転生した狐はメイドになる   作:くまんじゅう

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変幻自在

 眠い・・・眠気がずっと襲ってきてる。

 ここはどこだ? ラミリスさんはどうしたんだ? 

 

 そんなことを考えている内に意識が覚醒してきた。

 目に写ったのは先程と変わらぬ森──ーではなく何処かしらの石造りの建物。

 えっ? 本当にここどこ??? 

 

「ここは精霊の棲家だよ、ノウェム」

 

 ラミリスさんがいつの間にか目の前に立っていた。

 

「もう、名付けした途端に低位活動状態(スリープモード)に入っちゃってびっくりしたのよさ」

「それはもう本当にすみません。それで自分、どれくらい寝てました?」

「一週間」

「・・・・・・・・今なんと?」

「だ・か・ら、あんたは一週間眠り続けてたの!」

 

 ・・・まじかぁ。つまり私、この世界で活動してた時間より眠ってた時間のほうが圧倒的に長いってことだよね・・・・まじかぁ

 

「あっ! そうだ、ラミリスさん。守ってくれた上に名付けまでしていただいて、本当にありがとうございます!」

「そんなに気にしなくていいよ。まあ、このラミリス様にかかればちょちょいのちょいってもんよ!」

 

 なんだろう、素直に感謝して得たものがラミリスさんが以外に残念な人かもしれないという情報だけって、悲しい。

 そんなの私の悲観をよそにラミリスさんは話を続ける。

 

「ねぇノウェム」

「何ですか?」

「あんたってこれからどうすんの?」

「これから、とは?」

 

 そう言うとラミリスさんは「あちゃ〜〜」とでも言わんばかりに残念なものを見る目で言った。

 

「これから、どうやって生きていくの?」

「あ・・・・・・・」

「その様子だと、やっぱり何も考えてなかったのね。転生して直ぐだし、仕方ないところもあるけど」

 

 うん、本当にどうしよう。この世界じゃ家なし、金なし、人権なしの三拍子揃っちゃってるからなぁ〜。あれ、思った以上にヤバい? 

 

「じゃあ、一旦ここ住む?」

「いいんですか!!」

「うん。ここ、私のスキル作られた空間だし、場所なら一杯あるからね」

 

 ラミリスさんって本当にいい精霊さんだ。転生してからこの人に頼りっぱなしな気がする。

 

「では一先ず、よろしくお願いします!」

 

 

 ***********************

 

 

 あの後、ラミリスと別れてから話に度々登場していた''スキル''というものを認識できないか試していた。たしか、転生するときに聞こえてきた声(世界の言葉というらしい)は『憤慨者』『無気者』『魔造者』『変信者』を獲得していたと言っていたはずだ。他はあまり覚えていないが、今はまあいい。

 しかし、スキルとはどうやって使えばいいのだろう

 

「一回言ってみるか。じゃあ、一番危険じゃなさそうなやつにしよう」

「は─────よしっ。スキル『変信者』発動」

 

 発動を意識した瞬間自分の中のスキルがどのようなものなのか、それをどう統合分離するか、という選択肢のようなものが浮かんだ。それによると私が持っているスキルは『人獣変化』『神通力』『超感覚』『陰陽道』『憤慨者』『無気者』『魔造者』『変信者』の計8個で、それぞれの能力はこんな感じらしい

 人獣変化:人・人獣・獣形態変化、擬態

 神通力:念動力、天候支配

 超感覚:五感強化、殺気感知、魔力感知

 陰陽道:陰陽術作成・使用

 憤慨者:激怒、魔素倍加

 無気者:多重結界、森羅万象

 魔造者:魔法作成、詠唱破棄

 変信者:統合分離、解析鑑定

 うん、ヤバい。大体ヤバいけど特にヤバいのが憤慨者の魔素倍加と変信者の統合分離。

 まず前提として、この世界では魔素が私のような魔物の活動源兼魔法発動の材料となっているらしい。この魔素倍加は自分が保有しているその魔素を一時的に倍にできるらしい。つまり、一時的に二倍強くなれるってこと。うん、ヤバい。そして統合分離、私が持っているスキルはこれを使って進化のような物ができるらしい。

 因みにこのスキルを認識できたのは解析鑑定を変信者が保有していたかららしい。ありがとう、変信者。

 

「ん? そういえばこの人獣変化ってスキル、もしかして人間になれる?」

 

 マジ? ・・・テンション上がってきたー!!! 

 狐の姿も可愛いけど人間の姿も恋しかったんだよ! 

 

「じゃあ早速、『人獣変化』!」

 

 スキルを発動すると体がどんどん変化していき、最終的に130cmくらいで収まった。

 魔力感知で自分を見てみると・・・・・・・うわぁ、可愛いな

 吸い込まれてしまいそうな程に深い濡羽色の長い髪に、血のように染まった猩々緋に輝く瞳、幼い故か柔らかく色白な肌に、元が狐だからか頭の上には狐耳、そして尾骶骨の辺りには尻尾が生えている。耳と尻尾はどちらも髪と同じ美しい濡羽色だ。

 

 なるほど、何も考えずに人獣変化をすると人獣形態になるらしい。では、人間形態はどうだろうと変化してみると、人獣形態とは姿形がまたガラッと変わっている。

 人間形態では身長が160cm程になり、腰まで届くくらいの鮮やかな亜麻色の髪に、すっと切れ長のクリームイエローの瞳、人獣形態と違い体が成長していてある程度胸がある。

 どちらかといえば人間形態は大人っぽいな。

 そして獣形態は安定の白い子狐。

 

 うん。やっぱり全部の姿が可愛い

 

 

 *********************

 

 

 その後、身体能力なども考慮して人獣形態になってから『変信者』を使い、能力の統合分離を行った。その結果がこれだ

 

 人獣変化+超感覚・・・・・『神獣化(バカスモノ)』万能変化、擬態、感覚強化、魔力感知

 神通力+陰陽道+魔造者・・・・・『陽魔造(マーリン)』術理創造、詠唱破棄、天候支配、念動力

 無気者+変信者・・・・・『信哲者(シリエタモノ)』解析鑑定、森羅万象、統合分離、多重結界、並列演算

 

 大分スッキリしたと思う、それに伴ってぶっ壊れ具合も増したが。しかし『憤慨者』は魔素倍加に変化を加えるのが恐ろしくてそのままにしてしまった。

 

「だけど、魔法がないとやっぱり強さに欠けるな・・・」

「だったら、あたしが教えてあげよっか? 魔法」

 

 悩んでいると、突然現れたラミリスさんがそんな提案をしてきた。

 

「わぁっ!? び、びっくりしたぁ〜。ラミリスさん、あんまり驚かせないでください!!」

「ああ〜〜〜ごめんごめん。というより、あんた人間みたいに成れたんだ」

「ええ、やろうと思ったらできました。それで、ラミリスさんは魔法が使えるんですか!?」

「失礼ねぇ。世界の法則を変えられる原初の魔法(プリミティマジック)だって使えるんだから!」

 

 なにそれ怖い。世界の法則を変えるって何? ラミリスさんってそんなヤバい人なの? 

 

「あの、ラミリスさんってどれくらい強いんですか?」

「へ? ま〜これでも精霊女王とかやってるから・・・・・世界で10番以内には入ると思うけど」

 

 ヤバイヤバイヤバイヤバイ。ラミリスさん、いやラミリス様は無茶苦茶ヤバい人だった。それに精霊女王って何!? でも、そんな人に庇護されている今の状況って結構理想的なのでは? それはそれとして───

 

「お願いしますラミリス様! 魔法を教えて下さい!」

「へっへ〜ん。任っせなさい!!」

 





 ステータス

 名前:ノウェム
 種族:幻竜狐
 加護:精霊女王の加護
 称号:嚆矢の異世界人
 魔法:なし
 技能:固有スキル『神獣化(バカスモノ)
 ユニークスキル『憤慨者(シャイタン)』『信哲者(シリエタモノ)』『陽魔造(マーリン)
 耐性:『痛覚無効』『轢過耐性』『熱変動耐性』『自然影響耐性』『状態異常耐性』『物理攻撃耐性』


これから少し時間が飛びます

主人公以外のオリキャラっている?

  • ノウェムだけでよろしっ!!
  • 大量納入で原作を壊せぇぇ!!
  • 一人くらいならぁ〜
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