転生した狐はメイドになる   作:くまんじゅう

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はい。久しぶりの登場です


驚天動地

「えっ!? 結婚!?」

「ええ。ヴェルダがプロポーズしてくれて」

 

 ある日、ヴェルダナーヴァとルシアから呼び出され一体何だと、おっかなびっくりで二人の下へ行くと、改まった二人から結婚すると聞かされた。

 前から怪しいなぁ〜とは思ってたけど、遂にか! それにルシアのヴェルダナーヴァへの呼び方も、前は「ヴェルダナーヴァ様」だったのに今は「ヴェルダ」に変わっている。

 一緒に来たルドラもヴェルグリンドも驚いてはいるようだが、直ぐに祝福する姿勢に変わった。

 

「本当におめでとうございます! 二人とも」

「おめでとさん! おめぇら」

「おめでとう兄様、ルシア!」

「ありがとう皆」

「私からも、ありがとうございます」

 

 本当に二人とも幸せそうだ。ルドラも、妹が幸せになってくれるのは嬉しいのだろう、滅茶苦茶笑顔だ。若干泣いてないか、あれ。

 それにしても、二人が結婚か・・・・・・・重要なこと聞いとかないとな。

 

「二人とも、式はいつにするんですか!」

「それ! 私も気になっていたわ」

 

 二人に重要なことを聞く。ヴェルグリンドもその辺りは気にしていたようだ。なにせ、結婚式の時期によって予定が変わってくる。

 

「結婚式? ヴェルダ、どうします?」

「そうだな・・・・・・・・・一月後に王城で行うのでどうだろう?」

「いいですね! そうしましょうか!」

 

 考えていなかったらしいが、どうやら一月後に決まったらしい。

 どうせなら盛大にやってしまいたいが、二人とも豪奢過ぎるものはあまり好きではないから、身内のみのひっそりとしたものになるだろう。

 

「なら、急いで準備しないとだな!」

「ええ! 忙しくなるわよ」

 

 ルドラもヴェルグリンドも張り切っている。

 こうして私達は一ヶ月、二人の結婚式に向けて準備をして回ることになったのだ。

 その日は、城全体がずっと祝福ムードに包まれていた。

 

 *************************

 

 ルシアとヴェルダナーヴァの結婚式が近づくにつれて、一つ困ったことが発生した。

 

「お祝いの品どうしよう?」

 

 困ったこととはこれだ。

 転生前だったら現金でご祝儀を送ることが多かったが、それは二人にはあまり意味がないだろうし、気持ち的にもやりたくない。それで言ったら送るのは自動的にお皿やタオルなどのプレゼントになるわけだが、

 

「あの二人、持っていないものがあんまり無い!」

 

 そうなのだ。

 方や一国の王女様、方や世界の創造主。その二人が持ってい無いものなど、殆ど無い、或いは二人が必要としていないかだ。

 そうなってくると、いよいよ贈る物がなくなってくる。本当にどうしようか? 

 

「・・・・・一回、ラミリスさんに相談してみようかな。里帰りも兼ねて」

 

 一度、ラミリスさんのところ──ー精霊の棲家に帰ってみることにした。

 

 ***********************

 

「という訳で、ラミリスさん。一度帰省してきました!」

「なぁにが、という訳でよ! 10年以上音沙汰無しだったのに、急に帰ってきて!」

 

 精霊の棲家で私はラミリスさんに帰省早々説教を受けていた。

 どうやら旅立ってから今まで10年以上、何一つ連絡していなかったのがいけなかったようだ。

 

「本当にすみません! 完璧に忘れてました!」

「潔いわね、本当に・・・・・・・・まあ、いいのよさ。ちゃんと無事だったんだしね」

 

 この人は怒っても基本、相手のためだから人徳があるのだ。まあ、どうでもいいことだったらしょっちゅう怒ったりしているお調子者な一面もあるのだが。それも含めて、この人の魅力なのだ。

 

「それで、ヴェルダナーヴァ様と勇者のところのルシアが結婚するから祝いの品を一緒に考えてくれって話だったっけ?」

「はい! その通りです!」

「まず、ヴェルダナーヴァ様が結婚するとか初耳なんだけど!」

 

 おや、どうやらヴェルダナーヴァはラミリスさんにこのことを報告していなかったらしい。

 

「まあ、いいのよさ。でも祝いの品ね〜〜適当でもいい気がするけど」

「なんでですか!」

「だって、大切なのは相手を祝う気持ちじゃん? それが込もってたなら、品物なんて何でもいいと思うけど」

「気持ち・・・・・・・」

 

 ラミリスさんが当然のことのように言った言葉は、結構真理をついていた言葉だったと思う。

 気持ちが込もっていないとどれだけ豪奢なものでも祝いとしてそれはゴミだ。そんな、何処かで聞いたような言葉を思い出した。

 その上で考えてみると、気持ちを込められて自分が二人にあげられる物、それは──ー

 

「! っ決まりました! ありがとうございます、ラミリスさん!」

「いいのよさ、大したことはしてないしね」

 

 二人に送るものが決まった。後はそれを用意するだけだ。飛び跳ねるような気持ちでいると、ふと疑問が頭に過った。

 

(ラミリスさんについて、何か忘れている気がする)

 

 何だっただろう。確か、初めてヴェルダナーヴァに会った時ラミリスさんに言わないといけない思ったこと・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あっ

 

「ラミリスさん」

「ん? なに〜ノウェム」

「私、ラミリスさんが調停者だったの、ヴェルダナーヴァ様に教えてもらうまで全く知らなかったんですが」

 

 ラミリスさんが氷像のようにその動きを止め、ピクリとも動かなくなった。そして、恐る恐るといった様子で私の方に顔を向け、

 

「ヒェッ!」

 

 なんでだろう? 急にラミリスさんが怯え始めたが。そんなに怒っている様に見えるのだろうか? 

 

「アッアッアッ・・・・・・・ギャァァァアアア!!」

 

 その後、精霊の棲家には哀れな精霊女王の悲鳴が響き渡っていた。

 

 *******************

 

 送るものも決まったし、それを用意しないといけない。が、時間が結構掛かりそうだ。一応思念伝達で伝えておこうか。

 

(グリンドさん!)

(ノウェム? どうしたの?)

(結婚式の贈り物用意するの結構時間がかかりそうだから、みんなに上手く言っておいてくださいっ!)

(ちょっと!? まっt)

 

 これであっちはいいだろう。ヴェルグリンドに任せておけば安心だ。

 じゃあ贈り物の準備、全力でいきますか! 

 




転すら世界のこの時代に結婚式があるのかとかそういう疑問はそういう世界線だとご納得ください。

ギィ以外の原初って出す? どうでもいいが作者はテスタロッサが好き

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