転生した狐はメイドになる   作:くまんじゅう

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勇者

 ラミリスさんに魔法を教わり始めて5年がたった。

 魔法というのは意外と難解なもので、「スキルがあんな簡単に取れたんだから魔法も楽勝だろw」という私の慢心を粉々に砕き尽くし、凌辱した。私は一応、陽魔造というスキルを持っているから魔法を作るの自体は信哲者の演算能力を借りてしっかりとできたんだ。でも、私は魔法を使うという点において理解力がなかったらしい。

 そんな様子で魔法を一向に習得できない私に、ラミリスさんは殆どつきっきりで教えてくれた。・・・・優しすぎて依存しそう。

 

 というわけで、ラミリスさんの教えもあって私は3年で基本的な元素魔法から悪魔召喚や、精霊召喚、果には陽魔造のオリジナル魔法まで使いこなせるようになった。

 そして「次は陰陽術だ!」と意気込んだ私だったが、陰陽術は魔法とはまた勝手が違って、習得にまた2年ほどかかった。陰陽術は魔法とは違い、呪いや精神系に特化していたようで、魔法が外側から壊して陰陽術が内側から壊すというイメージが重要になってきた。

 恐らく今の陰陽術の腕前+魔素倍加を使ったなら一度に数万人は呪い殺せるだろう。

 

 そうして今日は魔法と陰陽術を混ぜた術式を開発しようとしていたのだが、精霊の棲家が何やら少し騒がしい。どうしたのだろうかと疑問に思っていた所になるラミリスさんが通りかかったので聞いてみた。

 

「あっ、ラミリスさん! 今日は精霊達が騒がしいですけど、何かあったんですか?」

「ノウェム! いいところに来たのよさ。勇者になりたいって奴が来たから充分な力を持っているか相手してほしいのよ!」

 

 勇者。前にラミリスさんは自分は勇者に加護を与える役割を担っていると言っていた。つまり、今回の役割はその勇者が勇者たるかの試験官というわけだ。

 

「あと、勇者には全力で戦ってほしいからただの魔物と思ってもらうためにノウェムは喋ったらダメだよ!」

 

 ・・・・・・・・・・・・・・・・え? 

 

 ***********************

 

 

「なあ、ほんとにこんな所に精霊女王がいんのか?」

「ヴェルダナーヴァ様が言っていたので間違いではないと思いますけど、ここまで廃れていると疑問に思ってしまうのも分かります。兄様」

「なら早く精霊の加護を貰ってこんな寂れた所から帰りましょう、ルドラ」

 

 精霊の棲家、その迷宮の回廊を3つの人影が並んで歩いていた。

 

 一人は稲穂のように黄金に輝く緋色の瞳を持つ自信に満ち溢れた男性

 一人は凪いだ海のような蒼の長髪に黄金の瞳を持ったチャイナドレスを着た女性

 一人は桜のような柔らかな桃色の長髪に男性と同じ緋色の瞳を持った優しそうな女性

 

 彼らは星王竜ヴェルダナーヴァに師事する勇者・ルドラと、その恋人ヴェルグリンドと妹のルシアだった。彼らは今回、師であり兄であるヴェルダナーヴァに助言され、精霊の棲家に勇者の資格、すなわち大精霊の加護を得るため訪れていた。

 

 彼らが迷宮を進んでいると、突然どこからともなく声が響いてきた。

 

『若き勇者よ、この先には試練が待っています。汝が真に勇者にならんとするのなら、己が力のみで困難に立ち向かいなさい』

 

「・・・試練? それにルドラだけでですって?」

「いいじゃねえか! 試練程度乗り越えなければ、俺の夢は叶わねえ。この試練、絶対に乗り越えてやる!」

「兄様。意気込むのはいいですけど、試練を乗り越えるためにちゃんと準備はしておいてくださいね」

「ああ!」

 

 そんな事を話しながら回廊を進んでいくと、目の前に大きな扉が見えてきた。

 

「雰囲気バッチリじゃねえか。よしっ、行くぞ!」

 

 そう言って扉を開き、扉の向こう側に入ると─────────────そこには、全長8mはあるのではないかという程に大きな白い狐が牙を剥き出しにして佇んでいた。

 




はい。遂に勇者+ストーカー+ミリムママの登場です

主人公以外のオリキャラっている?

  • ノウェムだけでよろしっ!!
  • 大量納入で原作を壊せぇぇ!!
  • 一人くらいならぁ〜
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