいのか!? 

《確認しました。ユニークスキル『憤慨者(シャイタン)』を獲得・・・成功しました》

 恩を仇で返されたのか、クソったれ!! 

 それに熱い、いや寒い轢かれた弊害か!? 

《確認しました。『対熱耐性』及び『対寒耐性』を獲得・・・成功しました。『対熱耐性』『対寒耐性』を獲得した事により、『熱変動耐性』にスキルが進化しました》

《確認しました。『轢過耐性』を獲得・・・成功しました》

 

 五月蝿い・・・ああ、もう怒るのも少し疲れたな。気力が起きない。

《確認しました。ユニークスキル『無気者(ウシナウモノ)』を獲得・・・成功しました》

 

 それに痛い。痛くてたまらない。轢かれるのってこんなに痛いのか

《確認しました。『痛覚無効』を獲得・・・成功しました》

 

 魔法でもあったらこんな時、体を治せたのだろうか

《確認しました。ユニークスキル『魔造者(アレイスター)』を獲得・・・成功しました》

 

 ・・・本当に五月蝿いな。何なんださっきから。

 もしかすると神様でもいるのだろうか? 

 神様がいるとすれば、死後にあるのは「無」では無いのかもしれない。それなら最後に輪廻転生でも信じてみようか。

《確認しました。ユニークスキル『変信者(シンリミタモノ)』を獲得・・・成功しました》

 

 

 そうだな・・・・もしも、来世があるのなら''狐''になってみたい。

 よくアニメや漫画であるような天狐や玉藻の前などの可愛らしくも絶大な力を持つ狐になって色んなところをドラゴンみたいに飛んで旅してみたい。

《確認しました。転生先の種族を『九頭獣』に設定・・・・失敗しました。代行措置として種族を『天狐』に設定・・・・失敗しました。代行措置として新たな種族を作成・・・・成功しました。転生先の種族が『幻竜狐』に設定されました》

《確認しました。新種族『幻竜狐』を生成したことにより、固有スキル『人獣変化』『神通力』『超感覚』『陰陽道』を獲得・・・成功しました》

 

 

 おっ、何回か失敗したけどできたようだ。『幻竜狐』とは、まぁ走馬灯にしてはよくできているだろう。

 

 ────嗚呼、だんだん意識が朦朧としてきた。もう完全に死ぬのか、私は。死ぬ前にせめて一度でもいいから、あの押してきたやつを殴って、そして・・そして・・・・・・・・・あんな奴でも、やっぱり''ありがとう''って一度くらい言ってほしかったな。

 

 その願いを最後に私の意識は深く深く沈んでいった。

 

 ****************

 

 意識が覚醒する

 

 ・・・・なんで? 今確かに死んだよな、私。なんで死んでも思考できている? 

 それに、何故かさっきまで体中に浸透してこちらを蝕んできた痛みがなくなっている。それどころか・・・・・・・・・一周回って痛みを快楽にでも変換できるようになったのだろうか

 

 そんなどうでもいい思考も程々に目を開けて周囲を見てみる。

 視界に映るのは「自然」。どこまでも続く薄い緑と濃い緑が入り混じった森林と、木々の合間から覗く青々とした晴天が覗け、それらが気持ちの良い温度を形作っている。

(ん? 視界が低い。それに、体に違和感がある)

 ふとそんな疑問を覚え、自分の体に視線を向ける。目に入ったのは自分の体とは思えないほどに毛深い体。体の後ろに意識を集中すると尻尾のような''人間にはあるはずのない器官''が感じられる。

 

 ふむ・・・・・・・・・・・・・・・・・意味がわからない。

 いや、うん。死ぬ前に聞こえてきたあの声が本当なら納得でき・・・・・・・る・・・・・・よ・・・・うん。

 

(でも、でもね・・・森の中に放置は無いでしょ────!!)

 

 第二の人生ならぬ狐生を祝福する声ではなく、悲観する声のみが雄大な大自然に響き渡った。

 

 

 

 

 




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 ステータス

 名前:なし
 種族:幻竜狐
 加護:なし
 称号:嚆矢の異世界人
 魔法:なし
 技能:固有スキル『人獣変化』『神通力』『超感覚』『陰陽道』
 ユニークスキル『憤慨者』『無気者』『魔造者』『変信者』
 耐性:『痛覚無効』『轢過耐性』『熱変動耐性』『自然影響耐性』『状態異常耐性』『物理攻撃耐性』

主人公以外のオリキャラっている?

  • ノウェムだけでよろしっ!!
  • 大量納入で原作を壊せぇぇ!!
  • 一人くらいならぁ〜
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