転生した狐はメイドになる   作:くまんじゅう

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黎明

「ねぇね!!」

 

 私達三人の意見が一致してしばらくした後、ミザリーとレインも混ぜてダラダラとお茶会に勤しんでいると部屋の大扉が勢いよく開かれた。いや、開いたというよりも吹き飛ばしたと表現したほうが良いくらいに勢いよく開け放たれた。

 その光景に三人揃って目を丸くしていると物凄い勢いで私に向かって何かが飛来し、抱きついた。まあ、ミリムなのだが。

 

「ミリムちゃん。一先ず、これからはあの入り方やめましょうね」

 

 以前はそこまで大きな力を出せなかったが、憤怒之王(サタナエル)が覚醒した今となっては行動の一つ一つが災害となって仕舞いかねない。そんな風に思い、抱き着いたミリムに説教とも言えない小言を言う。

 ミリムは私の胸に顔をうずめたまま小さく「うん」と返事をした。元気がないのは、やはり友達を封印したことが堪えたからだろう。

 

 しかしミリムに聞いて貰わなければいけないこともあるので、一先ず私の膝上に座らせて後ろから抱き締めることにした。人獣形態の身長の関係上、大きくなったミリムを膝に載せるとミリムの頭上から私の目から上だけが出た非常に奇妙な状態になるのだが、まあいいだろう。

 

「ミリムちゃん。今からあのギィって云う赤い髪のおじさんがこれからについて説明するからよく聞いておいてね」

「分かったのだ」

 

 聞く体勢が一応は、本当に一応は整ったのでギィに話を促した。

 私がさり気なくギィをおじさんと言ったのが相当うけたらしく爆笑中のラミリスさんの周りには遮音結界を張っておこう。こういう時に空気を読んでスルーしてくれるギィは悪魔なのか疑わしくなる時があるほどに気が遣えると思う。

 

 

 

 ギィは私とラミリスさんにした説明を噛み砕いたものをミリムに伝えていた。途中私から補足もして概ね理解できたのだと思う。

 途中で思考を放棄した様子もあったがミリムは真剣に聞いていて、そこには素直に驚いた。頭が良く勘も鋭いのに少しだけアホの子の気があったミリムがと、思わず瞠目してしまった。

 

 

 

 

 結果的に、ミリムは魔王になることを承諾した。

 

 

 

 

 多分、ミリムは魔王とは言いながらも善行ばかりする魔王になると思う。

 物的被害は大きいかもしれないが、この子は好き好んで人を殺しはしないだろうし。それに、今でこそ落ち込んで入るが、永い時間が経てばまた無邪気に笑って未来の魔王達のムードメーカーになってくれるだろう。

 

「よし、決まりだな」

 

 ギィが声を掛けたと同時に、意図を察してラミリスさんにかけた遮音結界を解除する。ラミリスさんは未だに色々と騒いでいるが、まあ良いだろう。

 この場の全員が立ち上がり、耳を傾けた。

 

「ここに二人の魔王が誕生し、新たな時代が幕を開けた。新時代の到来を盛大に祝おうじゃないか」

 

 ギィの言葉に反応して、後ろに控えていたミザリーが紹介を始める。

 

「改めまして、魔王の御三方、及び証人の方をご紹介いたします。

 

 悪魔族(デーモン)暗黒皇帝(ロード・オブ・ダークネス)”ギィ・クリムゾン様

 妖精族(ピクシー)迷宮妖精(ラビリンス)”ラミリス様

 竜魔人(ドラゴノイド)破壊の暴君(デストロイ)”ミリム・ナーヴァ様

 星閻竜狐(ネビュラール)異邦の衡裁(エクイティ)”ノウェム様

 

 以上でございます」

 

 これは宣言、新たなる時代の幕開けの宣言だ。

 私は調停者としてそれの証人となり、見届け、世界に告げよう。

 

「調停者ノウェムの名に於いて、ここに新たなる魔王の戴冠を認めることを宣言します。発動───『世界宣告』」

 

《告。宣告を確認しました。対象──全生命体》

《告。全生命体へ通達します。今ここに、魔王三名の正式な戴冠が成されました》

《繰り返します。全生命体へ通達します。今ここに、魔王三名の正式な戴冠が成されました》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ──────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その日、世界は震えた

 先日の大破壊

 国一つと大陸の一部が砂漠と化したあの事件の直後に、世界が恐怖の存在の確立を───魔王の戴冠を認めたのだ

 

 ある者は天に救いを乞い願い

 ある者は未来に絶望し

 ある者は死に救いを求めた

 

 しかし、恐怖に震えないものもいた。

 

 宣告に笑みを深める始まりの勇者が

 彼とともにある紅蓮の竜が

 そして、失意の底にいた一人の少女が──勇者の卵がいた

 

 改めて言おう

 その日、世界は震えた

 

 しかし同時に、世界は変わった

 

 創世神話ではない新たなる時代─────

 

 

 

 

 

 

 

 

 ──────魔王と勇者の時代が、やってきたのだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ここに、一匹のスライムが現れるまで続く、長い永い時代の到来が告げられたのだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 *************************

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ワサワサシャクシャク

 深い深い森の奥、豊かな自然と澄んだ水が満ちた湖の畔に草木を踏みしめる音が交じる。

 

 パリパリワサワサ

 落ち葉も混じっていたのか、とても気持ちのいい音が鳴った。

 

 普段あまり取らない狐の姿で尻尾を体に巻き付けるようにして寝ているので、いつもとはまた違った心地よさがあり、音の主が近づくのも忘れて穏やかな秋の昼寝に勤しむ。

 眠っている間に周りに集まっていて、気づいてはいたけど別に良いかと放置していたリスやカモ、シカ、フクロウ、ウサギ、テン、キツツキなどの動物が、音の主に反応して散っていくのを感じる。

 

 私の様に真っ白な体毛をした狐はこの世界には生息していないし、私は一目で魔物だと分かる特徴があるから近づいてこないだろうと思っていたのだが、音の主は気にした様子もなく歩く速度を緩めない。もしかすると子狐のような体格にしているからだろうか? 

 

「つ〜か〜ま〜え〜た!」

 

 音の主はあろうことか両脇に手を入れて持ち上げてきた。

 これには流石に私も驚いて、漸く犯人に目を向け────驚愕に目を見開いた。

 

「こんにちは、狐ちゃん! 私は清水奈南、勇者をしてるの! よろしくね!」

 

 

 

 

 

 

 




短っ!!!
それに前回との温度差激しいな〜〜〜〜〜〜



やっとノウェムの種族名の呼び方と二つ名を出せました。
種族名はフランス語の「Nébuleuse(星雲」と「Renard(狐」からもじりました。
二つ名のエクイティは衡平法からです


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ステータス
 
名前:ノウェム
存在値∶3294万2467(+魔加五重)(+九曜)──2億0471万2335
種族:最上位聖魔霊──星閻竜狐ネビュラール
庇護∶星閻の庇護
称号:嚆矢の異世界人、調停者、審判者、真なる魔王、異邦の衡裁
魔法:<元素魔法><物理魔法><精霊魔法><上位精霊召喚><上位悪魔召喚><陰陽術><神聖魔法><核撃魔法><魔厭術><竜種魔法>
固有スキル:『万能変化』『万能感知』『竜霊覇気』『無限再生』
アルティメットスキル:『閻福之王ヘカテー』・・・思考加速、詠唱破棄、術理創造、法則支配、世界宣告、静寂、虚喰、胃袋
『虚飾之王アルコン』・・・霊知、隠匿、悪壊、属性変換、空間支配、物質創造、時空間操作
『知識之王ラファエル』・・・思考加速、解析鑑定、並列演算、詠唱破棄、森羅万象、多重結界、思念支配、統合分離、並列存在
『怨嗟之王イブリース』・・・魔加五重、激怒、鎮怒、死魔、失楽世界
耐性:『痛覚無効』『物理攻撃無効』『状態異常無効』『自然影響無効』『精神攻撃無効』『聖魔攻撃耐性』
保有武器:[九曜グラハ]

閑話として異世界人の話を2話書こうと思っていて、1話は決まっているんですが、あと1話が決まっていません。読みたい異世界人の話に投票お願いします。

  • 奴隷になり、買ったノウェムを信仰した少女
  • 日曜朝の変身ヒロインに憧れた少年
  • 手に入れた力に溺れた青年
  • 歓楽街で女帝と呼ばれた艶女
  • 聖女だったが転移後は魔女と呼ばれた少女
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